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二章
569話
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夕食はお義父さまとお義母さまとで食べた。
セリウスさまは王国騎士の友人たちと街にでたらしい。羨ましい~!!
「ジェロム殿下がワシたちの肩車を気に入って、侍従にもせがんだらしくてのぅ、髪を毟られて大変だから変なことを教えるなと叱られてしまったんじゃ」
食事中、今日の出来事をお話ししてたら、お義父さまがしょんぼり。
「侍従は体幹を鍛えていないからグラついて殿下が必死にしがみつくから、侍従が安定して乗せていられなくてと落ちそうになった殿下が髪を掴んでとなるらしくてな」
うーん、お義父さまと侍従さんたちは肩幅も違いすぎるしねぇ。
「せめて護衛騎士さんにしてもらったら良いのですが職務中は無理ですか?」
護衛が疎かになっちゃう?
「そんなことで気がそぞろになるんじゃ護衛など任せられんがなぁ」
厳し!
「ふふ、この際に侍従たちも鍛えたらよろしいのにねぇ」
筋トレ好きな人なら良いけど、多分嫌がれそう。
お義母さまとお義父さまはオヤツをしっかり食べてから、タウンハウスに帰っちゃった。
主要会議やパーティには参加されるみたいなので会えるけど、寂しいね。
お風呂とマッサージの後、またベッドで魔導書を読んで寝落ちした。
爽やかな朝です。
今日は片足だけベッドに引っかかってる状態で目が覚めた。
ベッド周りにクッションを置いてくれるニーナの手間を考えるとベッドサークルが必要かもしれない。
「本日は王女さま方からお昼のお誘いと午後にナギ国との協定の話し合いに参加ですね」
ニーナが予定の確認とそれに合わせた衣装を用意してくれて、午前中は自由だーと思ってたら、王様からお茶のお誘いが入ってしまった。暇なのか。
急遽、可愛らしいドレスを着せられた私は、王様の私室に招かれてしまった。
「すまないな、あまり人目に付かぬ方がいいかと思ってな」
私室に招かれちゃうと余計目立つ気がするんだけど、ニーナとアランとジェイク、王様の側仕えが同席してるし、侍従も護衛も回廊に大勢いるからいいか。
「ネイマーシェより向こうにある国々で赤斑病が流行していると報告があった」
ん?なぜそんな話を私個人に?
「きょとんとしておるな。もちろん其方の言う誰にでも薬が手に入るようにと言う希望に添って薬を売ることも処方も解放もしようと思っておる」
うん。放置したら巡り巡ってこの国に広がるからね。
「薬の権利者、開発者は公表される。権利は其方とアーロン・カイダール男爵、開発者はカイダール・オレイユ男爵といった事がネイマーシェ側にも近く知られるであろう」
おお?
「今まではセラーナ夫人の孫程度の認識で放置されていたが、魔導大国とて赤斑病は脅威。その権利を持つ者にネイマーシェ王家の血の流れていると知られると接触があるかもしれない」
んー、めんどく・・・ん?
「王家の血筋?」
「・・・どこの国も公爵家ならば王族が家を興したり降嫁していたりと王族に近しい」
ああ~。
「セラーナ夫人は当時の先王の妹の孫娘だ」
ぎゃふーん!
あ、でもだいぶ遠いよ!!
「ネイマーシェは基本的に他国に干渉することはないが、赤斑病はそれを覆すほどの脅威なのだ」
「権利を手放したいのですが?」
元々アーロンお兄さまに丸投げするつもりだったし。
「ダメだろう。権利を手放せば、其方の望む誰でも手に入ると言う条件が揺らぐぞ」
むー。
「ネイマーシェには近く留学生をお願いするので仲が悪くなったりは困るので、あちらから何か接触があれば無理な事を言われない限り、話し合いには参加します、でいいですか?」
「そうだな」
全く、やっぱり過ぎた物を持つのは良くないよ。
「特効薬のことは予想外であったがグレーデンに其方を任せたのは慧眼であったろう?」
「それは心より感謝申し上げます」
何もわからない状態だったけど、現在の貴族勢力図を考えても一番よいのではと思う。
そして何より好みの旦那さまだし。
「ネイマーシェのことは当面は心配はいらんだろうが、特効薬の増産は急務だ。カイダール男爵から依頼があったら制作に協力して欲しい」
我が国にも万が一の蓄えが必要だしね。
協力って言っても私は錬金術は使うけど、薬術師ではないんだよねぇ。免許制じゃないとはいえ。お母さまに少し習っただけ。
「感染が広がった近隣へ予防を徹底してもらうにはどうしたらいいんでしょうね?」
国同士の話し合いが出来るんだろうか。
「何が原因か突き止めないと無理ではないか?」
そんなのわかったら、苦労しないよ。
せっかくのお茶菓子が味しないってば。
「はぁ、グリーンリバーからの使者が三日後に到着する。ナギのご一行を迎えに来るついでに我が国と数件の話しをする」
お、国境まで私はお見送りに行かなくて良くなった?
「向こうの大使に面倒が入り込んでないといいがなぁ」
あ!王様がフラグを立てた!
これは絶対何かあるよ。
王様みたいな変な人が来たりさ。
セリウスさまは王国騎士の友人たちと街にでたらしい。羨ましい~!!
「ジェロム殿下がワシたちの肩車を気に入って、侍従にもせがんだらしくてのぅ、髪を毟られて大変だから変なことを教えるなと叱られてしまったんじゃ」
食事中、今日の出来事をお話ししてたら、お義父さまがしょんぼり。
「侍従は体幹を鍛えていないからグラついて殿下が必死にしがみつくから、侍従が安定して乗せていられなくてと落ちそうになった殿下が髪を掴んでとなるらしくてな」
うーん、お義父さまと侍従さんたちは肩幅も違いすぎるしねぇ。
「せめて護衛騎士さんにしてもらったら良いのですが職務中は無理ですか?」
護衛が疎かになっちゃう?
「そんなことで気がそぞろになるんじゃ護衛など任せられんがなぁ」
厳し!
「ふふ、この際に侍従たちも鍛えたらよろしいのにねぇ」
筋トレ好きな人なら良いけど、多分嫌がれそう。
お義母さまとお義父さまはオヤツをしっかり食べてから、タウンハウスに帰っちゃった。
主要会議やパーティには参加されるみたいなので会えるけど、寂しいね。
お風呂とマッサージの後、またベッドで魔導書を読んで寝落ちした。
爽やかな朝です。
今日は片足だけベッドに引っかかってる状態で目が覚めた。
ベッド周りにクッションを置いてくれるニーナの手間を考えるとベッドサークルが必要かもしれない。
「本日は王女さま方からお昼のお誘いと午後にナギ国との協定の話し合いに参加ですね」
ニーナが予定の確認とそれに合わせた衣装を用意してくれて、午前中は自由だーと思ってたら、王様からお茶のお誘いが入ってしまった。暇なのか。
急遽、可愛らしいドレスを着せられた私は、王様の私室に招かれてしまった。
「すまないな、あまり人目に付かぬ方がいいかと思ってな」
私室に招かれちゃうと余計目立つ気がするんだけど、ニーナとアランとジェイク、王様の側仕えが同席してるし、侍従も護衛も回廊に大勢いるからいいか。
「ネイマーシェより向こうにある国々で赤斑病が流行していると報告があった」
ん?なぜそんな話を私個人に?
「きょとんとしておるな。もちろん其方の言う誰にでも薬が手に入るようにと言う希望に添って薬を売ることも処方も解放もしようと思っておる」
うん。放置したら巡り巡ってこの国に広がるからね。
「薬の権利者、開発者は公表される。権利は其方とアーロン・カイダール男爵、開発者はカイダール・オレイユ男爵といった事がネイマーシェ側にも近く知られるであろう」
おお?
「今まではセラーナ夫人の孫程度の認識で放置されていたが、魔導大国とて赤斑病は脅威。その権利を持つ者にネイマーシェ王家の血の流れていると知られると接触があるかもしれない」
んー、めんどく・・・ん?
「王家の血筋?」
「・・・どこの国も公爵家ならば王族が家を興したり降嫁していたりと王族に近しい」
ああ~。
「セラーナ夫人は当時の先王の妹の孫娘だ」
ぎゃふーん!
あ、でもだいぶ遠いよ!!
「ネイマーシェは基本的に他国に干渉することはないが、赤斑病はそれを覆すほどの脅威なのだ」
「権利を手放したいのですが?」
元々アーロンお兄さまに丸投げするつもりだったし。
「ダメだろう。権利を手放せば、其方の望む誰でも手に入ると言う条件が揺らぐぞ」
むー。
「ネイマーシェには近く留学生をお願いするので仲が悪くなったりは困るので、あちらから何か接触があれば無理な事を言われない限り、話し合いには参加します、でいいですか?」
「そうだな」
全く、やっぱり過ぎた物を持つのは良くないよ。
「特効薬のことは予想外であったがグレーデンに其方を任せたのは慧眼であったろう?」
「それは心より感謝申し上げます」
何もわからない状態だったけど、現在の貴族勢力図を考えても一番よいのではと思う。
そして何より好みの旦那さまだし。
「ネイマーシェのことは当面は心配はいらんだろうが、特効薬の増産は急務だ。カイダール男爵から依頼があったら制作に協力して欲しい」
我が国にも万が一の蓄えが必要だしね。
協力って言っても私は錬金術は使うけど、薬術師ではないんだよねぇ。免許制じゃないとはいえ。お母さまに少し習っただけ。
「感染が広がった近隣へ予防を徹底してもらうにはどうしたらいいんでしょうね?」
国同士の話し合いが出来るんだろうか。
「何が原因か突き止めないと無理ではないか?」
そんなのわかったら、苦労しないよ。
せっかくのお茶菓子が味しないってば。
「はぁ、グリーンリバーからの使者が三日後に到着する。ナギのご一行を迎えに来るついでに我が国と数件の話しをする」
お、国境まで私はお見送りに行かなくて良くなった?
「向こうの大使に面倒が入り込んでないといいがなぁ」
あ!王様がフラグを立てた!
これは絶対何かあるよ。
王様みたいな変な人が来たりさ。
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