ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

602話

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 庭と門前、離れ、アズライトの池までの道までずっと宴会場になってるそうだ。盛大過ぎぃ。
 今日の宴会に参加する騎士さんや従者さんも続々揃って、居住区の家族も参加だって。アズライトのナワバリ化で危険度が下がってるから一般(?)の住民でも安心して飲めるだろうって。
 グレーデンの民、多少の危険は気にしなそうだけど、さすがに超危険区(屋敷周辺から魔の森)には不安を感じてるんだそう。
 
 ラヴァたちがジュリアスさまたちの会話で宴会をするのを知って、絶対行くって言い張ったので、アズライトの池(湖だけどみんな池のまま言い換えないよ)で遊びながら、ご飯も食べるってことになって、大喜びだそう。
 楽しむのは良いと思うんだけど、何頭も暴れたら池の周りの宴会場びっしゃびっしゃになるよ!

 私は寝る前に精霊樹にお供えに行きたいので、宴会の後半はラヴァたちと少し遊びたいなってジュリアスさまに伝えたら「それが良い」って決定した。隣で聞いていたシエルも嬉しそう。
「シエル、一緒に行こうね」
「はい!」
 
 さて!やっと準備が整って王妃さまが登場です。

 って王妃さまがシャイニング!!
 ホラーじゃなくて言葉通り光ってる。
 
 バーベキューなのに私に良い格好させて、三兄弟とルークもお着替えタイム作ったのは王妃さまがスペシャルエステ受けてたからだ!!
 王妃さまがお肌も髪もさっきご挨拶した時よりペカペカになってるー!!

 お義母さまは息子たちをカッコ良くして満足で、王妃さまも日頃の鬱憤が晴れて幸せで良かったです。
 
「お待たせしてしまったかしら?」
「「「いいえ」」」
 グレーデン家、王様には遠慮ないけど、さすがに王妃さまには一目置いてるかな。
 それでもだいぶ砕けてると思うけど。

「では!王妃陛下のご来訪と久しぶりに我が家族が揃ったことを祝して宴を始めようか」
「「「「おおおおおお!!」」」」
「みんな、今日は酒がたくさんあるぞ!遠慮なく飲むが良いぞぅ」
「「「「ワァアアアアアア」」」」
 野太い声に混じって女性の声も!飲む気満々の女性がいるのは嬉しい。

 ジュリアスさまの開宴の言葉で雄叫びが上がって、その声がさらに奥、その奥と広がって行く。
 
 コックさんたちと騎士さんたちが次々出来上がった料理をどんどん運んで並べて、樽のお酒をどんどん注いで配って行く。

「まぁまぁ!!こんなに迫力のある宴は初めてよ!すごいわ!」
 王妃さまが楽しそうにドレスの裾を跳ねさせてる。淑女の鑑のような姿しか見たことないから意外にお転婆っぽいの親近感が湧いちゃう。

 ポムたちもテーブルの一角を陣取って、すでに早食い競争になってる。
 初参加のシャムは「宴ってすごい」って感じでポムとティムの真似をしようと必死に食べてる。
 ディディエとアズライトはお肉付き骨(骨付き肉じゃなくて骨が主役)を喜んでる。
 お祖父さまが狩ってきた魔素たっぷり大物魔獣の骨らしい。骨も好きだったのかとちょっとびっくり。

 ってその大物魔獣ってなんですか!?

 ヒッポグリフとバジリスクとかオルトロスとか色々言われるけど、私の前に出されるのは肉か素材なので「なんかすごそう」と思うけど、どれくらい強いランクかってイマイチわからない。
 でも騎士さんたちが盛り上がってるのでだいぶ強いはず。
 王妃さまも「凄いのね?」って感じなので実感が湧かないのは普通なはず。
 ただお肉や牙、素材の大きさもかなりなので「超大物」って言うのはわかる。

「お祖父様、かなり奥に入りましたね?」
 ジュリアスさまが聞くと、
「クラウスがサーペントが食べたいというからな!どうせならキングかカイザーが良いと思ってな!!」
って、ザイルさんと頷き合ってる。
「ブルーやブラックで十分美味しいですよ」
 キングかカイザーはオスだよね?
 卵いっぱいくれたりしないよねってドキドキしちゃうよ。
 まだサーペントも百目もうなされるほどあるから本当に持って来ないで欲しい。
 それかもう卵は売るか、食べるかしてね!!
 
「孫が望むのなら最高のものをと思うのがジジババの心意気というもの」

 普通のジジババは最強種を狩れないです。
 多分狩ができても鹿とかウサギ。

「残念ながらシルバーサーペントしか出なかったから!アズライトに頼んで追い込みをかけてヒッポグリフたちを狩れたのだ!!でもライデンに叱られてしまった!」
 ワハハハハ!!
 森の聖獣怒らせちゃてる!?
『寝ていたのを起こして倒したからの』
 最強種寝てた!!
『いずれ起きて暴れるのだから別に我らが食べたい時に狩っても良かろうよの』
 それはアズライトやお祖父さまたちが強いから言えるだけだよ。
 
「ポムが獲物の周りの土壁を出してくれたりしてかなり楽な狩だったよ」
 お祖母さまも愉快愉快って笑ってる。
 その強い魔獣は狩じゃなくて討伐っていうんじゃ。
 スケールが違いすぎると思うの。

「まぁ次の調査がだいぶ楽になりそうですね」
 
 起きて出てきて倒されることと、寝てる時に叩き起こされて倒されるのって一緒かなぁ?

 ルルゥは留守の間ルルゥの味に飢えた侍従侍女さんたちに囲まれちゃってる。
 助けに行けないけど頑張って!!

「順番に回りながら池に向かうか?」
「はい」
 ポムたちに声をかけ、シエルとアズライトを連れて、ニーナとルーク、アランとジェイク、そしてディディエは精霊樹の元に行くならとルルゥを見捨てた。かなり申し訳なさそうだったけど。

 離れまでの間に「リーシャさま、おかえりなさい」とか「お待ちしておりました」とか声をかけてもらえた。
 ポムたちのことを神の使いくらい崇めている勢もいて、ポムたちを褒めて讃えるから、ポムたちが帽子やリボンを見せ付ける格好で「もっと褒めろ」ってやるもんだからなかなか先に進めなかったよ。

 私たちの後ろに続いて、王妃さまとお義母さま、お義父さまもやってきてさらに大騒ぎ。

「生きている間に王妃さまと会えるなんて」
って声が聞こえて来て、グレーデンから出たことない人達にとっての王族って、神さまくらい尊いんだって思った。
 でもおそらくお忍びの王様は何度も見れてるんだよ。知ったらびっくりだね。



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