ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

512話

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 馬車から降りると王女さまたちの足元に絨毯が!!?

『御御足を汚すわけには参りませんので』

 従僕さん?がびっくりして見てる私に教えてくれた。
 ほえー。進む方向のひいていくのか。

『『宮の庭では走り回って汚れまくってる。外部に出ると途端にめんどくさい』』
 王女さまたちは不本意そう。

『殿下たちがおふざけが過ぎてるんですよ。他の姫さま方は宮から出ません』

 ん?逆に不健康そう。

『『衣装と宝石と甘菓子しか興味がないから肥えておろうが』』
 
 ん?『肥え』?!?

『肥えていると言うほどではありませんよ。多少ぽっちゃりされているだけで』
 ユエさまが閉じたままに見える目を微笑ませて?いる。

『『薬方でなんとかなっているがあんなのは超える一方だよ』』
 いろんな漢方の植物と辛いの食べてて太るのかしら。

『姫さま方は色白でふっくらしている方が良い縁談があるのですよ』

 あ!富の象徴みたいなことか。

『『男は体術で身体を鍛えて太らぬのに。私たちは男に生まれるのが正解であった。体術を学びたいと言うておるのに』』

 鍛えてる男の人たち、マッチョはいなさそうだぞ。
 思わず護衛さんや騎士さんを眺める。
 みんな細身だ。脱いだらすごいんだろうか。

『あまり口答えなさるなら外遊に出しませんよ』

 あら。イラっとしちゃったのかな。
 王女さまたちが黙っちゃった。

 私は戦える女性もいいと思うけど、王族女性を危険に晒したくないのは仕方ないよねぇ。

 進行方向を絨毯係に指示して準備が終わったらしいので畑見学開始。

 畑の管理人が緊張で泣きそう。がんばれ。

 ナギから来た人は農業とかの担当さん。日本だと農林水産省とかの人かな。
 制服らしき衣装はスタンドカラーの麻生地かな?なジャケット。刺繍で入ってる柄が派手だ。
 下のズボンは裾の方が少し絞ってあって動きやすそう。いいな。

 王女さまたちは多少ラフな足首が見えるスカート。ふわふわ度も抑えて。

 私はお義母さまが作ってくれた控えめなドレス。
 さすがにチュニックとカーゴは許されない。
 畑に行くなら一番いいのに。

 レオルカさまを先頭に説明する畑担当、ユエさま、王女さまたち、私、セリウスさま、ルルゥって感じで進む。
 護衛さん騎士さんは畑の四方に散らばって警戒中。物々しいね。

 作物は雑穀類と果物を順番に見せていく。

『この国では何処でもこれくらい実りが良いのですか?』
 ナギの農業担当のキンカイさんが興奮気味に聞くとこちらの担当のケインさん(管理人とは別で貴族出身の公用語ができる人)が首を振る。

『とんでもないです。レイドラアース全体で言えば穀物はまだ希少です』

 え!そうなの。バンバン使ってる。

『まず穀物の大半は家畜用で作っていたので畑面積が少なめでした。野菜はなんとか作ってましたがこれほどでもなかったんです』

 まぁ、馬さんたちのご飯から始まったよね。

『それなのもこれほど土地が・・・』

 ナギは漢方の素材がいっぱい作られているなら土地もしっかりしてそうだけど。

『土が柔らかいのはなぜですか?』

 レオルカさまとケインさんがチラリと私を見てきたので、私はセリウスさまを見上げて確認を取ってからお話しする。

『魔の森などから木の葉など落ちて枯れた後の溜まった土を回収してしばらく発酵させてから畑に撒いてます』

 説明合ってるかな。腐葉土。

『魔の森のものは魔素をたくさん含んでいるので成長に良いのです』

 何でも魔素が絡んでるのが大事。

 ポムの加護舞のことは言えないのでこれくらいで勘弁してね。

『そうすると我が国には魔の森がないので普通の森から集めるしかないですね』
 ユエさんが残念そう。
 魔のモロがないって羨ましい・・・よね?

『魔獣が頻繁に出る地域は魔素が濃いのではないですか?』
『かなり分散してるので改めて調査するしかないですねぇ』
 決まった場所に出ないのは困るね。
『魔の森産でなくても腐葉土は栄養がたっぷりなので十分仕えると思いますよ』
 グレーデンが魔の森がいっぱいなだけで、なかったら普通に森から集めたもん。

 休憩を取ることになって、スポーツドリンクもどきを出したら喜ばれた。

『甘しょっぱい』
『喉は潤いますねぇ』

 嬉しそうなので普段に飲んでいるものを聞けば。

『薬方を煮込んで余ったのを全部ぶち込んだ茶です』
 それは出涸らし!!!

『その時々使ってる素材が違うのでハズレだとゲキ苦いものになるんです』

 どのレベルの苦さか逆に気になる。
『そのお茶飲んでみたいですねぇ』
『当たりとハズレ試したいっすね』
 チェイスさんとルルゥが言っちゃった。
 私も同レベルってことだ。

『物好きですね』
 ユエさんが変化のわからない目でクツクツ笑う雰囲気を出す。
『船の賄いで出たのがありますよ』
 マジックバックらしきものから皮袋と鍋が出てきた。

『『リーシャはやめた方がいい。慣れぬと下るよ』』

 王女さまたちが止める。それほど嫌そうに言うのが逆に興味をそそる。
 減肥茶とかドクダミ茶、センブリ茶とか思い浮かべる。

『・・・』
 ユエさんが出してくれた茶碗を、まずは毒味、みたくスッとチェイスさんに飲ませたセリウスさま。

 チェイスさんが笑顔のまま固まった。

『渋いような辛いような粉のような』
 なんとか感想を言うけど美味しそうな単語がない。
 
 人数分出してくれたのでみんなでコクリ。

 当たりは甘い味がねっとりしたと思ったら土の香りと薬草の香りがする、どっかで飲んだことある痩身茶みたいな。

 ハズレは舌が痺れた。辛い種が入ってたみたいで、苦い薬草と濃厚な糞。
 食べたことないけど鹿のふんとか草を凝縮させた感じのやつ。

『『あー・・・今夜の厠は混雑するよ』』

 え!便秘解消薬なの!?

『『慣れぬとな。初めて飲む侍女とかは三日くらい休む』』

 ちょっと待ってちょっと待って。ナギ国で一般的に飲んでるんじゃなくて、王宮だけなの!?

『説明が足りませんよ。裕福な家の出身でないと薬方を使った後の茶は薄いので濃いのは慣れてないんです』
 薄い方が良さげだね!

 チラッとセリウスさまとルルゥを見ると笑顔のまま固まってる。

 美形なマッチョが厠に籠る図。

 気の毒すぎて・・・笑う。

 笑い事じゃないな。私もやばい。

 ポーション効くかな。

 こっそりお茶を鑑定したら、羨ましいほどの漢方素材だったので覚えておいて後から欲しい物リスト作ろう。

 その後も畑をしっかり見せて歩いて、夕刻に屋敷に戻って、一旦解散した。



 拉致されるようにルルゥとセリウスさまに部屋に連れ込まれた。

「簡易トイレって音漏れは!!??」
「部屋で出しても問題ないか?」

 ルルゥが素になってる!!

 女性用に作ったつもりの簡易トイレ。個人で所有するくらい流行ってたのか。

「結界とか張ればいいんでは」
「「!!!!!!??」」

 あと部屋に出してもいいけど、気分的に寝室に簡易トイレは入院中以外は嫌だな。

「トイレの心配の前にポーション飲んだらだめですか?」
「「!!!???」」

 どれだけテンパってたのかな。

 とりあえず、みんなでポーション飲みましたとさ。

 効くといいな。



---------

 おトイレネタごめんなさい。


 昨日はご心配おかけしました。

 思ったよりたっぷりではないですがキリがいいとこで締めました。

 体調はまだ多少倦怠感ですがなんとか落ち着きました。



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