558 / 764
二章
547話
しおりを挟む
お祖父さまたちとは、ナギの王女さまたちとの交流のことを少し話した。
知らない国の本や歴史、言語に思いを募らせてるので、書物の輸入も検討しなくちゃだ。売ってくれるかな。
先祖代々で、大陸の各地は巡ったり人伝で各地の書物や伝記を集めてるけど、情報が少ない海を渡るのは中々難しいよね。
お兄さまには減肥茶の相談をした。
痩せるって効果のあるお茶は、危険もあるので、あくまで脂肪吸収を減らす効果のお話をした。
栄養学はあっても体内の仕組みには詳しい学問が発展してないので、肥満や胃と腸の動きとか言っても理解できないみたいで困った。
それっぽい薬草をピックアップして、似たタイプを数種類、味が悪くないように混ぜて、美容効果のある薬草とで使う提案した。
「太りにくくして美容にも効果がある・・・か」
夫人たちが殺到しそうで怖いと伯父さまが苦笑い。
「旅館や保養所でも十分目立つからな、今更だろうて」
面倒なお客様来そうだねぇ。特効薬のこともあって、バックに国とマーベルハントとグレーデンがいますよーってなってるけど、問題が起きちゃわないかな。
「バンバン稼いで、研究費をゲットしますよ」
お兄様はいい笑顔だ。
私や王家から予算出してもいいのに、「父の名も爵位も領地も名誉も十分頂いてます」って謙虚なのだ。
「研究にはキリがないんで簡単に集ったら自分を見失うんですよ」
お兄さま的に潤沢にお金があったらそれに甘えて、見るべきものを見落としてしまいそうだって言う。
んーん、お兄さまの主義なら仕方ないね。
「光明が出てからだったら遠慮なく集るから」
素材も人材も予算もねって笑うお兄さま。この考え方はお父さまからの教えかも?
「さて、女子は装いに時間がかかる。そろそろ遠慮しようか」
お祖父さまが立ち上がって、伯父さまとお兄さまを促す。
「また近いうちに」
「ああ、王都を出る前に会おう」
お祖父さまたちに軽いハグと頬チュでお見送り。
「グ○コ、お菓子出来からお届けしますね」
「ああ、楽しみにしてるよ」
「よろしく」
さて、ルルゥに時間はあるだろうか?タウンハウスのコックさんに丸投げでも良いかな。
結構な量があるので、お義母さまも喜んでくれるよね。
「さぁ、お着替えしましょうか」
晩餐用のドレスはスカートが膨らんでるので重いからうんざりしちゃうのだ。
ニーナもドレスなので、侍女ーズさんたちとサラとメルが担当してくれるよ。
「王女さまたちの側につくはずだから控えめで良いんじゃないの?」
「ダメですよ、大奥様がいない場面で他家から舐められたらいけません」
普段のドレスもマダム・シフォンのだから王都のお貴族さまたちには垂涎物なのに!
「今をときめくグレーデン家で辺境伯に溺愛されている奥様が地味で見窄らしく見られてはいけません」
え!普段の姿は見窄らしいですか!?
ガビーーン!
「こほん!言葉のあやです。簡単な物ではいけないと言うことです」
ラフな格好が楽で良いんだもの。
簡易ワンピース、動きやすいし可愛いじゃない。
「人目につかないときは良いんです。大舞台では奥様は舞台俳優のように、グレーデンの宝石として立って頂いねばなりませんよ」
俳優!!
「皆様それぞれ領地の宝石、領地の宣伝をするために着飾り輝くのです」
ウヒィ。
私じゃ役不足です。
ガラ○のお面はかぶれないよぅ。
「今まで大奥様がいらっしゃって若奥様が一人で立つことはなかったので不安でしょうが、今までも十分宣伝出来てましたよ。何も心配入りませんから」
本当かな?
「セリウスさまもアンゼリカさまもニーナもいらっしゃるので、グレーデンとしては不足ありません。ですが、若奥様はこれからジュリアスさまと共にグレーデンを背負って頂かねばなりませんから、場慣れしてくださいませ」
セリウスさまやクラウスさまがいてくれない場面も出てくる可能性もあるのか。
お義母さまくらい強気でカッコよくならないとグレーデンって感じじゃないよね。
私、女優になるわ。お義母さまを演じるわ!
お義母さまのお面をかぶるのよ!
覚悟を決めている間に着替えとお化粧が済んだ。手早い。
ニーナもバッチリ。ドレスもお飾りもルークの色で銀と青が品よく纏まってる。
私もジュリアスさまの色。金と赤を派手にしないエレガントなデザインのドレスはマダム渾身の作。
会議や夜会で通訳参加用は地味めなので、今日が一番気合い入ってるんだろう。
お化粧もいつもより濃い。
「可愛らしさは個人的なお茶会でふんだんに魅せますので公の場では気高さを」
私に気高さを求めるのか。お人形っぽくしてたら良いかしら?
「ニーナもサーキス夫人として隙のない姿を見せつけてきなさいな」
「はぁ」
ニーナも荷が重そうよ。
侍女ーズさんたちのやりきった顔。
「リーシャさま、気が強そうです!」
「ニーナさん、近寄りがたいです」
サラとメルが無邪気な笑顔で褒めてくれた。
気が強そうと近寄りがたいは褒め言葉かしら?
「リーシャ、用意は出来たか?」
ノックと共にアンゼリカさまとセリウスさまが入ってきた。
「わー」
ジュリアスさまの代理参加のセリウスさまは礼装で煌びやか。
そしてアンゼリカさまは騎士団服のまま。
「アンゼリカさま、ズルーい」
「ズルくない。護衛参加だ」
えー。ドレス着るように言われてたよねぇ。
じとっと見つめると目を逸らして、
「明日は着る」
って。そんなに嫌なのか。
夜会の方は折れたのか。
「明日は兄上もルークも来れるよー」
転移陣で半日だけ来てくれるんだ。少し会えなかっただけでも寂しかったから、待ち遠しいな。
「お祖父様たちも来そうだけどねー」
知らない国の本や歴史、言語に思いを募らせてるので、書物の輸入も検討しなくちゃだ。売ってくれるかな。
先祖代々で、大陸の各地は巡ったり人伝で各地の書物や伝記を集めてるけど、情報が少ない海を渡るのは中々難しいよね。
お兄さまには減肥茶の相談をした。
痩せるって効果のあるお茶は、危険もあるので、あくまで脂肪吸収を減らす効果のお話をした。
栄養学はあっても体内の仕組みには詳しい学問が発展してないので、肥満や胃と腸の動きとか言っても理解できないみたいで困った。
それっぽい薬草をピックアップして、似たタイプを数種類、味が悪くないように混ぜて、美容効果のある薬草とで使う提案した。
「太りにくくして美容にも効果がある・・・か」
夫人たちが殺到しそうで怖いと伯父さまが苦笑い。
「旅館や保養所でも十分目立つからな、今更だろうて」
面倒なお客様来そうだねぇ。特効薬のこともあって、バックに国とマーベルハントとグレーデンがいますよーってなってるけど、問題が起きちゃわないかな。
「バンバン稼いで、研究費をゲットしますよ」
お兄様はいい笑顔だ。
私や王家から予算出してもいいのに、「父の名も爵位も領地も名誉も十分頂いてます」って謙虚なのだ。
「研究にはキリがないんで簡単に集ったら自分を見失うんですよ」
お兄さま的に潤沢にお金があったらそれに甘えて、見るべきものを見落としてしまいそうだって言う。
んーん、お兄さまの主義なら仕方ないね。
「光明が出てからだったら遠慮なく集るから」
素材も人材も予算もねって笑うお兄さま。この考え方はお父さまからの教えかも?
「さて、女子は装いに時間がかかる。そろそろ遠慮しようか」
お祖父さまが立ち上がって、伯父さまとお兄さまを促す。
「また近いうちに」
「ああ、王都を出る前に会おう」
お祖父さまたちに軽いハグと頬チュでお見送り。
「グ○コ、お菓子出来からお届けしますね」
「ああ、楽しみにしてるよ」
「よろしく」
さて、ルルゥに時間はあるだろうか?タウンハウスのコックさんに丸投げでも良いかな。
結構な量があるので、お義母さまも喜んでくれるよね。
「さぁ、お着替えしましょうか」
晩餐用のドレスはスカートが膨らんでるので重いからうんざりしちゃうのだ。
ニーナもドレスなので、侍女ーズさんたちとサラとメルが担当してくれるよ。
「王女さまたちの側につくはずだから控えめで良いんじゃないの?」
「ダメですよ、大奥様がいない場面で他家から舐められたらいけません」
普段のドレスもマダム・シフォンのだから王都のお貴族さまたちには垂涎物なのに!
「今をときめくグレーデン家で辺境伯に溺愛されている奥様が地味で見窄らしく見られてはいけません」
え!普段の姿は見窄らしいですか!?
ガビーーン!
「こほん!言葉のあやです。簡単な物ではいけないと言うことです」
ラフな格好が楽で良いんだもの。
簡易ワンピース、動きやすいし可愛いじゃない。
「人目につかないときは良いんです。大舞台では奥様は舞台俳優のように、グレーデンの宝石として立って頂いねばなりませんよ」
俳優!!
「皆様それぞれ領地の宝石、領地の宣伝をするために着飾り輝くのです」
ウヒィ。
私じゃ役不足です。
ガラ○のお面はかぶれないよぅ。
「今まで大奥様がいらっしゃって若奥様が一人で立つことはなかったので不安でしょうが、今までも十分宣伝出来てましたよ。何も心配入りませんから」
本当かな?
「セリウスさまもアンゼリカさまもニーナもいらっしゃるので、グレーデンとしては不足ありません。ですが、若奥様はこれからジュリアスさまと共にグレーデンを背負って頂かねばなりませんから、場慣れしてくださいませ」
セリウスさまやクラウスさまがいてくれない場面も出てくる可能性もあるのか。
お義母さまくらい強気でカッコよくならないとグレーデンって感じじゃないよね。
私、女優になるわ。お義母さまを演じるわ!
お義母さまのお面をかぶるのよ!
覚悟を決めている間に着替えとお化粧が済んだ。手早い。
ニーナもバッチリ。ドレスもお飾りもルークの色で銀と青が品よく纏まってる。
私もジュリアスさまの色。金と赤を派手にしないエレガントなデザインのドレスはマダム渾身の作。
会議や夜会で通訳参加用は地味めなので、今日が一番気合い入ってるんだろう。
お化粧もいつもより濃い。
「可愛らしさは個人的なお茶会でふんだんに魅せますので公の場では気高さを」
私に気高さを求めるのか。お人形っぽくしてたら良いかしら?
「ニーナもサーキス夫人として隙のない姿を見せつけてきなさいな」
「はぁ」
ニーナも荷が重そうよ。
侍女ーズさんたちのやりきった顔。
「リーシャさま、気が強そうです!」
「ニーナさん、近寄りがたいです」
サラとメルが無邪気な笑顔で褒めてくれた。
気が強そうと近寄りがたいは褒め言葉かしら?
「リーシャ、用意は出来たか?」
ノックと共にアンゼリカさまとセリウスさまが入ってきた。
「わー」
ジュリアスさまの代理参加のセリウスさまは礼装で煌びやか。
そしてアンゼリカさまは騎士団服のまま。
「アンゼリカさま、ズルーい」
「ズルくない。護衛参加だ」
えー。ドレス着るように言われてたよねぇ。
じとっと見つめると目を逸らして、
「明日は着る」
って。そんなに嫌なのか。
夜会の方は折れたのか。
「明日は兄上もルークも来れるよー」
転移陣で半日だけ来てくれるんだ。少し会えなかっただけでも寂しかったから、待ち遠しいな。
「お祖父様たちも来そうだけどねー」
668
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる