517 / 764
二章
506話
しおりを挟む
結局、夕刻までおやつを食べ続けた王女さまたちとお義母さま。
王女さまたちはコルセットしてないっぽいけど、お義母さまはどうなってんだ。
私とシャロンさまは途中でお茶すらやめたよ。タポタポになっちゃう。
そして晩餐用の着替えとか言われて一旦解散。
もう着替えはいいでしょ!?
お部屋に戻ってニーナに愚痴りながら着替えたよ。
お義母さまとシャロンさま、ニーナは、夜会風なゴージャスドレス。
私とマデリーさまはお昼より若干肌の露出が増えた程度のハイウェストドレスに装飾品を豪華にした感じ。
アンゼリカさまが無茶苦茶嫌そうにドレスを着たよ。
背丈のある美人なので羨ましいなぁ。本人はブルーそうだけど。
ジュリアスさまたちも礼装で迎えに来てくれた。
アンゼリカさまとジュリアスさまが似てるから迫力あるよ。
「アンゼリカは俺のエスコートねー」
セリウスさまが不機嫌な従姉を連れて行った。
「リーシャも母上もよく似合っている」
ジュリアスさまがニコリと笑って私の頭を撫でる。
「褒め言葉が足りないのよねぇ」
脳筋に口説き言葉を望むのは酷ですって。でもお義父さまはもう少し褒め上手かも。
「適当な褒め言葉を並べるより潔くて良いわ」
あら、シャロンさまは誰のことを?
ニーナをエスコートするルークは、なんて言うか指先でニーナの首筋を撫でて小さな声で「綺麗だ」って言ってるのが聞こえた。
人は見かけに・・・ん?見かけ通りなのかも。いかにも良い男だもの。
「ルークのことは学園の頃からの付き合いだけれど意外な感じです」
マデリーさまが小声で教えてくれた。いかにも硬派で女の影も噂もなかったらしい。
お義母さまも以前「初恋じゃないかしらぁ」とか言っていたので、恋愛上級者ではないらしいけど、なんて言うかスケベだ。
晩餐の間に行くとすでに侯爵や多くの役人、ナギ側の外交官も揃っていた。
私たちと王女さまたちが揃って、レオルカさまとガルフ侯爵が挨拶をした。
『本日はアッガスの海とグレーデンの恵みに想いを寄せていただけると幸いです』
的なことを言って、食事会が始まった。
ちなみに魔獣肉や海獣肉は禁忌じゃないのでふんだんに使った料理を出している。
『このスパイスの使い方が斬新だ』
『我が国の薬方がこのような料理に使えるとは』
薬方は漢方のような意味。
ナギの人たちが嬉しそうに話している。
椅子は用意されているが立食になってるのでみんな気になる食べ物の近くで話し込んでる。
スパイスは、スープや粥に使うけれどソースや隠し味、薬味的な扱いはしないらしい。
カレーはびっくりらしい。スパイスをいっぱい入れても実ごと入れたりだからカレーにはならないとか。
実ごと入れられるのは逆にすごいけど。
薬方っていうくらいなので薬の種類は多いらしい。未病を防ぐ感じの役割で。
ジュリアスさまとレオルカさまとセリウスさまがナギの人たちに囲まれて、質問攻めにされてる。
料理のことは説明できるかな?
私はマデリーさまとニーナとであまり人が溜まらない場所に移動した。
『リーシャちゃん、このハーブ面白いのよぉ~』
ルルゥが持って来たスープに入ってたのは苦瓜とパクチーとかクセ凄素材。
『これをうまく調理するってすごくなぁい?』
どうやらナギのコックとすでに意気投合しているようだ。
『根っことかバクダンとか面白い食材ってリーシャちゃんのたんぽぽサラダとか発想が似てるわねぇ』
根っこはともかくバクダンってなんだ。
詳しく聞くと百合根とニンニクとか球根系がまとめてバクダンらしい。大雑把。
『これ根っこ?』
『そう!わさわさっと付いてるの』
ん?
『上は油の採れる花が咲いてるんですって』
本物の木の根っこ!!
『噛んだらジュワッと木の匂いがするのよぉ』
全く美味しそうじゃないんですけど!
ゴボウみたいなのかなってとりあえず食べたら、スープの味が染みてて美味しかった。謎。
『少しよろしいでしょうか?』
ユエさんが話しかけて来た。
『ファリン殿下、ルアラン殿下がこちらの茶菓子をいたくお気に召したそうでレシピを教わりたく思うのだすが』
『ナギ国で広めたいということでしょうか?』
細めた目をさらに細めるように笑って肯定する。
『レシピは商業ギルドの登録されているので手続きをきちんとしていただければ良いかと』
私としてはご自由にどうぞなんだけど、お金を出して買ってる人がいるからね。
『それはもちろん』
『ですが私もナギ国の料理に興味がありますのでコック同士の教わり合いなどに権利は発生しないかと』
うん。お互い様だったら良いよね。
ユエさまもニヤリとしてる。
『我が国はどうしても薬方の香りにまみれていますので食べ物の大半は辛いなど極端なのですがこちらに来て舌が蕩けるような優しい味わいを感じることができて幸せです』
薄味が嫌とかじゃないよね?
『あちらこちらに旅していますがこんなに多岐に渡った味わいを楽しめるのは初めてですよ』
どうやら裏とかはないらしい。
『我が国は少し前までは素材を生かした塩味が主流でした。海外から商人が運んできた薬方がとてもクセになる味だったので、ナギ国からもいろんな物を輸入できるようになると嬉しいです』
そう、デレードもナギもスパイスが豊富!!
『嬉しいですねぇ』
ユエさまは目線が全くわからないのにキラーンとした気配を感じたよ。
王女さまたちはコルセットしてないっぽいけど、お義母さまはどうなってんだ。
私とシャロンさまは途中でお茶すらやめたよ。タポタポになっちゃう。
そして晩餐用の着替えとか言われて一旦解散。
もう着替えはいいでしょ!?
お部屋に戻ってニーナに愚痴りながら着替えたよ。
お義母さまとシャロンさま、ニーナは、夜会風なゴージャスドレス。
私とマデリーさまはお昼より若干肌の露出が増えた程度のハイウェストドレスに装飾品を豪華にした感じ。
アンゼリカさまが無茶苦茶嫌そうにドレスを着たよ。
背丈のある美人なので羨ましいなぁ。本人はブルーそうだけど。
ジュリアスさまたちも礼装で迎えに来てくれた。
アンゼリカさまとジュリアスさまが似てるから迫力あるよ。
「アンゼリカは俺のエスコートねー」
セリウスさまが不機嫌な従姉を連れて行った。
「リーシャも母上もよく似合っている」
ジュリアスさまがニコリと笑って私の頭を撫でる。
「褒め言葉が足りないのよねぇ」
脳筋に口説き言葉を望むのは酷ですって。でもお義父さまはもう少し褒め上手かも。
「適当な褒め言葉を並べるより潔くて良いわ」
あら、シャロンさまは誰のことを?
ニーナをエスコートするルークは、なんて言うか指先でニーナの首筋を撫でて小さな声で「綺麗だ」って言ってるのが聞こえた。
人は見かけに・・・ん?見かけ通りなのかも。いかにも良い男だもの。
「ルークのことは学園の頃からの付き合いだけれど意外な感じです」
マデリーさまが小声で教えてくれた。いかにも硬派で女の影も噂もなかったらしい。
お義母さまも以前「初恋じゃないかしらぁ」とか言っていたので、恋愛上級者ではないらしいけど、なんて言うかスケベだ。
晩餐の間に行くとすでに侯爵や多くの役人、ナギ側の外交官も揃っていた。
私たちと王女さまたちが揃って、レオルカさまとガルフ侯爵が挨拶をした。
『本日はアッガスの海とグレーデンの恵みに想いを寄せていただけると幸いです』
的なことを言って、食事会が始まった。
ちなみに魔獣肉や海獣肉は禁忌じゃないのでふんだんに使った料理を出している。
『このスパイスの使い方が斬新だ』
『我が国の薬方がこのような料理に使えるとは』
薬方は漢方のような意味。
ナギの人たちが嬉しそうに話している。
椅子は用意されているが立食になってるのでみんな気になる食べ物の近くで話し込んでる。
スパイスは、スープや粥に使うけれどソースや隠し味、薬味的な扱いはしないらしい。
カレーはびっくりらしい。スパイスをいっぱい入れても実ごと入れたりだからカレーにはならないとか。
実ごと入れられるのは逆にすごいけど。
薬方っていうくらいなので薬の種類は多いらしい。未病を防ぐ感じの役割で。
ジュリアスさまとレオルカさまとセリウスさまがナギの人たちに囲まれて、質問攻めにされてる。
料理のことは説明できるかな?
私はマデリーさまとニーナとであまり人が溜まらない場所に移動した。
『リーシャちゃん、このハーブ面白いのよぉ~』
ルルゥが持って来たスープに入ってたのは苦瓜とパクチーとかクセ凄素材。
『これをうまく調理するってすごくなぁい?』
どうやらナギのコックとすでに意気投合しているようだ。
『根っことかバクダンとか面白い食材ってリーシャちゃんのたんぽぽサラダとか発想が似てるわねぇ』
根っこはともかくバクダンってなんだ。
詳しく聞くと百合根とニンニクとか球根系がまとめてバクダンらしい。大雑把。
『これ根っこ?』
『そう!わさわさっと付いてるの』
ん?
『上は油の採れる花が咲いてるんですって』
本物の木の根っこ!!
『噛んだらジュワッと木の匂いがするのよぉ』
全く美味しそうじゃないんですけど!
ゴボウみたいなのかなってとりあえず食べたら、スープの味が染みてて美味しかった。謎。
『少しよろしいでしょうか?』
ユエさんが話しかけて来た。
『ファリン殿下、ルアラン殿下がこちらの茶菓子をいたくお気に召したそうでレシピを教わりたく思うのだすが』
『ナギ国で広めたいということでしょうか?』
細めた目をさらに細めるように笑って肯定する。
『レシピは商業ギルドの登録されているので手続きをきちんとしていただければ良いかと』
私としてはご自由にどうぞなんだけど、お金を出して買ってる人がいるからね。
『それはもちろん』
『ですが私もナギ国の料理に興味がありますのでコック同士の教わり合いなどに権利は発生しないかと』
うん。お互い様だったら良いよね。
ユエさまもニヤリとしてる。
『我が国はどうしても薬方の香りにまみれていますので食べ物の大半は辛いなど極端なのですがこちらに来て舌が蕩けるような優しい味わいを感じることができて幸せです』
薄味が嫌とかじゃないよね?
『あちらこちらに旅していますがこんなに多岐に渡った味わいを楽しめるのは初めてですよ』
どうやら裏とかはないらしい。
『我が国は少し前までは素材を生かした塩味が主流でした。海外から商人が運んできた薬方がとてもクセになる味だったので、ナギ国からもいろんな物を輸入できるようになると嬉しいです』
そう、デレードもナギもスパイスが豊富!!
『嬉しいですねぇ』
ユエさまは目線が全くわからないのにキラーンとした気配を感じたよ。
705
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる