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二章

620話

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 ジュリアスさまたちがやって来て一緒に屋敷に帰る。

 騎士団棟は早番遅番深夜番で警備担当が居る。彼らで対処出来ない何かあったら鐘が鳴る。
 今のところ、私が知ってる中では一番大きな鐘が鳴ったのはアンゼリカさまの帰還だったんじゃ?魔獣より恐れられてる。部隊連れて戻る時以外は警鐘鳴らしてないから、部隊が怖い?

 ジュリアスさま(&ジャスパー、アズライト)に魔馬デートっていう気分にはならない。なぜならみんな一緒だからー。
 でもいつもと違う一日、今日は良き日だよ。

 途中でアズライトの池が見えた。ここからでも水面の煌めきが綺麗だな。
 
「そう言えば池で大きなハサミを持つイェンゲのような生き物が獲れるようになったと報告があった」
「!?」
 それはちゃんとしたエビなのでは!?
 フナムシやダイオウグソクムシ型じゃなく、伊勢海老やオマール海老のような。
 手長エビもどきが出てたとは言え、プリプリボディのエビの方がテンション上がるよ。

 クラウスさまはイェンゲが好きだから食卓に出て来たら喜ぶね。

「まだ育ちそうだからしばらくは戻す事になった」
 ガーン!!エビフライやエビマヨの口になってたのに。
 でも大きく育っていっぱい子供産んでもらって取れ放題も最高だよ。

「大きな魚増えたよねー」
「食えないのが結構いるよー」
『そう言うではないの。水を綺麗にしたり小物が増えすぎない程度に食べてくれるから便利なのだの』
 ほほう。自然淘汰や食物連鎖がうまく言ってる感じ?

 ルークが静かだなぁと思ったら、少し後ろについてて、同乗のニーナと池を眺めて良い雰囲気。
 ぐぬぬ。私のニーナとイチャイチャしてる。普段そんなにラブな雰囲気ないのにさり気なく女性をもてなしてる。
 モテメンなんだよねぇ。

 私とニーナがいるからゆっくりめで進んで屋敷の門を潜った。
 馬車寄せに魔馬たちを停止させて、降ろしてもらうとジャスパーが私の腕からピョンと降りた。
 お義母さまが不在なので弾丸は無い。
 お祖母さまたちはまだ戻ってないらしい。

「おかえりなさいませ」

 ハロルド、セバスチャン、シエルが出迎えてくれて、アズライトがシエルの肩に移った。

 私たちは着替えに部屋に向かって、私はニーナに簡易ワンピースに着替えさせてもらって髪を軽く結んでもらった。

「食事の後のお風呂はどうなさいますか?」
 ラヴァたちにベロンされて、半日広場にいたので部屋風呂じゃなくて大風呂でゆったりしてはどうかっておすすめしてくれて、ジュリアスさまも「それがいいな」って言ってくれたので、大風呂予約ー!
 ニーナもお疲れ様なので、私のお世話はサラとメルに交代して早めに帰っていいよと伝えたら、少し逡巡して「ありがとうございます」って。ゆっくり休んでね。

 食堂に向かうとお祖父さまたちはお義父さまの潜っている池ダンジョンに入っちゃったので今日は戻ってこないだろうって。
 自由だなぁ。

「森で発散出来なかったんじゃないー?」
「今日はワイバーンたちが張り切って狩ったみたいだしー?」
 おお、お祖父さまが狙っていた場所までワイバーン行っちゃったのか?
 空からって射程範囲が凄いのねぇ。

「はいはーい!今日はナギのスープをアレンジしたラーメンよぉ~」
 それは辛そう。
 パンやサラダ、お肉もどんどん並べてくれる。お肉もスパイスたっぷりっぽい。

「私も騎士団棟ついて行けば良かったわぁ」
 ルルゥはバーベキュー祭りに参加できず拗ねてるらしい。
 恐ろしい嗅覚は離れまでは利いても騎士団棟までは利かないのね。さすがにその距離は人間離れしすぎる。

「ちょっと美味しいけど辛いー」
「丸ごとの実はやばいってー」
 一応ルルゥのアレンジが入ってるけど、ナギの本来の辛さらしい。

 私の分はかなりお優しめになってる。良かった。
 
「きゃん!」
『これは凄いの』
 シャムは辛いのは要らないみたいで、お肉にかぶりついてる。
 アズライトは、美味しそうにラーメンを啜って食べて、パバブサラダも食べる。
 口の中、おかしくならないのかな。

「く・・・」
 ジュリアスさまは自分のラーメンを食べてブルブル。お膝に乗せられてる私も一緒にブルブルしちゃう。

「これは今までで一番辛くないか?」
「そうかしらぁ?」
 もしかして今日連れて行かなかった意趣返しなのかしら?
 でもニックスとベンって厨房の主力何二人いないんだから、他のコックさんのためにもここにいてあげて。

「ナギ国の皆さんが帰りにお寄りになられる時までにナギ国のレベルで作り慣れないとでしょ?」
 みなさん、帰国前だと自国の味に飢えてるかなぁ?

「リーシャちゃん、騙されないでー」
「良いこと言ってる風だけど拗ねてるんだよー」

 やっぱり拗ねてた!

 セリウスさまとクラウスさまの唇がちょっと大きくなって赤いからセクシーな感じになった。
 私は思わずジュリアスさまのお口を確認。
 薄い唇がプルンとなってる!

 でも作るの禁止しないところを見るとみんなわりと好きなんだろうなぁ。辛いの。

 ポムたちもいたら喜んだろうな。

 お義母さまが戻るまで、お義父さまずっとダンジョンかなぁ?







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