568 / 710
二章
557話
しおりを挟む
我が国の王子さまたちとナギの王女さまたちと未成年がいるので、爵位順の呼び入れを簡略化して開宴時間が早まった。
いつもこうしたらいいのに。
さほど待機時間なく、大広間に迎え入れられ、公爵家まで揃ったところで、王族とナギのご一行を紹介された。
ナギの民族衣装は生地に紋様が織り込まれて華やか。
ファリン殿下とルアラン殿下はデザインは対になっていて、桃色と翠色でふんわりしたアニメに出て来そうな漢服?唐装?に、袖は布をたっぷり、お団子頭に大きな牡丹のような花飾りを指してて、めちゃんこかわいい。扇子?は立体刺繍のような感じで花束を持ってるかのよう。
ユエさまたちも漢服?唐装で洋装なレイドラアースでは見ない優雅な姿だ。
移動中はチャイナ服の長袍っぽいのを着てたので、とっておきの正装が唐装って感じかな。
『こちらは遠く海の向こうのナギ国から参られた。本日は歓迎の宴である』
『このような宴を開いていただき、嬉しく思う。ファリン・ユイ・ナギ・ファラン、父ライジンライの名代で参った。よしなに頼む』
『同じく、ルアラン・メイ・ナギ・ファランである。歓迎に感謝する』
お二人は大広間を全体的に見て、ナギ式の礼をした。
『私はユエ・サン・レイウォンです。この国の役割で言うと外交副大臣となります』
ユエさまは細身で玲瓏な雰囲気なので、ご令嬢たちがうっとりしてる。筋肉に見惚れない人とはお友達になれないなぁ。
年配の貴族たちは、王女さま二人の凛とした姿を見て、未成年であるのに、ナギ国王から大役を任され、このような遠くまで遥々と参られたのかと感動と驚きで騒めきが立つ。
この夜会には、ナギを歓迎する意味で各家当主か一番血の近い家族かを出席させている。
遠方理由や予算関係の拒否はダメだったやつ。
なのでかなり大勢が参加している。
王子さまと王女さまは未成年だけど、夜会は基本的にデビューしていない子息子女は出られないのでこの場にはいない。
ナギご一行の滞在中に、王妃さま主催のお茶会が何度かある予定だから、そこで会える感じだ。
音楽隊もいるのでBGMも流れてるけど、前半ではダンスタイムはなく、歓談中心だとのこと。
私はグレーデン家で固まってるのでとっても目立ってるんだけど、一応通訳なので王女さまたちが壇上から降りたらジュリアスさまを連れて、王女さまたちのもとに。
『『其方がいると心強い。もそっと近くに』』
私の顔を見てホッとしてくれたあとにジュリアスさまを見上げて、
『『これはさらに心強いな』』
って笑ってくれる。
威圧感があるから、疾しい気持ちがある人たちはジュリアスさまを見ると怯むんだよ。
ドレアレス公爵やユーザレア公爵が夫人を連れて挨拶に来て、夫人が『またお茶会で』と言って別の方に挨拶に行かれた。
有象無象と言って良いのか、悪き貴族ハーボット系列は一掃されても、のらりくらりと保身に走っていた人たちが良い貴族だけじゃないのを再確認したよ。
王女さまたちを未成年と侮って、ユエさまにだけ挨拶したりさ。
外交したことない人たちの浅はかさ。
頭の中のブラックリスト更新して、グレーデンとお付き合いは永遠にゼロにしてもらうからね。
「グレーデン辺境伯夫人は高貴なるお方に媚びるのはよほど上手いとみえる」
私が王女さまたちの側から離れられないと踏んで少し離れた場所で悪口を言ってくるのまでいる。おバカじゃん。
公用語じゃないからナギの人にはわからないし、失礼にならないと思ってるんだろうなぁ。
聞こえる範囲で公用語を使ってないのがすでに失礼なんだよ。だって自分たちに悪口言ってるって勘違いされちゃうからね。
『媚びるが上手いのと嫌われるのが得意なのとどちらがいいのか、教えてほしい』
ジュリアスさまがズモモモって怖い気配を出して質問すると逃げちゃった。
『接待に駆り出されるほど有能なだけで媚びるとなるのか?能力があるなら自分からこれば良いのに』
ユエさまが呆れたように言う。
『何かしら言わないと気が済まない者はどこにでもいます。話しやすさや親しみやすさはひとつの才能なので気にすることはないですよ』
なんと励まして頂いたよ。
私は口先だけの人たちの言うことは気にしないので大丈夫!わかってくれる人がわかってくれてれば良いんだし。
『うちの者がすまない』
王様たちが王女さまたちに謝罪をする。
王様の声が聞こえて人たちは、顔色悪くなる。
『気にしませんよ。個人的なお付き合いはしない人たちです』
『『そうだな』』
わぁ、ズバッと言われてるよ。さっきの人たち。ナギ国からの恩恵は得られませんぜ。
『そうしてくれると助かる。グレーデン家もそれで良い』
あら、主だった貴族からそっぽ向かれるの確定しちゃったよ。
媚を売るのが上手いのと嫌われるのが上手いの、結果は出たかな。
多分悪いこと言ってた人たちは公用語が危うかったから、友人だかに内容教えてもらえなかったら、しばらく気付かないだろう。後からジワジワっと困るかなぁ。
王子さまたちが王女さまをビュッフェコーナーに誘う。
『今日の食事は特別美味しいのです』
『キャラいのもありゅます!』
ジェロム殿下、一生懸命に公用語使うの和む。
『そうですね。美味しいものをいただきましょうか』
ユエさまが王女さまたちを両手にエスコートして向かって行くのを私たちもついて行く。
なぜか高位貴族の人たちまでついて来て大移動になったよ。
いつもこうしたらいいのに。
さほど待機時間なく、大広間に迎え入れられ、公爵家まで揃ったところで、王族とナギのご一行を紹介された。
ナギの民族衣装は生地に紋様が織り込まれて華やか。
ファリン殿下とルアラン殿下はデザインは対になっていて、桃色と翠色でふんわりしたアニメに出て来そうな漢服?唐装?に、袖は布をたっぷり、お団子頭に大きな牡丹のような花飾りを指してて、めちゃんこかわいい。扇子?は立体刺繍のような感じで花束を持ってるかのよう。
ユエさまたちも漢服?唐装で洋装なレイドラアースでは見ない優雅な姿だ。
移動中はチャイナ服の長袍っぽいのを着てたので、とっておきの正装が唐装って感じかな。
『こちらは遠く海の向こうのナギ国から参られた。本日は歓迎の宴である』
『このような宴を開いていただき、嬉しく思う。ファリン・ユイ・ナギ・ファラン、父ライジンライの名代で参った。よしなに頼む』
『同じく、ルアラン・メイ・ナギ・ファランである。歓迎に感謝する』
お二人は大広間を全体的に見て、ナギ式の礼をした。
『私はユエ・サン・レイウォンです。この国の役割で言うと外交副大臣となります』
ユエさまは細身で玲瓏な雰囲気なので、ご令嬢たちがうっとりしてる。筋肉に見惚れない人とはお友達になれないなぁ。
年配の貴族たちは、王女さま二人の凛とした姿を見て、未成年であるのに、ナギ国王から大役を任され、このような遠くまで遥々と参られたのかと感動と驚きで騒めきが立つ。
この夜会には、ナギを歓迎する意味で各家当主か一番血の近い家族かを出席させている。
遠方理由や予算関係の拒否はダメだったやつ。
なのでかなり大勢が参加している。
王子さまと王女さまは未成年だけど、夜会は基本的にデビューしていない子息子女は出られないのでこの場にはいない。
ナギご一行の滞在中に、王妃さま主催のお茶会が何度かある予定だから、そこで会える感じだ。
音楽隊もいるのでBGMも流れてるけど、前半ではダンスタイムはなく、歓談中心だとのこと。
私はグレーデン家で固まってるのでとっても目立ってるんだけど、一応通訳なので王女さまたちが壇上から降りたらジュリアスさまを連れて、王女さまたちのもとに。
『『其方がいると心強い。もそっと近くに』』
私の顔を見てホッとしてくれたあとにジュリアスさまを見上げて、
『『これはさらに心強いな』』
って笑ってくれる。
威圧感があるから、疾しい気持ちがある人たちはジュリアスさまを見ると怯むんだよ。
ドレアレス公爵やユーザレア公爵が夫人を連れて挨拶に来て、夫人が『またお茶会で』と言って別の方に挨拶に行かれた。
有象無象と言って良いのか、悪き貴族ハーボット系列は一掃されても、のらりくらりと保身に走っていた人たちが良い貴族だけじゃないのを再確認したよ。
王女さまたちを未成年と侮って、ユエさまにだけ挨拶したりさ。
外交したことない人たちの浅はかさ。
頭の中のブラックリスト更新して、グレーデンとお付き合いは永遠にゼロにしてもらうからね。
「グレーデン辺境伯夫人は高貴なるお方に媚びるのはよほど上手いとみえる」
私が王女さまたちの側から離れられないと踏んで少し離れた場所で悪口を言ってくるのまでいる。おバカじゃん。
公用語じゃないからナギの人にはわからないし、失礼にならないと思ってるんだろうなぁ。
聞こえる範囲で公用語を使ってないのがすでに失礼なんだよ。だって自分たちに悪口言ってるって勘違いされちゃうからね。
『媚びるが上手いのと嫌われるのが得意なのとどちらがいいのか、教えてほしい』
ジュリアスさまがズモモモって怖い気配を出して質問すると逃げちゃった。
『接待に駆り出されるほど有能なだけで媚びるとなるのか?能力があるなら自分からこれば良いのに』
ユエさまが呆れたように言う。
『何かしら言わないと気が済まない者はどこにでもいます。話しやすさや親しみやすさはひとつの才能なので気にすることはないですよ』
なんと励まして頂いたよ。
私は口先だけの人たちの言うことは気にしないので大丈夫!わかってくれる人がわかってくれてれば良いんだし。
『うちの者がすまない』
王様たちが王女さまたちに謝罪をする。
王様の声が聞こえて人たちは、顔色悪くなる。
『気にしませんよ。個人的なお付き合いはしない人たちです』
『『そうだな』』
わぁ、ズバッと言われてるよ。さっきの人たち。ナギ国からの恩恵は得られませんぜ。
『そうしてくれると助かる。グレーデン家もそれで良い』
あら、主だった貴族からそっぽ向かれるの確定しちゃったよ。
媚を売るのが上手いのと嫌われるのが上手いの、結果は出たかな。
多分悪いこと言ってた人たちは公用語が危うかったから、友人だかに内容教えてもらえなかったら、しばらく気付かないだろう。後からジワジワっと困るかなぁ。
王子さまたちが王女さまをビュッフェコーナーに誘う。
『今日の食事は特別美味しいのです』
『キャラいのもありゅます!』
ジェロム殿下、一生懸命に公用語使うの和む。
『そうですね。美味しいものをいただきましょうか』
ユエさまが王女さまたちを両手にエスコートして向かって行くのを私たちもついて行く。
なぜか高位貴族の人たちまでついて来て大移動になったよ。
590
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる