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二章
536話
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朝食を食べてからの出発。
マルコス男爵もお土産には卒倒しかけてたらしい。
お菓子セットと化粧水、お酒セット、魔獣肉や毛皮は宿泊先に平等に渡すことになってるからね。
ガルフ侯爵が楽しげに教えてくれた。
マルコス男爵夫人は今回は腰痛で出てこられないようだったのでこそっとポーションと薬湯の素を差し上げたよ。
私に会うことをすっごく楽しみにしてたのに「うっかり腰を痛めて」と言う涙滲む思いのこもったお手紙をいただいてたので簡単に「またの機会にお茶を」とお見舞いの言葉を添えた。
お見送りには、旅館の代表とお手伝いに入っていた侍従侍女さんたちが出てきてくれた。
旅館から馬車で出発すると近くの領民や騎士さんたちが手を振ってお見送りしてくれる。
『『小綺麗な街であったな』』
再開発中みたいな感じだし、儲かり出したところだからかな?
アッガスもそうだけど、新しい建物と通路を作ってるから、民も移住してきて、新しい仕事が増えて、田舎だけど発展してる感じでワクワクする。
『数年前通った時はあまり印象に残らない町でしたがね。やっぱり人が増えると言うのは動きが出て良いです』
ルルゥが言うと王女さまたちがどんどん質問して、話が弾む。
公用語はそこまで得意じゃ無いとか言ってたけど、ペラペラだよ。侯爵令息のポテンシャル?
色々は話してるうちにお昼の休憩になった。
マルコス領から出て、次の領地を抜けてないけど、ちょっと道が良くなってきた。
人の行き交いが多い道になってきたっぽい。
街道沿いにある休憩場で馬車を降りた。
全部の馬車や騎馬があり慣れないので少しずつ離れた場所でそれぞれ休憩。
他の人たちの邪魔してるんじゃと思いきや、通過予告をして待機させたり、ルートを変えさせたりしてるんだ。国家の接待なので仕方ないと受け入れさせてる。否やとは言えないわねぇ。
私たちを馬車から下ろして、テントを張った場所に座らせてから、セリウスさまとアンゼリカさまと王国騎士さんが話し込んでる。
なんだろうと思ってると、別ルートでバッタみたいに魔獣の群れの発生があったみたいで情報の共有をしていた。
『重なる時は重なるねー』
『どこに出ようと戦力は分けてあるから問題はない』
『胃が痛いですよ』
王国騎士さんだけ、どんよりしてるよ。
お昼ご飯は、私たちにはお弁当で騎士さんや従者さんたちには、スープと焼肉とパン。
仕込みだけしてあったスープを温めて、鉄板で薄切り肉を焼く。パンはマジックボックスに山盛り用意してある分。
『野外でスープを温めるとか肉を焼くとか発想がありえないんですけどね』
ユエさまと王国騎士さんたちが微妙な顔で笑ってる。
魔獣避けしてても危険な野外では兵糧食に水と干し肉なんだって。
野営ではさすがに火は起こすから温かい茶くらいは飲めるけど、匂いが漂うと動物や魔獣が寄ってくるから調理はしないのが普通だ。
『魔獣が自らやってきたらラッキーだろう。一品増える』
『うむ。出てきたら倒せばいいだろう』
何言ってるんだって顔してるセリウスさまとアンゼリカさま。
逆に何こいつらって呆れられてるけど。
グレーデン一族と王国騎士さんたちとユエさまとナギの人たちには超えられない壁がある。
『みんな兵糧でいいんですかぁ?』
ルルゥがうちの騎士さんたちにスープを配膳してるのを、『良くない!』って慌てて貰いに行った。
『『私たちもスープをもらおう』』
『はぁーい!どうぞ』
ところどころオネェが出ちゃってるルルゥ。王女さまたちには態度が柔らかいね。
私たちのテントは王女さまたちとユエさまと私、アンゼリカさまだけ。ニーナがお茶を用意してくれてまったり。
お肉を焼いてる鉄板のところとスープのところはちょっと殺伐としてきた。
『『食べさせてない子供のようだ』』
んー、王国騎士さんとナギの騎士さんたちが必死だ。おそらく貴族出身だから上品な態度でいたら出遅れた勢。
『兵糧で過ごすつもりでいると火の通ったものはご馳走に見えるからな』
アンゼリカさまがお弁当だけじゃ足りないからとセリウスさまと交代でお肉を食べに行くって言い出したら、
『『私たちもお肉を食べよう』』
って王女さまたちが言う。
『足りませんでしたか?』
『『そうではないが、外で肉を焼いて食べるのは楽しい』』
アウトドアのバーベキューに目覚めちゃったか。
『焼きたてを食べるのがうまいよな?』
アンセリカさまが王女さまたちを両腕で抱えて行ってしまった。
「ちょっ!!!?」
びっくりしたら、ユエさまもポカーンとして、護衛のナギの騎士さんも予想外すぎて遅れて追いかけて行った。
『楽しそうなので良いでしょう』
ユエさまったらわりとあっさりだね。
『お二人は大人に甘えたり遊んでもらう機会が少ないので良い経験でしょう』
とりあえず不敬罪とかにはならないようで良かった。
アンゼリカさまってば、やっぱり行動がお義父さまちっくなんだよね。
出遅れた私はテントで、騎士さんたちと肉を奪い合ってるアンゼリカさまを眺めることにした。
ファリンさまとルアランさまが大笑いでアンゼリカさまを応援して、それを爆笑して煽るグレーデン騎士さん、困惑するナギの騎士さんと王国騎士さん、気にしたこっちゃないと奪い合いに参加する騎士さんたちで、良い思い出にはなるかなぁ?と眺める私たちだった。
昼食中に、少し離れた場所で野うさぎと猪がでたらしい。
魔獣じゃない普通の動物が出たのが辺境から離れたんだなぁって。
マルコス男爵もお土産には卒倒しかけてたらしい。
お菓子セットと化粧水、お酒セット、魔獣肉や毛皮は宿泊先に平等に渡すことになってるからね。
ガルフ侯爵が楽しげに教えてくれた。
マルコス男爵夫人は今回は腰痛で出てこられないようだったのでこそっとポーションと薬湯の素を差し上げたよ。
私に会うことをすっごく楽しみにしてたのに「うっかり腰を痛めて」と言う涙滲む思いのこもったお手紙をいただいてたので簡単に「またの機会にお茶を」とお見舞いの言葉を添えた。
お見送りには、旅館の代表とお手伝いに入っていた侍従侍女さんたちが出てきてくれた。
旅館から馬車で出発すると近くの領民や騎士さんたちが手を振ってお見送りしてくれる。
『『小綺麗な街であったな』』
再開発中みたいな感じだし、儲かり出したところだからかな?
アッガスもそうだけど、新しい建物と通路を作ってるから、民も移住してきて、新しい仕事が増えて、田舎だけど発展してる感じでワクワクする。
『数年前通った時はあまり印象に残らない町でしたがね。やっぱり人が増えると言うのは動きが出て良いです』
ルルゥが言うと王女さまたちがどんどん質問して、話が弾む。
公用語はそこまで得意じゃ無いとか言ってたけど、ペラペラだよ。侯爵令息のポテンシャル?
色々は話してるうちにお昼の休憩になった。
マルコス領から出て、次の領地を抜けてないけど、ちょっと道が良くなってきた。
人の行き交いが多い道になってきたっぽい。
街道沿いにある休憩場で馬車を降りた。
全部の馬車や騎馬があり慣れないので少しずつ離れた場所でそれぞれ休憩。
他の人たちの邪魔してるんじゃと思いきや、通過予告をして待機させたり、ルートを変えさせたりしてるんだ。国家の接待なので仕方ないと受け入れさせてる。否やとは言えないわねぇ。
私たちを馬車から下ろして、テントを張った場所に座らせてから、セリウスさまとアンゼリカさまと王国騎士さんが話し込んでる。
なんだろうと思ってると、別ルートでバッタみたいに魔獣の群れの発生があったみたいで情報の共有をしていた。
『重なる時は重なるねー』
『どこに出ようと戦力は分けてあるから問題はない』
『胃が痛いですよ』
王国騎士さんだけ、どんよりしてるよ。
お昼ご飯は、私たちにはお弁当で騎士さんや従者さんたちには、スープと焼肉とパン。
仕込みだけしてあったスープを温めて、鉄板で薄切り肉を焼く。パンはマジックボックスに山盛り用意してある分。
『野外でスープを温めるとか肉を焼くとか発想がありえないんですけどね』
ユエさまと王国騎士さんたちが微妙な顔で笑ってる。
魔獣避けしてても危険な野外では兵糧食に水と干し肉なんだって。
野営ではさすがに火は起こすから温かい茶くらいは飲めるけど、匂いが漂うと動物や魔獣が寄ってくるから調理はしないのが普通だ。
『魔獣が自らやってきたらラッキーだろう。一品増える』
『うむ。出てきたら倒せばいいだろう』
何言ってるんだって顔してるセリウスさまとアンゼリカさま。
逆に何こいつらって呆れられてるけど。
グレーデン一族と王国騎士さんたちとユエさまとナギの人たちには超えられない壁がある。
『みんな兵糧でいいんですかぁ?』
ルルゥがうちの騎士さんたちにスープを配膳してるのを、『良くない!』って慌てて貰いに行った。
『『私たちもスープをもらおう』』
『はぁーい!どうぞ』
ところどころオネェが出ちゃってるルルゥ。王女さまたちには態度が柔らかいね。
私たちのテントは王女さまたちとユエさまと私、アンゼリカさまだけ。ニーナがお茶を用意してくれてまったり。
お肉を焼いてる鉄板のところとスープのところはちょっと殺伐としてきた。
『『食べさせてない子供のようだ』』
んー、王国騎士さんとナギの騎士さんたちが必死だ。おそらく貴族出身だから上品な態度でいたら出遅れた勢。
『兵糧で過ごすつもりでいると火の通ったものはご馳走に見えるからな』
アンゼリカさまがお弁当だけじゃ足りないからとセリウスさまと交代でお肉を食べに行くって言い出したら、
『『私たちもお肉を食べよう』』
って王女さまたちが言う。
『足りませんでしたか?』
『『そうではないが、外で肉を焼いて食べるのは楽しい』』
アウトドアのバーベキューに目覚めちゃったか。
『焼きたてを食べるのがうまいよな?』
アンセリカさまが王女さまたちを両腕で抱えて行ってしまった。
「ちょっ!!!?」
びっくりしたら、ユエさまもポカーンとして、護衛のナギの騎士さんも予想外すぎて遅れて追いかけて行った。
『楽しそうなので良いでしょう』
ユエさまったらわりとあっさりだね。
『お二人は大人に甘えたり遊んでもらう機会が少ないので良い経験でしょう』
とりあえず不敬罪とかにはならないようで良かった。
アンゼリカさまってば、やっぱり行動がお義父さまちっくなんだよね。
出遅れた私はテントで、騎士さんたちと肉を奪い合ってるアンゼリカさまを眺めることにした。
ファリンさまとルアランさまが大笑いでアンゼリカさまを応援して、それを爆笑して煽るグレーデン騎士さん、困惑するナギの騎士さんと王国騎士さん、気にしたこっちゃないと奪い合いに参加する騎士さんたちで、良い思い出にはなるかなぁ?と眺める私たちだった。
昼食中に、少し離れた場所で野うさぎと猪がでたらしい。
魔獣じゃない普通の動物が出たのが辺境から離れたんだなぁって。
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