575 / 765
二章
564話
しおりを挟む
ちょっと長風呂で、髪を乾かしたり、ジュリアスさまの背中をマッサージしたりして、ルークの予備入れをギリギリまで引き延ばしたら、不機嫌を装いつつ、充電完了な顔のルークが迎えに来た。
ちゃっかりニーナ補給してるんじゃん。ぶー。
「さて、リーシャさま。何も仕出かさず、大人しく、殿下方に悪影響を与えないようにお過ごしくださいよ?」
まるで私が悪いことを仕出かしているかのように言うじゃん。ちょっと魔道具作りたくなったりするだけなのに。
「やめなさいよぅ!リーシャちゃんの閃きにいろいろ助かってるんだからぁ」
ルークの後ろからルルゥが入ってきた。コックコートから簡素なスーツになってる。
「グレーデンの外でやらかしたら困るからですよ」
むぅ!
「リーシャ、ルルゥやセリウスがいるところなら多少は良いがリーシャを悪用したい人間もいるからな。気をつけろ」
ジュリアスさまの中でもやらかす認定されてる~。
ルルゥは、ジュリアスさまにポムたち用おやつとディディエ用にルルゥの魔力を込めた魔石を渡した。
「名残惜しいがそろそろ戻る。息災に過ごせ」
「ジュリアスさまもちゃんとご飯食べて寝てくださいね」
筋肉が落ちたら大変だから!
引き伸ばすとルークのお説教が増えそうだったので、客室を出て共通のホールで、ジュリアスさまにハグをして見送った。
「あはは、ジュリアスさまがしょげた犬みたいだったわねぇ」
飼い主のお出かけを見送る感じ?見送ってるのは私だけど。
「半分くらいは仕事が溜まってるせいな気がするけど?」
「昔は仕事が多くても嫌な顔なんてしなかったわよぉ~、リーシャちゃんとの時間を減らしたくないのねぇ」
私がグレーデンに嫁ぐ前のジュリアスさまは仕事人間だったらしい。
「さぁ、結構遅い時間だから今日はもうお休みなさいな?何かあったらチェイスとアモン、アランとジェイクが交代で待機してるから声をかけてねぇ」
お義父さまたちの護衛も詰めてるし、侍女も交代で待機してるから、それを擦り抜けて脱走は出来ないよ。心配性だね。
「私はこのあとまた厨房に籠るからぁ」
ルルゥは休憩ついでにグ○コを受け取りに来たんだって。
私のアイテムボックスからイガイガたちをザラザラ出して、ルルゥがマジックボックスに入れていく。
「王族とナギの賓客以外はこっちのコックが受け持つから忙しいのは夜会くらいで済みそうよぅ」
王宮のコックさんたちにレシピ流して、覚えてもらったら解放してもらえるかな。
「今はグレーデンから魔獣も野菜もたっぷりだけど、普段の食材での味付けはまた違うからコック長が頭抱えてたわぁ」
ノーマル獣肉は魔素量と旨味が魔獣肉より薄いのは仕方ないよね。
野菜はマシになりつつもエグみと苦味、渋味と原種の味みたいなのが残ってる。
魔素量はどんな食材にも関係してて、辺境やダンジョン、魔の森がある地域の食材とは段違いに違いがある。
国全体に魔素が満ちないと食改善出来ないけど、魔獣が増えたら対処できない地域が多いから良し悪しなんだ。
予算が増えても国がグレーデンからだけ買うのは良くないから困ったもんだよ。
ポムの種(精霊樹の子株)の影響範囲が国内全域に広がることを祈ろう。
「じゃぁ、お休みなさぁい」
「お休みなさい」
ルルゥにお部屋に押し込められてしまった。
広いお部屋にひとりぼっちは切ないね。ジュリアスさまがさっきまで居たと思うとなおさら。
ニーナは私たちがお風呂に入ってる間にベッド周りをクッション敷き詰めてくれてた。
自分の寝相の酷さを思い知らされるね!
うんしょっとベッドに乗り上げて、寝る体制を整える。
大きいベッドなのに落ちちゃうの何故かしら。見守りカメラでどんな状況か見たいよ。
カメラ欲しいなぁ。仕組みは焼き付け?一時間くらい動いちゃダメなのならなんとなく覚えてるから、魔道具でどうにか出来ないかなぁ。
隠し部屋の扉を王宮に設置したら怒られっちゃうね。
アイテムボックスの中に入れてある魔導書じゃヒントないだろうなぁ。
夜中に錬金術使ってるのバレたらニーナが一晩中見張りそうだから我慢しなくちゃ。
でも本を読むくらいは許されるだろうから一冊だけアイテムボックスから取り出した。
アイテムボックスの中身は私が不慮の事故とかで死んだら亜空間で漂うことになるので、よほど大事なものは入れたまま禁止。
隠し部屋は血縁者か同じくらいの魔力量がある人を魔力登録しておけば引き継げるから、最悪ネイマーシェ側の親族がこじ開けることは出来るだろう。
ニーナは入れるのは私と一緒の時だけなので、引き継ぎはできない。
いつかジュリアスさまか私たちの子供をって思うけど、だいぶ先だなぁ。
魔導書は錬金術習いたてくらいに何度も読んだものにした。
リーシャはこの本を何度も何度も読み込んでた。
お母さまが基礎が一番大事だと言っていたからだろう。
私はリーシャの記憶頼りで行き当たりばったりなので、魔導書は新鮮な気持ちで読んだ。
しっかりこの魔法式とか、数学が大嫌いな私には拒絶反応が出ちゃう。
科学も化学式とか謎なんだよ~。
私、リーシャが素地を残してくれてなかったら錬金術は絶対出来てなかったよ。
リーシャの記憶と言葉が脳内に浮かんでは消えるけど、本開いたまま寝ちゃったよねー。
ちゃっかりニーナ補給してるんじゃん。ぶー。
「さて、リーシャさま。何も仕出かさず、大人しく、殿下方に悪影響を与えないようにお過ごしくださいよ?」
まるで私が悪いことを仕出かしているかのように言うじゃん。ちょっと魔道具作りたくなったりするだけなのに。
「やめなさいよぅ!リーシャちゃんの閃きにいろいろ助かってるんだからぁ」
ルークの後ろからルルゥが入ってきた。コックコートから簡素なスーツになってる。
「グレーデンの外でやらかしたら困るからですよ」
むぅ!
「リーシャ、ルルゥやセリウスがいるところなら多少は良いがリーシャを悪用したい人間もいるからな。気をつけろ」
ジュリアスさまの中でもやらかす認定されてる~。
ルルゥは、ジュリアスさまにポムたち用おやつとディディエ用にルルゥの魔力を込めた魔石を渡した。
「名残惜しいがそろそろ戻る。息災に過ごせ」
「ジュリアスさまもちゃんとご飯食べて寝てくださいね」
筋肉が落ちたら大変だから!
引き伸ばすとルークのお説教が増えそうだったので、客室を出て共通のホールで、ジュリアスさまにハグをして見送った。
「あはは、ジュリアスさまがしょげた犬みたいだったわねぇ」
飼い主のお出かけを見送る感じ?見送ってるのは私だけど。
「半分くらいは仕事が溜まってるせいな気がするけど?」
「昔は仕事が多くても嫌な顔なんてしなかったわよぉ~、リーシャちゃんとの時間を減らしたくないのねぇ」
私がグレーデンに嫁ぐ前のジュリアスさまは仕事人間だったらしい。
「さぁ、結構遅い時間だから今日はもうお休みなさいな?何かあったらチェイスとアモン、アランとジェイクが交代で待機してるから声をかけてねぇ」
お義父さまたちの護衛も詰めてるし、侍女も交代で待機してるから、それを擦り抜けて脱走は出来ないよ。心配性だね。
「私はこのあとまた厨房に籠るからぁ」
ルルゥは休憩ついでにグ○コを受け取りに来たんだって。
私のアイテムボックスからイガイガたちをザラザラ出して、ルルゥがマジックボックスに入れていく。
「王族とナギの賓客以外はこっちのコックが受け持つから忙しいのは夜会くらいで済みそうよぅ」
王宮のコックさんたちにレシピ流して、覚えてもらったら解放してもらえるかな。
「今はグレーデンから魔獣も野菜もたっぷりだけど、普段の食材での味付けはまた違うからコック長が頭抱えてたわぁ」
ノーマル獣肉は魔素量と旨味が魔獣肉より薄いのは仕方ないよね。
野菜はマシになりつつもエグみと苦味、渋味と原種の味みたいなのが残ってる。
魔素量はどんな食材にも関係してて、辺境やダンジョン、魔の森がある地域の食材とは段違いに違いがある。
国全体に魔素が満ちないと食改善出来ないけど、魔獣が増えたら対処できない地域が多いから良し悪しなんだ。
予算が増えても国がグレーデンからだけ買うのは良くないから困ったもんだよ。
ポムの種(精霊樹の子株)の影響範囲が国内全域に広がることを祈ろう。
「じゃぁ、お休みなさぁい」
「お休みなさい」
ルルゥにお部屋に押し込められてしまった。
広いお部屋にひとりぼっちは切ないね。ジュリアスさまがさっきまで居たと思うとなおさら。
ニーナは私たちがお風呂に入ってる間にベッド周りをクッション敷き詰めてくれてた。
自分の寝相の酷さを思い知らされるね!
うんしょっとベッドに乗り上げて、寝る体制を整える。
大きいベッドなのに落ちちゃうの何故かしら。見守りカメラでどんな状況か見たいよ。
カメラ欲しいなぁ。仕組みは焼き付け?一時間くらい動いちゃダメなのならなんとなく覚えてるから、魔道具でどうにか出来ないかなぁ。
隠し部屋の扉を王宮に設置したら怒られっちゃうね。
アイテムボックスの中に入れてある魔導書じゃヒントないだろうなぁ。
夜中に錬金術使ってるのバレたらニーナが一晩中見張りそうだから我慢しなくちゃ。
でも本を読むくらいは許されるだろうから一冊だけアイテムボックスから取り出した。
アイテムボックスの中身は私が不慮の事故とかで死んだら亜空間で漂うことになるので、よほど大事なものは入れたまま禁止。
隠し部屋は血縁者か同じくらいの魔力量がある人を魔力登録しておけば引き継げるから、最悪ネイマーシェ側の親族がこじ開けることは出来るだろう。
ニーナは入れるのは私と一緒の時だけなので、引き継ぎはできない。
いつかジュリアスさまか私たちの子供をって思うけど、だいぶ先だなぁ。
魔導書は錬金術習いたてくらいに何度も読んだものにした。
リーシャはこの本を何度も何度も読み込んでた。
お母さまが基礎が一番大事だと言っていたからだろう。
私はリーシャの記憶頼りで行き当たりばったりなので、魔導書は新鮮な気持ちで読んだ。
しっかりこの魔法式とか、数学が大嫌いな私には拒絶反応が出ちゃう。
科学も化学式とか謎なんだよ~。
私、リーシャが素地を残してくれてなかったら錬金術は絶対出来てなかったよ。
リーシャの記憶と言葉が脳内に浮かんでは消えるけど、本開いたまま寝ちゃったよねー。
624
お気に入りに追加
1,876
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる