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二章

500話

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 マデリーさまのドレスはハイウェストなゆったりめのドレスを選んだ。
 もちろん赤系でまとめて。
 レオルカさまはクラウスさまより少し濃いピンクの入った赤髪なので、若干控えめな赤になる。
 お義父さまやジュリアスさまみたいに真っ赤じゃないので赤でも幅広く選べるね。

「まぁ、アンゼリカと一緒に騎士服でいる姿の印象が強いけどやっぱり綺麗ね」
 すらっとしてるのでありゃすんばらしい。
 肩幅がしっかりめだけど手足が長いし。
 お腹はまだ全然目立ってないのでコルセットを絞めないためのハイウェストにした。
 お飾りはアンゼリカさまが結婚祝いにと一番良い魔石をくれたものを使ったとのこと。そこはレオルカさまじゃないんかーい。
 友情も大事だね。うん。

 お化粧はいつもより優しげにすることに。
 未成年の王族を迎えるのでみんな威圧感を出さない方向なの。

 髪型はみんなアップなので飾りで個性が出る。
 私だけどうしても少し甘め。
 ニーナも大人っぽいし。

「ふふ、リーシャちゃん、若いうちは若さを存分に楽しむのが正解よぉ」
 確かにおばさんになってリボンいっぱいとかピンクのフリフリは勇気がいる。
 だけどこの世界の人はなんでもありっぽい。
 のでみんな好きなのを着てる感じだよね。

「さすがに私も大きなリボンや子供っぽいデザインは避けるものねぇ」

 お義母さまがファンシーとかはちょっと想像できないな。

 全員着替えが終了したので部屋を出るとジュリアスさまやレオルカさまたちが話し込んでた。

「おお、みんな華やかだな」
「よく似合ってる」
 およ。ルークがちゃんとニーナを褒めた。ちゃんと大事にしてるっぽくて良き。
 ちゃんと笑顔だったしね。ニーナもほんのり笑ってる。新婚さんだぁ。

「義伯母上、母上、あちらから先触れであと一刻ほどで港に到着する」
「あらぁ、順調ねぇ」

 そもそも魔物避けして討伐も頑張ってるとはいえ、海で一晩停泊ってチャレンジャーなのよ。でも何週間かかけてきてるんだから普通か?

「先触れの者によると歓迎式は短めで早めに休憩を入れたいそうだ」
 そりゃそうよ。見知らぬ人たちに囲まれで挨拶を延々とされたらしんどい。
 
「ではお部屋に案内してしばらくはゆっくりしていただきましょうね」
「そうだな。騎士や役人たちは多少話し合いの時間がいるが、王女さまたちは休んでいただくのが良い」

 昼食は軽めにお部屋で取っていただいて、おやつどきに略式でご挨拶、夕食は晩餐会で王族と一部の人以外は立食に。

「さて港に向かってみんな配置についてもらおう」

 それなりの格好になっちゃってるのでみんな馬車で移動。
 久しぶりにジュリアスさまと馬に乗りたかった。王都から戻ったらデートしてもらおう。

「王女さまたちには王家から馬車を用意されてるからねぇ☆作ったのはグレーデンの工房だけどぉ」

 ほ。あのお尻痛くなる馬車で一週間とか泣くから。
 私は通訳だから同乗になったりもありえるものね。

「急な話だったからぁ、急がせたのよぉ」
 わぁ。いくら仕事が早い人たちを雇っていても大変だったね。ボーナス弾んであげてほしい。

 港に近くなると騎士団たちが隊列を作って待機していた。
 
 ガルフ侯爵と外交官たちもすでに並んでいる。

 騎士団の指示はセリウスさまとアンゼリカさま、王国騎士の隊長が受け持っていて、ジュリアスさまとレオルカさまを見て敬礼。

「これからナギ国の王女お二人と御一行を迎える。気を抜かぬように」
「「「「はっ」」」」

 グレーデン騎士団の赤い団服と王国騎士団の白い団服が整然と並んでるの壮観。

 お出迎えの音楽隊はグレーデン騎士団オンリーか。
 
 鎧隊も並んでるけど、グレーデンは暑いから普段は見ないので王国騎士なんだろうな?
 
 舟寄場で海を眺めてると大型船が見えた。
 デレードの大型船艦に比べると優美な姿だ。
 けどサイドに並んだ砲台とかが生々しいね。

 しばらくすると大型船から中型船が何艘も降りて、最初に騎士たちがアッガスに降りてきた。

『レイドラアース国の皆さま、ナギ石からやってまいりました。海路の討伐とお出迎えの準備をありがとうございます』
 一番最初に護衛を引き連れながら降りてきた役人?から挨拶を受ける。

 王女さまたちを出迎えるために船から降りてきた騎士たちが整列を始める。

『レイドラアースの皆さまに敬礼!!』
 ザッと礼をされて、こちらの騎士たちも同じく敬礼する。

『遠路はるばる、ようこそ参られた』
 レオルカさまが代表のお役人と騎士団の隊長らしき人と握手。

 なんて言うか衣装と略式の鎧が異国を感じさせる。
 新しい出会いの予感!!

 しばらく待つと次々に船が入ってきて、一番豪華な造りの船が舟寄場に着いた。

 ナギ国の合図で音楽隊がドラとラッパを鳴らす。

 エスコートされて降りてきた王女さまたちは、なんて言うかホッとするような懐かしい感じな、予想通りな東南アジアちっくな王女さまたちだった。

『『レイドラアースの民よ、歓迎に感謝します』』

 おお!同時にお話ししてる。

『ナギ国の皆さま、船旅お疲れ様です。簡素な式典になりますがお付き合いください』


 ガルフ侯爵が王女さまたちに挨拶をすると、お二人はニコリと受けた。

『我らのような小娘に気を遣わずとも良い。気楽にされよ』
『仕事の話はこの胡散臭い顔のユエに任せておる。ユエ、しかとやるのじゃ』

 お付きらしき人をずいっと前に出して、ぐるんと周りを見回した王女さまたちは、私たちの方をロックオンしたようだ。






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