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二章
570話
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お昼になったので王女さまたちのお部屋に向かった。
備品類にナギの物が使われていたりでちょっと目新しいお部屋になってた。
『『いらっしゃい。こちらにどうぞ』』
なんて言うかおしゃれな円卓?
真ん中ターンテーブルになってる!!
このテーブル良いな。
『『今日は辛さ控えめにしてもらってあるよ』』
それはお心遣いまことに感謝です。
薬膳スープに包子と肉丸ごと、魚丸ごとな料理をターンテーブルに置いて、侍女さんたちが取り分けてくれるスタイル。
ターンテーブルじゃなくても良くない?って思ったけど口に出さず。
『『うちの料理人がルルゥにご教授を受けたらしくてな、何年かルルゥ見習いたいなど言い出して困った。私たちの旅行中に調理人がいないのも困るからね』』
うーん、気軽にどうぞとは言えないね。うちもナギの色々な料理や食材を教えてもらえる大チャンスなんだけど。
『この滞在期間だけでも覚えて下されば、おそらく色々作れるようになるかと』
基本的にお出汁とスパイスでどうにかなるはず。
『『そうだな、特に菓子を覚えてもらえると帰国したら美味しい茶菓子を姉上や側妃に自慢ができる』』
それはいずれ、ナギの女性陣がいっぱい押しかけてきそうなので恐ろしいことです!!
料理はちょうどよい辛味や酸味、香味野菜で美味しかった。
そうそう、ほどほどの辛さが良い。
『『そう言えば、ユエの側近に見合いの話が来たぞ』』
『え』
チャレンジャーなご令嬢がいた。
『『あからさまな金と権力目当てで気持ちが良い手紙であった』』
わぁ!何やってくれてるんだ。
『『だがな、上層部の役職持ちには権力の兼ね合いというのか、ほとんどの者が家同士が揉めぬために娶った三人の妻がおるからな。さすがにもう嫁は要らんと断りの手紙を出した』』
上位貴族には三人もいるのか?すごい。
って言うか、お相手の婚歴とかいくら外国の方でも調べてから話を持っていきなさいよ。
『『ほとんどの嫁たちは亭主元気で仕事して金だけ置いていけとばかりにそれぞれ夫の持つ家で悠々自適ぞ』』
おおぅ!世知辛い。寵を競って揉めるより全然良いけど。
『まぁたまに殴り合いとか罵り合いが怒るので留守にしていた方が問題が起きないだろう』
それは男性側に結婚している意味がなさげ。
『こちらでは第二夫人や第三夫人がいるのは子供ができなかった場合がほとんどですね。浮気はあるでしょうが』
って、十二歳相手に何話してるんだ。
『浮気はバレると恐ろしいぞ』
きちんと迎えられた妻じゃない女性に手を出すと妻たちに尻を専用(!?)扇子で叩かれるんだって。
金だけ出せって言いつつ、浮気はダメなんだ。
『『父上は一度浮気がバレて自慢の髭を剃られた』』
あ、王様はさすがに尻叩きされないんだ。
『『リーシャ、ヒゲを伸ばしておる男はヒゲを剃られるととてもショックを受けるぞ』』
そうなの!?また生えてくるよ。
なぜかダーティーなお話をして、食後のお茶タイムで冊子を見せてもらえた。
『『古代の符呪はダメだが、新しい符呪なら問題ない。これは侍女たちが写本した物なので、通訳の礼に受け取ってくれ』』
わぁ!すごい贈り物キター!!
『『ナギ語を公用語に訳すのはすでに国に渡してあるので次に来るまでにナギ語を覚えて貰えれば嬉しい』』
『ありがとう存じます。頑張ります』
キョンシーは作れないみたいだけど、魔法式と全然違う仕組みを知りたかったので嬉しい。
ちなみにキョンシー(?)は荷仕事がない時は行李に仕舞ってあるらしい。
まぁのっぺらぼうが動き回ってたら怖いので仕方なし。
「「私たちはレイドラアースとリーシャが気に入った。ダイスキ?」」
「わぁ!ファリン殿下とルアラン殿下、[私][お二人が][ダイスキ]です」
まだ単語しかわからないので、王女さまたちに先行かれちゃってる~!
「「ダイスキ」」
[ダイスキ]
三人で言いあうのをお互いの侍女たちがニコニコ見守る大変和やかな時間になった。
王女さまたちがナギに戻る前に何か贈り物を考えて作ろう。可愛くて大好き!
『『今度はオヤツを一緒にしよう』』
楽しい時間はすぐ過ぎちゃって、私が会議に出なくちゃなのでお暇した。
一旦、お部屋に戻っておとなしめの衣装に着替える。
「ニーナ、私はもう今日はもうオジサンたちと会いたくない。可愛い時間を噛み締めて幸せを堪能したいよ」
「昔おそらく美形だったオジサマたちなので我慢しましょう」
あんまり慰めにならないよ。
筋肉がない美形はただの美形だ。そして今はオジサンなら全く萌えない。
「さぁ、今日もキリっと仕上げましたので」
メイクでオジサンに舐められないほど変化があるかなぁ。
私は渋々と迎えに来てくれたセリウスさまと会議に向かった。
会議室には、元美形だったオジサマはいたけど、ほとんどは狸ジジィとか狐ジジィだよ。
お祖父様とアーロンお兄さま、リュフェリー侯爵がいらっしゃったのでちょっとホッとした。
私の席は王族に近い。マジか。
備品類にナギの物が使われていたりでちょっと目新しいお部屋になってた。
『『いらっしゃい。こちらにどうぞ』』
なんて言うかおしゃれな円卓?
真ん中ターンテーブルになってる!!
このテーブル良いな。
『『今日は辛さ控えめにしてもらってあるよ』』
それはお心遣いまことに感謝です。
薬膳スープに包子と肉丸ごと、魚丸ごとな料理をターンテーブルに置いて、侍女さんたちが取り分けてくれるスタイル。
ターンテーブルじゃなくても良くない?って思ったけど口に出さず。
『『うちの料理人がルルゥにご教授を受けたらしくてな、何年かルルゥ見習いたいなど言い出して困った。私たちの旅行中に調理人がいないのも困るからね』』
うーん、気軽にどうぞとは言えないね。うちもナギの色々な料理や食材を教えてもらえる大チャンスなんだけど。
『この滞在期間だけでも覚えて下されば、おそらく色々作れるようになるかと』
基本的にお出汁とスパイスでどうにかなるはず。
『『そうだな、特に菓子を覚えてもらえると帰国したら美味しい茶菓子を姉上や側妃に自慢ができる』』
それはいずれ、ナギの女性陣がいっぱい押しかけてきそうなので恐ろしいことです!!
料理はちょうどよい辛味や酸味、香味野菜で美味しかった。
そうそう、ほどほどの辛さが良い。
『『そう言えば、ユエの側近に見合いの話が来たぞ』』
『え』
チャレンジャーなご令嬢がいた。
『『あからさまな金と権力目当てで気持ちが良い手紙であった』』
わぁ!何やってくれてるんだ。
『『だがな、上層部の役職持ちには権力の兼ね合いというのか、ほとんどの者が家同士が揉めぬために娶った三人の妻がおるからな。さすがにもう嫁は要らんと断りの手紙を出した』』
上位貴族には三人もいるのか?すごい。
って言うか、お相手の婚歴とかいくら外国の方でも調べてから話を持っていきなさいよ。
『『ほとんどの嫁たちは亭主元気で仕事して金だけ置いていけとばかりにそれぞれ夫の持つ家で悠々自適ぞ』』
おおぅ!世知辛い。寵を競って揉めるより全然良いけど。
『まぁたまに殴り合いとか罵り合いが怒るので留守にしていた方が問題が起きないだろう』
それは男性側に結婚している意味がなさげ。
『こちらでは第二夫人や第三夫人がいるのは子供ができなかった場合がほとんどですね。浮気はあるでしょうが』
って、十二歳相手に何話してるんだ。
『浮気はバレると恐ろしいぞ』
きちんと迎えられた妻じゃない女性に手を出すと妻たちに尻を専用(!?)扇子で叩かれるんだって。
金だけ出せって言いつつ、浮気はダメなんだ。
『『父上は一度浮気がバレて自慢の髭を剃られた』』
あ、王様はさすがに尻叩きされないんだ。
『『リーシャ、ヒゲを伸ばしておる男はヒゲを剃られるととてもショックを受けるぞ』』
そうなの!?また生えてくるよ。
なぜかダーティーなお話をして、食後のお茶タイムで冊子を見せてもらえた。
『『古代の符呪はダメだが、新しい符呪なら問題ない。これは侍女たちが写本した物なので、通訳の礼に受け取ってくれ』』
わぁ!すごい贈り物キター!!
『『ナギ語を公用語に訳すのはすでに国に渡してあるので次に来るまでにナギ語を覚えて貰えれば嬉しい』』
『ありがとう存じます。頑張ります』
キョンシーは作れないみたいだけど、魔法式と全然違う仕組みを知りたかったので嬉しい。
ちなみにキョンシー(?)は荷仕事がない時は行李に仕舞ってあるらしい。
まぁのっぺらぼうが動き回ってたら怖いので仕方なし。
「「私たちはレイドラアースとリーシャが気に入った。ダイスキ?」」
「わぁ!ファリン殿下とルアラン殿下、[私][お二人が][ダイスキ]です」
まだ単語しかわからないので、王女さまたちに先行かれちゃってる~!
「「ダイスキ」」
[ダイスキ]
三人で言いあうのをお互いの侍女たちがニコニコ見守る大変和やかな時間になった。
王女さまたちがナギに戻る前に何か贈り物を考えて作ろう。可愛くて大好き!
『『今度はオヤツを一緒にしよう』』
楽しい時間はすぐ過ぎちゃって、私が会議に出なくちゃなのでお暇した。
一旦、お部屋に戻っておとなしめの衣装に着替える。
「ニーナ、私はもう今日はもうオジサンたちと会いたくない。可愛い時間を噛み締めて幸せを堪能したいよ」
「昔おそらく美形だったオジサマたちなので我慢しましょう」
あんまり慰めにならないよ。
筋肉がない美形はただの美形だ。そして今はオジサンなら全く萌えない。
「さぁ、今日もキリっと仕上げましたので」
メイクでオジサンに舐められないほど変化があるかなぁ。
私は渋々と迎えに来てくれたセリウスさまと会議に向かった。
会議室には、元美形だったオジサマはいたけど、ほとんどは狸ジジィとか狐ジジィだよ。
お祖父様とアーロンお兄さま、リュフェリー侯爵がいらっしゃったのでちょっとホッとした。
私の席は王族に近い。マジか。
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