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二章
590話
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戻って来たお祖父さまとお祖母さまとお話ししていたら、ジュリアスさまたちが帰宅だとお知らせをもらった。
なぜかいつもより外が騒がしいなって思ったら、門前にワイバーンたちが並んでる。
「なんだぁ?遠征でも入っておったか?」
お祖父さまたちが外に出ると、
「「「ギャオォン!ギャゥウ!」」」
ワイバーンたちが何故か文句を言ってる。
「あー?」
お祖父さまが先頭にいたラヴァに鼻息かけられてる。
「お祖父様、ラヴァたちはリーシャに出迎えて欲しかったんですよ」
「いやー、今度リーシャちゃんを連れて行くって言ったのに会いに行くって聞かないんだよー」
セリウスさまが苦笑しながら入って来た。
「「「「ギャゥウ!ギャギャ」」」」
おう?
私がお祖母に連れられて門まで行くとラヴァたちが首をニュッと差し出してくる。
『王都まで迎えに行きたかったと言うておるの』
『主が迎えに行くって行ったから自分たちも行けると思ったと言ってるんだぞ』
アズライトとジャスパーが通訳してくれる。
なんてこった。可愛い子たちだな!
って思う反面、ワイバーンは配達とかしてるものの、今来ている子たちが揃って飛んできたら「何事!?」ってなるよ。
でも王都からジュリアスさまと空の旅もしてみたかったかも。
「ジュリアス!お前がソワソワして勘違いさせたんだろう!」
お祖母さまがジュリアスさまを見て呆れてる。そんな周りにわかるほどソワソワしてたのかな。
私がジュリアスさまを見上げて見れば、恥ずかしそうに耳を赤くしている。
なんだろう。高校生とか中学生か?とか突っ込むべき?でもなんか嬉しい。
こっちがムズムズしちゃうよね。
「あー、ラヴァたちもリーシャに会いたがっていたからちょっと撫でてやって欲しい」
十頭くらい居るんだけど。
可愛い子たちにおやつをあげたいなって思ったら、馬屋番のドーリーさんたちが果物とお酒作った時に出る酒粕入り飼料を運んできた。
「リーシャさま、こちらをどうぞ」
飼料はワイバーンたちを連れ帰る騎士さんたちに預けて、果物を私に渡してくれた。
ワイバーンたちは一応序列があるので、ここに来てくれた群れはジュリアスさまのラヴァが筆頭で、次がセリウスさまのジュエル、ルークの・・・と続く。
「ラヴァ!会いに来てくれてありがとう。今度乗せてね」
「ギャ♫」
私が差し出された鼻先を撫でると、鼻ちゅの後、ベロンとお腹から顔を舐められちゃった。やっぱちょっと生臭。お肉食べたね!
大きめな果物を口に入れてあげると「ギャ」っと言いながら横にズレた。
次はジュエルとラヴァにしたことを順番に。
みんな同じように鼻ちゅとベロンをしてくれて、最後はルージュ。
ルージュは個体としては強いけれど、主人のルルゥが第一線を引いてるから、出動が少ないから活躍場面がある子が優先になったみたい。でも他の騎士さんたち乗せてあげたりお手伝いしてるから序列は元のままでいいと思うなぁ。
「ルージュもありがとう。ルルゥにはもうあった?」
「ギャ!ギャオ!」
何故かおネエ口調で話してるような気がする。
『ちょっとだけ顔出したけどすぐ帰ったそうだの』
首を左右に振ってブヒュっと鼻息。しばらく会えなかったのに酷いでしょって感じかな?
「ルルゥは王宮でこき使われてたからお疲れなの(多分)大目に見てあげてね」
「ギャ」
ルージュは「仕方ないわね」みたいな顔で、私をもう一度舐めてから下がった。
「ギャギャ!ギャオォン」
「わかった。次の休みにな」
ラヴァがジュリアスさまに「絶対だよ」って感じに何か訴えてから、お世話係の騎士さん呼んで一緒に帰って行った。
「はは、騎士じゃない者に懐くのは珍しい」
「そうね。わざわざ会いに来るなんてね」
「そもそもワイバーンに歯を見せられて普通の顔しておるのがすごい」
お祖父さまたちが私を誉めて?くれる。
どうせ一緒だと思ってみんなとの挨拶が終わるまで〈洗浄〉しなかったのでやっと〈洗浄〉したよ。
「リーシャ、ただいま」
「お帰りなさい」
ラヴァたちを優先したので改めてお帰りのハグ。
「うちの男たちは女に靡かないが嫁をもらうと変わるのさ。ルドガーも全く興味がないのかと思えば結婚したらガラッと変わったし」
おお、ラヴな話しですか?
ジュリアスさまが困っちゃう。
「あっはは、クラウドもデリアを最初はただの部下としか見てなかったのにガラッと変わったなー」
ザイルさんが揶揄うとお祖母さまが、
「ちょっと!私たちのことはいいんだよ!」
って慌てる。
お祖父さまは知らん顔。
「お祖母様ー、人を揶揄うときは自分も揶揄われるんですよー」
「生意気だねー」
セリウスさまは今の所、女性も影がないので楽しそうにお祖母さまを揶揄う。
もしこの先、お嫁さんもらってベタ甘になったらすっごくいじられちゃうよ!
「はぁ、とりあえず中に入れてください」
「ああ、そうだったね」
ハロルドたちの迎え入れられて、みんな着替えにお部屋に向かった。
「はぁー、やっと静かになった」
ジュリアスさまが私を抱っこでベッドサイドに座る。
静かって言ってもジャスパーもアズライトもポムとティムもいるんだけどね☆
ジュリアスさまは、私が心配だったみたい。
私はジュリアスさまの体温と心音を感じて、すごくホッとした気持ちになった。
安心か疲労か、そのまま寝ちゃったらしい。
なぜかいつもより外が騒がしいなって思ったら、門前にワイバーンたちが並んでる。
「なんだぁ?遠征でも入っておったか?」
お祖父さまたちが外に出ると、
「「「ギャオォン!ギャゥウ!」」」
ワイバーンたちが何故か文句を言ってる。
「あー?」
お祖父さまが先頭にいたラヴァに鼻息かけられてる。
「お祖父様、ラヴァたちはリーシャに出迎えて欲しかったんですよ」
「いやー、今度リーシャちゃんを連れて行くって言ったのに会いに行くって聞かないんだよー」
セリウスさまが苦笑しながら入って来た。
「「「「ギャゥウ!ギャギャ」」」」
おう?
私がお祖母に連れられて門まで行くとラヴァたちが首をニュッと差し出してくる。
『王都まで迎えに行きたかったと言うておるの』
『主が迎えに行くって行ったから自分たちも行けると思ったと言ってるんだぞ』
アズライトとジャスパーが通訳してくれる。
なんてこった。可愛い子たちだな!
って思う反面、ワイバーンは配達とかしてるものの、今来ている子たちが揃って飛んできたら「何事!?」ってなるよ。
でも王都からジュリアスさまと空の旅もしてみたかったかも。
「ジュリアス!お前がソワソワして勘違いさせたんだろう!」
お祖母さまがジュリアスさまを見て呆れてる。そんな周りにわかるほどソワソワしてたのかな。
私がジュリアスさまを見上げて見れば、恥ずかしそうに耳を赤くしている。
なんだろう。高校生とか中学生か?とか突っ込むべき?でもなんか嬉しい。
こっちがムズムズしちゃうよね。
「あー、ラヴァたちもリーシャに会いたがっていたからちょっと撫でてやって欲しい」
十頭くらい居るんだけど。
可愛い子たちにおやつをあげたいなって思ったら、馬屋番のドーリーさんたちが果物とお酒作った時に出る酒粕入り飼料を運んできた。
「リーシャさま、こちらをどうぞ」
飼料はワイバーンたちを連れ帰る騎士さんたちに預けて、果物を私に渡してくれた。
ワイバーンたちは一応序列があるので、ここに来てくれた群れはジュリアスさまのラヴァが筆頭で、次がセリウスさまのジュエル、ルークの・・・と続く。
「ラヴァ!会いに来てくれてありがとう。今度乗せてね」
「ギャ♫」
私が差し出された鼻先を撫でると、鼻ちゅの後、ベロンとお腹から顔を舐められちゃった。やっぱちょっと生臭。お肉食べたね!
大きめな果物を口に入れてあげると「ギャ」っと言いながら横にズレた。
次はジュエルとラヴァにしたことを順番に。
みんな同じように鼻ちゅとベロンをしてくれて、最後はルージュ。
ルージュは個体としては強いけれど、主人のルルゥが第一線を引いてるから、出動が少ないから活躍場面がある子が優先になったみたい。でも他の騎士さんたち乗せてあげたりお手伝いしてるから序列は元のままでいいと思うなぁ。
「ルージュもありがとう。ルルゥにはもうあった?」
「ギャ!ギャオ!」
何故かおネエ口調で話してるような気がする。
『ちょっとだけ顔出したけどすぐ帰ったそうだの』
首を左右に振ってブヒュっと鼻息。しばらく会えなかったのに酷いでしょって感じかな?
「ルルゥは王宮でこき使われてたからお疲れなの(多分)大目に見てあげてね」
「ギャ」
ルージュは「仕方ないわね」みたいな顔で、私をもう一度舐めてから下がった。
「ギャギャ!ギャオォン」
「わかった。次の休みにな」
ラヴァがジュリアスさまに「絶対だよ」って感じに何か訴えてから、お世話係の騎士さん呼んで一緒に帰って行った。
「はは、騎士じゃない者に懐くのは珍しい」
「そうね。わざわざ会いに来るなんてね」
「そもそもワイバーンに歯を見せられて普通の顔しておるのがすごい」
お祖父さまたちが私を誉めて?くれる。
どうせ一緒だと思ってみんなとの挨拶が終わるまで〈洗浄〉しなかったのでやっと〈洗浄〉したよ。
「リーシャ、ただいま」
「お帰りなさい」
ラヴァたちを優先したので改めてお帰りのハグ。
「うちの男たちは女に靡かないが嫁をもらうと変わるのさ。ルドガーも全く興味がないのかと思えば結婚したらガラッと変わったし」
おお、ラヴな話しですか?
ジュリアスさまが困っちゃう。
「あっはは、クラウドもデリアを最初はただの部下としか見てなかったのにガラッと変わったなー」
ザイルさんが揶揄うとお祖母さまが、
「ちょっと!私たちのことはいいんだよ!」
って慌てる。
お祖父さまは知らん顔。
「お祖母様ー、人を揶揄うときは自分も揶揄われるんですよー」
「生意気だねー」
セリウスさまは今の所、女性も影がないので楽しそうにお祖母さまを揶揄う。
もしこの先、お嫁さんもらってベタ甘になったらすっごくいじられちゃうよ!
「はぁ、とりあえず中に入れてください」
「ああ、そうだったね」
ハロルドたちの迎え入れられて、みんな着替えにお部屋に向かった。
「はぁー、やっと静かになった」
ジュリアスさまが私を抱っこでベッドサイドに座る。
静かって言ってもジャスパーもアズライトもポムとティムもいるんだけどね☆
ジュリアスさまは、私が心配だったみたい。
私はジュリアスさまの体温と心音を感じて、すごくホッとした気持ちになった。
安心か疲労か、そのまま寝ちゃったらしい。
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