ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

587話

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 ふわふわ~、モニモニー、ツルヒヤー。

 私の寝床はこんな感触だったかな?
 また絨毯まで落ちちゃったかな。

 目を覚ましたら私の両脇にもふもふが埋まってた!

 右にポム、左にティム。
 アズライトが肩口にいた。

「おお~」
 ポムとティムを潰さずにいられて良かった。
 ただポムの手が口元にあるのはもしかして種置こうとしてた?
 目で探したけど無さげ。ちょっとホッ。

『主!もう知られては困る外つ国の者はいないと聞いて迎えに来たのだの』
「プッキューーーン」
「モッキューーーウ」

 おお、うちの子達可愛いことをしてくれる。

『ジャスパーは一緒に来ようと暴れた番をルークと止める係だの』
 おおぅ。お仕事いっぱいなのかな。

「プッキュン」
「モッキュン」

 私をグイグイっと小さい手で起きるよう急かす。

 君たち、お迎えに来たと見せかけて、ルルゥのご飯目当てでしょ。うん。知ってた。

 可愛いとか思って感動したのに~。

 ベッドから降りて、ニーナを呼び入れるとポムとティムを見てしばし停止。

「おーい。ニーナさんや」
「はっ!!?あ、リーシャさま、おはようございます」

 もふもふ欠乏してたんだね。

 ポムたちも優しくて可愛がってくれるニーナが大好きなので、私を蹴る勢いで降りていって、ニーナによじ登って、頬擦りや鼻ちゅをしている。あざと系モニパルめ。ごますっておやつを増やす気だな。

「はぅ!」
 元ポーカーフェイスのニーナがデレデレだよ。
 昔は可愛いものを愛でる余裕なかったもんね。

 しばらくアズライトと一緒に、モニパルに翻弄されるニーナを見てたよ。

「大変失礼しました」
 しっかりもふもふ補給したニーナが、簡易ワンピースドレスを着せてくれる。

「昼食後、領地に戻られる前に気合の入ったお着替えになります」
 あぅ。タウンハウスの侍女さんに着せ替えとヘアメイクをしてもらうんだね。

 食堂に向かうとルルゥが厨房から声をかけてくれる。

「おはよう!リーシャちゃん、ディディも一緒に見ててねぇ」

 テーブルの一角に大皿にたくさんのパンとお菓子、果物が盛られて、デェディエが鼻歌混じりに身体を揺らしてる。

「ギャォー」
「プッキュン」
「モッキュン」

 ちゃんとみんなを待ってた良い子。
 ここの分は、先に食べて良いよっていってもみんなで一緒に食べるんだだって首を振られた。


「アズライトたちは誰に連れて来てもらったの?」
 席について、アズライトだけ私の肩に乗ったまま。私がポムたちに振られてるからそばにいてくれてるっぽい。逆に切ないような。

『セバスチャンだの。番がいそいそと迎えに行こうと屋敷を出ようとしていたからの。我たちがちゃんと迎えに行くから大人しく仕事をして待てと言われておったの』

 ジュリアスさま、こっちまで来てくれるつもりだったのね。

「おはよー。リーシャちゃん。アズライトたちも来てるんだね~」
「おはようございます」
『おはようだの』

 クラウスさまが席につくと、スープとサラダが運ばれて来た。

「胃に優しい薬方のスープです」

 芋や根菜、外果皮、に穀物を限界まで煮込んだ感じのスープ・・・ほぼ重湯だよ!

 後から少し辛さが出て来て、お出汁が効いてて沁みるね。深酒した後に良さげ。

「んー、美味しいけど健康的すぎる~!」
 
 クラウスさまがお腹に溜まらない~って言うけど、スープはそう言うものです。

 タウンハウスのコック長さんが、
「ルーデウスに聞いて薬方の扱いは学びましたが、我らには辛すぎますし、リーシャさまも辛いものは特別好んでいないと聞きましたので、アクセントで少し辛味を入れるようにしました」
って説明してくれた。

「これならみんなが食べれる辛さでお出汁もしっかりなので素晴らしいです!さすがですね」

 うん。ほんのり薬膳で辛味もあって、レイドラアースの人たちが受け入れやすいと思う。

「こちらのパンにもスパイスや薬方を使ってみました」
 覚えたての素材を使って味見をお願いというやつですな。

 ハードパンに乗せたチーズに胡椒と七味みたいな感じに味わいのパンと、シナモンと砂糖蜜を使ったロールパン、生姜みたいなのと豆が混ぜられたパン。

「これはお酒のある席の方が好みかも」
「そうかなぁ~、僕は朝もありー」

 お肉は鳥ソテーに辛味ソースだった。
 ふむー、私としては夜ご飯なら?

『主!!我はこれにパバブを巻いて食べたいの!』
 えー!辛い&辛い!!
「あ、それ美味しいの?僕も試してみたい~」

 ルルゥがそっと、パバブの葉っぱとおろしパバブ、刻みパバブ、茎とお皿に盛って来てくれた。

「私も味見して良いかしらぁ?」
「私も」
「俺も」

 厨房から追加のお肉を持って来て、パバブに群がってる。

『ふふふ!パバブは至高!美味しいものをさらに美味しくするのだの!!』

 嘘だぁ。
 唐辛子とワサビ、混ぜたの売ってたけど食べたことないんだー。

「俺はこれすごく好きだ」
「うん、これは新しい味わいだ」
 コックさんたち、お肉皿持ったままで厨房に帰っちゃた。

「おかわり肉は置いていってよねー」

「プキュ」
「モキュ」
「ギャーォ」

 いつに間にかポムたちも辛味ソースとパバブを混ぜて食べてた。

 モニパルも辛いもの大好きなんだった。

「ププキュン」
「モッキュンキュ」
『ほう、スープにも入れるのだの?』

 スープのおかわりを要求して、刻みパバブをザバーッと投入してみんなで顔を突っ込んだ。

「あはは、確かに合いそうー」

 なんだかなー。でもやっと慣れた日常に戻って来たような。

 ジュリアスさまにいて欲しいけど、今朝は仕方ないよね。






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