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二章
550話
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晩餐はやはりと言うか、重鎮たちはお酒タイムがあって、王女さまたちと王子さまたち、そして私も早々に退場に。
もしもーーーーし。私は成人しているのですよーー!!!!?
セリウスさまが気の毒そうに見送ってくれた。むしろ自分も下がりたいって。
まぁお偉いおじさんばかりの中なら残らなくても良いかな。
お部屋に戻るとサラがお手紙を渡してきた。
ジュリアスさまとお義母さまからで、明日の夜会の前には王都に来られるって。
お義父さまとお祖父様は、王都行きをかけて腕相撲をしてお義父さまがかろうじて勝っって、お義父さまが来るんだそう。
クラウスさまとお祖父様たちは留守番なんだね。ブツブツ言ってそう。
ニーナは私がサラたちに着替えを手伝ってもらってた間にサクッと侍女服に着替えていた。
私の格好はなぜか寝着じゃなくて簡易なドレス。嫌な予感がするなぁと思えばやっぱり呼び出しが。
王妃さまのお部屋に連行されたよ。
ニーナが「呼ばれる前提で予定を組んでおります」って。でしょうねって、私も思っちゃうけどさ。
「うふふ、ごめんなさいねぇ、明日に合わせて美容パックしたいじゃない?」
侍女ーズさんだけ呼ぶとかはダメなのね。
「今回もグレーデンから素敵なお土産を頂いて、幸せで目の前にお花畑が広がっちゃうの」
王妃さま、天国に行きそうになってるよ。
「このショコラも!うちのコックたちも頑張ってくれてるけどここまでの味にはならないし、いろんな味にも出来ないのよねぇ」
あー、チョコ用の機械は売り出してないから粉砕した物やソース状のを販売に回してるんだっけ。
風味が落ちちゃいそうだけど、マジックボックスとかならそこまで劣化しないから良いか。
「フラウ卿がいてくれる間にいっぱい教われると良いわね」
コーナはデレードに嫁がれた王女さまのおかげで定期的に入手出来るから、王家に献上を増やすのは出来そうだけど、チョコっていくらあっても足りないよね!魅惑のおやつ。
「さて、リーシャも一緒にエステをするわよ」
え、私はガルフ夫人のとこでしたばかりなので別に良いのですが。
ガシッと掴まれて、隣のお部屋に。もはや荷物のように担がれたよ。
「まぁ!」
「うっふふ!疲れた日には素敵な香りにゆっくり浸かりたくて」
どうやら空き時間は一秒でもお風呂に入ったりマッサージやエステを受けていたいとお部屋を改造しちゃったそうだ。
プチ温泉みたいになってる。
「エステ室と浴場を隣に置いたら移動の時間も勿体無くないでしょう?」
手元にリモコンとケータイ置くみたいな感覚で?
以前はお部屋近くに猫足バスタブのある浴室があってエステ室はその隣だったはず。
私が貸してもらってる客室も備え付けは猫足バスタブのお風呂だ。
グレーデン家ではお部屋に備え付けのお風呂はそこそこ大きいけど、住んでる人が身体デカいからで。
普通はお部屋備え付けが猫足バスタブか小さめな円形バスタブ。別で広めな大浴場がある感じ。
「湿度のあるこのエステとお風呂の部屋でゆっくり過ごすとお肌が潤うの」
あはは。お部屋に加湿器を置けば良いじゃないとか言っちゃダメよね。
「さぁ、みんなグレーデンの侍女たちからエステの極意を教えてもらいましょうね」
「「「はい!」」」
お土産に渡してあったら美容品シリーズを並べて、王妃さまと私がまずはお風呂に浸けられる。
「この薬湯の元は毎回入れなくてはいけないの?」
毎回というのは水の入れ替えをしないから。
「お掃除で〈洗浄〉を使えば効果も成分も消えてしまいます」
基本的にお湯は入れ替えずに使った後に〈洗浄〉魔法で掃除しながら一ヶ月くらい使って、清掃日みたいな日に入れ替え処理してると思う。
「あら、それはそうね」
「そうなりますねぇ」
良い香りがして気持ちがいいから勿体無い気持ちにはなるかも。
「その代わり毎回香りや薬効が違うのを入れて楽しめますよ」
一般の民が使うには高いけど、貴族や王族が買うのに躊躇う価格帯じゃない・・・はず。
「お湯に浸かるだけだとこうはしっとりしないわねぇ」
お肌の老廃物を剥がした上に香りでリラックスですよ。
王妃さまは今回はハーブ系を選んだ。薔薇とか蓮とかだともっと高貴な感じで良いかも?
待機してる侍女さんたちも香りでうっとり。
フレグランスも製造販売をお兄さまに頼んであるので幸せは広がるよ。
お風呂から出ると柔らかなお高そうな布で包まれる。〈送風〉で乾かしちゃえるのにこの柔らかさは贅沢なお品!
エステ台に誘導されると、侍女ーズさんたちが美容液の順番と手順を説明。
以前と別に変わってないのに、勉強熱心だよ。
「リーシャさまはまだお若いのであまり必要ありませんが大奥様やデリアさまはこの首から肩周りを念入りに解します」
おふ!凝ってないのでちょっと痛気持ちいい感じ。リンパ流しと強めなマッサージかな。
年齢によって付きやすくなった顎肉と肩肉を流すみたいなことを言ってる。
お義母さまたちの顎肉や肩肉を気にしたことがないんだけど、ちゃんとケアしてたのか!!と言うか顎周りは肉が付くのは知ってるけど肩にも肉が乗るのか。
「まぁ!気を抜くと顎が二重になるのよ。これは気持ちがいいわね」
普通に細めな王妃さまもお義母さまも気にするんだ。覚えておこう。
順番に背中や腰、腕、脚、足の裏とかなり念入りに解して、美容液を塗り込まれた。
王妃さまに説明しながらのためだけど、私がピカピカになってどうするんだ。
でも馬車の旅と普段の環境じゃないことでわりと身体が凝ってたみたいで気持ちよかった。
王妃さまはかなりお疲れボディだったみたいで、うちの侍女ーズさんにも解されて、ちょっとすんごい声が出てた。
あのね、女性だけどグレーデンの人たちなの。パワーがあるの。って王妃さまも知ってるか。
途中で少しご機嫌な王様が王妃さまに会いに来たそうだけど、私もセクシー(?)な状態なので入室不可で「おぅ・・・おやすみと伝えてくれ」って自室に戻ったらしい。
私が解放されたのは深夜少し前。
王妃さまは途中で爆睡してたよ。
もしもーーーーし。私は成人しているのですよーー!!!!?
セリウスさまが気の毒そうに見送ってくれた。むしろ自分も下がりたいって。
まぁお偉いおじさんばかりの中なら残らなくても良いかな。
お部屋に戻るとサラがお手紙を渡してきた。
ジュリアスさまとお義母さまからで、明日の夜会の前には王都に来られるって。
お義父さまとお祖父様は、王都行きをかけて腕相撲をしてお義父さまがかろうじて勝っって、お義父さまが来るんだそう。
クラウスさまとお祖父様たちは留守番なんだね。ブツブツ言ってそう。
ニーナは私がサラたちに着替えを手伝ってもらってた間にサクッと侍女服に着替えていた。
私の格好はなぜか寝着じゃなくて簡易なドレス。嫌な予感がするなぁと思えばやっぱり呼び出しが。
王妃さまのお部屋に連行されたよ。
ニーナが「呼ばれる前提で予定を組んでおります」って。でしょうねって、私も思っちゃうけどさ。
「うふふ、ごめんなさいねぇ、明日に合わせて美容パックしたいじゃない?」
侍女ーズさんだけ呼ぶとかはダメなのね。
「今回もグレーデンから素敵なお土産を頂いて、幸せで目の前にお花畑が広がっちゃうの」
王妃さま、天国に行きそうになってるよ。
「このショコラも!うちのコックたちも頑張ってくれてるけどここまでの味にはならないし、いろんな味にも出来ないのよねぇ」
あー、チョコ用の機械は売り出してないから粉砕した物やソース状のを販売に回してるんだっけ。
風味が落ちちゃいそうだけど、マジックボックスとかならそこまで劣化しないから良いか。
「フラウ卿がいてくれる間にいっぱい教われると良いわね」
コーナはデレードに嫁がれた王女さまのおかげで定期的に入手出来るから、王家に献上を増やすのは出来そうだけど、チョコっていくらあっても足りないよね!魅惑のおやつ。
「さて、リーシャも一緒にエステをするわよ」
え、私はガルフ夫人のとこでしたばかりなので別に良いのですが。
ガシッと掴まれて、隣のお部屋に。もはや荷物のように担がれたよ。
「まぁ!」
「うっふふ!疲れた日には素敵な香りにゆっくり浸かりたくて」
どうやら空き時間は一秒でもお風呂に入ったりマッサージやエステを受けていたいとお部屋を改造しちゃったそうだ。
プチ温泉みたいになってる。
「エステ室と浴場を隣に置いたら移動の時間も勿体無くないでしょう?」
手元にリモコンとケータイ置くみたいな感覚で?
以前はお部屋近くに猫足バスタブのある浴室があってエステ室はその隣だったはず。
私が貸してもらってる客室も備え付けは猫足バスタブのお風呂だ。
グレーデン家ではお部屋に備え付けのお風呂はそこそこ大きいけど、住んでる人が身体デカいからで。
普通はお部屋備え付けが猫足バスタブか小さめな円形バスタブ。別で広めな大浴場がある感じ。
「湿度のあるこのエステとお風呂の部屋でゆっくり過ごすとお肌が潤うの」
あはは。お部屋に加湿器を置けば良いじゃないとか言っちゃダメよね。
「さぁ、みんなグレーデンの侍女たちからエステの極意を教えてもらいましょうね」
「「「はい!」」」
お土産に渡してあったら美容品シリーズを並べて、王妃さまと私がまずはお風呂に浸けられる。
「この薬湯の元は毎回入れなくてはいけないの?」
毎回というのは水の入れ替えをしないから。
「お掃除で〈洗浄〉を使えば効果も成分も消えてしまいます」
基本的にお湯は入れ替えずに使った後に〈洗浄〉魔法で掃除しながら一ヶ月くらい使って、清掃日みたいな日に入れ替え処理してると思う。
「あら、それはそうね」
「そうなりますねぇ」
良い香りがして気持ちがいいから勿体無い気持ちにはなるかも。
「その代わり毎回香りや薬効が違うのを入れて楽しめますよ」
一般の民が使うには高いけど、貴族や王族が買うのに躊躇う価格帯じゃない・・・はず。
「お湯に浸かるだけだとこうはしっとりしないわねぇ」
お肌の老廃物を剥がした上に香りでリラックスですよ。
王妃さまは今回はハーブ系を選んだ。薔薇とか蓮とかだともっと高貴な感じで良いかも?
待機してる侍女さんたちも香りでうっとり。
フレグランスも製造販売をお兄さまに頼んであるので幸せは広がるよ。
お風呂から出ると柔らかなお高そうな布で包まれる。〈送風〉で乾かしちゃえるのにこの柔らかさは贅沢なお品!
エステ台に誘導されると、侍女ーズさんたちが美容液の順番と手順を説明。
以前と別に変わってないのに、勉強熱心だよ。
「リーシャさまはまだお若いのであまり必要ありませんが大奥様やデリアさまはこの首から肩周りを念入りに解します」
おふ!凝ってないのでちょっと痛気持ちいい感じ。リンパ流しと強めなマッサージかな。
年齢によって付きやすくなった顎肉と肩肉を流すみたいなことを言ってる。
お義母さまたちの顎肉や肩肉を気にしたことがないんだけど、ちゃんとケアしてたのか!!と言うか顎周りは肉が付くのは知ってるけど肩にも肉が乗るのか。
「まぁ!気を抜くと顎が二重になるのよ。これは気持ちがいいわね」
普通に細めな王妃さまもお義母さまも気にするんだ。覚えておこう。
順番に背中や腰、腕、脚、足の裏とかなり念入りに解して、美容液を塗り込まれた。
王妃さまに説明しながらのためだけど、私がピカピカになってどうするんだ。
でも馬車の旅と普段の環境じゃないことでわりと身体が凝ってたみたいで気持ちよかった。
王妃さまはかなりお疲れボディだったみたいで、うちの侍女ーズさんにも解されて、ちょっとすんごい声が出てた。
あのね、女性だけどグレーデンの人たちなの。パワーがあるの。って王妃さまも知ってるか。
途中で少しご機嫌な王様が王妃さまに会いに来たそうだけど、私もセクシー(?)な状態なので入室不可で「おぅ・・・おやすみと伝えてくれ」って自室に戻ったらしい。
私が解放されたのは深夜少し前。
王妃さまは途中で爆睡してたよ。
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