ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

564話

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 ちょっと長風呂で、髪を乾かしたり、ジュリアスさまの背中をマッサージしたりして、ルークの予備入れをギリギリまで引き延ばしたら、不機嫌を装いつつ、充電完了な顔のルークが迎えに来た。
 ちゃっかりニーナ補給してるんじゃん。ぶー。

「さて、リーシャさま。何も仕出かさず、大人しく、殿下方に悪影響を与えないようにお過ごしくださいよ?」

 まるで私が悪いことを仕出かしているかのように言うじゃん。ちょっと魔道具作りたくなったりするだけなのに。

「やめなさいよぅ!リーシャちゃんの閃きにいろいろ助かってるんだからぁ」

 ルークの後ろからルルゥが入ってきた。コックコートから簡素なスーツになってる。

「グレーデンの外でやらかしたら困るからですよ」
 むぅ!

「リーシャ、ルルゥやセリウスがいるところなら多少は良いがリーシャを悪用したい人間もいるからな。気をつけろ」
 ジュリアスさまの中でもやらかす認定されてる~。

 ルルゥは、ジュリアスさまにポムたち用おやつとディディエ用にルルゥの魔力を込めた魔石を渡した。

「名残惜しいがそろそろ戻る。息災に過ごせ」
「ジュリアスさまもちゃんとご飯食べて寝てくださいね」
 筋肉が落ちたら大変だから!

 引き伸ばすとルークのお説教が増えそうだったので、客室を出て共通のホールで、ジュリアスさまにハグをして見送った。

「あはは、ジュリアスさまがしょげた犬みたいだったわねぇ」
 飼い主のお出かけを見送る感じ?見送ってるのは私だけど。

「半分くらいは仕事が溜まってるせいな気がするけど?」
「昔は仕事が多くても嫌な顔なんてしなかったわよぉ~、リーシャちゃんとの時間を減らしたくないのねぇ」
 私がグレーデンに嫁ぐ前のジュリアスさまは仕事人間だったらしい。

「さぁ、結構遅い時間だから今日はもうお休みなさいな?何かあったらチェイスとアモン、アランとジェイクが交代で待機してるから声をかけてねぇ」
 お義父さまたちの護衛も詰めてるし、侍女も交代で待機してるから、それを擦り抜けて脱走は出来ないよ。心配性だね。

「私はこのあとまた厨房に籠るからぁ」
 ルルゥは休憩ついでにグ○コを受け取りに来たんだって。
 私のアイテムボックスからイガイガたちをザラザラ出して、ルルゥがマジックボックスに入れていく。

「王族とナギの賓客以外はこっちのコックが受け持つから忙しいのは夜会くらいで済みそうよぅ」
 王宮のコックさんたちにレシピ流して、覚えてもらったら解放してもらえるかな。

「今はグレーデンから魔獣も野菜もたっぷりだけど、普段の食材での味付けはまた違うからコック長が頭抱えてたわぁ」
 ノーマル獣肉は魔素量と旨味が魔獣肉より薄いのは仕方ないよね。
 野菜はマシになりつつもエグみと苦味、渋味と原種の味みたいなのが残ってる。
 魔素量はどんな食材にも関係してて、辺境やダンジョン、魔の森がある地域の食材とは段違いに違いがある。
 
 国全体に魔素が満ちないと食改善出来ないけど、魔獣が増えたら対処できない地域が多いから良し悪しなんだ。

 予算が増えても国がグレーデンからだけ買うのは良くないから困ったもんだよ。

 ポムの種(精霊樹の子株)の影響範囲が国内全域に広がることを祈ろう。

「じゃぁ、お休みなさぁい」
「お休みなさい」
 ルルゥにお部屋に押し込められてしまった。

 広いお部屋にひとりぼっちは切ないね。ジュリアスさまがさっきまで居たと思うとなおさら。

 ニーナは私たちがお風呂に入ってる間にベッド周りをクッション敷き詰めてくれてた。
 自分の寝相の酷さを思い知らされるね!

 うんしょっとベッドに乗り上げて、寝る体制を整える。

 大きいベッドなのに落ちちゃうの何故かしら。見守りカメラでどんな状況か見たいよ。
 カメラ欲しいなぁ。仕組みは焼き付け?一時間くらい動いちゃダメなのならなんとなく覚えてるから、魔道具でどうにか出来ないかなぁ。

 隠し部屋の扉を王宮に設置したら怒られっちゃうね。

 アイテムボックスの中に入れてある魔導書じゃヒントないだろうなぁ。

 夜中に錬金術使ってるのバレたらニーナが一晩中見張りそうだから我慢しなくちゃ。

 でも本を読むくらいは許されるだろうから一冊だけアイテムボックスから取り出した。

 アイテムボックスの中身は私が不慮の事故とかで死んだら亜空間で漂うことになるので、よほど大事なものは入れたまま禁止。
 隠し部屋は血縁者か同じくらいの魔力量がある人を魔力登録しておけば引き継げるから、最悪ネイマーシェ側の親族がこじ開けることは出来るだろう。
 ニーナは入れるのは私と一緒の時だけなので、引き継ぎはできない。

 いつかジュリアスさまか私たちの子供をって思うけど、だいぶ先だなぁ。

 魔導書は錬金術習いたてくらいに何度も読んだものにした。
 リーシャはこの本を何度も何度も読み込んでた。
 お母さまが基礎が一番大事だと言っていたからだろう。

 私はリーシャの記憶頼りで行き当たりばったりなので、魔導書は新鮮な気持ちで読んだ。

 しっかりこの魔法式とか、数学が大嫌いな私には拒絶反応が出ちゃう。
 科学も化学式とか謎なんだよ~。

 私、リーシャが素地を残してくれてなかったら錬金術は絶対出来てなかったよ。

 リーシャの記憶と言葉が脳内に浮かんでは消えるけど、本開いたまま寝ちゃったよねー。





















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