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二章

598話

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 心がお祭りモードになっちゃたセリウスさまとクラウスさまを連れて、ジュリアスさまはご出勤。
 お祖父たちはライデンがいる魔の森で大物狩ってくるそう。
 アズライト、ポム、ティム、ディディエがやる気満々だ。
 セリウスさまと出かけたとばかり思っていたシャムも「きゃーん」とお祖父さまの肩でフンスとやってる。

「いってらっしゃいませ」

 ドーリさんたち元騎士さんたちも、
「リーシャさまの酒が頂けるとあらば、目一杯の食材を手に入れてきます」
って、池(湖)ダンジョンに行っちゃった。

「しばらくリーシャさまがいらっしゃらなかったのでみんな嬉しいんですよ」
 セバスチャンがそう言って屋敷中の侍従侍女さんを呼ぶ。

「大旦那さまと大奥さまのお出迎えと宴の準備です!皆さんやりますよ」

「「「「はい!!!」」」」

 屋敷が揺れた気がするよ。みんな気合い入りすぎ。

「ほほ、セバスチャンがやる気だと私は楽ですねぇ」
 ハロルドが楽と言いつつ、
「さて私は大旦那さまのお仕事の振り分けを確認してきますか」
って、帰還したお義父さまにしっかりお仕事を用意するらしい。
 執事はみんなドSじゃ無いと優秀になれないのかも。だって大事な主人の尻を叩いて真っ当な仕事運びをさせないとだもの。

 シエルは今日はセバスチャンの補佐をするとのこと。

 ・・・シエルがドSになるのは悲しいな。程々でお願いします。

 私は宴に出すお酒のチェックのために離れに向かうことに。

 ニーナとジェイクとで歩くとやっぱ畑が圧巻過ぎて。

 屋敷の周りは遠慮してるけど、離れ周りと池までの道のサイドはどんどん広がってる。

 多分遠くから見たら、日本の観光名所のひまわり畑やネモフィラ畑くらい壮観で見事な景色だ。

 「畑用の人員は足りてるのかしら」と一瞬思ったんだけど、ティムとディディエが風魔法で薙ぎ払って、ポムが土起こし出来るからお手入れは楽かも知れない。
 マジックバッグは大容量だし、今はシャムがいるからさらに空間魔法が使えちゃう。
 
「こちら側の畑が酒工場や焼き菓子工場付近まで広がって、材料が入手し放題で工場を増築か少し離れた場所に一棟増やすか検討中だそうです」

 ファァー!?

 工場は居住区に近めでここからは少し離れてる場所にあるよね!!
 どんだけ広げてるの!!!

 ニーナ、帰ったばっかでもう情報仕入れてる。優秀な侍女だよ。
 ルーク情報かな。

 マイ酒蔵に三人で入ろうと思ったらケビンがいた。

「リーシャさま!お久しぶりです」
「ケビン、いつも管理をありがとう」

 タンクの洗浄と次の素材を入れてたみたい。

「こちらが先ほど詰めた分です」

 大樽五樽分。
 そう言えば、私は持たないからうっかりだけど重いよね。詰める時、アランとジェイクか、ルルゥがしてくれてたから気にしたことなかった。

「一人だと大変だよね?気が付かなくてごめんなさい」
「いやー!なんのこれくらい。畑の肥料とそう変わらんです」
 う!腕力筋力の基準グレーデンだった。

「そうなの?人手が必要だったら誰か呼んで良いし、ハロルドに相談しても良いから」
「なんの!!俺はまだまだイケるんで」

 ニコニコ上腕二頭筋をムキッとさせるケビン。ここで無理に人増やすと傷つけそうなのでひいた。

「聞いていると思うけど、今夜は宴会でここのお酒出すから手伝ってくれる」
「はい」

 そんなわけでみんなに出すお酒を酒蔵の外に出す。
 五十樽くらいで良いかな。
 工場からも来るしね。
 運ぶのはケビンがマジックバッグで運ぶと言うのでお任せした。

 ついでにご進物とかお土産用に瓶詰めもしておこうか?
 王様たちやマーベルハント家、アーロンお兄さま、ホーン家、リュフェリー家と王都行きの間に泊めてもらったお家とかにもいるかな。

 良い香りだな。

「あ!精霊王様にお供えしないと!!」

 しばらく行ってない。
 アズライトが定期的にやってるだろうけど、それはそれだよね。

「アズライトたちは今日は出掛けているので明日一緒に行かれては」
 ニーナの提案にもっともだと思ったので、準備だけ。

 お菓子とかはルルゥに言わないと。

 お昼になったのでケビンと別れて、本邸に戻る。

 厨房も庭も大騒ぎだ。

「リーシャちゃん、何か目玉料理提案してちょうだい~」

 ルルゥが私用に少量の昼食を運んできた。

「えー、から甘いソースの唐揚げとか??」

 砂糖と醤油とミリンもどきのと、プラスで酒に辛い実をきざんで、りんごすりおろしと生姜と玉ねぎ刻んだの。
 ミリンはナギのもどきもだけど。

「あら美味しそうね」
  
 お祖父さまたちが何持って帰ってきてくれるかな。

 丸焼きとピザは絶対だから、ソース類は色々用意してもらいたい。
 デザートもチョコバナナとか屋台っぽいのを出してもらおう。

 ルルゥは私が希望を言うとスキップで厨房に戻った。

 もう目新しいメニューはほんと思い浮かばないよ。ご勘弁して。

 昼食を食べて、食後のデザートにアップルパイ。

 みんなが忙しなくしてる中、一人でご飯だよ。お家にいるのにポムたちに邪魔されない。

 紅茶を飲み終わった頃に、ハロルドからもう少しでお義父さまたちが到着すると知らされた。
 お出迎えのために転移陣の塔に向かった。




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