ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

503話

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 シェイクは美味しかった。
 バナナがつなぎみたいになってるので飲みやすい。
 バナナ食べたい気分じゃない時は生クリームと牛乳に氷、チョコシロップっていうのも好き。
 ここにはチョコシロップはないので残念。
 アッガスにはまだチョコ室作ってないのでグレーデンから固めたのを持ってきてる。湯煎して作れなくもないけどまた今度。

 しっかしピンクのバナナ使ってるから見た目がストロベリーなのにバナナの味。
 他の果物入ってるのにバナナが勝っちゃうみたい。

「これは飲み口が良くてスルスル入る~」
「いっぱい飲みたいですな」

 冷たいの飲みすぎたらお腹痛いよ。
 頑丈そうな胃腸持ってそうだけど。

「腹持ちも良さそうだ」
「そうだな!」

 バナナで元気になってるんだよ。お通じにも良いよ。冷えと食物繊維で相乗効果だ。
 アイスクリームも大量生産だね。

「クッキーもあっちでたくさん作ってきたからなんでも出るわよぉ~」

 お茶タイムは豪華になりそう。

「会議の方には?」
「渋いお茶と堅いせんべえ出そうかなって」
 おー。
 ぶぶ漬け食べて行きぃってやつだね!
「お偉いさんたちには優しくね?」
「あっは!客人と侯爵にはクッキーとコーナティー出すわよぉ~」

 どうやらウザい役人にせんべえみたい。
 歯が折れそうなのでも良いよ。
 ちゃんとお茶含んでしっかり食べたら問題なし!

「そもそも役人たちは宿で泊まったら良かったのにねぇ」
「そう言えばそうだね」
 ただアッガスは宿を新築したばっかだからお客様優先にした感じ。
 アッガスで待機する船員や従者たちね。
 今思えばこれ問題起こしそうな役人をナギの人達と近付けることにしなくて良かったと思う。
「このお屋敷は旧アッガス侯爵が無駄に贅を尽くしてたからねぇ。デカいのは助かってるわねぇ」
 オンボロになってて修繕も大変だったらしいけど。部屋数と調度品、装飾品はいっぱいあったらしい。
 趣味が悪いのや使わないものは遠慮なく趣味の悪そうな貴族に売ったそうだ。
 成り上がりの人に人気な品々だったんだって。
 ゴテゴテなやつかな。

「部屋数あってもお手入れがされてなかったんじゃね?」
「そうねぇ、今は行き届いてるけどぉ、従者の質も主人次第よねぇ」
 以前を知らないからなんとも言えない。

「前の主人のままだったら緩やかに破滅したか王領になったかだから、レオルカさまが引き受けてくれて領民は助かったんじゃなぁい?」

 ハーボットの悪事に加担してたなら薬や奴隷売買で領民も不幸だったからそこは良かったんだろうね。

 ただ、レオルカさまとマデリーさまは、どうかなぁ?大変じゃない。

「さぁ、準備は出来てるから、リーシャちゃんもお着替えして応接室に行きなさいなぁ」

 ぐっ。お貴族の面倒なのは人に会うたびにドレスアップしないとなんだよ。良いじゃん。さっき挨拶した時と同じでも汚れてないし!

「はぁーい」

 アランに先導されて戻ると、ニーナと侍女さんたちが笑顔で待ってた。

「ニーナもお着替え?」
「夜までは侍女ですよ」
 くぅ。羨ましかね!!

 とりあえず、王都に向かう馬車に乗るまでは、主催側でそれなりの格好をしなくちゃらしい。

 マデリーさまはお茶は遠慮で、シャロンさまとお義母さまもすでにお着替えしたそうだ。
 これって晩餐も着替えるんでしょ!
 めんどくさーい。

 薄い金のドレスに赤い宝石をつけて、ちょっと甘い雰囲気な仕上がりに。

 髪は半分巻いて半分編み込み。
 可愛いなぁ~。お人形さんだなぁ。自画自賛して現実逃避だ。コルセットしてなくても着替え疲れるよ。
 
「リーシャさま、マダム・シャロンのリーシャさま専用のドレスは極力軽く仕上げてくださってますから大奥様やシャロンさまのドレスに比べたらかなり楽なんですよ」
 ヒィーーーー!
 その上コルセットで締め殺されてるの!?
 いや殺されてはいないけど。

「リーシャちゃん!用意出来たかしらぁ?」
 ノックと共に入ってきたお義母さまはさっっ気とは違う赤いドレス。

「まぁ!可愛いわ。私の娘はなんて可愛いのかしらぁ」
 娘じゃなくて息子嫁ですよ~。

「私の娘たちも可愛い・・・かっこいいでしょうが」
 シャロンさまってば、そのまま可愛いで良かったよ。
 んー、アンゼリカさまとマデリーさまは・・・、あれだ。舞台の男役な感じだけど!!
 
「張り合わなくっても、自慢の娘たちでしょぉ!」
「そうよ。どこに出しても・・・アンゼリカはダメだわ」
 ぎゃふん。
「アンゼリカちゃんは、女性の格好嫌い駄目のねぇ」
「ドレスの重さより筋トレ用の砂袋が良いって言うものねぇ」
 あ、筋トレは砂袋なんだ。

「温泉スパの筋トレも楽しんでるのよねぇ?」
「ルドガーさまにおねだりしてアッガスにもジェイデンにも自室に備え付けたのよ」
 なんてこった!お義父さまったら、そんなことしてたのね。

「それを見たシグルドが嫁に出すのは諦めたって」
 父のダレスさま通り越して、お兄様に呆れられてる!

「マデリーも欲しがってたけど、出産まではお預けがいいわね」
「そうねぇ、体調がいいとか言って運動しそうだものぉ」
「なんて言うかデリアさまと似たタイプよね」
 お祖母様も脳筋枠でマデリーさまもか。

「あなただってジュリアス妊娠中にワイバーンに乗らせてもらってたじゃない」
「魔馬に乗っちゃダメって言うからぁ」
 あ、お義母さまは脳筋じゃなくてお転婆だった。

「ある程度、鍛えた方が生まれる子が強いんでしょうか?」
「あ!そうかもぉ?」
「否定できないわね」

 私、もしそんな場面が来たら、だいぶ頑張らないとやばいかもしれないね!




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