514 / 764
二章
503話
しおりを挟むシェイクは美味しかった。
バナナがつなぎみたいになってるので飲みやすい。
バナナ食べたい気分じゃない時は生クリームと牛乳に氷、チョコシロップっていうのも好き。
ここにはチョコシロップはないので残念。
アッガスにはまだチョコ室作ってないのでグレーデンから固めたのを持ってきてる。湯煎して作れなくもないけどまた今度。
しっかしピンクのバナナ使ってるから見た目がストロベリーなのにバナナの味。
他の果物入ってるのにバナナが勝っちゃうみたい。
「これは飲み口が良くてスルスル入る~」
「いっぱい飲みたいですな」
冷たいの飲みすぎたらお腹痛いよ。
頑丈そうな胃腸持ってそうだけど。
「腹持ちも良さそうだ」
「そうだな!」
バナナで元気になってるんだよ。お通じにも良いよ。冷えと食物繊維で相乗効果だ。
アイスクリームも大量生産だね。
「クッキーもあっちでたくさん作ってきたからなんでも出るわよぉ~」
お茶タイムは豪華になりそう。
「会議の方には?」
「渋いお茶と堅いせんべえ出そうかなって」
おー。
ぶぶ漬け食べて行きぃってやつだね!
「お偉いさんたちには優しくね?」
「あっは!客人と侯爵にはクッキーとコーナティー出すわよぉ~」
どうやらウザい役人にせんべえみたい。
歯が折れそうなのでも良いよ。
ちゃんとお茶含んでしっかり食べたら問題なし!
「そもそも役人たちは宿で泊まったら良かったのにねぇ」
「そう言えばそうだね」
ただアッガスは宿を新築したばっかだからお客様優先にした感じ。
アッガスで待機する船員や従者たちね。
今思えばこれ問題起こしそうな役人をナギの人達と近付けることにしなくて良かったと思う。
「このお屋敷は旧アッガス侯爵が無駄に贅を尽くしてたからねぇ。デカいのは助かってるわねぇ」
オンボロになってて修繕も大変だったらしいけど。部屋数と調度品、装飾品はいっぱいあったらしい。
趣味が悪いのや使わないものは遠慮なく趣味の悪そうな貴族に売ったそうだ。
成り上がりの人に人気な品々だったんだって。
ゴテゴテなやつかな。
「部屋数あってもお手入れがされてなかったんじゃね?」
「そうねぇ、今は行き届いてるけどぉ、従者の質も主人次第よねぇ」
以前を知らないからなんとも言えない。
「前の主人のままだったら緩やかに破滅したか王領になったかだから、レオルカさまが引き受けてくれて領民は助かったんじゃなぁい?」
ハーボットの悪事に加担してたなら薬や奴隷売買で領民も不幸だったからそこは良かったんだろうね。
ただ、レオルカさまとマデリーさまは、どうかなぁ?大変じゃない。
「さぁ、準備は出来てるから、リーシャちゃんもお着替えして応接室に行きなさいなぁ」
ぐっ。お貴族の面倒なのは人に会うたびにドレスアップしないとなんだよ。良いじゃん。さっき挨拶した時と同じでも汚れてないし!
「はぁーい」
アランに先導されて戻ると、ニーナと侍女さんたちが笑顔で待ってた。
「ニーナもお着替え?」
「夜までは侍女ですよ」
くぅ。羨ましかね!!
とりあえず、王都に向かう馬車に乗るまでは、主催側でそれなりの格好をしなくちゃらしい。
マデリーさまはお茶は遠慮で、シャロンさまとお義母さまもすでにお着替えしたそうだ。
これって晩餐も着替えるんでしょ!
めんどくさーい。
薄い金のドレスに赤い宝石をつけて、ちょっと甘い雰囲気な仕上がりに。
髪は半分巻いて半分編み込み。
可愛いなぁ~。お人形さんだなぁ。自画自賛して現実逃避だ。コルセットしてなくても着替え疲れるよ。
「リーシャさま、マダム・シャロンのリーシャさま専用のドレスは極力軽く仕上げてくださってますから大奥様やシャロンさまのドレスに比べたらかなり楽なんですよ」
ヒィーーーー!
その上コルセットで締め殺されてるの!?
いや殺されてはいないけど。
「リーシャちゃん!用意出来たかしらぁ?」
ノックと共に入ってきたお義母さまはさっっ気とは違う赤いドレス。
「まぁ!可愛いわ。私の娘はなんて可愛いのかしらぁ」
娘じゃなくて息子嫁ですよ~。
「私の娘たちも可愛い・・・かっこいいでしょうが」
シャロンさまってば、そのまま可愛いで良かったよ。
んー、アンゼリカさまとマデリーさまは・・・、あれだ。舞台の男役な感じだけど!!
「張り合わなくっても、自慢の娘たちでしょぉ!」
「そうよ。どこに出しても・・・アンゼリカはダメだわ」
ぎゃふん。
「アンゼリカちゃんは、女性の格好嫌い駄目のねぇ」
「ドレスの重さより筋トレ用の砂袋が良いって言うものねぇ」
あ、筋トレは砂袋なんだ。
「温泉スパの筋トレも楽しんでるのよねぇ?」
「ルドガーさまにおねだりしてアッガスにもジェイデンにも自室に備え付けたのよ」
なんてこった!お義父さまったら、そんなことしてたのね。
「それを見たシグルドが嫁に出すのは諦めたって」
父のダレスさま通り越して、お兄様に呆れられてる!
「マデリーも欲しがってたけど、出産まではお預けがいいわね」
「そうねぇ、体調がいいとか言って運動しそうだものぉ」
「なんて言うかデリアさまと似たタイプよね」
お祖母様も脳筋枠でマデリーさまもか。
「あなただってジュリアス妊娠中にワイバーンに乗らせてもらってたじゃない」
「魔馬に乗っちゃダメって言うからぁ」
あ、お義母さまは脳筋じゃなくてお転婆だった。
「ある程度、鍛えた方が生まれる子が強いんでしょうか?」
「あ!そうかもぉ?」
「否定できないわね」
私、もしそんな場面が来たら、だいぶ頑張らないとやばいかもしれないね!
704
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる