ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

583話

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 お義母さまにハグされて足がプラーンとなったりしつつ、大広間に向かうよう連絡が来たのでみんなで移動。

 王宮音楽隊とグリーンリバーの音楽隊が舞台から溢れちゃうくらい並んでた。
 
 そして異国の踊り子さんがセクシーなダンスを!

 待ってる間も人を楽しませたいと言うカイサル王子の意向らしい。

 レイドラアースの貴族、ナギからのご一行、グリーンリバーからのご一行が揃ったところで、王様から開会の挨拶。

『春の陽射しを受け、共にナギ国、グリーンリバー国、我がレイドラアースとの友好が叶った良き日、皆と集まれた事に感謝を』
『『『『『感謝を』』』』』

 王様、王妃さま、王子さまたち、ナギの王女さまたち、グリーンリバーの王子様とシャリアンヌの並ぶ舞台に向かってみんなで礼をとる。

『『私たち、ナギがレイドラアース国とグリーンリバー国との繋がりを持てた事、喜ばしく思う』』
 王女さまたちが毅然とした凛々しいお姿で挨拶をし、

『我がぁぁ!グッッリィーーンリッバァアアーぐぁあああっんぬ!ぬぅわがっきぃとっもぉーぉんんぬっ、レェウィドゥルワァゥアーゥスくぉくぅうぅんぬぉみちゔぃくぅいにぃよりぃぃんっぬっ!ぬぅわぁぎぃくぅおくぅとぅう!とぅもぉおにぃぃいんっぬ!ぬわぁるぇとぅわことぅうぉおんっぬ!うれぇしくぅぅうぉもぉうぅぅっんっぬっ!!』
(我がグリーンリバーが永き友レイドラアース国の導きによりナギ国と友に慣れた事を嬉しく思う)
 ジャジャン!プフウー!ダン!タタン!!

 すっごい簡単なことしか言ってないのに長い。右手や左手が斜め上下になると太鼓か笛で、足の動く角度で弦楽器、首の角度で風船の楽器で、いちいち合いの手が入る仕組みみたい。花や花びら、羽が舞うのも角度で決まってるみたい。
 長すぎて観察しちゃったじゃない。

 シャリアンヌが王子の横で拍手したりポーズ取ってるし。
 さすがにシャリアンヌはドレス姿なんだけど、王子とお揃いの色合い。髪の色も目の色も同じだから自分の色って言い張ればそうだけど。王子妃が一緒に来てたら微妙な空気になるよ。襞襟はお揃いを死守か。流行りなだけかな。

『本日はグリーンリバーの音楽隊と我が楽団とのハーモニーを楽しんで、ダンスを楽しんで欲しい。そして、ナギ国の薬方と香辛料、グリーンリバー国の食用花をふんだんに使った料理も堪能してくれ』

 食用花ブームはグリーンリバー発だったのか。
 王様が話す合間もカイサル王子がポージングをとって合いの手が入る。
 なんで○ろーとかリズム芸人を思い出しちゃう。そんな○関係ねぇもいけそう。

 グリーンリバー側への歓迎の催しだから、堅苦しくしないように配慮したんだろう。

 気の利く貴族はナギやグリーンリバーの人たちと交流したり、一緒に食事を選びに行ったりで楽しげにしてる。
 そこそこの年齢の人たちは、グリーンリバーの音楽隊とか気にしないんだな。

『『リーシャ、一緒にデザートを選ぼう』』 
 王女さまたちが寄ってくると、うちの王子さまたちもお義父さまに突撃してくる。
『ルドガー、アーク、肩に乗せてくれ』
『くれ・・・デス、ーヨ?』
 ジェロム王子の公用語がデスヨ侯爵に毒されてる!!
『宴では人が多過ぎるから肩はダメですぞ』
「「えー」」
 アークさまが言うとガーンとなってる王子さまたち。
 普段は礼儀正しく大人しいのに、お義父さまたちのこと好き過ぎる。王様の血かな。

 王様たちはカイサル王子とスープのあるテーブルにいた。

『っんぬ!くぁるぁああーーーーーいぃんんぬ!?』
(う、辛い!!?)
 なぜ真っ先に辛いのから行ったんだ。

『ぅおっぬぃぃさぁまぁ!?』
(お兄さま!?)
 口を押さえつつポーズを忘れない兄(余裕じゃん)を支えるシャリアンヌも兄と同じスープを飲んで唇が真っ赤だ。なんだ。この兄妹。

『どぅでぇもぉおいっすぅぃいーっんぬ!?』
(でも美味しいな!?)

『であろう。ナギ国の薬方と香辛料は奥深い』
『大変に光栄に存じます』
 王様がなぜか自慢げで、ユエさまが静かに御礼を言う。

『我っぐぁくぉくぅにわぁこっくぉむぁどぅえ、ふぁっきぃるぃしとぅあ、味うぁぬぁわうぃんっぬっ!!』
(我が国にはここまではっきりした味はない!!)
 ジャン!プフウー!

 薄い味に慣れてると辛いスープは舌に刺す味になっちゃうから、すぐに広めようとしても受け入れられないよね。

『くぉんぬぅぉぉぷぁんっ!!ぷぁんはっぬぁずぇやわるぁくぁいぃぬぉ!?』
(このパン!!パンはなぜ柔らかいの!?)
 ダン!バーン!ターン!

 シャリアンヌは大麦のブドウパンに驚いた。白いパンはさらにふわふわですよー。

『殿下方、すでにレシピを入手して致しましたデス』
 ダンタル侯爵たちがカイサル殿下に伝えると、
『んっぬぅっ!!どぅえきるぅぬわぁっ!!ほめとぅえ!つかーぁわっすっんぬ!』
(な、出来るな!!褒めてつかわす!)
 ジャジャン!ジャン!ヅォーン!
王子は侯爵の肩をバンバン叩く。

 カイサル王子、ほんとにずっとこの調子なの?

 クラウスさまとアンゼリカさまは、お肉に夢中だけど、遠巻きに令嬢に秋波を送られてるの全く気付かず!

 早く宴終わってくれないかな。

 王女さまたちにおすすめのデザートを選んでたら、お花のサラダとデザートをちょっぴり盛って、婚約者らしき男性と食べてる女性を発見。

「わたくし、これくらいしか食べれませんの」
「私、このサラダが大好きですのよ」
 少食アピールと綺麗な物しか食べないアピール?

 可憐さの主張なんだろうけど、男性側は引いてるよ。
 もし本気にされて婚姻後にお花しか出てこなかったらどうするんだろ。

『『ほぅ!物語のヒロインのようだな!花だけ食べるなんて』』
 純粋な王女さまたちが目をキラキラさせて令嬢に話しかけた。

『『花蜜や蜜漬けは好かぬのか?生花だけでは甘味がなかろう?』』
『『その細さは花しか食べぬからか?』』

 矢継ぎ早に公用語で話しかけられた令嬢たちは、
「え?」
「ええ?」
「・・そうですの?」
っとタジタジで、おそらく意味がわかってない。
 男性側を見ると首を振られ、訳さないようにってことなので、様子を伺う事に。




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