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二章
501話
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簡易にと言っても音楽隊のパレードと集まった騎士団や役人、領民に顔見せ的なパレードがあるので、一旦用意された席にご案内。
「『皆の者、こちらはナギ国からファリン王女殿下とルアラン王女殿下である。ナギはここから遥かに離れた海の向こうの国だがこのレイドラアース国と友好を結び末長い付き合いを望みます。急な来国に手数をかけていることと思うがどうぞよろしく頼みます』」
ナギ国のユエさまの公用語と同時にガルフ侯爵が通訳した。
『私がファリン・ユイ・ナギ・ファランです』
『私がルアラン・メイ・ナギ・ファランです』
双子なだけあってそっくりだけど、ファリンさまが薄紅の衣装、ルアランさまが碧色の衣装。衣装取り替えしたら困るかも?
思わず違いを探すためにじっくり見ちゃう。さすがに人様の許可なく鑑定はまずいよねぇ。
双子王女の可愛い姿を騎士たちも民も嬉し気に見て歓声を上げてる。
お姿もお衣装も異国チックなので物珍しくもある。
『『私たちは子供なので不満もありましょうが友好を結びたいと言う国王の書状を預かって参りました。気遣いは要らぬと言ってもそうはいかないでしょうが、極力畏まらず接していただきたい』』
ガルフ侯爵に促されて私が通訳に入った。
『ファリン殿下、ルアラン殿下、ようこそ、レイドラアースへ。私は両殿下のここアッガスから王都でのご滞在中、通訳に入ることになっているリーシャ・グレーデン、ジュリアス・グレーデン辺境伯の妻にございます』
『『ほぉ、この国は婚姻年齢が低いのかえ?』』
ぎゃーん!ジュリアスさまが世界的にロリ認定を受けてしまう。
『私は今年十七歳になった大人です。背は伸びなかったので』
『『おや、周りの男たちがやたらデカいので子供かと思った。失礼したな』』
同時に全く同じことを言うのね。
『今ここに集まっているのはほとんど辺境に住まう騎士なので身体の大きな者が目立ちますが、王都に近くなれば、そちらのユエさまくらいの方達が普通です』
ガルフ侯爵もこの中では細く見えるね。王都の中だと立派な細マッチョだろうけど。
『おーやー。私も鍛えているつもりですが私くらいの者が普通ですか?』
『『ユエが鍛えてるところなど見たことがないえ、嘘は良くない』』
うっかり傷つけちゃったかと焦ったら、冗談だったの??
『『ユエは物臭。一応私たちの護衛も兼ねてるけど、戦力にならないよ』』
わぁ?
ユエさまは、わかりやすく怪し気な糸目アジア人ちっくな人。声がYさんかIさんだよね。
チャイナ服だったら完璧だったんだけど、漢服?古代な方のアレンジみたいな。
王女さまたちもそんな感じ。
みなさん見事な射干玉色な御髪でなんだか懐かしさを感じる。
『お転婆たちのせいで結構鍛えてるけどねー?』
クスクス笑ってガルフ侯爵認定向き合う。
『うちが連れてきた騎士たちもそれなりだけれど異国では勝手が違うし武力を行使するわけにもいかないので、お二人の御身に傷一片も付けないようご協力願いますよ?』
そこはねー。グレーデンとアッガスから猛者付けるんで。
そして、音楽隊の演奏とと挨拶を軽めに済ませたら、ジュリアスさまとレオルカさまが騎士団を街道に整列させて馬車へご案内する。
海の方でザッパーンと音がした。いっぱい討伐したのにまだ出るのだ。
『ここ辺境は海も陸も魔獣が多いです。道中は魔物よけのある道を使いますし、我が国の選りすぐりの騎士がお守りしますので』
ガルフ侯爵さんよぉ~。
オタクの王国騎士さんたちのハードル上げたねぇ?思わずガラが悪くなるよ。
思わずジュリアスさまとセリウスさまを見ちゃった。
ほんのりいい笑顔で表情を固定してる。
「選りすぐり・・・」
アンゼリカさま!口に出したらダメ!!
屋根なし馬車には王女さまたちが乗り、馬車周りに王国騎士さんが騎馬でついた。
そこ外回りをグレーデン騎士で固める。
美味しいところは王国騎士団なのは仕方ないけど、なんだかね。
私はその後ろの馬車に、お義母さまたちと乗って移動した。
「可愛らしい王女さまたちねぇ、お衣装も華やかで軽やかな感じが素敵だったわぁ」
「未成年の王女を寄越してくるなんてと思っていましたが周りをガッチリ固めてきたのね」
「それは当然よねぇ、さすがにすぐに手助けが出せない場所に丸腰じゃ来させないでしょお?」
まぁ、せめて他の年上の王族を保護者として連れてても良いじゃないかと思うけど、ユエさまも他の役人も愛想良くしてたけど、辣腕な外交官だろうな。
レイドラアースの外交官じゃ太刀打ちできそうにないぞー。
「式典が簡素で済んだのは楽で良いけれど、せっかく扱ってくれた民にはお振舞いが必要ねぇ?」
「それでしたらナギ国の船員の方たちのこともあるので港でバーベキューを用意してますので領民にも開放しましょう」
山ほど漁出来たわけだし。
「そうね!私もそっちに行きたいくらいよ」
「私もぉ!」
二人ともお祭り好きだな。
港から屋敷までの道沿いにも騎士と領民が集まってる。
ちなみにアッガスの領民も鍛えられて道に出てきた獲物はオヤツって感覚になってきてるらしい。逞しいね。
自力で狩りができるのは良いことだ。
今だけはナタとか飛ばさないでね。
そして短いけど馬車旅を終えて、屋敷に入った。
『ファリン殿下、ルアラン殿下には、お茶の時間まで寛いで頂き、その時改めてご挨拶申し上げたいと思います』
『『お心遣い感謝します。一息させてもらう』』
マデリーさまとシャロンさまが、お二人と側近の方達をお部屋に案内することに。
『ガルフ侯爵はお茶の時間までユエさまたちとお話しですか??』
『そうだね。一通り予定の確認をさせてもらう』
さすがに私は付いてなくて良いらしい。
すでに失礼がないように公用語オンリーになってるけど、やっぱりダメだった役人たちが青くなってる。
自力で通訳も用意せず、どうやって過ごすつもりだったんだろう??
「『皆の者、こちらはナギ国からファリン王女殿下とルアラン王女殿下である。ナギはここから遥かに離れた海の向こうの国だがこのレイドラアース国と友好を結び末長い付き合いを望みます。急な来国に手数をかけていることと思うがどうぞよろしく頼みます』」
ナギ国のユエさまの公用語と同時にガルフ侯爵が通訳した。
『私がファリン・ユイ・ナギ・ファランです』
『私がルアラン・メイ・ナギ・ファランです』
双子なだけあってそっくりだけど、ファリンさまが薄紅の衣装、ルアランさまが碧色の衣装。衣装取り替えしたら困るかも?
思わず違いを探すためにじっくり見ちゃう。さすがに人様の許可なく鑑定はまずいよねぇ。
双子王女の可愛い姿を騎士たちも民も嬉し気に見て歓声を上げてる。
お姿もお衣装も異国チックなので物珍しくもある。
『『私たちは子供なので不満もありましょうが友好を結びたいと言う国王の書状を預かって参りました。気遣いは要らぬと言ってもそうはいかないでしょうが、極力畏まらず接していただきたい』』
ガルフ侯爵に促されて私が通訳に入った。
『ファリン殿下、ルアラン殿下、ようこそ、レイドラアースへ。私は両殿下のここアッガスから王都でのご滞在中、通訳に入ることになっているリーシャ・グレーデン、ジュリアス・グレーデン辺境伯の妻にございます』
『『ほぉ、この国は婚姻年齢が低いのかえ?』』
ぎゃーん!ジュリアスさまが世界的にロリ認定を受けてしまう。
『私は今年十七歳になった大人です。背は伸びなかったので』
『『おや、周りの男たちがやたらデカいので子供かと思った。失礼したな』』
同時に全く同じことを言うのね。
『今ここに集まっているのはほとんど辺境に住まう騎士なので身体の大きな者が目立ちますが、王都に近くなれば、そちらのユエさまくらいの方達が普通です』
ガルフ侯爵もこの中では細く見えるね。王都の中だと立派な細マッチョだろうけど。
『おーやー。私も鍛えているつもりですが私くらいの者が普通ですか?』
『『ユエが鍛えてるところなど見たことがないえ、嘘は良くない』』
うっかり傷つけちゃったかと焦ったら、冗談だったの??
『『ユエは物臭。一応私たちの護衛も兼ねてるけど、戦力にならないよ』』
わぁ?
ユエさまは、わかりやすく怪し気な糸目アジア人ちっくな人。声がYさんかIさんだよね。
チャイナ服だったら完璧だったんだけど、漢服?古代な方のアレンジみたいな。
王女さまたちもそんな感じ。
みなさん見事な射干玉色な御髪でなんだか懐かしさを感じる。
『お転婆たちのせいで結構鍛えてるけどねー?』
クスクス笑ってガルフ侯爵認定向き合う。
『うちが連れてきた騎士たちもそれなりだけれど異国では勝手が違うし武力を行使するわけにもいかないので、お二人の御身に傷一片も付けないようご協力願いますよ?』
そこはねー。グレーデンとアッガスから猛者付けるんで。
そして、音楽隊の演奏とと挨拶を軽めに済ませたら、ジュリアスさまとレオルカさまが騎士団を街道に整列させて馬車へご案内する。
海の方でザッパーンと音がした。いっぱい討伐したのにまだ出るのだ。
『ここ辺境は海も陸も魔獣が多いです。道中は魔物よけのある道を使いますし、我が国の選りすぐりの騎士がお守りしますので』
ガルフ侯爵さんよぉ~。
オタクの王国騎士さんたちのハードル上げたねぇ?思わずガラが悪くなるよ。
思わずジュリアスさまとセリウスさまを見ちゃった。
ほんのりいい笑顔で表情を固定してる。
「選りすぐり・・・」
アンゼリカさま!口に出したらダメ!!
屋根なし馬車には王女さまたちが乗り、馬車周りに王国騎士さんが騎馬でついた。
そこ外回りをグレーデン騎士で固める。
美味しいところは王国騎士団なのは仕方ないけど、なんだかね。
私はその後ろの馬車に、お義母さまたちと乗って移動した。
「可愛らしい王女さまたちねぇ、お衣装も華やかで軽やかな感じが素敵だったわぁ」
「未成年の王女を寄越してくるなんてと思っていましたが周りをガッチリ固めてきたのね」
「それは当然よねぇ、さすがにすぐに手助けが出せない場所に丸腰じゃ来させないでしょお?」
まぁ、せめて他の年上の王族を保護者として連れてても良いじゃないかと思うけど、ユエさまも他の役人も愛想良くしてたけど、辣腕な外交官だろうな。
レイドラアースの外交官じゃ太刀打ちできそうにないぞー。
「式典が簡素で済んだのは楽で良いけれど、せっかく扱ってくれた民にはお振舞いが必要ねぇ?」
「それでしたらナギ国の船員の方たちのこともあるので港でバーベキューを用意してますので領民にも開放しましょう」
山ほど漁出来たわけだし。
「そうね!私もそっちに行きたいくらいよ」
「私もぉ!」
二人ともお祭り好きだな。
港から屋敷までの道沿いにも騎士と領民が集まってる。
ちなみにアッガスの領民も鍛えられて道に出てきた獲物はオヤツって感覚になってきてるらしい。逞しいね。
自力で狩りができるのは良いことだ。
今だけはナタとか飛ばさないでね。
そして短いけど馬車旅を終えて、屋敷に入った。
『ファリン殿下、ルアラン殿下には、お茶の時間まで寛いで頂き、その時改めてご挨拶申し上げたいと思います』
『『お心遣い感謝します。一息させてもらう』』
マデリーさまとシャロンさまが、お二人と側近の方達をお部屋に案内することに。
『ガルフ侯爵はお茶の時間までユエさまたちとお話しですか??』
『そうだね。一通り予定の確認をさせてもらう』
さすがに私は付いてなくて良いらしい。
すでに失礼がないように公用語オンリーになってるけど、やっぱりダメだった役人たちが青くなってる。
自力で通訳も用意せず、どうやって過ごすつもりだったんだろう??
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