ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
631 / 764
二章

620話

しおりを挟む
 ジュリアスさまたちがやって来て一緒に屋敷に帰る。

 騎士団棟は早番遅番深夜番で警備担当が居る。彼らで対処出来ない何かあったら鐘が鳴る。
 今のところ、私が知ってる中では一番大きな鐘が鳴ったのはアンゼリカさまの帰還だったんじゃ?魔獣より恐れられてる。部隊連れて戻る時以外は警鐘鳴らしてないから、部隊が怖い?

 ジュリアスさま(&ジャスパー、アズライト)に魔馬デートっていう気分にはならない。なぜならみんな一緒だからー。
 でもいつもと違う一日、今日は良き日だよ。

 途中でアズライトの池が見えた。ここからでも水面の煌めきが綺麗だな。
 
「そう言えば池で大きなハサミを持つイェンゲのような生き物が獲れるようになったと報告があった」
「!?」
 それはちゃんとしたエビなのでは!?
 フナムシやダイオウグソクムシ型じゃなく、伊勢海老やオマール海老のような。
 手長エビもどきが出てたとは言え、プリプリボディのエビの方がテンション上がるよ。

 クラウスさまはイェンゲが好きだから食卓に出て来たら喜ぶね。

「まだ育ちそうだからしばらくは戻す事になった」
 ガーン!!エビフライやエビマヨの口になってたのに。
 でも大きく育っていっぱい子供産んでもらって取れ放題も最高だよ。

「大きな魚増えたよねー」
「食えないのが結構いるよー」
『そう言うではないの。水を綺麗にしたり小物が増えすぎない程度に食べてくれるから便利なのだの』
 ほほう。自然淘汰や食物連鎖がうまく言ってる感じ?

 ルークが静かだなぁと思ったら、少し後ろについてて、同乗のニーナと池を眺めて良い雰囲気。
 ぐぬぬ。私のニーナとイチャイチャしてる。普段そんなにラブな雰囲気ないのにさり気なく女性をもてなしてる。
 モテメンなんだよねぇ。

 私とニーナがいるからゆっくりめで進んで屋敷の門を潜った。
 馬車寄せに魔馬たちを停止させて、降ろしてもらうとジャスパーが私の腕からピョンと降りた。
 お義母さまが不在なので弾丸は無い。
 お祖母さまたちはまだ戻ってないらしい。

「おかえりなさいませ」

 ハロルド、セバスチャン、シエルが出迎えてくれて、アズライトがシエルの肩に移った。

 私たちは着替えに部屋に向かって、私はニーナに簡易ワンピースに着替えさせてもらって髪を軽く結んでもらった。

「食事の後のお風呂はどうなさいますか?」
 ラヴァたちにベロンされて、半日広場にいたので部屋風呂じゃなくて大風呂でゆったりしてはどうかっておすすめしてくれて、ジュリアスさまも「それがいいな」って言ってくれたので、大風呂予約ー!
 ニーナもお疲れ様なので、私のお世話はサラとメルに交代して早めに帰っていいよと伝えたら、少し逡巡して「ありがとうございます」って。ゆっくり休んでね。

 食堂に向かうとお祖父さまたちはお義父さまの潜っている池ダンジョンに入っちゃったので今日は戻ってこないだろうって。
 自由だなぁ。

「森で発散出来なかったんじゃないー?」
「今日はワイバーンたちが張り切って狩ったみたいだしー?」
 おお、お祖父さまが狙っていた場所までワイバーン行っちゃったのか?
 空からって射程範囲が凄いのねぇ。

「はいはーい!今日はナギのスープをアレンジしたラーメンよぉ~」
 それは辛そう。
 パンやサラダ、お肉もどんどん並べてくれる。お肉もスパイスたっぷりっぽい。

「私も騎士団棟ついて行けば良かったわぁ」
 ルルゥはバーベキュー祭りに参加できず拗ねてるらしい。
 恐ろしい嗅覚は離れまでは利いても騎士団棟までは利かないのね。さすがにその距離は人間離れしすぎる。

「ちょっと美味しいけど辛いー」
「丸ごとの実はやばいってー」
 一応ルルゥのアレンジが入ってるけど、ナギの本来の辛さらしい。

 私の分はかなりお優しめになってる。良かった。
 
「きゃん!」
『これは凄いの』
 シャムは辛いのは要らないみたいで、お肉にかぶりついてる。
 アズライトは、美味しそうにラーメンを啜って食べて、パバブサラダも食べる。
 口の中、おかしくならないのかな。

「く・・・」
 ジュリアスさまは自分のラーメンを食べてブルブル。お膝に乗せられてる私も一緒にブルブルしちゃう。

「これは今までで一番辛くないか?」
「そうかしらぁ?」
 もしかして今日連れて行かなかった意趣返しなのかしら?
 でもニックスとベンって厨房の主力何二人いないんだから、他のコックさんのためにもここにいてあげて。

「ナギ国の皆さんが帰りにお寄りになられる時までにナギ国のレベルで作り慣れないとでしょ?」
 みなさん、帰国前だと自国の味に飢えてるかなぁ?

「リーシャちゃん、騙されないでー」
「良いこと言ってる風だけど拗ねてるんだよー」

 やっぱり拗ねてた!

 セリウスさまとクラウスさまの唇がちょっと大きくなって赤いからセクシーな感じになった。
 私は思わずジュリアスさまのお口を確認。
 薄い唇がプルンとなってる!

 でも作るの禁止しないところを見るとみんなわりと好きなんだろうなぁ。辛いの。

 ポムたちもいたら喜んだろうな。

 お義母さまが戻るまで、お義父さまずっとダンジョンかなぁ?







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

処理中です...