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二章
617話
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マギー先生とロジャー先生は超再生ポーションの検証をするとか言って盛り上がっている。
人工皮膚培養するより手っ取り早い薬ってすごいねぇ。抉れた肉も再生したのに傷は治らないのほんと不思議だなぁ。
健診と報告が済んで、お昼までは時間を潰すようにとニーナとアランとジェイクで、ラヴァたちがいる厩舎前の広場に向かった。
大半は自分の巣で過ごしていて呼ばれたら来るんだけど、オヤツやお手入れ遠目当てで居座ったり、自分の主人が大好き過ぎていつでも会える厩舎に済んでる子とかいろんな子がいるらしい。
「グルギャーーーーォーーーーン」
「「「グルギャオーーーーーォォーーン」」」
私たちが広場の柵に入ると休んでいた子たちが起き出して遠吠えを始めた。
「なんで!?」
大きな声で同じ方向を見ているワイバーンたち。
『主が遊びに来たと仲間を呼んでおるのう』
「あ!ラヴァたち呼んでるんだ」
厩舎の方も騒がしくなって、ドシンドシンとこちらにワイバーンが走ってくる。
ありゃりゃ。担当の騎士さんたちが追いかけて来てるよ。
「リーシャさま!」
「若奥様!?」
ルークってば連絡してくれなかったのか。
「ごめんなさいね。お昼まではここで待っているように言われたものですから」
なるべく夫人っぽく見えるように他所行きのお義母さまのように振る舞ってみる。
「いいえ!ようこそ。お足元が荒れておりますので敷物を用意して来ます」
「あら、良いのよ。どうせベチャベチャにされるから」
まとめて〈洗浄〉しちゃうので気にしなーい。
「それより彼らのお昼ご飯が早くなっちゃうけど私があげたいわ。良いかしら?」
「あいつらが喜ぶんでお願いします!!」
「用意して来ます」
やったー♪
「お願いね?」
首を傾げ過ぎないように、目は相手をしっかり見つめる。お義母さまぽく出来てるかしら?
「ニーナ?お義母さまっぽくやれてる?お上品??」
「まだ気品が足りていませんが普段のリーシャさまより大人っぽくは見えます」
『主には湿気が足りないのだの』
ニーナがルークに毒されて辛口になってる!!悲しい!
気品って生まれながらに侯爵令嬢のお義母さまに敵うわけないでしょ!プンスコ!
アズライトも湿気って何よ。色気のこと!?艶っぽいとか言いなさいよ!
お胸と腰のくびれとお尻がないのに色気なんか出ないもん!
お義母さまっぽくはまだ早かったのか。私も奥様なのにぃ。
「ギャーオ」
「ギュアー」
影が私たちを覆って、バサバサッと大きな風が起こって、大きなワイバーンたちが降りてくる。
「ギャイー」
「グギャーオ」
ラヴァやジュエル、ルージュが私を見て喜びの声をあげている。
可愛いかよ!!
大きな・・・魔獣かなぁ?みんな口に咥えて来たナニカをどんどん山のように積んでる。
『ほう、ずいぶん短い時間で狩りをして来たようだの』
マジですか。遠吠えから十分もかかってないくない?
ラヴァたちは、近くまで来て首を下ろしてくれたので抱きついてワシワシッと順番に撫でるとそれぞれベローンと鼻ちゅ。
さっきの獲物のことは忘れて無心よ!
生臭いけどみんな可愛くて良い手触り。たまにしか触れない感触を楽しむ。
キリンと一緒(触ったことはないけど)で長い首がすんごい筋肉質。
「ギャギャ」
「ギャゥウ」
「ギュオオ」
ラヴァたちが何か私に話しかけてる。
『嫁小さい。ご飯採ってきた。一緒に食べようと言っておるの』
ぬお!?あの狩り立てピッチピチを今から食べるの?
「えーと、ここのコックさんたち、あれだけの量を今から解体してくれるかなぁ??」
「「出来ます!!我々総動員で捌きますんで」」
あ、騎士さんたちは普通に解体できるんだった。
「ラヴァ!あれここのみんなで食べるので良いかな?」
「ギャ!ギャオゥギャウギャ」
首を縦に振ってるので良さげ。
『みんなで嬉しい!一緒いいね!と言っておるの』
「一緒楽しいね」
首を撫でていると私に目の横を掻いてってグイッと押し付ける。その行動はニャンコやワンコみたい。
「ピーーー」
騎士さんが笛を吹いた。
「集合をかけている音ですね」
ほほう。普通に笛使うんだね。
「緊急ではないのでソフトな音です」
指笛や魔力弾、ドラとそれぞれ意味があるんだそう。
「ギャオオーーーーン」
また遠吠えって思ったら今度は主人を呼んでいるんだそう。
「何事ですか」
「どうした、リーシャ」
『みんなご機嫌なんだぞ』
たくさん騎士さんたちが広場に集まってきて、ジュリアスさまとルークが出てきた。
「ラヴァたちがお昼を一緒に食べたいと狩りをしてきてくれたので解体して欲しいなってことなんです」
山になってる場所を指差して説明した。
「ああ、リーシャ様は本当に好かれていますね。この可能性を忘れていました」
自分たちのご飯を分けてくれるの優しいよねぇ。
主人以外に貢ぐことはほぼないらしいのに、顔を見せるときはわりとプレゼントくれる。
「仕方ありませんね。昼はここで食べましょうか」
「そうだな」
『やったなんだぞ~♪』
お昼は急遽バーベキュー大会になってしまったよ。
人工皮膚培養するより手っ取り早い薬ってすごいねぇ。抉れた肉も再生したのに傷は治らないのほんと不思議だなぁ。
健診と報告が済んで、お昼までは時間を潰すようにとニーナとアランとジェイクで、ラヴァたちがいる厩舎前の広場に向かった。
大半は自分の巣で過ごしていて呼ばれたら来るんだけど、オヤツやお手入れ遠目当てで居座ったり、自分の主人が大好き過ぎていつでも会える厩舎に済んでる子とかいろんな子がいるらしい。
「グルギャーーーーォーーーーン」
「「「グルギャオーーーーーォォーーン」」」
私たちが広場の柵に入ると休んでいた子たちが起き出して遠吠えを始めた。
「なんで!?」
大きな声で同じ方向を見ているワイバーンたち。
『主が遊びに来たと仲間を呼んでおるのう』
「あ!ラヴァたち呼んでるんだ」
厩舎の方も騒がしくなって、ドシンドシンとこちらにワイバーンが走ってくる。
ありゃりゃ。担当の騎士さんたちが追いかけて来てるよ。
「リーシャさま!」
「若奥様!?」
ルークってば連絡してくれなかったのか。
「ごめんなさいね。お昼まではここで待っているように言われたものですから」
なるべく夫人っぽく見えるように他所行きのお義母さまのように振る舞ってみる。
「いいえ!ようこそ。お足元が荒れておりますので敷物を用意して来ます」
「あら、良いのよ。どうせベチャベチャにされるから」
まとめて〈洗浄〉しちゃうので気にしなーい。
「それより彼らのお昼ご飯が早くなっちゃうけど私があげたいわ。良いかしら?」
「あいつらが喜ぶんでお願いします!!」
「用意して来ます」
やったー♪
「お願いね?」
首を傾げ過ぎないように、目は相手をしっかり見つめる。お義母さまぽく出来てるかしら?
「ニーナ?お義母さまっぽくやれてる?お上品??」
「まだ気品が足りていませんが普段のリーシャさまより大人っぽくは見えます」
『主には湿気が足りないのだの』
ニーナがルークに毒されて辛口になってる!!悲しい!
気品って生まれながらに侯爵令嬢のお義母さまに敵うわけないでしょ!プンスコ!
アズライトも湿気って何よ。色気のこと!?艶っぽいとか言いなさいよ!
お胸と腰のくびれとお尻がないのに色気なんか出ないもん!
お義母さまっぽくはまだ早かったのか。私も奥様なのにぃ。
「ギャーオ」
「ギュアー」
影が私たちを覆って、バサバサッと大きな風が起こって、大きなワイバーンたちが降りてくる。
「ギャイー」
「グギャーオ」
ラヴァやジュエル、ルージュが私を見て喜びの声をあげている。
可愛いかよ!!
大きな・・・魔獣かなぁ?みんな口に咥えて来たナニカをどんどん山のように積んでる。
『ほう、ずいぶん短い時間で狩りをして来たようだの』
マジですか。遠吠えから十分もかかってないくない?
ラヴァたちは、近くまで来て首を下ろしてくれたので抱きついてワシワシッと順番に撫でるとそれぞれベローンと鼻ちゅ。
さっきの獲物のことは忘れて無心よ!
生臭いけどみんな可愛くて良い手触り。たまにしか触れない感触を楽しむ。
キリンと一緒(触ったことはないけど)で長い首がすんごい筋肉質。
「ギャギャ」
「ギャゥウ」
「ギュオオ」
ラヴァたちが何か私に話しかけてる。
『嫁小さい。ご飯採ってきた。一緒に食べようと言っておるの』
ぬお!?あの狩り立てピッチピチを今から食べるの?
「えーと、ここのコックさんたち、あれだけの量を今から解体してくれるかなぁ??」
「「出来ます!!我々総動員で捌きますんで」」
あ、騎士さんたちは普通に解体できるんだった。
「ラヴァ!あれここのみんなで食べるので良いかな?」
「ギャ!ギャオゥギャウギャ」
首を縦に振ってるので良さげ。
『みんなで嬉しい!一緒いいね!と言っておるの』
「一緒楽しいね」
首を撫でていると私に目の横を掻いてってグイッと押し付ける。その行動はニャンコやワンコみたい。
「ピーーー」
騎士さんが笛を吹いた。
「集合をかけている音ですね」
ほほう。普通に笛使うんだね。
「緊急ではないのでソフトな音です」
指笛や魔力弾、ドラとそれぞれ意味があるんだそう。
「ギャオオーーーーン」
また遠吠えって思ったら今度は主人を呼んでいるんだそう。
「何事ですか」
「どうした、リーシャ」
『みんなご機嫌なんだぞ』
たくさん騎士さんたちが広場に集まってきて、ジュリアスさまとルークが出てきた。
「ラヴァたちがお昼を一緒に食べたいと狩りをしてきてくれたので解体して欲しいなってことなんです」
山になってる場所を指差して説明した。
「ああ、リーシャ様は本当に好かれていますね。この可能性を忘れていました」
自分たちのご飯を分けてくれるの優しいよねぇ。
主人以外に貢ぐことはほぼないらしいのに、顔を見せるときはわりとプレゼントくれる。
「仕方ありませんね。昼はここで食べましょうか」
「そうだな」
『やったなんだぞ~♪』
お昼は急遽バーベキュー大会になってしまったよ。
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