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二章
506話
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結局、夕刻までおやつを食べ続けた王女さまたちとお義母さま。
王女さまたちはコルセットしてないっぽいけど、お義母さまはどうなってんだ。
私とシャロンさまは途中でお茶すらやめたよ。タポタポになっちゃう。
そして晩餐用の着替えとか言われて一旦解散。
もう着替えはいいでしょ!?
お部屋に戻ってニーナに愚痴りながら着替えたよ。
お義母さまとシャロンさま、ニーナは、夜会風なゴージャスドレス。
私とマデリーさまはお昼より若干肌の露出が増えた程度のハイウェストドレスに装飾品を豪華にした感じ。
アンゼリカさまが無茶苦茶嫌そうにドレスを着たよ。
背丈のある美人なので羨ましいなぁ。本人はブルーそうだけど。
ジュリアスさまたちも礼装で迎えに来てくれた。
アンゼリカさまとジュリアスさまが似てるから迫力あるよ。
「アンゼリカは俺のエスコートねー」
セリウスさまが不機嫌な従姉を連れて行った。
「リーシャも母上もよく似合っている」
ジュリアスさまがニコリと笑って私の頭を撫でる。
「褒め言葉が足りないのよねぇ」
脳筋に口説き言葉を望むのは酷ですって。でもお義父さまはもう少し褒め上手かも。
「適当な褒め言葉を並べるより潔くて良いわ」
あら、シャロンさまは誰のことを?
ニーナをエスコートするルークは、なんて言うか指先でニーナの首筋を撫でて小さな声で「綺麗だ」って言ってるのが聞こえた。
人は見かけに・・・ん?見かけ通りなのかも。いかにも良い男だもの。
「ルークのことは学園の頃からの付き合いだけれど意外な感じです」
マデリーさまが小声で教えてくれた。いかにも硬派で女の影も噂もなかったらしい。
お義母さまも以前「初恋じゃないかしらぁ」とか言っていたので、恋愛上級者ではないらしいけど、なんて言うかスケベだ。
晩餐の間に行くとすでに侯爵や多くの役人、ナギ側の外交官も揃っていた。
私たちと王女さまたちが揃って、レオルカさまとガルフ侯爵が挨拶をした。
『本日はアッガスの海とグレーデンの恵みに想いを寄せていただけると幸いです』
的なことを言って、食事会が始まった。
ちなみに魔獣肉や海獣肉は禁忌じゃないのでふんだんに使った料理を出している。
『このスパイスの使い方が斬新だ』
『我が国の薬方がこのような料理に使えるとは』
薬方は漢方のような意味。
ナギの人たちが嬉しそうに話している。
椅子は用意されているが立食になってるのでみんな気になる食べ物の近くで話し込んでる。
スパイスは、スープや粥に使うけれどソースや隠し味、薬味的な扱いはしないらしい。
カレーはびっくりらしい。スパイスをいっぱい入れても実ごと入れたりだからカレーにはならないとか。
実ごと入れられるのは逆にすごいけど。
薬方っていうくらいなので薬の種類は多いらしい。未病を防ぐ感じの役割で。
ジュリアスさまとレオルカさまとセリウスさまがナギの人たちに囲まれて、質問攻めにされてる。
料理のことは説明できるかな?
私はマデリーさまとニーナとであまり人が溜まらない場所に移動した。
『リーシャちゃん、このハーブ面白いのよぉ~』
ルルゥが持って来たスープに入ってたのは苦瓜とパクチーとかクセ凄素材。
『これをうまく調理するってすごくなぁい?』
どうやらナギのコックとすでに意気投合しているようだ。
『根っことかバクダンとか面白い食材ってリーシャちゃんのたんぽぽサラダとか発想が似てるわねぇ』
根っこはともかくバクダンってなんだ。
詳しく聞くと百合根とニンニクとか球根系がまとめてバクダンらしい。大雑把。
『これ根っこ?』
『そう!わさわさっと付いてるの』
ん?
『上は油の採れる花が咲いてるんですって』
本物の木の根っこ!!
『噛んだらジュワッと木の匂いがするのよぉ』
全く美味しそうじゃないんですけど!
ゴボウみたいなのかなってとりあえず食べたら、スープの味が染みてて美味しかった。謎。
『少しよろしいでしょうか?』
ユエさんが話しかけて来た。
『ファリン殿下、ルアラン殿下がこちらの茶菓子をいたくお気に召したそうでレシピを教わりたく思うのだすが』
『ナギ国で広めたいということでしょうか?』
細めた目をさらに細めるように笑って肯定する。
『レシピは商業ギルドの登録されているので手続きをきちんとしていただければ良いかと』
私としてはご自由にどうぞなんだけど、お金を出して買ってる人がいるからね。
『それはもちろん』
『ですが私もナギ国の料理に興味がありますのでコック同士の教わり合いなどに権利は発生しないかと』
うん。お互い様だったら良いよね。
ユエさまもニヤリとしてる。
『我が国はどうしても薬方の香りにまみれていますので食べ物の大半は辛いなど極端なのですがこちらに来て舌が蕩けるような優しい味わいを感じることができて幸せです』
薄味が嫌とかじゃないよね?
『あちらこちらに旅していますがこんなに多岐に渡った味わいを楽しめるのは初めてですよ』
どうやら裏とかはないらしい。
『我が国は少し前までは素材を生かした塩味が主流でした。海外から商人が運んできた薬方がとてもクセになる味だったので、ナギ国からもいろんな物を輸入できるようになると嬉しいです』
そう、デレードもナギもスパイスが豊富!!
『嬉しいですねぇ』
ユエさまは目線が全くわからないのにキラーンとした気配を感じたよ。
王女さまたちはコルセットしてないっぽいけど、お義母さまはどうなってんだ。
私とシャロンさまは途中でお茶すらやめたよ。タポタポになっちゃう。
そして晩餐用の着替えとか言われて一旦解散。
もう着替えはいいでしょ!?
お部屋に戻ってニーナに愚痴りながら着替えたよ。
お義母さまとシャロンさま、ニーナは、夜会風なゴージャスドレス。
私とマデリーさまはお昼より若干肌の露出が増えた程度のハイウェストドレスに装飾品を豪華にした感じ。
アンゼリカさまが無茶苦茶嫌そうにドレスを着たよ。
背丈のある美人なので羨ましいなぁ。本人はブルーそうだけど。
ジュリアスさまたちも礼装で迎えに来てくれた。
アンゼリカさまとジュリアスさまが似てるから迫力あるよ。
「アンゼリカは俺のエスコートねー」
セリウスさまが不機嫌な従姉を連れて行った。
「リーシャも母上もよく似合っている」
ジュリアスさまがニコリと笑って私の頭を撫でる。
「褒め言葉が足りないのよねぇ」
脳筋に口説き言葉を望むのは酷ですって。でもお義父さまはもう少し褒め上手かも。
「適当な褒め言葉を並べるより潔くて良いわ」
あら、シャロンさまは誰のことを?
ニーナをエスコートするルークは、なんて言うか指先でニーナの首筋を撫でて小さな声で「綺麗だ」って言ってるのが聞こえた。
人は見かけに・・・ん?見かけ通りなのかも。いかにも良い男だもの。
「ルークのことは学園の頃からの付き合いだけれど意外な感じです」
マデリーさまが小声で教えてくれた。いかにも硬派で女の影も噂もなかったらしい。
お義母さまも以前「初恋じゃないかしらぁ」とか言っていたので、恋愛上級者ではないらしいけど、なんて言うかスケベだ。
晩餐の間に行くとすでに侯爵や多くの役人、ナギ側の外交官も揃っていた。
私たちと王女さまたちが揃って、レオルカさまとガルフ侯爵が挨拶をした。
『本日はアッガスの海とグレーデンの恵みに想いを寄せていただけると幸いです』
的なことを言って、食事会が始まった。
ちなみに魔獣肉や海獣肉は禁忌じゃないのでふんだんに使った料理を出している。
『このスパイスの使い方が斬新だ』
『我が国の薬方がこのような料理に使えるとは』
薬方は漢方のような意味。
ナギの人たちが嬉しそうに話している。
椅子は用意されているが立食になってるのでみんな気になる食べ物の近くで話し込んでる。
スパイスは、スープや粥に使うけれどソースや隠し味、薬味的な扱いはしないらしい。
カレーはびっくりらしい。スパイスをいっぱい入れても実ごと入れたりだからカレーにはならないとか。
実ごと入れられるのは逆にすごいけど。
薬方っていうくらいなので薬の種類は多いらしい。未病を防ぐ感じの役割で。
ジュリアスさまとレオルカさまとセリウスさまがナギの人たちに囲まれて、質問攻めにされてる。
料理のことは説明できるかな?
私はマデリーさまとニーナとであまり人が溜まらない場所に移動した。
『リーシャちゃん、このハーブ面白いのよぉ~』
ルルゥが持って来たスープに入ってたのは苦瓜とパクチーとかクセ凄素材。
『これをうまく調理するってすごくなぁい?』
どうやらナギのコックとすでに意気投合しているようだ。
『根っことかバクダンとか面白い食材ってリーシャちゃんのたんぽぽサラダとか発想が似てるわねぇ』
根っこはともかくバクダンってなんだ。
詳しく聞くと百合根とニンニクとか球根系がまとめてバクダンらしい。大雑把。
『これ根っこ?』
『そう!わさわさっと付いてるの』
ん?
『上は油の採れる花が咲いてるんですって』
本物の木の根っこ!!
『噛んだらジュワッと木の匂いがするのよぉ』
全く美味しそうじゃないんですけど!
ゴボウみたいなのかなってとりあえず食べたら、スープの味が染みてて美味しかった。謎。
『少しよろしいでしょうか?』
ユエさんが話しかけて来た。
『ファリン殿下、ルアラン殿下がこちらの茶菓子をいたくお気に召したそうでレシピを教わりたく思うのだすが』
『ナギ国で広めたいということでしょうか?』
細めた目をさらに細めるように笑って肯定する。
『レシピは商業ギルドの登録されているので手続きをきちんとしていただければ良いかと』
私としてはご自由にどうぞなんだけど、お金を出して買ってる人がいるからね。
『それはもちろん』
『ですが私もナギ国の料理に興味がありますのでコック同士の教わり合いなどに権利は発生しないかと』
うん。お互い様だったら良いよね。
ユエさまもニヤリとしてる。
『我が国はどうしても薬方の香りにまみれていますので食べ物の大半は辛いなど極端なのですがこちらに来て舌が蕩けるような優しい味わいを感じることができて幸せです』
薄味が嫌とかじゃないよね?
『あちらこちらに旅していますがこんなに多岐に渡った味わいを楽しめるのは初めてですよ』
どうやら裏とかはないらしい。
『我が国は少し前までは素材を生かした塩味が主流でした。海外から商人が運んできた薬方がとてもクセになる味だったので、ナギ国からもいろんな物を輸入できるようになると嬉しいです』
そう、デレードもナギもスパイスが豊富!!
『嬉しいですねぇ』
ユエさまは目線が全くわからないのにキラーンとした気配を感じたよ。
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