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二章
499話
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お部屋の中がカラフルかつフローラルになったよ。
選りすぐりの侍女さんたちとお義母さまとシャロンさまが良い匂いなんですの。
ドレスもバーンと並べると毎度のことながら壮観だね。
続きの間にまで並んでるのは五人分なので仕方なし。
マデリーさまは一番最後なので休んでもらって。
まずはニーナのドレスを。
「私は添え物程度にしていただければ」
「なぁに言ってるのぉ!ルークの嫁はうちの嫁のようなものぉ。みんな美しくて着飾って、王都の連中にもナギ国の皆さまにもグレーデンの存在感を示さないとぉ」
ふむ。ナギのお方たちに見窄らしく思われると国の威信に関わるし、王国のあのクソ役人たちにグレーデンが思えたちの実家より羽振りが良いと思わせるのは良い報復だよね。
って言うか、アッガスの発展とウチの騎士さんたちの強さとか良い加減わかってるとは思うけど。
「まずはニーナは若草色に銀糸のこのドレスはどうかしらぁ?」
「素敵だけど夫がいると知らしめる為に銀と青は外さない方が良いわ」
ルークの色でバリバリっと魅せるのね。
「そうねぇ、王都でも同じ色で過ごすことになるけど、最初が肝心よねぇ」
ナギ国の人にニーナが見初められないように?ってことかな。
「ではこの少しグリーンの入った銀のドレスはいかがですか?」
グラデーションでほんのり。
「まぁ良いわね」
ニーナ用のドレスが全部で十着。王都でも宴に出たりするから結局全部着るんじゃ??
言っちゃダメ?
ちなみに王都のタウンハウスにも家族分と親戚分の予備が揃ってる。
私のドレスはサイズがアレなので特に多い。
お義母さまとサイズ調整とかで共用できないから。
「グレーデンの者として赤い色も足したいわねぇ」
お花のコサージュを腰やスカートに色々使ってみた。
「印象が変わって良いわ」
お化粧はいつもより柔らかめな印象にして髪は巻いた。ニーナが照れてて可愛い。
次はシャロンさま。
お義母さまよりはちょっとだけ身長が小さいのとお胸も迫力じゃないけど、とってもセクシーなので「良いなぁ」って言っちゃうよね。
筋肉はほどほどに女性らしい柔らかさがある。ハグしてほしい。
「私はダレスさまのお色がほんと似合わなくて困ったのよ」
金の髪に茶色の瞳は何色も合うと思うのだけど、
「スノウリリィーみたいな迫力がないでしょう?赤や金に見劣りしてる気がして」
なんて。
「もうぅ、私は顔が派手なだけで貴女のその優しげな瞳が私は羨ましいのよぉ~」
話しちゃうとそこそこ毒舌な感じだけど、見た目は確かにほんわかするかも。
「リーシャちゃんが考えてくれたドレスのデザンは個性が強くなくても華やかに見せてくれて、でも派手派手しくないのが好きだわ」
むぅ?派手派手しくって言うかゴテゴテしてたよねー。重いんだよね。コルセット嫌いだし。
「だけどくびれは大事なのよ!」
そう言ってお義母さまとコルセットを侍女さんたちに「ふん!!」とか締めてもらった。
怖い。
ニーナは少し締めただけだったけど、お義母さまたちは「これでもか」ってくらい締める。
「歳を取ればわかるだろうけどどうやってもお肉が垂れるのよぉ」
いえ!!少なくともお義母さまのお肉は垂れてませんけど!?
思わずニーナの後ろに隠れる。
私の身長がそこそこあってお肉が付いてたらコルセット免除は無かったんだろうな。
くびれがないのも良いものだった。
「シャロンさまはこのゴールドの赤い刺繍のドレスでお義母さまは赤のグラデーションの・・・」
金のドレスって言っても白金の柔らかめな金色ね。
胸元に赤いお花のコサージュを飾って。
お飾りは赤。ダレスさまが贈った魔石だそうで、とっても綺麗なネックレス。
お義母さまのお飾りもお義父さまが贈った赤い魔石。土台は金。派手なのに派手に見えないエレガントさよ。
そして私。
お義母さまのイチオシなドレス。
赤に薄い金のシフォンを重ねて。派手だ。
Aラインでスカートの広がりが華やか。
お飾りはピンクの入った赤い魔石。
いつの間にやら装飾品が増えてる。
ジュリアスさまが狩った魔獣から採れた魔石で出来たお飾り一式はもう数えられない。
お義母さまもかなり持ってる。
「ここの殿方は良い魔石が採れたら妻に贈るのが当然なのよぉ~」
って言うのでありがたく頂くのだ。
「なんだか採れる魔石の質が上がってきてるわね」
「そうねぇ、奥まで行っちゃってるのかしらねぇ?」
「まぁ、ダレスさまもかしら。聞いていないけれど」
お義父さまもお祖父様たちもダンジョンや魔の森に良く行っちゃってるから、ダレスさまも当然行っちゃってると思う。
脳筋一族だもの。
お義母さまたちのお化粧は、なんて言うか絵画の手順かって。
スッピンが美しいからちょっとやってるくらいと思ったら、すごかった。
って言うか色っぽさが追加されてるとは言っても、顔の変化がない気がするのにどうなってるんだ??
「艶々よね。ほんとありがたいわ。リーシャちゃんのお化粧水をいただいた時はちょっと泣いたもの」
そこまで!?
「でしょぉ?私も嬉しすぎて旦那さまと一晩中踊ったのよぉ~」
一晩中!?
「私も日焼けが消えてびっくりした後で切り傷すら目立たなくなっていたので驚きました」
椅子に座ってお義母さまたちの様子を眺めていたマデリーさままでお化粧品のお話に参加しちゃった。
「傷まで!?」
「そういえばシミや吹き出物の後も目立ってないわよね?」
んー、私が試しただけじゃ分からなかった部分。
「成分の配合を変えたので次からのは傷までは治らないかも?」
ギンって迫力のある目で見ないでください。
選りすぐりの侍女さんたちとお義母さまとシャロンさまが良い匂いなんですの。
ドレスもバーンと並べると毎度のことながら壮観だね。
続きの間にまで並んでるのは五人分なので仕方なし。
マデリーさまは一番最後なので休んでもらって。
まずはニーナのドレスを。
「私は添え物程度にしていただければ」
「なぁに言ってるのぉ!ルークの嫁はうちの嫁のようなものぉ。みんな美しくて着飾って、王都の連中にもナギ国の皆さまにもグレーデンの存在感を示さないとぉ」
ふむ。ナギのお方たちに見窄らしく思われると国の威信に関わるし、王国のあのクソ役人たちにグレーデンが思えたちの実家より羽振りが良いと思わせるのは良い報復だよね。
って言うか、アッガスの発展とウチの騎士さんたちの強さとか良い加減わかってるとは思うけど。
「まずはニーナは若草色に銀糸のこのドレスはどうかしらぁ?」
「素敵だけど夫がいると知らしめる為に銀と青は外さない方が良いわ」
ルークの色でバリバリっと魅せるのね。
「そうねぇ、王都でも同じ色で過ごすことになるけど、最初が肝心よねぇ」
ナギ国の人にニーナが見初められないように?ってことかな。
「ではこの少しグリーンの入った銀のドレスはいかがですか?」
グラデーションでほんのり。
「まぁ良いわね」
ニーナ用のドレスが全部で十着。王都でも宴に出たりするから結局全部着るんじゃ??
言っちゃダメ?
ちなみに王都のタウンハウスにも家族分と親戚分の予備が揃ってる。
私のドレスはサイズがアレなので特に多い。
お義母さまとサイズ調整とかで共用できないから。
「グレーデンの者として赤い色も足したいわねぇ」
お花のコサージュを腰やスカートに色々使ってみた。
「印象が変わって良いわ」
お化粧はいつもより柔らかめな印象にして髪は巻いた。ニーナが照れてて可愛い。
次はシャロンさま。
お義母さまよりはちょっとだけ身長が小さいのとお胸も迫力じゃないけど、とってもセクシーなので「良いなぁ」って言っちゃうよね。
筋肉はほどほどに女性らしい柔らかさがある。ハグしてほしい。
「私はダレスさまのお色がほんと似合わなくて困ったのよ」
金の髪に茶色の瞳は何色も合うと思うのだけど、
「スノウリリィーみたいな迫力がないでしょう?赤や金に見劣りしてる気がして」
なんて。
「もうぅ、私は顔が派手なだけで貴女のその優しげな瞳が私は羨ましいのよぉ~」
話しちゃうとそこそこ毒舌な感じだけど、見た目は確かにほんわかするかも。
「リーシャちゃんが考えてくれたドレスのデザンは個性が強くなくても華やかに見せてくれて、でも派手派手しくないのが好きだわ」
むぅ?派手派手しくって言うかゴテゴテしてたよねー。重いんだよね。コルセット嫌いだし。
「だけどくびれは大事なのよ!」
そう言ってお義母さまとコルセットを侍女さんたちに「ふん!!」とか締めてもらった。
怖い。
ニーナは少し締めただけだったけど、お義母さまたちは「これでもか」ってくらい締める。
「歳を取ればわかるだろうけどどうやってもお肉が垂れるのよぉ」
いえ!!少なくともお義母さまのお肉は垂れてませんけど!?
思わずニーナの後ろに隠れる。
私の身長がそこそこあってお肉が付いてたらコルセット免除は無かったんだろうな。
くびれがないのも良いものだった。
「シャロンさまはこのゴールドの赤い刺繍のドレスでお義母さまは赤のグラデーションの・・・」
金のドレスって言っても白金の柔らかめな金色ね。
胸元に赤いお花のコサージュを飾って。
お飾りは赤。ダレスさまが贈った魔石だそうで、とっても綺麗なネックレス。
お義母さまのお飾りもお義父さまが贈った赤い魔石。土台は金。派手なのに派手に見えないエレガントさよ。
そして私。
お義母さまのイチオシなドレス。
赤に薄い金のシフォンを重ねて。派手だ。
Aラインでスカートの広がりが華やか。
お飾りはピンクの入った赤い魔石。
いつの間にやら装飾品が増えてる。
ジュリアスさまが狩った魔獣から採れた魔石で出来たお飾り一式はもう数えられない。
お義母さまもかなり持ってる。
「ここの殿方は良い魔石が採れたら妻に贈るのが当然なのよぉ~」
って言うのでありがたく頂くのだ。
「なんだか採れる魔石の質が上がってきてるわね」
「そうねぇ、奥まで行っちゃってるのかしらねぇ?」
「まぁ、ダレスさまもかしら。聞いていないけれど」
お義父さまもお祖父様たちもダンジョンや魔の森に良く行っちゃってるから、ダレスさまも当然行っちゃってると思う。
脳筋一族だもの。
お義母さまたちのお化粧は、なんて言うか絵画の手順かって。
スッピンが美しいからちょっとやってるくらいと思ったら、すごかった。
って言うか色っぽさが追加されてるとは言っても、顔の変化がない気がするのにどうなってるんだ??
「艶々よね。ほんとありがたいわ。リーシャちゃんのお化粧水をいただいた時はちょっと泣いたもの」
そこまで!?
「でしょぉ?私も嬉しすぎて旦那さまと一晩中踊ったのよぉ~」
一晩中!?
「私も日焼けが消えてびっくりした後で切り傷すら目立たなくなっていたので驚きました」
椅子に座ってお義母さまたちの様子を眺めていたマデリーさままでお化粧品のお話に参加しちゃった。
「傷まで!?」
「そういえばシミや吹き出物の後も目立ってないわよね?」
んー、私が試しただけじゃ分からなかった部分。
「成分の配合を変えたので次からのは傷までは治らないかも?」
ギンって迫力のある目で見ないでください。
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