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二章
519話
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準備といってもほとんどはニーナ達が整えてくれてるので、私の衣装チェンジと手荷物を持つだけ。最高過ぎる。
日本でオタ活に行く時は着替えを最低限に抑えてグッズを詰める作業が大変だったけど、今思えば女捨ててたなぁ。
オタ活でも衣装にも化粧にも命かけてる子が多かったよねー。
可愛い子見るのも楽しかったんだ~。
クミちゃんみたいな天然美人が隣にいると頑張るだけ無駄だったしぃ。
そんなことはもう今更だ。今だよ今。
ニーナは旅装用のラフな、でも王女さまたちのそばにいても大丈夫な程度に高級そうな生地のスカートの膨らみが少なめのドレスに着替えさせてくれて、髪も緩く纏めてくれた。
ガッチガチに編み込まれると長時間馬車に揺られるとしんどいよね。
ニーナは侍女服のまま。サーキス夫人として同行してくれてもいいのにぃ。
「あとはこの髪飾りを」
「ん?新しいの?」
薄紅の石をチェリーとお花に見立てたようなデザインで可愛い髪飾りを差してくれた。
「ジュリアスさまから「いつも側に」とリーシャさまにお渡しするようにと大変照れたお顔で渡されました」
うわぁ!生で見たかったよ。
「攻撃回避の魔法も付与されているそうです」
おや?誰が付与したんだろう。
「魔導師工房に依頼したそうですが製作者は聞いておりません」
表情よんだー。ニーナがしてやったり顔だよ。珍しいな。ポーカーフェイスじゃない。
出発前に軽く食事をとる。
もうすでに先導の騎士さんたちは出発して、そのあとガルフ侯爵たちも出たそうだ。
一気に出たら街道が大名行列だものね。
「リーシャさまとルルゥは王女さま方と馬車に同乗だそうです」
「ルルゥ?」
「リーシャさまの護衛兼執事扱いだそうで」
「王女さまたちにはユエさま?」
「いいえ、堅苦しくのが嫌だと馬車の横を騎馬だそうです」
ん?ルルゥは男性だけどいいの?
「今回王都に同行する中で一番王都貴族の教育を受けているので王女さま方に無礼がないとか」
んー、アンゼリカさまとクラウスさまは王都貴族ではないか。
ガルフ侯爵から誰か借りても私の方が知らない人と同乗するの嫌だな。
「男性臭さがないから良いと王女さま方も仰ってるそうですよ」
!?
美しいし、エレガントさけれど、それなりに男らしいよ?
そりゃ、ジュリアスさまやお義父さまと並んだら細いけどさ。
ユエさまよりは逞しいし、なんならアランとジェイク、チェイスさんよりデカいよ。
アモンさんはムッキムキ。
「話し方や接し方にいやらしさが無いから大丈夫でしょう」
ええ~・・・。
「ニーナは?リンさんは?」
「すぐ後ろの馬車に控えておりますから」
ええ~。
「セリウスさまはユエさまの警護に当たるそうで、アンゼリカさまは後ろの隊に付くそうです」
マジかー。
「ちなみにチェイスとアモン、アランとジェイクは馬車の四方を守ります」
なるほど。王女さまたちも守れて一石二鳥?
「グレーデンからかなりの隊が出ているので顔見知りも多いでしょう。安心ですね」
うん。それは嬉しい。
「アッガスの隊はさすがに多くは出せないよね」
安定した街になるまではまだまだ。領民のために動いててもらわないと。
「そういえば、今朝は海のものがたくさん漁れたそうです」
なんですと!?港に行きたかった。
結局、朝市とか露店見に行けてないぞ。
そんなわけで玄関ホールまでいくと、お見送りのためにお義母さまとシャロンさま、マデリーさまが待っててくれた。
「リーシャちゃん、お仕事だからあまり気を抜けないだろうけど、旅を楽しんできてねぇ」
「今度、グレーデンに顔を出しますからお茶会をしましょうね」
お義母さまとシャロンさまにハグしてもらった。大人の女性はいい匂いでお胸がサイコーだよ。おっさんって言わないでね!
「今回、お役に立てずに申し訳けありません。またお会いしましょう」
気にしなくていいのに。
「王都から戻ったらまた会いに来ますね」
その頃にはみんな落ち着いてるはず。子供産まれるまでフィーバーしてたらどうしよう。
「楽しみにしてます」
マデリーさまもハグ。現役騎士さんなので手のひらが固い。魔法騎士さんだけどちゃんと鍛えてるんだ。
レオルカさまは境界まで隊を率いて見送り兼警護についてくれるので一緒に出る。
「セリウス、リーシャちゃんの指一本、髪の毛一本も損なうことないよう、しっかり守るのよぉ」
「もしそんなことになったら俺がすでに死んでるー、生きて帰れても兄上に消されるしー」
髪の毛一本は普通に抜けるよ~。
「私が盾になるから安心してねぇ?」
騎士服のルルゥがセリウスさまの後ろから言ってきたけど、それはそれでヤバい状況なので何事もないのがいいよ。
「それは圧迫死で逆に危険だろー」
「あらぁ?体重の話しちゃうぅ?」
何か不穏だぞ。
セリウスさまとルルゥは体格差が微妙でセリウスさまの方が少し背が高い。
「筋肉が分厚いと重くなるんだよ」
「え?そうなのぉ?」
なぜかお義母さまが反応した。
「この柔らかい脂肪と固い筋肉は同じくらいの量でも重さが違うんで」
「あらぁ物知りねぇ」
お義父さまは多分かなり重いと思う。
お義母さまは細いわりに・・・だよね。
「さぁさぁ、そろそろナギの方たちがお揃いになるわよぉ」
王女さまたちとユエさまたちは屋敷の西側にお泊まりなので馬車の準備が整ったと呼びに行くまでお部屋で過ごしてもらってた。
「ではみんなさよならはここでおしまいよぅ」
外からアンゼリカさまが入ってきて、
「馬車も揃ったぞ」
っとお知らせしてくれた。
日本でオタ活に行く時は着替えを最低限に抑えてグッズを詰める作業が大変だったけど、今思えば女捨ててたなぁ。
オタ活でも衣装にも化粧にも命かけてる子が多かったよねー。
可愛い子見るのも楽しかったんだ~。
クミちゃんみたいな天然美人が隣にいると頑張るだけ無駄だったしぃ。
そんなことはもう今更だ。今だよ今。
ニーナは旅装用のラフな、でも王女さまたちのそばにいても大丈夫な程度に高級そうな生地のスカートの膨らみが少なめのドレスに着替えさせてくれて、髪も緩く纏めてくれた。
ガッチガチに編み込まれると長時間馬車に揺られるとしんどいよね。
ニーナは侍女服のまま。サーキス夫人として同行してくれてもいいのにぃ。
「あとはこの髪飾りを」
「ん?新しいの?」
薄紅の石をチェリーとお花に見立てたようなデザインで可愛い髪飾りを差してくれた。
「ジュリアスさまから「いつも側に」とリーシャさまにお渡しするようにと大変照れたお顔で渡されました」
うわぁ!生で見たかったよ。
「攻撃回避の魔法も付与されているそうです」
おや?誰が付与したんだろう。
「魔導師工房に依頼したそうですが製作者は聞いておりません」
表情よんだー。ニーナがしてやったり顔だよ。珍しいな。ポーカーフェイスじゃない。
出発前に軽く食事をとる。
もうすでに先導の騎士さんたちは出発して、そのあとガルフ侯爵たちも出たそうだ。
一気に出たら街道が大名行列だものね。
「リーシャさまとルルゥは王女さま方と馬車に同乗だそうです」
「ルルゥ?」
「リーシャさまの護衛兼執事扱いだそうで」
「王女さまたちにはユエさま?」
「いいえ、堅苦しくのが嫌だと馬車の横を騎馬だそうです」
ん?ルルゥは男性だけどいいの?
「今回王都に同行する中で一番王都貴族の教育を受けているので王女さま方に無礼がないとか」
んー、アンゼリカさまとクラウスさまは王都貴族ではないか。
ガルフ侯爵から誰か借りても私の方が知らない人と同乗するの嫌だな。
「男性臭さがないから良いと王女さま方も仰ってるそうですよ」
!?
美しいし、エレガントさけれど、それなりに男らしいよ?
そりゃ、ジュリアスさまやお義父さまと並んだら細いけどさ。
ユエさまよりは逞しいし、なんならアランとジェイク、チェイスさんよりデカいよ。
アモンさんはムッキムキ。
「話し方や接し方にいやらしさが無いから大丈夫でしょう」
ええ~・・・。
「ニーナは?リンさんは?」
「すぐ後ろの馬車に控えておりますから」
ええ~。
「セリウスさまはユエさまの警護に当たるそうで、アンゼリカさまは後ろの隊に付くそうです」
マジかー。
「ちなみにチェイスとアモン、アランとジェイクは馬車の四方を守ります」
なるほど。王女さまたちも守れて一石二鳥?
「グレーデンからかなりの隊が出ているので顔見知りも多いでしょう。安心ですね」
うん。それは嬉しい。
「アッガスの隊はさすがに多くは出せないよね」
安定した街になるまではまだまだ。領民のために動いててもらわないと。
「そういえば、今朝は海のものがたくさん漁れたそうです」
なんですと!?港に行きたかった。
結局、朝市とか露店見に行けてないぞ。
そんなわけで玄関ホールまでいくと、お見送りのためにお義母さまとシャロンさま、マデリーさまが待っててくれた。
「リーシャちゃん、お仕事だからあまり気を抜けないだろうけど、旅を楽しんできてねぇ」
「今度、グレーデンに顔を出しますからお茶会をしましょうね」
お義母さまとシャロンさまにハグしてもらった。大人の女性はいい匂いでお胸がサイコーだよ。おっさんって言わないでね!
「今回、お役に立てずに申し訳けありません。またお会いしましょう」
気にしなくていいのに。
「王都から戻ったらまた会いに来ますね」
その頃にはみんな落ち着いてるはず。子供産まれるまでフィーバーしてたらどうしよう。
「楽しみにしてます」
マデリーさまもハグ。現役騎士さんなので手のひらが固い。魔法騎士さんだけどちゃんと鍛えてるんだ。
レオルカさまは境界まで隊を率いて見送り兼警護についてくれるので一緒に出る。
「セリウス、リーシャちゃんの指一本、髪の毛一本も損なうことないよう、しっかり守るのよぉ」
「もしそんなことになったら俺がすでに死んでるー、生きて帰れても兄上に消されるしー」
髪の毛一本は普通に抜けるよ~。
「私が盾になるから安心してねぇ?」
騎士服のルルゥがセリウスさまの後ろから言ってきたけど、それはそれでヤバい状況なので何事もないのがいいよ。
「それは圧迫死で逆に危険だろー」
「あらぁ?体重の話しちゃうぅ?」
何か不穏だぞ。
セリウスさまとルルゥは体格差が微妙でセリウスさまの方が少し背が高い。
「筋肉が分厚いと重くなるんだよ」
「え?そうなのぉ?」
なぜかお義母さまが反応した。
「この柔らかい脂肪と固い筋肉は同じくらいの量でも重さが違うんで」
「あらぁ物知りねぇ」
お義父さまは多分かなり重いと思う。
お義母さまは細いわりに・・・だよね。
「さぁさぁ、そろそろナギの方たちがお揃いになるわよぉ」
王女さまたちとユエさまたちは屋敷の西側にお泊まりなので馬車の準備が整ったと呼びに行くまでお部屋で過ごしてもらってた。
「ではみんなさよならはここでおしまいよぅ」
外からアンゼリカさまが入ってきて、
「馬車も揃ったぞ」
っとお知らせしてくれた。
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