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二章

552話

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 お部屋で朝食をとジュリアスさまが頼んでいてくれたようで、ニーナとサラとメルが運んできてくれた。
 
 ルークはまだ来てないっぽいのが意外だけど、束の間の平和を味わっておこう。

 久しぶりのジュリアスさまの膝抱っこで甘々モーニングタイムだよ。

 メニューはスープとチーズと卵サラダのパニーニみたいなのでジュリアスさまにはお肉付きって、完全にルルゥ監修だった。

「王宮にはナギとの交流期間中はグレーデンから食材を直送する事になったんだ」
 エグ味野菜とノーマル獣肉じゃ歓待も辛いよね。
 
「ナギの歓待後の料理が辛くなっちゃうんじゃ」
「舌が肥えたなら予算に五月蝿い連中が静かになるだろうと陛下がな」
 そっか。多少は料理の味付けが改善されてても素材が変わらないと辛いよね。
 王族だけお取り寄せを毎日食べてたら反感買うし、予算が降りなければ改善進まないし。

「この期間の予算もなかなか渋ったらしくて陛下のポケットマネーも使われているらしい」
 ハーボットショックで財政もガタガタなんだろうか?
「王都周辺の物を仕入れるのと辺境から仕入れるのでは配送料も違うからな」
 グレーデンの農産物はブランド品とかにはしてないので、そこらのエグい野菜より少し高いくらいなんだけど、配送費は仕方ないね。

「ポムの精霊樹の種のおかげで王都近郊や不作の地も将来的には良い物が育つだろう」
 王様がおねだりした精霊樹の種は、ポムが直接現地に植えに行ったり、加護舞を踊ったりしてないので、急成長はしないけれど、普通の樹よりはスクスク育っているらしい。
 
 国全体が安定した農業が出来たら良いけど難しいねぇ。

「王族も好きなものや高級すぎるものは王領からの儲けや資産で買っているから我儘を通しているわけではないが、今は貴族の大量処罰で税収も減っているから渋いんだろう」

 あ!やっぱハーボットショックだった。

 ハーボットのことより先に決まっていた話とはいえ、グレーデン領の税金免除なのは反発ありそうだなぁ。

「来るときべき時が来ただけだから現状のことは気にしなくて良いだろう?」
 
 ハーボットがいつ破滅するかだっただけなのはわかるけど、自分の身内だから後味が悪過ぎるんだよ。

「薬も奴隷も関わっていた連中が愚かなだけで、それを手をこまねいて助長させたのは政治のせいだ」

 シビア。私は運良く?補償される側になってるけど、育ち方?次第ではイダルンダやキミーみたいにあちら側だった可能性もあるから。

「国の予算は時期に復活するから気にするな」

 そうなの?元ハーボット領とか復興してるのかな。

「歯車がいくつか欠けたがもう別の歯車に付け替えが済んでいる。国とはそう言うものだ」

 替えの歯車がない国もあると思うんだけど、レイドラアースはあるって事なら良いのかな。

「今は新しく付いた役職に責任や重圧から肩肘張っている者も多い。変化の時期は意味がわからない足踏みもあるだろう」

 えー、要するに慣れない立場に自分の立ち位置確保に必死ってことかなぁ?

「陛下のようにとまでは言えないが気楽にした方が仕事は捗るよな」

 王様の真似をしたら、お偉いさんが脱走したりで部下が大騒ぎだよ。


 せっかくのジュリアスさまタイムが真面目な話になっちゃった。むぅ。




__________


今日は難産で書いては消して書いては消してで燃え尽きました。
短めですがお許しを。

宴パートは明るく行きます。







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