576 / 764
二章
565話
しおりを挟む
「おはようございます」
目が覚めたら、ベッドの端から仰向けの状態で上半身落ちてて、ニーナが私を抱えて起こしてくれてた。
「頭に血が上ってませんか?」
うーん?お腹が伸びた感じがするだけ。
「大丈夫~」
洗顔と美容パックをされて、重すぎないドレスに着替えさせてもらった。
「朝食は大旦那様と大奥様からお誘いがございますがどうなさいますか?」
それはイエスしかないやつです。
「それから、贈り物が届いています」
「贈り物?」
「グレーデン家ではなく、リーシャさま宛です。ですが、下心のあるものは除外してありますので」
ん?
応接用の部屋にデデンと箱が載っている。
アメリカドラマとかクリスマスの子供部屋みたいね。
「リーシャさまのお作りになった魔道具や美容品などについてのお礼が主です」
あらま、それはお値段に反映されてるので個人的なお礼は必要ないはず?
「下心とは?」
美容品やお酒の優遇とかかな。
「ジュリアスさまが朴念仁だろうから王都にいらっしゃる間にお相手して差し上げようなど下世話なものです」
浮気のお誘い??
グレーデン家を下に見てる家が多いなぁ。もう潰しちゃう?物理で。
ニーナが無表情で淡々と話す様子は怖いぞ。
「その方はジュリアスさまより立派な筋肉をお持ちなの?」
私がうっかり見惚れるような上腕二頭筋でもお持ちなのかしら。
「さぁ?昨夜の夜会で見たところ、辺境伯家の方達より立派な体格の方はいらっしゃらなかったかと。リュフェリー家、ホーン家の方達くらいしか比較できないでしょう」
だよね!辺境三家は身長もあるし、なんか種族が王都貴族と違ってるよね。
「お義父さまやアークさまくらいの体になってから出直して欲しいよ」
二メートル越えの岩超えて山のような筋骨隆々な肩に胸板。盛りっ盛りの腕に太もも。どこをとっても最高だよ!
「その基準には同意できませんが、お二方とも良い心根の素敵な方ですね」
ニーナは何基準でルークを選んだのか。性格はクールだし、怖いし。イケメンの細マッチョだけど・・・うん。顔と筋肉は大事か。
「お返事は早い方がいいの?下心の方は余計なお世話とストレートに返したいわね」
「ご夫人方には後日ゆっくりとお礼の品物をつけて。無礼な方には旦那様より素敵なお返事が行くことでしょう」
あ、ジュリアスさまに丸投げでいいの?
「可愛い妻に変な虫が集ったら滅さねばならないですからね」
滅されちゃうの?小蝿や黒いやつみたいな扱いだ。
「ついでにルークさまより素敵な追撃も行くのではないでしょうか」
ぬ?その家は跡形は残りますかね?国外に逃亡しないと恐ろしくて暮らせない気がするよ。
「以前はマーベルハント家やセラーナさまのお血筋ということだけでウジ虫のような者がグレーデン家では扱いかねるだろうと慇懃な手紙もありましたが、最近はリーシャさまの能力や美しさに目を付けたク○虫が沸いて出るので完膚なきまで叩き潰すようにルークさまにもお願いしてあります」
何かところどころ気になる単語があったけど、置いといて、私のニーナが毒舌になったのってルークのせいじゃないかな!?
「バカな貴族を退けるのは婚姻時にグレーデン家が引き受けた役割なのでリーシャさまが気に病む必要はありません。むしろ愚か者を炙り出して潰すのは陛下の望みでしょう」
あー、レイドラアースってよく国が滅びなかったよねって感じなので貴族が八割くらい消えた方が平和かもしれないね。
「ニーナ、毒舌はルークに似たらダメだよ」
「私は元々気は強いですよ」
嘘だぁ。
「ルークさまはあれで優しいのですよ」
うーん。理不尽に怒られたりはないけどさ。ニーナが良いならまぁ良いのだろう。
部屋から出るとチェイスさんとアモンさんが待機してた。
「おはよう」
「はよーっす」
「おはようございます」
王宮の中だから、服を着崩してないのになぜか気怠い眠そうな雰囲気が漂う。
「ルークやルーデウスの寝込みを狙った侍女やメイドが押しかけてきて大変だった」
ん?
「上級侍女や女官はそんなことしねぇが腰掛けメイドと下級侍女は結婚相手を必死に探してるからなぁ」
「ルークが結婚したのを知らない程度じゃ辺境伯の側近の妻は無理だよな」
情報を集めたり調べたりしない不勤勉な人たちか。
ルークはとっくにグレーデンに帰ってるし。
「アラン達も寝不足だから昼までは俺たちが付きますんで」
おおー。少年が目をギラギラさせた女性達を抑えてたのか。大変だ。お菓子あげよう。
「チェイスさん達は狙われないの?」
「おーん?モテることはモテるけど、ルークやルーデウス狙いじゃ俺たちには来ないわなぁ」
チェイスさんはちょいワル親父系でアモンさんはマッチョだけど甘い顔立ち、アランとジェイクはピッチピチの爽やか少年だから将来有望。
貴族出身じゃないけど、チェイスさんとアモンさんは褒章で騎士爵持ってるのにねぇ。知られてないのかな。
「アモンさんもチェイスさんも騎士爵なのバレたら襲われそうだから気をつけてね」
「「ゲッ」」
アランとジェイクもあと数年もしたら、大物討伐したりで貰えるよね。
「モテるのは嬉しいが王都の女は体力がねぇからな」
バン!!
何やらお下品なことを言ったチェイスさんにニーナが閉じたままの扇子をぶん投げた。
ギリギリ避けたチェイスさんをアモンさんが小突く。
「お前、領地戻ったら訓練増やされるぞ」
「ゲーェ」
まぁ、嫌がってるけど、チェイスさんは全然へこたれないから良いんじゃないかな。
目が覚めたら、ベッドの端から仰向けの状態で上半身落ちてて、ニーナが私を抱えて起こしてくれてた。
「頭に血が上ってませんか?」
うーん?お腹が伸びた感じがするだけ。
「大丈夫~」
洗顔と美容パックをされて、重すぎないドレスに着替えさせてもらった。
「朝食は大旦那様と大奥様からお誘いがございますがどうなさいますか?」
それはイエスしかないやつです。
「それから、贈り物が届いています」
「贈り物?」
「グレーデン家ではなく、リーシャさま宛です。ですが、下心のあるものは除外してありますので」
ん?
応接用の部屋にデデンと箱が載っている。
アメリカドラマとかクリスマスの子供部屋みたいね。
「リーシャさまのお作りになった魔道具や美容品などについてのお礼が主です」
あらま、それはお値段に反映されてるので個人的なお礼は必要ないはず?
「下心とは?」
美容品やお酒の優遇とかかな。
「ジュリアスさまが朴念仁だろうから王都にいらっしゃる間にお相手して差し上げようなど下世話なものです」
浮気のお誘い??
グレーデン家を下に見てる家が多いなぁ。もう潰しちゃう?物理で。
ニーナが無表情で淡々と話す様子は怖いぞ。
「その方はジュリアスさまより立派な筋肉をお持ちなの?」
私がうっかり見惚れるような上腕二頭筋でもお持ちなのかしら。
「さぁ?昨夜の夜会で見たところ、辺境伯家の方達より立派な体格の方はいらっしゃらなかったかと。リュフェリー家、ホーン家の方達くらいしか比較できないでしょう」
だよね!辺境三家は身長もあるし、なんか種族が王都貴族と違ってるよね。
「お義父さまやアークさまくらいの体になってから出直して欲しいよ」
二メートル越えの岩超えて山のような筋骨隆々な肩に胸板。盛りっ盛りの腕に太もも。どこをとっても最高だよ!
「その基準には同意できませんが、お二方とも良い心根の素敵な方ですね」
ニーナは何基準でルークを選んだのか。性格はクールだし、怖いし。イケメンの細マッチョだけど・・・うん。顔と筋肉は大事か。
「お返事は早い方がいいの?下心の方は余計なお世話とストレートに返したいわね」
「ご夫人方には後日ゆっくりとお礼の品物をつけて。無礼な方には旦那様より素敵なお返事が行くことでしょう」
あ、ジュリアスさまに丸投げでいいの?
「可愛い妻に変な虫が集ったら滅さねばならないですからね」
滅されちゃうの?小蝿や黒いやつみたいな扱いだ。
「ついでにルークさまより素敵な追撃も行くのではないでしょうか」
ぬ?その家は跡形は残りますかね?国外に逃亡しないと恐ろしくて暮らせない気がするよ。
「以前はマーベルハント家やセラーナさまのお血筋ということだけでウジ虫のような者がグレーデン家では扱いかねるだろうと慇懃な手紙もありましたが、最近はリーシャさまの能力や美しさに目を付けたク○虫が沸いて出るので完膚なきまで叩き潰すようにルークさまにもお願いしてあります」
何かところどころ気になる単語があったけど、置いといて、私のニーナが毒舌になったのってルークのせいじゃないかな!?
「バカな貴族を退けるのは婚姻時にグレーデン家が引き受けた役割なのでリーシャさまが気に病む必要はありません。むしろ愚か者を炙り出して潰すのは陛下の望みでしょう」
あー、レイドラアースってよく国が滅びなかったよねって感じなので貴族が八割くらい消えた方が平和かもしれないね。
「ニーナ、毒舌はルークに似たらダメだよ」
「私は元々気は強いですよ」
嘘だぁ。
「ルークさまはあれで優しいのですよ」
うーん。理不尽に怒られたりはないけどさ。ニーナが良いならまぁ良いのだろう。
部屋から出るとチェイスさんとアモンさんが待機してた。
「おはよう」
「はよーっす」
「おはようございます」
王宮の中だから、服を着崩してないのになぜか気怠い眠そうな雰囲気が漂う。
「ルークやルーデウスの寝込みを狙った侍女やメイドが押しかけてきて大変だった」
ん?
「上級侍女や女官はそんなことしねぇが腰掛けメイドと下級侍女は結婚相手を必死に探してるからなぁ」
「ルークが結婚したのを知らない程度じゃ辺境伯の側近の妻は無理だよな」
情報を集めたり調べたりしない不勤勉な人たちか。
ルークはとっくにグレーデンに帰ってるし。
「アラン達も寝不足だから昼までは俺たちが付きますんで」
おおー。少年が目をギラギラさせた女性達を抑えてたのか。大変だ。お菓子あげよう。
「チェイスさん達は狙われないの?」
「おーん?モテることはモテるけど、ルークやルーデウス狙いじゃ俺たちには来ないわなぁ」
チェイスさんはちょいワル親父系でアモンさんはマッチョだけど甘い顔立ち、アランとジェイクはピッチピチの爽やか少年だから将来有望。
貴族出身じゃないけど、チェイスさんとアモンさんは褒章で騎士爵持ってるのにねぇ。知られてないのかな。
「アモンさんもチェイスさんも騎士爵なのバレたら襲われそうだから気をつけてね」
「「ゲッ」」
アランとジェイクもあと数年もしたら、大物討伐したりで貰えるよね。
「モテるのは嬉しいが王都の女は体力がねぇからな」
バン!!
何やらお下品なことを言ったチェイスさんにニーナが閉じたままの扇子をぶん投げた。
ギリギリ避けたチェイスさんをアモンさんが小突く。
「お前、領地戻ったら訓練増やされるぞ」
「ゲーェ」
まぁ、嫌がってるけど、チェイスさんは全然へこたれないから良いんじゃないかな。
643
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
我儘女に転生したよ
B.Branch
ファンタジー
転生したら、貴族の第二夫人で息子ありでした。
性格は我儘で癇癪持ちのヒステリック女。
夫との関係は冷え切り、みんなに敬遠される存在です。
でも、息子は超可愛いです。
魔法も使えるみたいなので、息子と一緒に楽しく暮らします。
竜神に愛された令嬢は華麗に微笑む。〜嫌われ令嬢? いいえ、嫌われているのはお父さまのほうでしてよ。〜
石河 翠
恋愛
侯爵令嬢のジェニファーは、ある日父親から侯爵家当主代理として罪を償えと脅される。
それというのも、竜神からの預かりものである宝石に手をつけてしまったからだというのだ。
ジェニファーは、彼女の出産の際に母親が命を落としたことで、実の父親からひどく憎まれていた。
執事のロデリックを含め、家人勢揃いで出かけることに。
やがて彼女は別れの言葉を告げるとためらいなく竜穴に身を投げるが、実は彼女にはある秘密があって……。
虐げられたか弱い令嬢と思いきや、メンタル最強のヒロインと、彼女のためなら人間の真似事もやぶさかではないヒロインに激甘なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:4950419)をお借りしています。

スローライフとは何なのか? のんびり建国記
久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。
ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。
だけどまあ、そんな事は夢の夢。
現実は、そんな考えを許してくれなかった。
三日と置かず、騒動は降ってくる。
基本は、いちゃこらファンタジーの予定。
そんな感じで、進みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる