598 / 764
二章
587話
しおりを挟む
ふわふわ~、モニモニー、ツルヒヤー。
私の寝床はこんな感触だったかな?
また絨毯まで落ちちゃったかな。
目を覚ましたら私の両脇にもふもふが埋まってた!
右にポム、左にティム。
アズライトが肩口にいた。
「おお~」
ポムとティムを潰さずにいられて良かった。
ただポムの手が口元にあるのはもしかして種置こうとしてた?
目で探したけど無さげ。ちょっとホッ。
『主!もう知られては困る外つ国の者はいないと聞いて迎えに来たのだの』
「プッキューーーン」
「モッキューーーウ」
おお、うちの子達可愛いことをしてくれる。
『ジャスパーは一緒に来ようと暴れた番をルークと止める係だの』
おおぅ。お仕事いっぱいなのかな。
「プッキュン」
「モッキュン」
私をグイグイっと小さい手で起きるよう急かす。
君たち、お迎えに来たと見せかけて、ルルゥのご飯目当てでしょ。うん。知ってた。
可愛いとか思って感動したのに~。
ベッドから降りて、ニーナを呼び入れるとポムとティムを見てしばし停止。
「おーい。ニーナさんや」
「はっ!!?あ、リーシャさま、おはようございます」
もふもふ欠乏してたんだね。
ポムたちも優しくて可愛がってくれるニーナが大好きなので、私を蹴る勢いで降りていって、ニーナによじ登って、頬擦りや鼻ちゅをしている。あざと系モニパルめ。ごますっておやつを増やす気だな。
「はぅ!」
元ポーカーフェイスのニーナがデレデレだよ。
昔は可愛いものを愛でる余裕なかったもんね。
しばらくアズライトと一緒に、モニパルに翻弄されるニーナを見てたよ。
「大変失礼しました」
しっかりもふもふ補給したニーナが、簡易ワンピースドレスを着せてくれる。
「昼食後、領地に戻られる前に気合の入ったお着替えになります」
あぅ。タウンハウスの侍女さんに着せ替えとヘアメイクをしてもらうんだね。
食堂に向かうとルルゥが厨房から声をかけてくれる。
「おはよう!リーシャちゃん、ディディも一緒に見ててねぇ」
テーブルの一角に大皿にたくさんのパンとお菓子、果物が盛られて、デェディエが鼻歌混じりに身体を揺らしてる。
「ギャォー」
「プッキュン」
「モッキュン」
ちゃんとみんなを待ってた良い子。
ここの分は、先に食べて良いよっていってもみんなで一緒に食べるんだだって首を振られた。
「アズライトたちは誰に連れて来てもらったの?」
席について、アズライトだけ私の肩に乗ったまま。私がポムたちに振られてるからそばにいてくれてるっぽい。逆に切ないような。
『セバスチャンだの。番がいそいそと迎えに行こうと屋敷を出ようとしていたからの。我たちがちゃんと迎えに行くから大人しく仕事をして待てと言われておったの』
ジュリアスさま、こっちまで来てくれるつもりだったのね。
「おはよー。リーシャちゃん。アズライトたちも来てるんだね~」
「おはようございます」
『おはようだの』
クラウスさまが席につくと、スープとサラダが運ばれて来た。
「胃に優しい薬方のスープです」
芋や根菜、外果皮、に穀物を限界まで煮込んだ感じのスープ・・・ほぼ重湯だよ!
後から少し辛さが出て来て、お出汁が効いてて沁みるね。深酒した後に良さげ。
「んー、美味しいけど健康的すぎる~!」
クラウスさまがお腹に溜まらない~って言うけど、スープはそう言うものです。
タウンハウスのコック長さんが、
「ルーデウスに聞いて薬方の扱いは学びましたが、我らには辛すぎますし、リーシャさまも辛いものは特別好んでいないと聞きましたので、アクセントで少し辛味を入れるようにしました」
って説明してくれた。
「これならみんなが食べれる辛さでお出汁もしっかりなので素晴らしいです!さすがですね」
うん。ほんのり薬膳で辛味もあって、レイドラアースの人たちが受け入れやすいと思う。
「こちらのパンにもスパイスや薬方を使ってみました」
覚えたての素材を使って味見をお願いというやつですな。
ハードパンに乗せたチーズに胡椒と七味みたいな感じに味わいのパンと、シナモンと砂糖蜜を使ったロールパン、生姜みたいなのと豆が混ぜられたパン。
「これはお酒のある席の方が好みかも」
「そうかなぁ~、僕は朝もありー」
お肉は鳥ソテーに辛味ソースだった。
ふむー、私としては夜ご飯なら?
『主!!我はこれにパバブを巻いて食べたいの!』
えー!辛い&辛い!!
「あ、それ美味しいの?僕も試してみたい~」
ルルゥがそっと、パバブの葉っぱとおろしパバブ、刻みパバブ、茎とお皿に盛って来てくれた。
「私も味見して良いかしらぁ?」
「私も」
「俺も」
厨房から追加のお肉を持って来て、パバブに群がってる。
『ふふふ!パバブは至高!美味しいものをさらに美味しくするのだの!!』
嘘だぁ。
唐辛子とワサビ、混ぜたの売ってたけど食べたことないんだー。
「俺はこれすごく好きだ」
「うん、これは新しい味わいだ」
コックさんたち、お肉皿持ったままで厨房に帰っちゃた。
「おかわり肉は置いていってよねー」
「プキュ」
「モキュ」
「ギャーォ」
いつに間にかポムたちも辛味ソースとパバブを混ぜて食べてた。
モニパルも辛いもの大好きなんだった。
「ププキュン」
「モッキュンキュ」
『ほう、スープにも入れるのだの?』
スープのおかわりを要求して、刻みパバブをザバーッと投入してみんなで顔を突っ込んだ。
「あはは、確かに合いそうー」
なんだかなー。でもやっと慣れた日常に戻って来たような。
ジュリアスさまにいて欲しいけど、今朝は仕方ないよね。
私の寝床はこんな感触だったかな?
また絨毯まで落ちちゃったかな。
目を覚ましたら私の両脇にもふもふが埋まってた!
右にポム、左にティム。
アズライトが肩口にいた。
「おお~」
ポムとティムを潰さずにいられて良かった。
ただポムの手が口元にあるのはもしかして種置こうとしてた?
目で探したけど無さげ。ちょっとホッ。
『主!もう知られては困る外つ国の者はいないと聞いて迎えに来たのだの』
「プッキューーーン」
「モッキューーーウ」
おお、うちの子達可愛いことをしてくれる。
『ジャスパーは一緒に来ようと暴れた番をルークと止める係だの』
おおぅ。お仕事いっぱいなのかな。
「プッキュン」
「モッキュン」
私をグイグイっと小さい手で起きるよう急かす。
君たち、お迎えに来たと見せかけて、ルルゥのご飯目当てでしょ。うん。知ってた。
可愛いとか思って感動したのに~。
ベッドから降りて、ニーナを呼び入れるとポムとティムを見てしばし停止。
「おーい。ニーナさんや」
「はっ!!?あ、リーシャさま、おはようございます」
もふもふ欠乏してたんだね。
ポムたちも優しくて可愛がってくれるニーナが大好きなので、私を蹴る勢いで降りていって、ニーナによじ登って、頬擦りや鼻ちゅをしている。あざと系モニパルめ。ごますっておやつを増やす気だな。
「はぅ!」
元ポーカーフェイスのニーナがデレデレだよ。
昔は可愛いものを愛でる余裕なかったもんね。
しばらくアズライトと一緒に、モニパルに翻弄されるニーナを見てたよ。
「大変失礼しました」
しっかりもふもふ補給したニーナが、簡易ワンピースドレスを着せてくれる。
「昼食後、領地に戻られる前に気合の入ったお着替えになります」
あぅ。タウンハウスの侍女さんに着せ替えとヘアメイクをしてもらうんだね。
食堂に向かうとルルゥが厨房から声をかけてくれる。
「おはよう!リーシャちゃん、ディディも一緒に見ててねぇ」
テーブルの一角に大皿にたくさんのパンとお菓子、果物が盛られて、デェディエが鼻歌混じりに身体を揺らしてる。
「ギャォー」
「プッキュン」
「モッキュン」
ちゃんとみんなを待ってた良い子。
ここの分は、先に食べて良いよっていってもみんなで一緒に食べるんだだって首を振られた。
「アズライトたちは誰に連れて来てもらったの?」
席について、アズライトだけ私の肩に乗ったまま。私がポムたちに振られてるからそばにいてくれてるっぽい。逆に切ないような。
『セバスチャンだの。番がいそいそと迎えに行こうと屋敷を出ようとしていたからの。我たちがちゃんと迎えに行くから大人しく仕事をして待てと言われておったの』
ジュリアスさま、こっちまで来てくれるつもりだったのね。
「おはよー。リーシャちゃん。アズライトたちも来てるんだね~」
「おはようございます」
『おはようだの』
クラウスさまが席につくと、スープとサラダが運ばれて来た。
「胃に優しい薬方のスープです」
芋や根菜、外果皮、に穀物を限界まで煮込んだ感じのスープ・・・ほぼ重湯だよ!
後から少し辛さが出て来て、お出汁が効いてて沁みるね。深酒した後に良さげ。
「んー、美味しいけど健康的すぎる~!」
クラウスさまがお腹に溜まらない~って言うけど、スープはそう言うものです。
タウンハウスのコック長さんが、
「ルーデウスに聞いて薬方の扱いは学びましたが、我らには辛すぎますし、リーシャさまも辛いものは特別好んでいないと聞きましたので、アクセントで少し辛味を入れるようにしました」
って説明してくれた。
「これならみんなが食べれる辛さでお出汁もしっかりなので素晴らしいです!さすがですね」
うん。ほんのり薬膳で辛味もあって、レイドラアースの人たちが受け入れやすいと思う。
「こちらのパンにもスパイスや薬方を使ってみました」
覚えたての素材を使って味見をお願いというやつですな。
ハードパンに乗せたチーズに胡椒と七味みたいな感じに味わいのパンと、シナモンと砂糖蜜を使ったロールパン、生姜みたいなのと豆が混ぜられたパン。
「これはお酒のある席の方が好みかも」
「そうかなぁ~、僕は朝もありー」
お肉は鳥ソテーに辛味ソースだった。
ふむー、私としては夜ご飯なら?
『主!!我はこれにパバブを巻いて食べたいの!』
えー!辛い&辛い!!
「あ、それ美味しいの?僕も試してみたい~」
ルルゥがそっと、パバブの葉っぱとおろしパバブ、刻みパバブ、茎とお皿に盛って来てくれた。
「私も味見して良いかしらぁ?」
「私も」
「俺も」
厨房から追加のお肉を持って来て、パバブに群がってる。
『ふふふ!パバブは至高!美味しいものをさらに美味しくするのだの!!』
嘘だぁ。
唐辛子とワサビ、混ぜたの売ってたけど食べたことないんだー。
「俺はこれすごく好きだ」
「うん、これは新しい味わいだ」
コックさんたち、お肉皿持ったままで厨房に帰っちゃた。
「おかわり肉は置いていってよねー」
「プキュ」
「モキュ」
「ギャーォ」
いつに間にかポムたちも辛味ソースとパバブを混ぜて食べてた。
モニパルも辛いもの大好きなんだった。
「ププキュン」
「モッキュンキュ」
『ほう、スープにも入れるのだの?』
スープのおかわりを要求して、刻みパバブをザバーッと投入してみんなで顔を突っ込んだ。
「あはは、確かに合いそうー」
なんだかなー。でもやっと慣れた日常に戻って来たような。
ジュリアスさまにいて欲しいけど、今朝は仕方ないよね。
641
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる