579 / 764
二章
568話
しおりを挟む
私としてはキョンシーの解体とお札の観察をしたいんだけど、そんなことは許されない。
ドレスのデザインや布選びで王女さまたちと私が人形にされるのだった。
『『さすがにここまでされたことはないぞ』』
王女さまたちもびっくりな熱意だった。
王女さまたちは側妃の子で、十一番目と十二番目と言うことで熱心に教育されないし、他の妃たちや義姉たちほど、家臣も構い倒さない。必要な教育はされているし、欲したものは手に入るので楽な立場だと笑う。
熱心に教育を受けていないと言うのに、大陸側の公用語がペラペラってすごいと思う。
しかも大事にされていないらしい(?)王女さまたちが、半年も外交を兼ねているとは言え、遊学できちゃう国力よ。
レイドラアースの隣がナギだったらとっくに侵攻されて潰れてるね!
キョンシーってどれくらいのことができるのかなぁ。
巨大ロボみたいに出来ちゃったら兵器だよ。
五体くらいのが集まると最終合体とか。
あれ出来たら飛行型とドリル型とかクレーンとか。
めっちゃ楽しいなぁ。
『リーシャちゃん!』
あ!着せ替え中だった。
だってヒーローやライダーってマッチョいたりするからね!ちょっと想像の翼が広がっちゃったよ。
『この生地とこちらの生地を重ねて使うのはどうでしょうか?』
マダムが持ってたのは西陣織みたいな豪奢な帯生地!!!
やっぱナギって東南アジア全般混じってるじゃん?
『こちらもナギのものですか?』
『『ん?それは我が国の北に位置する小さな島国コガネのものだ』』
コガネ!?黄金!?ジパーーーング!?
『『それが気に入ったのか?だがコガネは基本的に外部と接触したがらなくてな。それも個人的な商人から手に入れたものだったか。今後も手に入るかわからぬぞ』』
鎖国!!!
コガネは江戸時代の可能性が!
サムライや富士山や寿司や芸者がいるやも!?
ってそんな貴重な生地を他のにしれっと混ぜてる怖い。
『これは扱いにくいらしくて針子が嫌がるのです』
お衣装さんが帯を広げて見せてくれる。
確かに厚みがあって、裁断すると解れていくからねぇ。
『確かに癖が付きにくそうですねぇ』
マダムがドレスに向かないと断念したようだ。
チャイナ生地も結構解れると思うけど、厚さと柄が扱いにくいのかな。
手芸好きな子が中古の帯をバッグとかにしようとして「次から次にキンキラキンの糸がぁ!!」って荒れてた。
この世界ならテーブルランナーとかにしてもオシャレかも?だけど、せっかくなら帯にしたいよねぇ。
あ、帯の結び方、浴衣の文庫か蝶結びしかだけどきないわ。
和風ゴス衣装くらいしか思いつかないけど、王女さまたちにはおすすめ出来ないよねぇ。
『『ふむ、私たちでは使えないだろうし、気に入ったなら飾りとしてでも良いから使ってやってくれ』』
え!貴重な生地をあっさり!
『『気に入った者が持つ方がそれも嬉しかろう』』
『有り難く頂戴します』
とても綺麗で素敵な生地。メグミの時は七五三や成人式の時貸衣装で着たくらいしか着物に縁がなかったから、懐かしいとかじゃないはずだけど、故郷のものに触れた気がするのなんでだろう。
『リーシャちゃん、リーシャちゃんのお宿に飾ったら似合いそうねぇ』
お義母さまはタペストリーみたいにしたらと提案してくれた。
それもアリかも。
『『お宿?』』
『この国の建築とは違った建物で、温泉に浸かってゆっくりして丁寧なお料理を食べるためにリーシャちゃんが作ったお家ですよぅ』
まぁ、概ねそんな感じです。
『私もお仕事が落ち着いたら泊めて頂くつもりですの』
王妃さま、王妃さまのお泊まりになるのは豪華エステ付きの温泉旅館の方じゃなかったかしら?
『『ほう!それはナギに帰国する前にぜひ立ち寄りたいものだ』』
にゃー!予約希望がいっぱいだ。
『ぜひ、お泊りくださいませ』
お断りができないやつですよ。
『『他国から戻る時に帰国予定を早めに知らせるようにしよう』』
『ぜひお願いいたします』
予約の調整とかあるので。
こんな話の間もせっせと布を合わされたりして。
『最後のパーティには私たちもお揃い衣装で出たいわね』
『ええ、お互いの国の良さが引き立つようなデザインをお願いしたいわぁ』
私と王女さまたちと王妃さまとお義母さまが同じは無理なので、可愛い系と美人系みたいな超えられない壁を感じるデザインで落ち着いた。
マダムもお衣装さんたちもげっそりだけど、楽しそう。
新しいデザインに挑戦するのは燃えるようだ。
お飾りやお化粧の話まで及ぶと私にはわからないので、改めてキョンシーを観察した。
サイズ的には小学生高学年?あ、日本基準ね。
色は真っ白で、顔がない。
指先は動いてないので物を運ぶのは、対象物を魔法で浮かして持ち上げる感じ?
お札にめっちゃ指令が詰まってるのかなって見れば、魔法陣じゃなくて、文字が書かれてるだけ。
象形文字?古代語でも神聖語でもないので読めない。
『これはナギの文字ですか?』
『『ナギの古代のドゥラン文字だな』』
符呪用の文字らしい。
『もう古代の符呪は決められた文言のみ伝わるのみで、今はかなり短縮された簡単なものしかない』
なんと。
『ファリン殿下とルアラン殿下は古代の符呪が扱えると言うことですか?』
天才じゃない!?
『『いや、使えるのは三つくらいか。古代の方が指令が細かく出来るのだが、短縮したものは大した事ができぬでな。便利なのだけ覚えた』』
ひょー。簡単に言うけど、お札には大きな文字から細かい文字まで書かれてて、魔力が結構こもってる。
『殿下方は一つ教えれば十覚えるような天才だと教師が言っておりますよ』
やっぱ天才だった。
教育に熱心じゃないんじゃなくて教えられる事がない方のやつ。
『『私たちは興味があることだけだ。能力で言うなら二番目か七番目が高いであろう』』
おっと一番目は?王太子じゃないのかな。
『『符呪は門外不出だから教えてやれぬが、魔道具とやらは色々出来るのであろう?人形を動かしてみれば良いのではないか?』』
古代のドゥラン気になるけど、やっぱダメか~。マーベルハント家が知らない言語めっちゃ興味あるんだけど。
さすがに仕方がないよね。
ドレスのデザインや布選びで王女さまたちと私が人形にされるのだった。
『『さすがにここまでされたことはないぞ』』
王女さまたちもびっくりな熱意だった。
王女さまたちは側妃の子で、十一番目と十二番目と言うことで熱心に教育されないし、他の妃たちや義姉たちほど、家臣も構い倒さない。必要な教育はされているし、欲したものは手に入るので楽な立場だと笑う。
熱心に教育を受けていないと言うのに、大陸側の公用語がペラペラってすごいと思う。
しかも大事にされていないらしい(?)王女さまたちが、半年も外交を兼ねているとは言え、遊学できちゃう国力よ。
レイドラアースの隣がナギだったらとっくに侵攻されて潰れてるね!
キョンシーってどれくらいのことができるのかなぁ。
巨大ロボみたいに出来ちゃったら兵器だよ。
五体くらいのが集まると最終合体とか。
あれ出来たら飛行型とドリル型とかクレーンとか。
めっちゃ楽しいなぁ。
『リーシャちゃん!』
あ!着せ替え中だった。
だってヒーローやライダーってマッチョいたりするからね!ちょっと想像の翼が広がっちゃったよ。
『この生地とこちらの生地を重ねて使うのはどうでしょうか?』
マダムが持ってたのは西陣織みたいな豪奢な帯生地!!!
やっぱナギって東南アジア全般混じってるじゃん?
『こちらもナギのものですか?』
『『ん?それは我が国の北に位置する小さな島国コガネのものだ』』
コガネ!?黄金!?ジパーーーング!?
『『それが気に入ったのか?だがコガネは基本的に外部と接触したがらなくてな。それも個人的な商人から手に入れたものだったか。今後も手に入るかわからぬぞ』』
鎖国!!!
コガネは江戸時代の可能性が!
サムライや富士山や寿司や芸者がいるやも!?
ってそんな貴重な生地を他のにしれっと混ぜてる怖い。
『これは扱いにくいらしくて針子が嫌がるのです』
お衣装さんが帯を広げて見せてくれる。
確かに厚みがあって、裁断すると解れていくからねぇ。
『確かに癖が付きにくそうですねぇ』
マダムがドレスに向かないと断念したようだ。
チャイナ生地も結構解れると思うけど、厚さと柄が扱いにくいのかな。
手芸好きな子が中古の帯をバッグとかにしようとして「次から次にキンキラキンの糸がぁ!!」って荒れてた。
この世界ならテーブルランナーとかにしてもオシャレかも?だけど、せっかくなら帯にしたいよねぇ。
あ、帯の結び方、浴衣の文庫か蝶結びしかだけどきないわ。
和風ゴス衣装くらいしか思いつかないけど、王女さまたちにはおすすめ出来ないよねぇ。
『『ふむ、私たちでは使えないだろうし、気に入ったなら飾りとしてでも良いから使ってやってくれ』』
え!貴重な生地をあっさり!
『『気に入った者が持つ方がそれも嬉しかろう』』
『有り難く頂戴します』
とても綺麗で素敵な生地。メグミの時は七五三や成人式の時貸衣装で着たくらいしか着物に縁がなかったから、懐かしいとかじゃないはずだけど、故郷のものに触れた気がするのなんでだろう。
『リーシャちゃん、リーシャちゃんのお宿に飾ったら似合いそうねぇ』
お義母さまはタペストリーみたいにしたらと提案してくれた。
それもアリかも。
『『お宿?』』
『この国の建築とは違った建物で、温泉に浸かってゆっくりして丁寧なお料理を食べるためにリーシャちゃんが作ったお家ですよぅ』
まぁ、概ねそんな感じです。
『私もお仕事が落ち着いたら泊めて頂くつもりですの』
王妃さま、王妃さまのお泊まりになるのは豪華エステ付きの温泉旅館の方じゃなかったかしら?
『『ほう!それはナギに帰国する前にぜひ立ち寄りたいものだ』』
にゃー!予約希望がいっぱいだ。
『ぜひ、お泊りくださいませ』
お断りができないやつですよ。
『『他国から戻る時に帰国予定を早めに知らせるようにしよう』』
『ぜひお願いいたします』
予約の調整とかあるので。
こんな話の間もせっせと布を合わされたりして。
『最後のパーティには私たちもお揃い衣装で出たいわね』
『ええ、お互いの国の良さが引き立つようなデザインをお願いしたいわぁ』
私と王女さまたちと王妃さまとお義母さまが同じは無理なので、可愛い系と美人系みたいな超えられない壁を感じるデザインで落ち着いた。
マダムもお衣装さんたちもげっそりだけど、楽しそう。
新しいデザインに挑戦するのは燃えるようだ。
お飾りやお化粧の話まで及ぶと私にはわからないので、改めてキョンシーを観察した。
サイズ的には小学生高学年?あ、日本基準ね。
色は真っ白で、顔がない。
指先は動いてないので物を運ぶのは、対象物を魔法で浮かして持ち上げる感じ?
お札にめっちゃ指令が詰まってるのかなって見れば、魔法陣じゃなくて、文字が書かれてるだけ。
象形文字?古代語でも神聖語でもないので読めない。
『これはナギの文字ですか?』
『『ナギの古代のドゥラン文字だな』』
符呪用の文字らしい。
『もう古代の符呪は決められた文言のみ伝わるのみで、今はかなり短縮された簡単なものしかない』
なんと。
『ファリン殿下とルアラン殿下は古代の符呪が扱えると言うことですか?』
天才じゃない!?
『『いや、使えるのは三つくらいか。古代の方が指令が細かく出来るのだが、短縮したものは大した事ができぬでな。便利なのだけ覚えた』』
ひょー。簡単に言うけど、お札には大きな文字から細かい文字まで書かれてて、魔力が結構こもってる。
『殿下方は一つ教えれば十覚えるような天才だと教師が言っておりますよ』
やっぱ天才だった。
教育に熱心じゃないんじゃなくて教えられる事がない方のやつ。
『『私たちは興味があることだけだ。能力で言うなら二番目か七番目が高いであろう』』
おっと一番目は?王太子じゃないのかな。
『『符呪は門外不出だから教えてやれぬが、魔道具とやらは色々出来るのであろう?人形を動かしてみれば良いのではないか?』』
古代のドゥラン気になるけど、やっぱダメか~。マーベルハント家が知らない言語めっちゃ興味あるんだけど。
さすがに仕方がないよね。
632
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる