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二章
539話
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セリウスさまが食堂までエスコートのために迎えにきてくれた。
「ルルゥは?」
「侯爵が一品作ってくれと連れて行った」
あらら。
うちのコックさんだけど、侯爵とは古い知り合いみたいだから気安いのね。
そんなわけでセリウスさまと後ろにニーナとアンゼリカさま、アラン、ジェイクとで食堂に向かった。
廊下もすごいデコられてるなぁ。嫌味じゃないお金持ちってすごく難しいと思うのよ。
柱の細工もすごいし、天井も!
「本物の金持ちは居心地が悪くなくていいよねー」
「偽物は居心地が悪いの?」
「そうだねー、なんか落ち着けなくて早く帰りたくなる?目に優しくない派手さって言うかねー?」
金ピカなんだろうか。
旧オレイユ邸はボロい離れにも作家がバラバラで趣味が悪い置物とか置かれてたよ。壊れて邪魔になったやつ?だったらしいけど。
ガルフ侯爵邸では半ガーデンパーティな晩餐になったらしく、庭に案内された。
『グレーデン風な食事がしてみたくてな』
旅の途中から企画変更でルルゥにお願いしてあったらしい。
ナギのコックさんたちにもナギの料理を依頼してあったんだとか。
『ファリン殿下、ルアラン殿下、王宮では多少堅苦しい場が多くなりますゆえ、ここガルフでは気軽にお過ごし頂きたく。この晩餐にさせて頂いた次第!どうぞお楽しみください』
ガルフ侯爵は、王女さまたちご一行に向かって、語る。
『『素晴らしい歓待に感謝する』』
食事を用意したテーブルにバーベキュー台と簡易ピザ窯、キッチン馬車とうちのパーティみたいになってる。
それでも庭とテラス席はおしゃれなのでバーベキューセットが庭に合わなくてごめんなさいって感じだ。
油や煙は〈洗浄〉でどうとでもなるけど良いのかなぁ。
いっそ、屋敷と街の間の庭?でやったら良いのにって言ったのをガルフ侯爵に聞かれたみたいで、
「ははは、あそこの庭はメーメを放し飼いのしているから、調理などしていたら襲われるぞ」
って言われた。
メーメは羊(ちょっとヤギ?)のような生き物(非魔獣)で基本は雑穀で育てているけど、なぜか人が食べるものを食べたがるから、あの範囲での食事は禁止なんだそう。
観光地の猿やヤギみたいだねぇ。
「メーメは毛を?」
「半分は食肉に半分は毛と乳だな」
羊の乳飲めるのか。
「メーメのチーズはなかなか美味いぞ、どれ取ってやろう」
トマトやカブっぽい野菜にサンドされたメーメのチーズ、濃厚コッテリだった。
「お酒が欲しいですねぇ」
心の底からキボンヌ。王女さまたちがいるにで後半までは出てこない。そして私もお子様枠だろうなぁ。成人だよ!!
王女さまたちはラピス夫人とものすごいテンションでテーブルの料理を皿に盛ってる。
なんて言うか、まともな高位貴族だと通訳いらないよね?
「妻は綺麗なものと可愛いものに目がなくてな」
「・・・」
侯爵は夫人のなかで、その綺麗なものの最高峰に位置しているのでは?
『『リーシャ!これがナギの基本のスープだ』』
王女さまたちが自ら持ってきてくれたスープ皿にはカラフルな実とお肉と根菜が入っている。
よく使われる基本的な食材がこのスープに凝縮してあるんだそう。
めっちゃ辛いんだろうか?
辛さに自信はないけど、ここでお断りは出来ない。女は度胸!!
ガルフ侯爵にも夫人が持ってきている。
『・・・カ!・・・う?』
とりあえず記憶にある中では一番辛い!
外国仕様でおそらくソフトに作られてはいる。でも結構なパンチ力だ。
でも辛いの中にいろんな旨みが躍り出てくる。
美味しい!けど辛い!!
アズライトたちなら大喜びだろう。
ガルフ侯爵も唇を少しプルプルしつつ、完食した。
『かなり辛いですが深みのある味で美味しいです』
『舌がびっくりする後にこの身の香りや味わいが広がってどんどん食べてしまいますね』
スープのある場所では大きなおっさんたちが悶絶しつつお代わりに並んでいる。
『『辛さは普段の二割らしいがまだ辛いか』』
十割ってどうなっちゃうのよ!?普通に食べてるのがそのレベルなの?
『それは順番に訓練しないと無理だろうな』
『舌を慣らさないとですね』
恐ろし。食べたことないけど、ジョロキュアとか超えてない?
ポムたちは食べちゃうかな。
『『ルルゥがこちらで食べれるレベルに調整してくれたのだよ』』
そっかー、調整してこれってかー。
『ナギの食に触れることが出来て嬉しい』
唇が赤いけどキリッとした顔で話す侯爵を夫人がうっとり見つめてる。
いくつになっても仲良しで素晴らしい。
けど、口がビリビリ中なのが笑っちゃうの。
私の唇も真っ赤だろうか。
こっそりさっきのメーメのチーズで口の中を和らげる。濃厚チーズでまろやかぁ。
これは香草サラダとかベーコンや生ハムでピザやパスタも美味しくなるやつ。
まさにピザ焼いてるから使ってるはず!
『ピザをいただきましょう?』
スープは美味しいけど、続けて食べたら明日のお花摘みが大変なことになります!!
王女さまたちの手を取って一緒にピザ窯に突進だよ。
『チーズをたっぷりでハムに香草にバジルソースを!』
今まさに生地にトッピング中なのがあったので注文しちゃう。
『『良い香りだな』』
他の窯から流れてくる香りもチーズやお肉の香ばしい香りが!
お肉の丸焼きもやってるけど、ラピス夫人やここの女性たちは見た目的に大丈夫かしら?
ふと目を巡らせると、みなさん目をキラキラさせてる。
ラピス夫人がこっそりと、
「普段はマナーや女らしさを気にして小食で過ごしているでしょう?でも今なら男性も食べ物に夢中でしょうから、箍が外れちゃったのかしらね」
って。
んー、男心はわからないけど、案外見ちゃうんでは無いでしょうか?
でも美味しく食べる姿をはしたないとか言う男性とは仲良くしなくて良いと思うので気にせずお食べくださいってやつだよ!
「ルルゥは?」
「侯爵が一品作ってくれと連れて行った」
あらら。
うちのコックさんだけど、侯爵とは古い知り合いみたいだから気安いのね。
そんなわけでセリウスさまと後ろにニーナとアンゼリカさま、アラン、ジェイクとで食堂に向かった。
廊下もすごいデコられてるなぁ。嫌味じゃないお金持ちってすごく難しいと思うのよ。
柱の細工もすごいし、天井も!
「本物の金持ちは居心地が悪くなくていいよねー」
「偽物は居心地が悪いの?」
「そうだねー、なんか落ち着けなくて早く帰りたくなる?目に優しくない派手さって言うかねー?」
金ピカなんだろうか。
旧オレイユ邸はボロい離れにも作家がバラバラで趣味が悪い置物とか置かれてたよ。壊れて邪魔になったやつ?だったらしいけど。
ガルフ侯爵邸では半ガーデンパーティな晩餐になったらしく、庭に案内された。
『グレーデン風な食事がしてみたくてな』
旅の途中から企画変更でルルゥにお願いしてあったらしい。
ナギのコックさんたちにもナギの料理を依頼してあったんだとか。
『ファリン殿下、ルアラン殿下、王宮では多少堅苦しい場が多くなりますゆえ、ここガルフでは気軽にお過ごし頂きたく。この晩餐にさせて頂いた次第!どうぞお楽しみください』
ガルフ侯爵は、王女さまたちご一行に向かって、語る。
『『素晴らしい歓待に感謝する』』
食事を用意したテーブルにバーベキュー台と簡易ピザ窯、キッチン馬車とうちのパーティみたいになってる。
それでも庭とテラス席はおしゃれなのでバーベキューセットが庭に合わなくてごめんなさいって感じだ。
油や煙は〈洗浄〉でどうとでもなるけど良いのかなぁ。
いっそ、屋敷と街の間の庭?でやったら良いのにって言ったのをガルフ侯爵に聞かれたみたいで、
「ははは、あそこの庭はメーメを放し飼いのしているから、調理などしていたら襲われるぞ」
って言われた。
メーメは羊(ちょっとヤギ?)のような生き物(非魔獣)で基本は雑穀で育てているけど、なぜか人が食べるものを食べたがるから、あの範囲での食事は禁止なんだそう。
観光地の猿やヤギみたいだねぇ。
「メーメは毛を?」
「半分は食肉に半分は毛と乳だな」
羊の乳飲めるのか。
「メーメのチーズはなかなか美味いぞ、どれ取ってやろう」
トマトやカブっぽい野菜にサンドされたメーメのチーズ、濃厚コッテリだった。
「お酒が欲しいですねぇ」
心の底からキボンヌ。王女さまたちがいるにで後半までは出てこない。そして私もお子様枠だろうなぁ。成人だよ!!
王女さまたちはラピス夫人とものすごいテンションでテーブルの料理を皿に盛ってる。
なんて言うか、まともな高位貴族だと通訳いらないよね?
「妻は綺麗なものと可愛いものに目がなくてな」
「・・・」
侯爵は夫人のなかで、その綺麗なものの最高峰に位置しているのでは?
『『リーシャ!これがナギの基本のスープだ』』
王女さまたちが自ら持ってきてくれたスープ皿にはカラフルな実とお肉と根菜が入っている。
よく使われる基本的な食材がこのスープに凝縮してあるんだそう。
めっちゃ辛いんだろうか?
辛さに自信はないけど、ここでお断りは出来ない。女は度胸!!
ガルフ侯爵にも夫人が持ってきている。
『・・・カ!・・・う?』
とりあえず記憶にある中では一番辛い!
外国仕様でおそらくソフトに作られてはいる。でも結構なパンチ力だ。
でも辛いの中にいろんな旨みが躍り出てくる。
美味しい!けど辛い!!
アズライトたちなら大喜びだろう。
ガルフ侯爵も唇を少しプルプルしつつ、完食した。
『かなり辛いですが深みのある味で美味しいです』
『舌がびっくりする後にこの身の香りや味わいが広がってどんどん食べてしまいますね』
スープのある場所では大きなおっさんたちが悶絶しつつお代わりに並んでいる。
『『辛さは普段の二割らしいがまだ辛いか』』
十割ってどうなっちゃうのよ!?普通に食べてるのがそのレベルなの?
『それは順番に訓練しないと無理だろうな』
『舌を慣らさないとですね』
恐ろし。食べたことないけど、ジョロキュアとか超えてない?
ポムたちは食べちゃうかな。
『『ルルゥがこちらで食べれるレベルに調整してくれたのだよ』』
そっかー、調整してこれってかー。
『ナギの食に触れることが出来て嬉しい』
唇が赤いけどキリッとした顔で話す侯爵を夫人がうっとり見つめてる。
いくつになっても仲良しで素晴らしい。
けど、口がビリビリ中なのが笑っちゃうの。
私の唇も真っ赤だろうか。
こっそりさっきのメーメのチーズで口の中を和らげる。濃厚チーズでまろやかぁ。
これは香草サラダとかベーコンや生ハムでピザやパスタも美味しくなるやつ。
まさにピザ焼いてるから使ってるはず!
『ピザをいただきましょう?』
スープは美味しいけど、続けて食べたら明日のお花摘みが大変なことになります!!
王女さまたちの手を取って一緒にピザ窯に突進だよ。
『チーズをたっぷりでハムに香草にバジルソースを!』
今まさに生地にトッピング中なのがあったので注文しちゃう。
『『良い香りだな』』
他の窯から流れてくる香りもチーズやお肉の香ばしい香りが!
お肉の丸焼きもやってるけど、ラピス夫人やここの女性たちは見た目的に大丈夫かしら?
ふと目を巡らせると、みなさん目をキラキラさせてる。
ラピス夫人がこっそりと、
「普段はマナーや女らしさを気にして小食で過ごしているでしょう?でも今なら男性も食べ物に夢中でしょうから、箍が外れちゃったのかしらね」
って。
んー、男心はわからないけど、案外見ちゃうんでは無いでしょうか?
でも美味しく食べる姿をはしたないとか言う男性とは仲良くしなくて良いと思うので気にせずお食べくださいってやつだよ!
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