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二章

544話

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 朝食後に、お着替えタイム再び。
 男性陣は時間に余裕がありまくるけど、女性陣はギリギリかな。

 侍女ーズさんたちが食堂から戻ってくるのを待ち構えていて。
 私とニーナは王都向きな衣装になる。
 サラとメルが私のドレスを着せてくれて、髪とお化粧はベテランさんが担当してくれた。
 ニーナはコルセットをギューーンとされて。
 私もお肉が付いたらぎっちりやられる予定なので、もうお胸もお尻も諦めても良いかも。コルセットだけはねぇ。
 メグミが友達に連れて行かれた矯正下着も結構大変だったけど、そんなの比じゃないほど締めるからさ。恐ろしいよね。
 口から腸が出るんじゃないかってくらいウエスト細くしてる夫人いるけど、不健康じゃないかな。

 私の衣装は通訳風にって伝えてあったのにデザインは大人しいのに生地と刺繍が素晴らしすぎちゃうのよね。お義母さまとマダムが張り切りすぎだ。

 髪型はいつもより大人っぽい。お飾りは控えめにしてもらったけど、石が良いものなんだなぁ。財力と収集能力を誇示!
 あ、いやらしくない風よ。あからさまにじゃなくて見る人が見たらわかる風。
 ジュリアスさまがニーナに預けてくれた髪飾りはもちろん使う。

「本日は少し気が強そうに仕上げました。ジュリアスさまがいらっしゃらないので虫除けですね」
 ベテランさんが言うようにお化粧がいつもより少し濃い仕上がり。若干吊り目にして猫っぽくなった気がする。マスカラ要らず(ない)でアイラインも要らない目の大きさ。
 でもって虫除けにならない可愛さ(自画自賛)!!

 ニーナは、薄い水色の衣装にルークの銀と青混じりのお飾り。髪もお肌もピカピカなので美人過ぎて困っちゃうね!

 綺麗なお姉さんとお人形な私。写真撮りたい。引き伸ばして額装したいよー!

 着替えが済んで、荷物も全部運び出しての準備完了!

 セリウスさまとルルゥが迎えにきてくれて、私をセリウスさま、ニーナをルルゥがエスコートして玄関ホールまで向かう。
 ルルゥがオ○カーーール(二回目)って感じだよ。イケメンで色っぽくて程よく(私主観)マッチョって私得しかない。

 アンゼリカさまはすでに自分の隊を連れて出発してた。先発だなんて、よっぽどドレスが嫌だったのか。

 玄関ホールにはガルフ侯爵家の親族と寄子がお見送りに。一部は一緒に王都に向かうそう。

 最後にナギ国ご一行が玄関ホールに揃う。

『『世話になった』』
『今後も良きお付き合いを願います』

 どうやら夫人のデザインのセンスでナギ国に屋敷を建てることとメーメの毛の売買が決まったそうだ。
 グレーデンにもヨーロピアンなお城あっても良いかも。お義母さまにお願いしてみようかな。危険なので建築士は外部から来てくれないだろうけど。

 ガルフ侯爵と夫人も王都に一緒に向かうので別れの挨拶は簡素に終わった。

 そして馬車に乗り込むとルルゥが王女さまにガブリ寄りされてる。

『『姉上たちより艶やかになるとはどうしたものか』』
 王女さまたちもエステ効果出てる。グレーデンの市販品が使われたそうだ。
『『リーシャも煌めいているがこのルルゥの色気はなんだろうか?』』
 あ!色気とか言っちゃうんだ!
 私に色っぽさがないばかりに!

『あらぁ?私は美容品をフルで使っただけですよ』
 エステはされてないらしい。侍女ーズさんたちが押しかけてきて「これ使え」って鼻息荒く言われたので美容品だけ受け取ったって。
 侍女ーズさん、ルルゥはフルセット持ってるんだよ。ただ卵膜とかは控えてただけで。

『使ってって言われたから遠慮なく?』
『みんなキラキラだったら怖くないってやつにしたの』
『何それ?』
『『どう言う意味なのか?』』

 真面目に説明させないでほしかった。

『ふふふ、グレーデンの美容品は有名になってきてるから隠さなくても問題ないでしょうに』
『『美人がさらに美人になったところで目立つのは変わるまいに』』
 
 そうですね。無駄な足掻きだったよ。

 ガルフ侯爵領を出る時のガルフ騎士団から挨拶を受けて、次の領地は走り抜けて、王都手前で休憩を取る。

 半数は休憩なしで王都に向かった。

『『王宮に入ればゆっくりできないであろうからお腹に溜まる食事を』』

 休憩に寄った街道沿いの停留場で、王女さまたちが言うので、ガッツリお肉のサンドイッチと野菜たっぷりスープをルルゥが用意した。
 作り置きの分がほぼ無くなったので王都でも作り貯めしないとだね。

 護衛さんや騎士さんたちのはお肉ゴロゴロのスープとパンとシリアルバーが出た。

 ユエさまが護衛さんたちに芋餅を差し入れてたので、ちょっともらって、アイテムボックスから餡子や芋餡を出して、芋餅に挟んでルルゥに焼いてもらった。

 おやきみたいなのが食べたくなって。

『良い香りがしますね』
『焼くと食感が変わります』
 
 ユエさまに一つ差し出すと、目を一瞬丸くした。

『豆は飽きるほど食べていますがこれはまた違った感じで良いですね』
 餡子は半殺しなので粒感ととろけた感じで二倍楽しめるよ。

『野菜を挟むのも好きなんですが用意してなくて』
『餅に野菜を?』

 野沢菜は見かけてないけど似たようなのはできると思う。

『あ、チーズも美味しいですよ』
『『ルルゥ、チーズを頼もう』』

 結局、みんなに行き渡るまで焼いたのでゆっくりめに取っていた休憩タイムギリギリまで餅を焼き続けた。

『美味しいものを食べるのは歓迎だけどー、予定が押さない時にしようねー』
 セリウスさまに釘を刺されちゃった。



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