ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

545話

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 休憩地点から王都に入る門までは特に問題なく、オヤツ肉ゲット出来ず?到着した。
 さすがに人通りが多い場所には出て来ないね。

 門でのチェックは騎士隊が受けてくれるので、王女さまたちだけで屋根無し馬車に乗る。サイド前後には騎馬隊が着いてるので心配無し。
 あと馬車本体に魔法反射と物理攻撃反射の魔法付与がされている。高価な魔道具らしい。(私作れる事は言っちゃダメ系っぽい?)
 私も屋根無しに誘われたけど、王族と一緒にっていうのは荷が重いのでそのままルルゥと馬車に乗ったまま進むよ。

 問題なく王都の入場門を通過していくと民たちが沿道にて歓迎してくれてる。

「王女さまー」
「いらっしゃいませー」
「レイドラアースにようこそ!」

 あ、さすがに庶民に公用語は無理だ。通訳のお仕事だったか。でも私も一緒に乗ってるとおかしいよね?

「これは通訳につくべきだった?」
「あとで歓迎の意味だったと伝えれば大丈夫よぉ」
 サイドの窓のカーテンを少し開ければ、満面の笑みでブンブン手を振られているから、嫌な言葉は出てきてないってわかってもらえてるよね。

「外国からの賓客をパレードみたいに見られる機会なんて滅多にないからお祭りよねぇ」

 久しぶりにいつものルルゥになってる。
 この少し高い声のトーンが落ち着くよ。

 王女さまたちとナギ国ご一行以外は、サイドに分かれて少し離れた位置で降りることになっているので、屋根なし馬車がゆっくり動いている間に、馬車はサイドの空きに停まり、私はルルゥに降ろしてもらって、王女さまたちを迎えている場所に回る。
 馬車の前部の小窓から少し覗くと王女さまたちがお手振りで応えてるのが見える。

 王宮の門に入れば、王国騎士たちが並び、王宮の入り口には高位貴族が出迎えに並んでいる。

『『ようこそ!レイドラアースへ』』

 ガルフ侯爵と外交官が王女さまたちをエスコートして進むので、私はガルフ侯爵たちの後ろに着く。

 謁見の間まで進むと王様方がすでに玉座に並んでいた。

『ファリン王女殿下、ルアラン王女殿下、おなりにございます』

 レイドラアース側の人間はサイドに分かれ、中央には、ナギご一行が並び、宰相、宰相府高官、外務大臣であるガルフ侯爵と副官イーム伯爵、少し離れた場所で礼をする。私は王女さまの斜め後ろについて礼を。
 私の場違い感が辛い。

『『歓迎に感謝する。ナギ国から参りました』』
『ファリン・ユイ・ナギ・ファランである』
『ルアラン・メイ・ナギ・ファランである』
『『レイドラアース国との友好を願い、父、ナギ国の王ライジンライの名代として参りました』』

 王女さまたちはナギ式の礼をして挨拶をした。

 通訳として王女さまたちの言葉をそのまま訳していると、高位貴族でも不思議そうな顔で国を傾げている人がいる。マジか。挨拶も理解出来てなさげな人がいて私の声で「ああ!」ってなってるのマジか。

『ようこそ、参られた。遥かなるナギよりこのレイドラアースまでの旅、危険はなかったであろうか?』

 王様の言葉はナギのご一行に向けてで公用語なので訳さない。
 困惑している人たちのことまで知るかってやつ。

『『海の旅は多少の危険はあったが、アッガスよりここまで、グレーデン辺境騎士団や各地の騎士団、そしてレイドラアース王国騎士団のおかげで快適で安全に参ることが出来ました』』
 グレーデンが入ってるので、自慢になっちゃうけど、そのまま訳した。
 ちゃんとほかの騎士団も褒められてるので問題無しかな。

『そうであったか。我が国には頼もしい騎士たちがいるのが自慢だが、王女殿下方をしっかりお守りすることが出来たようで安心した』

 そして、ユエさまたちが続いてご挨拶して、王様が歓迎と労いの声をかける。

 フェアリス王妃さまと王子さまたちが王女さまたちに挨拶に玉座から離れてやってきた。

『このように幼き君が長旅をして我が国に来てくださったことに感謝いたします』
 我が子と大差ない年齢の王女さまたちに感極まっちゃっている王妃さま、王女さまたちを抱きしめんばかり。

『私と年齢が少ししか変わらないのに海を超えて、アッガスよりの旅、色々お話を聞かせて下さい』
 おおー。王子さま、もう公用語がペラペラですか?素晴らしい!!王子教育?帝王学かな、進行が早いのね。

『長き旅でお疲れであろう。まずは旅の疲れを癒していただこう』

 王様の言葉にホッとする。このまま晩餐まで謁見の間でお貴族さまたちに色々挨拶しなくちゃかと思った。

 集まってる貴族たちもわりと強行軍なはずなので休憩の否はないようだ。

 王女さまたちとフェアリス王妃さま、王子さまたち、ナギご一行は、王宮侍女さんたちの案内でお部屋に向かった。

「グレーデン辺境伯夫人、此度は無理を言った。グレーデン卿、騎士団の皆もナギの皆さまを無事に送ってくれたこと、感謝するぞ」

 うちの騎士団、ガルフ騎士団、王国騎士団の騎士たちが敬礼をする。

 私はカーテシーするしかないけど、それでいいよね?

「ガルフ侯爵もアッガスまでの旅は大変でだったと報告を受けている。外交の役割はまだこれからが本番、もう少し頑張ってくれ」
 多分、二ヶ月くらい休めないだろうけど、ファイト!!

「皆も明日の夜会までは休憩を取るが良い」

 王様は謁見の間を出て行った。

「じゃぁ、とっとと部屋に行こうかー」
 セリウスさまとルルゥが私の横について、話しかけたそうな貴族をシャットアウト。

 公用語がダメそうだった人たちが挙動不審に近づいてくる。
 私に頼るより、身近なお友達にかいつまんで教えて貰えば良いんではないかな。







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