608 / 764
二章
597話
しおりを挟む
ふくふく~。
む・・・っちりー。
気持ちいい感触で目が覚めた。
ジュリアスさまとジャスパーでサンドイッチは天国だよ。
幸せだ。しばし私の幸せを噛み締めてる。
ジャスパーが私の背中でふみふみ始めた。
こしょばゆい。
『それは我のお肉なんだぞ』
何の夢見てるんだ。
「んー」
ジュリアスさまが少し寝ぼけた声でぼんやりしてる。
おヒゲがちょっぴり生えてるのでジョリジョリしてみると顔を捻った。
「リーシャ?」
「おはよう、ジュリアスさま」
「イタズラっ子は誰だ」
私の頬でジョリジョリ。
痛くないけどこそばい!!
そのままハグとキス。
いつの間にか起きたジャスパーも参戦の頬擦り。マズルは可愛いからずるいよ。
「あー、毎日起きたらリーシャがいるのが良い」
「あはは、私もです」
ジュリアスさまが着替えのためにベルを鳴らす。
もちろん今日はニーナが来てくれる。
もう少し休んでも良いんだけど固辞されるからね。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう。ニーナ」
ジュリアスさまが私をニーナに預けて自分の着替え。
「リーシャさま、なぜ頭が爆発です?」
「あ、ジャスパーにされたの」
ニーナが一瞬すごく羨まし気な顔をした。
「それは大変でしたね」
取り繕われた。
今日はお義母さまたちが戻る予定なので少し良いドレスを着る。
お昼までは簡易ワンピースでも良いんだけど、予定が早くなる場合も考慮。
「大奥様は可愛いのがお好きなので今日はこうしましょう」
薄いピンクのレースたっぷり、足首までのドレスにツインテール、巻き多めで大きいリボン。
靴も上底で可愛いやつ。
前にマダム・シフォンに色々デザイン渡した中の一つ。
ニーナが虎視眈々と着せる場面を狙ってたのね。
しかも付属品にフリル傘とハート型バッグって言う。
これは姫ロリ状態。
メグミだと公開処刑のやつ。
喜んで良いのかリーシャには鬼可愛い。
着替えが終わったジュリアスさまの顔が少し悶絶風味。
頑張って崩れないように耐えてる。
耐えなくても良いんだよ。
「ジャスパー、ちょっとこれ着けてリーシャさまに抱っこされてくれませんか?」
『ん!!!良いんだぞ』
ニーナにレースとリボンで装飾された帽子と首にリボンを巻かれてから、持ち上げられて私の腕に収まるジャスパー。
いつの間に従魔用作ってたの。
鏡越しに見れば、私もジャスパーもめっちゃラブリー!!
ニーナってば自分でやらせておいてプルプル。感動して鼻息が。
どんどんニーナが可愛い中毒悪化してる。
『我の愛らしさが罪深いんだぞ』
私の腕の中で得意げ。何この小悪魔。
「さあ、食事に行こうか」
傘とバッグはニーナが預かってくれて、ジャスパーと私を抱き上げるジュリアスさま。
ニーナがそっと扉を開けて、先導してくれる。
廊下にはジェイクが待機してて、私たちのラブっぷりをほんのりニヤニヤ。
いつか彼女と一緒のとこ見てやるんだから。
食堂に行くとお祖父さまとお祖母さまたちが座ってて、
「おや、おはよう。リーシャちゃん、可愛いドレスだね」
「色気のあるドレスとは違ってまた良いものだな」
色気が無くてすみません!
ジュリアスさまはジャスパーをテーブルの専用位置に置いて、私は膝抱っこ。
「おはようー」
「おはよ~」
セリウスさまとクラウスさまが入ってきて座る。
なぜかポムたちがクラウスさまの形に乗ってる。
セリウスさまはシャムを頭に乗せてアズライトを腕に抱いてる。
「あー、母上がマダムと騒いでたやつだねー」
「僕なんか男物の方着てみろって迫られたー」
いつの間に。
メンズのゴスロリも作ったんだ。ちょっと見たい。
じっとジュリアスさまを見ると、
「俺はレースは似合わないぞ」
って首を振られた。
レースは何もフリフリだけじゃないよ。
「カッコいいのデザインしますから」
「それなら良い・・・のか?」
困った顔をしてる。
「カッコいいなら僕も着るよー」
クラウスさま、どんな衣装出されたの?
マダムも王都まで同行してたからしばらくはお休みかな。お義母さまにお願いして次来てくれた時に相談しよう。
みんな揃ったので朝食開始。
今日はパスタだ。生ハムとアボカドみたいなのが載ってる。アボカドみたいな実はポムが植えた種の一つから採れたそう。
ねっとりだけど、ほんのりミカンの香りでわりと好き。
私はこれだけで満足なんだけど、みんなはコーンスープにパンとお肉も盛り盛り。
「今夜は外で食べるよー」
「父上が準備しておけって~」
「王都行きで着いて行った方も残った方も大変だったろうから無礼講でやろうさ」
「プッキュー」
「モッキューン」
「きゃん!」
お祭り好きばっかりなので、従者さんも厨房からも歓喜の声が響く。
「工場からエールもウィスキーもいっぱい出していいってさー」
と、言いながらも私に集まる視線。
「私の酒蔵からも出します」
ケビンが休みなく増やしてくれてたからいっぱいあるよ。
「そう来なくっちゃね」
お祖母さまがガッツポーズした。多分マギー先生としこたま飲む。
「やったぜ」
スピネルさんがザイルさんに持ち上げられてる。一人で胴上げする腕力。
お義母さまたちが戻ってきてみんな揃うのも嬉しいし、私も楽しみ。
「・・・準備はセバスチャンに任せるからセリウスとクラウスは仕事だぞ」
「「えー!」」
あ、サボれそうと思ってたのね。
む・・・っちりー。
気持ちいい感触で目が覚めた。
ジュリアスさまとジャスパーでサンドイッチは天国だよ。
幸せだ。しばし私の幸せを噛み締めてる。
ジャスパーが私の背中でふみふみ始めた。
こしょばゆい。
『それは我のお肉なんだぞ』
何の夢見てるんだ。
「んー」
ジュリアスさまが少し寝ぼけた声でぼんやりしてる。
おヒゲがちょっぴり生えてるのでジョリジョリしてみると顔を捻った。
「リーシャ?」
「おはよう、ジュリアスさま」
「イタズラっ子は誰だ」
私の頬でジョリジョリ。
痛くないけどこそばい!!
そのままハグとキス。
いつの間にか起きたジャスパーも参戦の頬擦り。マズルは可愛いからずるいよ。
「あー、毎日起きたらリーシャがいるのが良い」
「あはは、私もです」
ジュリアスさまが着替えのためにベルを鳴らす。
もちろん今日はニーナが来てくれる。
もう少し休んでも良いんだけど固辞されるからね。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう。ニーナ」
ジュリアスさまが私をニーナに預けて自分の着替え。
「リーシャさま、なぜ頭が爆発です?」
「あ、ジャスパーにされたの」
ニーナが一瞬すごく羨まし気な顔をした。
「それは大変でしたね」
取り繕われた。
今日はお義母さまたちが戻る予定なので少し良いドレスを着る。
お昼までは簡易ワンピースでも良いんだけど、予定が早くなる場合も考慮。
「大奥様は可愛いのがお好きなので今日はこうしましょう」
薄いピンクのレースたっぷり、足首までのドレスにツインテール、巻き多めで大きいリボン。
靴も上底で可愛いやつ。
前にマダム・シフォンに色々デザイン渡した中の一つ。
ニーナが虎視眈々と着せる場面を狙ってたのね。
しかも付属品にフリル傘とハート型バッグって言う。
これは姫ロリ状態。
メグミだと公開処刑のやつ。
喜んで良いのかリーシャには鬼可愛い。
着替えが終わったジュリアスさまの顔が少し悶絶風味。
頑張って崩れないように耐えてる。
耐えなくても良いんだよ。
「ジャスパー、ちょっとこれ着けてリーシャさまに抱っこされてくれませんか?」
『ん!!!良いんだぞ』
ニーナにレースとリボンで装飾された帽子と首にリボンを巻かれてから、持ち上げられて私の腕に収まるジャスパー。
いつの間に従魔用作ってたの。
鏡越しに見れば、私もジャスパーもめっちゃラブリー!!
ニーナってば自分でやらせておいてプルプル。感動して鼻息が。
どんどんニーナが可愛い中毒悪化してる。
『我の愛らしさが罪深いんだぞ』
私の腕の中で得意げ。何この小悪魔。
「さあ、食事に行こうか」
傘とバッグはニーナが預かってくれて、ジャスパーと私を抱き上げるジュリアスさま。
ニーナがそっと扉を開けて、先導してくれる。
廊下にはジェイクが待機してて、私たちのラブっぷりをほんのりニヤニヤ。
いつか彼女と一緒のとこ見てやるんだから。
食堂に行くとお祖父さまとお祖母さまたちが座ってて、
「おや、おはよう。リーシャちゃん、可愛いドレスだね」
「色気のあるドレスとは違ってまた良いものだな」
色気が無くてすみません!
ジュリアスさまはジャスパーをテーブルの専用位置に置いて、私は膝抱っこ。
「おはようー」
「おはよ~」
セリウスさまとクラウスさまが入ってきて座る。
なぜかポムたちがクラウスさまの形に乗ってる。
セリウスさまはシャムを頭に乗せてアズライトを腕に抱いてる。
「あー、母上がマダムと騒いでたやつだねー」
「僕なんか男物の方着てみろって迫られたー」
いつの間に。
メンズのゴスロリも作ったんだ。ちょっと見たい。
じっとジュリアスさまを見ると、
「俺はレースは似合わないぞ」
って首を振られた。
レースは何もフリフリだけじゃないよ。
「カッコいいのデザインしますから」
「それなら良い・・・のか?」
困った顔をしてる。
「カッコいいなら僕も着るよー」
クラウスさま、どんな衣装出されたの?
マダムも王都まで同行してたからしばらくはお休みかな。お義母さまにお願いして次来てくれた時に相談しよう。
みんな揃ったので朝食開始。
今日はパスタだ。生ハムとアボカドみたいなのが載ってる。アボカドみたいな実はポムが植えた種の一つから採れたそう。
ねっとりだけど、ほんのりミカンの香りでわりと好き。
私はこれだけで満足なんだけど、みんなはコーンスープにパンとお肉も盛り盛り。
「今夜は外で食べるよー」
「父上が準備しておけって~」
「王都行きで着いて行った方も残った方も大変だったろうから無礼講でやろうさ」
「プッキュー」
「モッキューン」
「きゃん!」
お祭り好きばっかりなので、従者さんも厨房からも歓喜の声が響く。
「工場からエールもウィスキーもいっぱい出していいってさー」
と、言いながらも私に集まる視線。
「私の酒蔵からも出します」
ケビンが休みなく増やしてくれてたからいっぱいあるよ。
「そう来なくっちゃね」
お祖母さまがガッツポーズした。多分マギー先生としこたま飲む。
「やったぜ」
スピネルさんがザイルさんに持ち上げられてる。一人で胴上げする腕力。
お義母さまたちが戻ってきてみんな揃うのも嬉しいし、私も楽しみ。
「・・・準備はセバスチャンに任せるからセリウスとクラウスは仕事だぞ」
「「えー!」」
あ、サボれそうと思ってたのね。
625
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる