ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

518話

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 朝食後に出立の準備をしにお部屋に戻ろうとしたら、マデリーさまにお義母さまとシャロンさまのところに連れて行かれた。

「私はお腹が空いたりしてないのですがこの子は魔力が弱いのでしょうか?」

 うんうん。不安になっちゃうよね。

「あら?まだ表に出て来ない時期よ」
「マデリーちゃん、初めての妊娠は何事も気になるでしょうけど、とにかく無事に産めればいいのよぉ~」

 高魔力の親から必ずしも高魔力の子が生まれるわけではない。
 レオルカさまとマデリーさまはそれぞれそれなりに魔力が高いけれど、それを受け継ぐかはわからない。
 お義母さまのようにとにかくお腹が空くのはジュリアスさまがとんでもなかったのと、お義母さまが魔力を食べることで補充するタイプだったから。
 シャロンさまもそれなりにお腹は空いたけれど、外部魔素をお腹の中で子供たちが勝手に吸収していたんだとか。

 夫婦の魔力差も多少関係あるけれど、母親の体質はそれぞれなので、子供が勝手に自分の良いように調整するから心配することはないんだそう。

 あくまで魔力持ちの子の話だそう。

「おそらくそれなりに魔力の高い子が生まれるでしょうけど、別にシグルドやアンゼリカ、ジュリアスと比べなくても良いのよ?」
「そうよぉ~!魔力と筋力ばっかりじゃなくて頭の良い子も必要なのよぉ?マデリーちゃんやレオルカの子だったらきっと頭が切れる子になるわねぇ」

 お義父さまもジュリアスさまも頭もいいと思うんだよ。

「魔力が生まれる前から強いと大変よ?産まれてから鍛えた方が母体に不安がなくていいわ」

 魔力量はは血筋による場合が多いけど、ポテンシャルがあれば、成長期に跳ね上がるから心配ないそうだ。

「そうそう、ジュリアスの時は魔力を根こそぎ引っ張って産まれてすっごく疲れたのよぉ~」
 それは生命の危機なんでは。

「私もアンゼリカの時はちょっと寝込んだわねぇ」

 ひえー。出産が怖くなるのでもうお話やめよう?

「マギーがついてくれるし、今ならデリアお義母さまもいてくださるから安心していらっしゃい」
「そうよぉ~、元気な子が産まれてくれたらみんな幸せよぉ」

 マタニティブルーをものともしない頼りになる姑勢。

「頑張ります」

 真面目だなぁ。

「とにかくたくさん食べてたくさん寝て、適度に身体を動かして気持ちを落ち込ませないのよ」
「お仕事なんてやれる人に任せればいいんだからねぇ?食べたいものがあれば今ならダレスさまもルドガーさまもお祖父様たちもすぐ狩に行ってくれるからねぇ?」

 狩ってくる前提。魔の森産の魔素豊かな食材だから子供も成長にもいいね。多分。

「そ・れ・よ・り!リーシャちゃん、脂を吸収しないお茶ってなぁに??」

 お義母さまに必要のないものです。

「薬草の組み合わせで胃腸を綺麗にしたり、身体に必要のない栄養を吸収しないようにするお茶があるかなー?」
 めっちゃハンターの目になってる。
「まぁまぁ!」
「今までも薬草茶はお腹の中をきれいにしたりのを出してますよー」
 美肌効果って結局は体内の毒素を排出することから出てくるんだー。

「お通じが良くなるやつねぇ」
 効果を実感したことがあったからか頷くお義母さまと「私は知らない」って感じのシャロンさま。

「美味しいお菓子やお酒に美容品で手一杯でぇ、薬草茶までは工場まわらないわよぉ」
「シャロンさま、薬草関連はカイダール男爵にお任せなので」

 アーロンお兄さまに早急に減肥茶みたいなの売り出してもらおう!

 太りにくくするだけで痩せるお茶じゃないからね!って誰に言いたんだ。

「その薬草茶は私も飲めますか?」
「妊娠中はあまり薬草やお酒はお勧めしません」

 マデリーさまったら、お茶よりお酒の方に反応したね。

「肉や果物を色々用意するから頑張って!」
 シャロンさまがマデリーさまの腰を撫でて励ました。

「ゼリーやスムージーもいろんな味を考えますね!」

 まずは妊娠を知ったレオルカさまにジェイデン家グレーデン家が大騒ぎしそうだから、フォロー頼みましたよ!お姑ーズ。

 マデリーさまの気分が向上したようなので、改めて出立の準備を。

「私も一緒に行きたいけれど、行けるとしてもジュリアスと同じ日になるわぁ。無事に帰ってきてねぇ」
 お義母さまがグレーデンを一ヶ月も離れたらお義父さまが王都に一緒に来ちゃう。

「私も寂しいですけど、初めてのことなので頑張ります」
 オレイユ家から出て、グレーデン家でめっちゃぬくぬく暮らさせてもらって、初ってくらいの大仕事だ。嫁として頑張る。

「リーシャさま、王都には遅れてシグルドも参りますので何かあれば頼ってくださいね」

 今回のジェイデン代表はシグルドさまなんだ。

「おそらく各地からうまい汁を吸いたい家が同じ年頃の令嬢が参加するでしょうからぁ、セリウスから離れないでねぇ?」

 同じ年頃って、学園入学前の子を他国の王女様たちに相手させるのかしら。大丈夫かしら。

「アンゼリカもついて行くけれど、令嬢相手にはあまり役に立たないから怖い置物として立たせておいてね」

 娘の扱い酷い。

「私には優しく接してくれますよ」
「そうね、あの子も少しは成長したかしらね」
 母親なりの心配があるのかな?
「アンゼリカ様は声が高い令嬢が苦手なだけですよ」
 マデリーさまの擁護は、なんか男性相手みたいな。
 アンゼリカさまは綺麗な女性ですってば。





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