ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

593話

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 お昼はオムレツとパンとルルゥがストックしていたポトフ。
 シエルがルルゥと楽しそうにお皿並べてる。

「プッキュン」
「モッキュン」
「ギャオー」

 ポムたち、ご機嫌にガッついてる。
 私が留守はどうでも良くて、ルルゥが居ればOKなんでしょ。

「午後は何したいのぉ?」
「うーん、そうだねぇ、身体を休めろって言うし、本を写すかな」

 アイテムボックスの中の薬草学の本でも。
 ナギの薬方の書を写させてもらった分を、ナギ語から公用語、そしてレイドラアース語に訳して、アーロンお兄さまとマーベルハント家用に。
 国用の分は王宮の担当者がやるでしょ。
 がんばれ!ダメ役人ども!あ、良い人だったらごめんね。

「そう~、じゃあ私はみんなとお菓子作ってるわねぇ」
「僕は写本お手伝いしても良いですか?」

 シエルがおずおずと聞いてきた。執事見習いなら、清書も翻訳も出来た方が良いね。

 そんなわけでキッチンから見えるテーブルで二人並んで、写本するよ。
 シエルは私が訳したのをさらに複製する係。

「シエル、難しいところと分からないところ、図解は空けておいて良いからね」

 薬方なので、葉の形、実、根っことか、調合のやり方は絵で描いてある。

「はい」

 ナギ語から公用語の翻訳辞典をもとになので知らない言語を直すのはちょっと大変。

 ちなみに漢字とかじゃなくて、アジア圏のなんか丸い感じの象形文字みたいな。

 メグミはね、外国の文字の形を見て「覚えられる気がしなーいっ」ってタイプだったの。
 英語も高校の授業程度よ。
 友達なんかは吹き替えより本人の声で聴きたいからと英語、中国語、韓国語といろいろ学んでる子いたけど。
 BSでタイやトルコとかドラマ放送してたから好きになったら世界各国の言葉網羅しなくちゃだよ。
 
 リーシャは大陸の大きめな国の言語は学んでたの魔導書のためかな。

 訳して清書と時間が食う。

 途中でルルゥがお茶とお菓子を出してくれて休憩。

「プッキュ」
「モッキュン」
「ギャ」

 ポムたちが肩に乗って頬を小さい手でフニフニしてくれたり、尻尾でサワサワしてくれた。
 シエルに対しての方が優しさ多めなのは見なかったふり。大人だから。

『主、訳すのはマーベルハントの爺の方が上手いのではないか?』
 アズライト~・・・。レイドラアースの叡智と比べないでよ。
「自分で訳した方が覚えられるじゃない」
 そう言い聞かせてやってるわけですよ!

 もうもう~。

「リーシャさま、僕はリーシャさまとご一緒出来て嬉しいです」
 シエルが私のやる気を取り戻すために励ましてくれる。良い子!!

『ふむ。我は普通に読めるのに人は難儀よの』

 !!!!????

『古代竜ともなれば、言語理解と言うスキルは基本的に持っておるからの』

 !!!!!!??

 なんてこった!リーシャの記憶持ちの私よりチートな能力が!

「アズライトが翻訳してくれたり・・・」
『覚えたいのであろう?』

 私のバカーーーー!!

 でも、リーシャより物覚え悪い私は視覚で覚えた方が良いのは確か。
 覚えたら、リーシャの脳が良い感じに応用してくれるから!!!

「私は料理以外興味ないけどぉ、ナギやデレードがいろいろな品を運んでくるのに交渉に参加したいからぁ、少し覚えたいわぁ」

 ルルゥが辞典をパラパラ。

「これ、覚え方のコツがないと無理じゃない?」
 ハングル語とアラビア語くらい形が違うのよね。大雑把に言うと。

 だけどどんな言語より日本語の漢字数より少ないよ!多分。
 ひらがな、カタガナ、漢字、漢文、古文、ローマ字とか学ばされるより良いかもね!

 でも英語の形容詞、助動詞、比較級、最上級とかわかるかぁ!って思ってたし。
 音は一緒で意味違う方が漢字より難解だと思ってる。

 漢字も音読み訓読みとかあるけどさ。

 メグミの感情出てくると翻訳出来なくなるからもうやめよう。

 そういえば、シエルもいっしょだから長時間座りっぱなしの頭使うの良くないね。

「シエル、今日はもうやめよう」
「はぁい」

 ルルゥが焼き上がりのタルトとクッキーを冷ましてる間、ポムたちにボール遊びをさせて眺めることに。

「プ!」
「モッキュン」
「プキュ」
「ギャ!」
「モキュ」

 転がした玉(魔石)を真剣に追う姿が可愛い。

 アズライトは私の肩の上で眺めるだけ。

 玉を二つにすると追いきれずワタワタ。
 どっちも気になってダメみたい。

「平和な遊びかと思ったら結構危なくなぁい?」

 そうかな。

「ギャ!」
「プッキュ!」
 
 あ、所有権を主張し始めた。

 ルルゥがお菓子を冷まし終わって、器具をしまったので、魔石をもう一個出して、みんなゲットで納得してもらった。

 あまり上等なのじゃないのに。

 みんなで本邸に戻るために外に出て、庭の作物を確認しつつ戻った。

 まだ夕食前なので、一旦お部屋に戻ると解散。

 ポムたちはルルゥに付いて行って、私はアズライトと。

 ニーナがいないから、サラとメルが来てくれて、簡易ワンピースから簡易ドレスに着替える。

「サラもメルも疲れ取れた?」
「はい」
「私たちはほぼ待機してただけなので」
 二人はアッガスから王都に同行してくれてたので、旅疲れもあるだろうけど、大丈夫って。

「来週は三日ほどお休みで」
「サラはデートなんです」
「言っちゃダメだってば」 

 わぁ!真っ赤になって可愛いな。

「それはおめかしして楽しんでもらわないとね」
 女子バナで恋バナですよ!

 って、サラは頑なに内緒です~って話を膨らませられなかった。

 メルも彼はいるみたい。

 甘酸っぱい!

 ん?出会いってほぼこの屋敷内じゃない。
 まぁ!まぁ!

 気になるなぁ!

 そのうち教えてくれると良いな。



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