577 / 764
二章
566話
しおりを挟む
グレーデン家用の食堂に入ると、お義父さま達とセリウスさまが席についてた。
「「「おはよう」」」
「おはようございます」
テーブルの上にはすでにパンとお肉がドーンと用意されてた。
「父上が狩ったコカトリスを持ってきたぞぅ」
コカトリスはまだ実物は見たことないけど、グレーデン家の貯蔵庫にはたまにブロック分けされて入ってる。
「半分は王家に譲ったぞぅ?魔素の足りぬ食事が続いてはリーシャちゃんが痩せてしまうかなぁ!たんと食え」
ノーマルなお肉には魔素が少なくて淡白だったけど、昨夜は夜会料理でそれなりに魔素充実してたから痩せないはず~。
「ありがとうございます」
お義父さまがせっせとお義母さまと私のお皿に山盛りに分けてくれる。
ちなみにスープはコーンスープだった。濃厚とろりで最高に美味しい。
「私は今夜からタウンハウスに移りますからねぇ」
お義母さまは数件の面会と茶会に参加して、お義父さまは王国騎士団で少し訓練に付き合って、王子さまたちの遊びにお付き合いして、三日くらいでグレーデンに戻るんだそう。
「小忙しいねー」
王女さま達の予定は詰まってはないけど、私はそれなりに控えてないとだから王宮にお泊まり。豪華なお部屋は落ち着かないなぁ。
「リーシャちゃんのお仕事は私とデリアお義母さまでするから心配しないでねぇ」
奨学金基金や子供達の学校の諸々、料理学校とかは一応私のお仕事。
基本が決まってるからもう人任せもいいけど、進んでいく過程を見るのも楽しいのにね。
「よろしくお願いします」
私がいないから進まないとかは困るからとても助かります。
「決裁とか最終的な確認はこっちに書類送るからぁ」
あ、丸投げじゃなかった。
「うふふ、リーシャちゃんが戻ったら一緒にお宿で過ごしましょうねぇ」
温泉でまったりしたいなぁ。
食後のお茶にはパンケーキ。パンケーキって一食分にカウントしても良くない?
お義母さまに贈り物のお礼状に何を付けたら良いか相談したら、私からならお菓子セットや市販で出してる化粧水とかでも良いって。
刺繍した物とか言われたらできないから、良かった。
「お昼からはシフォンちゃんとナギのお衣装さんが王女さま達とリーシャちゃんのお揃いを作るお話をしたいんですってねぇ」
王女さま達とお揃いなんて恐れ多過ぎるけど、ご本人たちが乗り気だから逃げられないようだ。
せめて私の分は生地の質とか落とすしかないかなぁ。
「王妃さまが私も参加してって誘ってくださったから楽しみねぇ」
あ、午後は潰れたようだ。
「リーシャちゃん、がんばれー」
全く心がこもってない応援をセリウスさまがしてくれた。
男物も着せ替えショーできると思うんだ。私。
「セリウスさまは今日のご予定は?」
「ガーラント卿主催の奨学金基金の相談会と辺境三家と警備の会議だよー」
何も言えないやつ~!!
「私も奨学金基金のでた方が良くないですか?」
「いや、リーシャちゃんは王都であまりたぬきジジイどもと接点を持たない方が良いよー」
およよ。
「あいつらすぐ慣れてない若造に不利な契約取り付けようとするシート、リーシャちゃんを取り込もうとするだろうしー」
私を取り込んでもお金はギルドの口座だし、権利関係は全部王家チェックが入ると思うし、自由にはできないと思うなぁ。
「ま、父上も兄上もそんなこと許すわけないから良いけどねー」
そんな軽く言ってるけど、セリウスさまも本気出したら怖そうだなぁ。
「うふふ、私を敵に回すなら国中の夫人を使っていたぶってあげますわぁ」
お義母さまはも怖かった。
「普段は舐められてる程度の方が動きやすいから放っておいてあげるけれどねぇ、お馬鹿さんは徹底的に潰してあげないとぉ♡」
ルークだけじゃなくて、怒るとみんな冷気が漂うの。寒いよぅ。
「ふん、あまり舐めた真似をするなら騎士の派遣をやめて領地に隠れば良いぞぅ。さすればほとんどの領地は国に領地を返還するじゃろうて」
騎士団を抱えれない領地は自警団と傭兵団で警護しているが境界が曖昧な場所は国の予算から派遣される辺境三家の騎士団が担当している。
その曖昧な土地には大体、魔の森があったりで騎士団の派遣がなくなったら近隣の領地はたちまち怯えて暮らすことになる。
その状況下で辺境三家を下に見てるのおバカすぎるなぁ。
「本当にねー、ついでに自領に出た魔獣を倒せとか言って金出さないんだよー」
ついでに!
倒した魔獣は倒した者の物なので損はしないけど、ムカつくね。
「そういう領地には魔獣肉が流れていかんからいつまで経っても強い者が育たんのにのう」
魔素を取り込めないまま育つと魔力も育たないから、そりゃ魔導師も少ないはずだよ。
「返還されてマシな領主に分配されるのは良いんだがみんな大領地になってしまうよのぅ」
それは仕事が増えて大変だよ。
でもそんなおバカな貴族なら大人しく返還してくれたら良いけど、領民と土地に被害が出まくって再生不可能くらいまでゴネそうじゃん。
「さすがにそろそろ自分たちの立ち位置がわかるんじゃないかしらぁ?」
なんで?
「悪さをしていた人たちがいないんだからぁ自分たちの無能さが目立ってしまうでしょう?」
隠れ蓑がなくなって、気がついたら剥き出しでウロウロしちゃうのか。
くぅー!それは恥ずかしい。
「いないから欲が出たともいうよねー」
周りの国が辺境三家の睨みに大人しくしててくれてるから良いものの、滅んでてもおかしくないよね。
「「「おはよう」」」
「おはようございます」
テーブルの上にはすでにパンとお肉がドーンと用意されてた。
「父上が狩ったコカトリスを持ってきたぞぅ」
コカトリスはまだ実物は見たことないけど、グレーデン家の貯蔵庫にはたまにブロック分けされて入ってる。
「半分は王家に譲ったぞぅ?魔素の足りぬ食事が続いてはリーシャちゃんが痩せてしまうかなぁ!たんと食え」
ノーマルなお肉には魔素が少なくて淡白だったけど、昨夜は夜会料理でそれなりに魔素充実してたから痩せないはず~。
「ありがとうございます」
お義父さまがせっせとお義母さまと私のお皿に山盛りに分けてくれる。
ちなみにスープはコーンスープだった。濃厚とろりで最高に美味しい。
「私は今夜からタウンハウスに移りますからねぇ」
お義母さまは数件の面会と茶会に参加して、お義父さまは王国騎士団で少し訓練に付き合って、王子さまたちの遊びにお付き合いして、三日くらいでグレーデンに戻るんだそう。
「小忙しいねー」
王女さま達の予定は詰まってはないけど、私はそれなりに控えてないとだから王宮にお泊まり。豪華なお部屋は落ち着かないなぁ。
「リーシャちゃんのお仕事は私とデリアお義母さまでするから心配しないでねぇ」
奨学金基金や子供達の学校の諸々、料理学校とかは一応私のお仕事。
基本が決まってるからもう人任せもいいけど、進んでいく過程を見るのも楽しいのにね。
「よろしくお願いします」
私がいないから進まないとかは困るからとても助かります。
「決裁とか最終的な確認はこっちに書類送るからぁ」
あ、丸投げじゃなかった。
「うふふ、リーシャちゃんが戻ったら一緒にお宿で過ごしましょうねぇ」
温泉でまったりしたいなぁ。
食後のお茶にはパンケーキ。パンケーキって一食分にカウントしても良くない?
お義母さまに贈り物のお礼状に何を付けたら良いか相談したら、私からならお菓子セットや市販で出してる化粧水とかでも良いって。
刺繍した物とか言われたらできないから、良かった。
「お昼からはシフォンちゃんとナギのお衣装さんが王女さま達とリーシャちゃんのお揃いを作るお話をしたいんですってねぇ」
王女さま達とお揃いなんて恐れ多過ぎるけど、ご本人たちが乗り気だから逃げられないようだ。
せめて私の分は生地の質とか落とすしかないかなぁ。
「王妃さまが私も参加してって誘ってくださったから楽しみねぇ」
あ、午後は潰れたようだ。
「リーシャちゃん、がんばれー」
全く心がこもってない応援をセリウスさまがしてくれた。
男物も着せ替えショーできると思うんだ。私。
「セリウスさまは今日のご予定は?」
「ガーラント卿主催の奨学金基金の相談会と辺境三家と警備の会議だよー」
何も言えないやつ~!!
「私も奨学金基金のでた方が良くないですか?」
「いや、リーシャちゃんは王都であまりたぬきジジイどもと接点を持たない方が良いよー」
およよ。
「あいつらすぐ慣れてない若造に不利な契約取り付けようとするシート、リーシャちゃんを取り込もうとするだろうしー」
私を取り込んでもお金はギルドの口座だし、権利関係は全部王家チェックが入ると思うし、自由にはできないと思うなぁ。
「ま、父上も兄上もそんなこと許すわけないから良いけどねー」
そんな軽く言ってるけど、セリウスさまも本気出したら怖そうだなぁ。
「うふふ、私を敵に回すなら国中の夫人を使っていたぶってあげますわぁ」
お義母さまはも怖かった。
「普段は舐められてる程度の方が動きやすいから放っておいてあげるけれどねぇ、お馬鹿さんは徹底的に潰してあげないとぉ♡」
ルークだけじゃなくて、怒るとみんな冷気が漂うの。寒いよぅ。
「ふん、あまり舐めた真似をするなら騎士の派遣をやめて領地に隠れば良いぞぅ。さすればほとんどの領地は国に領地を返還するじゃろうて」
騎士団を抱えれない領地は自警団と傭兵団で警護しているが境界が曖昧な場所は国の予算から派遣される辺境三家の騎士団が担当している。
その曖昧な土地には大体、魔の森があったりで騎士団の派遣がなくなったら近隣の領地はたちまち怯えて暮らすことになる。
その状況下で辺境三家を下に見てるのおバカすぎるなぁ。
「本当にねー、ついでに自領に出た魔獣を倒せとか言って金出さないんだよー」
ついでに!
倒した魔獣は倒した者の物なので損はしないけど、ムカつくね。
「そういう領地には魔獣肉が流れていかんからいつまで経っても強い者が育たんのにのう」
魔素を取り込めないまま育つと魔力も育たないから、そりゃ魔導師も少ないはずだよ。
「返還されてマシな領主に分配されるのは良いんだがみんな大領地になってしまうよのぅ」
それは仕事が増えて大変だよ。
でもそんなおバカな貴族なら大人しく返還してくれたら良いけど、領民と土地に被害が出まくって再生不可能くらいまでゴネそうじゃん。
「さすがにそろそろ自分たちの立ち位置がわかるんじゃないかしらぁ?」
なんで?
「悪さをしていた人たちがいないんだからぁ自分たちの無能さが目立ってしまうでしょう?」
隠れ蓑がなくなって、気がついたら剥き出しでウロウロしちゃうのか。
くぅー!それは恥ずかしい。
「いないから欲が出たともいうよねー」
周りの国が辺境三家の睨みに大人しくしててくれてるから良いものの、滅んでてもおかしくないよね。
630
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる