ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

533話

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 ニーナの手によって「辺境伯夫人」に仕立てられた。
 付き合いの薄い相手には辺境が舐められないように、財力とセンスを見せつけるようにとお義母さまから厳命されてるらしい。

 セリウスさまもルルゥも騎士服でジャケットの色変えるだけでズルいよねー。

「リーシャさま、この道中にお側に侍れず手持ち無沙汰な私の無聊を慰めていると思ってください」
 それを言われると~。新婚さん?に長期出張とかさせてるしぃ。
 
 とりあえず、マダム・シャロンの刺繍とビーズ(宝石ね)たっぷりの赤を差し色にしたドレスは素晴らしいですし!お飾りも大仰すぎない程度に煌めいているよ。
 
 バックパッカーとかしたいとか絶対言えないよねぇ。
 荷物だって、普通の貴族は見栄もあって荷物用馬車多めに出したいんだって。
 
 あ、マジックバッグやマジックボックスは一応希少なのでグレーデンのように騎士さんたちが気軽に持ち歩いてるのは凄いことなんだって。
 気軽に使っちゃってるけど、他の貴族家と比べて、魔の森やダンジョンに討伐に出る頻度が段違い過ぎるから入手確率も違うんだろうなって思ってる。
 買うのはオークションになるみたいだから、うちの騎士さんたち、歩く希少品だね!

 私たちの馬車もかなり高額だけど、さすがに王国騎士と辺境騎士が一緒にいる隊襲う怖いもの知らずの盗賊は出ないと思いたい。

 マジックバッグもボックスも作れるけど、無尽蔵に作ると怒られるので、ポムたちに作っただけだよ。
 ダンジョン産は渋いバッグなんだよねぇ。

 お化粧もちょっぴり濃いめ。
 大人っぽく見せたいらしい。
 お爺ちゃん相手なら、薄化粧の方が喜ばれるそうな気がするけど。

「敵はご夫人たちですよ」
 なぜか戦いに行くことになってる!?

 セリウスさまとルルゥがお部屋に迎えに来てくれた。

 あ、アランもジェイクもいるよ。あとチェイスさんたちは建物内で不審者チェック中らしい。

「リーシャちゃん、その色合いは俺の嫁にも見えるー」
 色合いがジュリアスさまとほぼ同じだからどうしようもないね。
「兄と弟との間で揺れ動く三角関係の物語はちょっとアリガチねぇ⭐︎」
 全く揺れ動く気がないのでアリガチとか言われても。

「目の色が違うから違うもん~」

「兄上は金がハッキリ出るもんねー」
「似てなくて悲しんだよねぇ?」
 目の色が違っても顔と髪色が似てるから落ち込まなくていいじゃん。

「お兄ちゃんが大好き過ぎるんだよ。この弟たち」
 ルルゥが素の声で言う。クラウスさまはお義母さまとお義父さまが程よく混ざってるから、クラウスさまのが切ないんじゃ?

「クラウスくらい違えば納得できるんだけどねー、兄上の下方修正版みたいでさー」
 先に生まれた方が数年分の成長があって当たり前だからそこまで卑下しなくても。

「ジュリアスさまはちょっと真面目でセリウスさまとクラウスさまは要領がいいんだから比べなくても上手くやってるじゃないですか」
 顔は正直、クラウスさま以外はお祖父様、お義父さま、ジュリアスさまと、ほぼ金太郎飴なのでどうでも良くない?
 体格は少しマッチョ率が低いけど、大きすぎない方がモテるらしいし?
 私は大きい方がいいけどね。

「うわー、慰めるでもなく、褒めるでもないってリーシャちゃんって性格がいいよねー」
「セリウスさまはお義父さまくらいマッチョになってジュリアスさまに近づくか、今ぐらいを維持して女性にモテるかどっちがいいのです?」
 結婚はしたくないみたいだけど。

「もっと鍛えるよー?モテなくても良いしー」
「そうねぇ、女性にモテるより良い身体になるのが良いわねぇ」
 ルルゥっておネエだけどマッチョ、セリウスさまより良い胸筋。どこ目指してるかわからないんだけど。

「お義母さまには大きければ大きいほどモテるよ・・・」
「母上にモテるのは別に良いよー」
「大奥様が喜ぶのは嬉しいわねぇ」
 セリウスさまにブラコンにプラスでマザコン疑惑が!

「そのお話はまだ続きますか?」
 ニーナがスンっとしてる。ツッコミ不在だったからずっと聞いてるの嫌になったのね。

「あら?セリウスさまがジュリアスさまを好き過ぎる話は話せば長いのよぉ」
 ルルゥが面白がっちゃってる、そしてこの話を聞き続けると子供時代が聞けそうでちょっと気になる。

「そのお話は壁にでもしてくださいね」
 ニーナってばいいルルゥにはわりとクール対応なのねぇ。

「いやよぉ~!壁は反応しないじゃない~」
 反応があれば壁でも良いのだろうか。

「ルーデウス、お前も良い加減にしないと侯爵家でのお前に話をするからー」
 え?それは逆に聞きたい。ニーナもちょっとピクってしたよ。

「うちの話はいいでしょ~!行くわよ~」
 自分に振られるのはダメらしい。

 ルルゥのグレーデンに来る前の話は知らないからねぇ。

 お部屋の外に出ると、ガルフ侯爵も移動中だったので一緒に食堂に向かうことに。

「夫人の装い、白い肌に映えてよくお似合いですね。お衣装、マダム・シフォンですか。うちのにもおねだりされるがなかなか予約が出来なくてね」
 あら、マダムの王都のお店、お弟子さんたちも大忙しのままなのね。

「衣装に関してはお義母さまとニーナに任せっきりで」
「おや、女性は自分で選ぶことが好きなのだとばかり」
 奥様のことかな。
「王都では旦那さまにプレゼントされるのが良いのかと?」
 婚約時代だけだっけ?

「ふふ、それは初々しい時代だけですよ。社交が本格的になると予算を出して口出すな、です」
 あー、好みが違うととんでもないのが来そうだもんねぇ。

「口出しするな、で、しない旦那さまだから言えるんですねぇ」
 ルルゥがシビアなことを言った。
「確かにな。口答えしてくれるのも言える相手だと言うことか」
 怖い旦那さんだったら言えないよねぇ。
 でも金だけ出せも言いにくいけどねぇ。

「妻が美しく装ってくれる分には文句はないな」
 あら?なぜか惚気られた。



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