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二章
595話
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夕食は、お祖父さまたちが狩ってきた蜘蛛だ。
カーニカニカニカニ!脚はタラバガニ~!!
胴体も白子やフォアグラのような食感のクリーミィ部分があって。
焼きガニ、蒸しガニー!
グラタンとお鍋とか謎のメニューだけど。
さっき回収してきたお酒の中に日本酒もどきがあったのでだしてもらう。
冷酒が好きー。みんなも熱いのにあまり馴染みがないから冷やした方が飲みやすいって。
ジュリアスさまに脚をアーンされながら、カニクリームコロッケも欲しいなと思った。
ところでセリウスさまのシャム、ポムたち並みに食いしん坊みたい。
グラタンさらに身体半分埋まった状態でガツガツしてる。
「あはは、火傷しないー?」
「キャン??」
顔を上げたら、ほっぺパンパン、口からニュッとカニカマみたいなの生えてる。
おでこと鼻はクリームまみれ。
「プキュキュン」
「モキュキュン」
ポムとティムがシャムを指差し(てるつもりっぽい)て笑う。
似たような状態だけど?
「鍋おかわりー」
スピネルさんが言う鍋は真っ赤っかな辛い実のスープ。カニが真っ赤に染まる。
「プッキューーーン」
「モッキューン」
あ、ポムたちが僕たちもそれ!!って。この見た目で辛党っていうか、赤い実そのものが好きな子たち。
シャムはセリウスさまが食べるものを一緒がいいらしい。健気。
アズライトは生のカニ身にパバブ。通過ぎる。
ディディエは胴体にチーズを炙ってもらってる。
「あ、僕もチーズのちょうだい」
「俺も!」
他にはボアとか出てきてる。
「明日は昼頃に父上たちが戻る」
「そうなんだー」
お義父さまたちは、リュフェリー家に寄ってから帰って来るんだそう。
辺境三家は仲良し。
「ナギご一行は無事グリーンリバー側に入ったしホーン家も一安心だろう」
おお。問題なく旅が進んでて良かった。あのノリに付き合うのは難儀なことだけど。
心の中でエールを贈る。特にユエさま、ストレス凄そう。
王女さまたちには、半年以内にまた会える予定。楽しみ。
「ふむ!明日は久しぶりに家族全員揃うな!宴だな」
あ、お祖父さまがスピネルさんたちと盛り上がっちゃた。
日本酒で酔ったかな。
「へー、お祖父さまー、僕はサーペントとクロコダイルが食べたいなー」
クラウスさまがおねだり。
「プッキュ!」
「モッキュ!」
「ギャオ!」
あ、ポムたちがサーペントに反応。タレが好きなんだよ。山椒と唐辛子かけるの。
アズライトはパバブだけど。
『ほほう!明日は我もクラウドに着いて行こうかの』
「お、それは楽しみだな!」
明日は森が揺れるね。お義父さまがおっきな亀投げたみたいな状況になっちゃうかも。
「お祖父さま・・・、俺も狩の方がいいな」
ジュリアスさまがポツリ。
「あっははは!楽隠居は後継が決まってからだよ!早く作るか育てるんだね!」
作るか育てるって。
最短で楽隠居は養子を取って後を任せる。
セリウスさまもクラウスさまも後継になりたくないらしいので、狙うならシグルドさまの子達かなぁ。レオルカさまの子はまだ先だし。
「そんなの何年後ですか」
「セリウスもクラウスも自分の次がいないと役職外れないよ」
二人とも結婚しないつもりだから、部下を鍛えるしかないね。
「俺は四十まで頑張ったしな」
「ジュリアスもあと十年は頑張れるな」
ふつうなら四十代は働き盛りだけど肉体勝負な辺境騎士なので早めの隠居が良いのかな?
老後の楽しみで冒険の旅にって、若すぎー!全然老後じゃない。
二十年分迷宮でズレたから、お祖父さまたち見た目四十代だしね。
「プッキュプキュキュン」
「モッキュモキュモキュ」
ポムたちが腕組みポーズで何か言ってる。
『ジジたちはすごく強い、若いのは少し強い、若いのはまだまだだから修行しろと言っておるの』
アズライト、それは訳さなくてもいいのに。
「お前たちは良い子だな」
「うむ、照れるな」
「うはは。モニパルに褒められたぞ」
ザイルさんがポムたちにお酒を注ぐ。嬉しかったんだね。
「プッキュ」
「モッキュ」
「ギャギャ」
戦うポーズをしてからバンザイ。
『自分たちも強いと言っておるの』
なんの主張・・・。
大地抉ったり、突風吹かしたりするんだから強いのは知ってるよ。
「きゃぅん?」
あ、これはわかった。
「強いの?」って言ってると思う。
ポムたち「心外!」って感じで、シャムに抗議してる。
「あっははは、強くて可愛いで良いさね」
お祖母さま、大雑把だな。
「お祖父さまと父上たちと比べられてもねー」
クラウスさまが蜘蛛脚をポムの口に突っ込む。
ポムがカシカシ噛みながら頬に貯める。
それを見てみんながポムとディディエとシャムに同じようにした。
もう顔より頬が大きいんだけど!
『我にやったら口の中に水を沸き出させるからの』
『ン?』
ジャスパーはアーン待ちして『ダメなこと?』って困惑してるんだけど。
「食べたいなら良いけどジャスパーの頬はあんなに伸びないよ?」
『そうなのか!!!!????』
いや、伸びたことないでしょ。
話してる間にポムたち全身膨らんでボールみたい。
だからね?
ディディエも頬袋は持ってないってば。
シャムもまんまるなのに自分は丸くならないって、君は種族的にはアズライト寄りだよ?
「可愛いねぇ」
「シャムー、もっと行くー?」
ダメな大人がいっぱいな食卓だよ。
ジュリアスさま、なんだかんだジャスパーにずっと口に運んでるけど、ジャスパーのほっぺはそれ以上伸びないよ。
カーニカニカニカニ!脚はタラバガニ~!!
胴体も白子やフォアグラのような食感のクリーミィ部分があって。
焼きガニ、蒸しガニー!
グラタンとお鍋とか謎のメニューだけど。
さっき回収してきたお酒の中に日本酒もどきがあったのでだしてもらう。
冷酒が好きー。みんなも熱いのにあまり馴染みがないから冷やした方が飲みやすいって。
ジュリアスさまに脚をアーンされながら、カニクリームコロッケも欲しいなと思った。
ところでセリウスさまのシャム、ポムたち並みに食いしん坊みたい。
グラタンさらに身体半分埋まった状態でガツガツしてる。
「あはは、火傷しないー?」
「キャン??」
顔を上げたら、ほっぺパンパン、口からニュッとカニカマみたいなの生えてる。
おでこと鼻はクリームまみれ。
「プキュキュン」
「モキュキュン」
ポムとティムがシャムを指差し(てるつもりっぽい)て笑う。
似たような状態だけど?
「鍋おかわりー」
スピネルさんが言う鍋は真っ赤っかな辛い実のスープ。カニが真っ赤に染まる。
「プッキューーーン」
「モッキューン」
あ、ポムたちが僕たちもそれ!!って。この見た目で辛党っていうか、赤い実そのものが好きな子たち。
シャムはセリウスさまが食べるものを一緒がいいらしい。健気。
アズライトは生のカニ身にパバブ。通過ぎる。
ディディエは胴体にチーズを炙ってもらってる。
「あ、僕もチーズのちょうだい」
「俺も!」
他にはボアとか出てきてる。
「明日は昼頃に父上たちが戻る」
「そうなんだー」
お義父さまたちは、リュフェリー家に寄ってから帰って来るんだそう。
辺境三家は仲良し。
「ナギご一行は無事グリーンリバー側に入ったしホーン家も一安心だろう」
おお。問題なく旅が進んでて良かった。あのノリに付き合うのは難儀なことだけど。
心の中でエールを贈る。特にユエさま、ストレス凄そう。
王女さまたちには、半年以内にまた会える予定。楽しみ。
「ふむ!明日は久しぶりに家族全員揃うな!宴だな」
あ、お祖父さまがスピネルさんたちと盛り上がっちゃた。
日本酒で酔ったかな。
「へー、お祖父さまー、僕はサーペントとクロコダイルが食べたいなー」
クラウスさまがおねだり。
「プッキュ!」
「モッキュ!」
「ギャオ!」
あ、ポムたちがサーペントに反応。タレが好きなんだよ。山椒と唐辛子かけるの。
アズライトはパバブだけど。
『ほほう!明日は我もクラウドに着いて行こうかの』
「お、それは楽しみだな!」
明日は森が揺れるね。お義父さまがおっきな亀投げたみたいな状況になっちゃうかも。
「お祖父さま・・・、俺も狩の方がいいな」
ジュリアスさまがポツリ。
「あっははは!楽隠居は後継が決まってからだよ!早く作るか育てるんだね!」
作るか育てるって。
最短で楽隠居は養子を取って後を任せる。
セリウスさまもクラウスさまも後継になりたくないらしいので、狙うならシグルドさまの子達かなぁ。レオルカさまの子はまだ先だし。
「そんなの何年後ですか」
「セリウスもクラウスも自分の次がいないと役職外れないよ」
二人とも結婚しないつもりだから、部下を鍛えるしかないね。
「俺は四十まで頑張ったしな」
「ジュリアスもあと十年は頑張れるな」
ふつうなら四十代は働き盛りだけど肉体勝負な辺境騎士なので早めの隠居が良いのかな?
老後の楽しみで冒険の旅にって、若すぎー!全然老後じゃない。
二十年分迷宮でズレたから、お祖父さまたち見た目四十代だしね。
「プッキュプキュキュン」
「モッキュモキュモキュ」
ポムたちが腕組みポーズで何か言ってる。
『ジジたちはすごく強い、若いのは少し強い、若いのはまだまだだから修行しろと言っておるの』
アズライト、それは訳さなくてもいいのに。
「お前たちは良い子だな」
「うむ、照れるな」
「うはは。モニパルに褒められたぞ」
ザイルさんがポムたちにお酒を注ぐ。嬉しかったんだね。
「プッキュ」
「モッキュ」
「ギャギャ」
戦うポーズをしてからバンザイ。
『自分たちも強いと言っておるの』
なんの主張・・・。
大地抉ったり、突風吹かしたりするんだから強いのは知ってるよ。
「きゃぅん?」
あ、これはわかった。
「強いの?」って言ってると思う。
ポムたち「心外!」って感じで、シャムに抗議してる。
「あっははは、強くて可愛いで良いさね」
お祖母さま、大雑把だな。
「お祖父さまと父上たちと比べられてもねー」
クラウスさまが蜘蛛脚をポムの口に突っ込む。
ポムがカシカシ噛みながら頬に貯める。
それを見てみんながポムとディディエとシャムに同じようにした。
もう顔より頬が大きいんだけど!
『我にやったら口の中に水を沸き出させるからの』
『ン?』
ジャスパーはアーン待ちして『ダメなこと?』って困惑してるんだけど。
「食べたいなら良いけどジャスパーの頬はあんなに伸びないよ?」
『そうなのか!!!!????』
いや、伸びたことないでしょ。
話してる間にポムたち全身膨らんでボールみたい。
だからね?
ディディエも頬袋は持ってないってば。
シャムもまんまるなのに自分は丸くならないって、君は種族的にはアズライト寄りだよ?
「可愛いねぇ」
「シャムー、もっと行くー?」
ダメな大人がいっぱいな食卓だよ。
ジュリアスさま、なんだかんだジャスパーにずっと口に運んでるけど、ジャスパーのほっぺはそれ以上伸びないよ。
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