ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

498話

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 モフモフタイムならぬハイパームキムキタイムを得た私。ゴートゥヘブン!!

「リーシャ、くすぐったい」
「いやぁー」
 ベッドに腰掛けてすぐ胸元にダイブして頭ぐりぐりしてたら剥がされそうだったので抵抗。

「珍しいな。駄々っ子みたいだぞ」
「変な人ばっかりで疲れました」
 なら仕方ないってギュッとしてくれる。

「予想を超えてたなぁ。俺が王都の騎士団にいた頃よりかなりぼんやりしてる」
 役人だけじゃなくて騎士団の方もダイブ緩んでるんだそう。

「平和なのは良いことだが有事に使えないとなると困る。ホーンやリュフェリーと交代で合同訓練をしているがもっと頻度を増やさないとダメだな」
「そんなに弱いんですか?」
「弱いと言うよりは意識が低い。王家を、民を守る覚悟が見えないな」

 うーん。いざとなったら逃げ出しそうとか?

「まぁ次はリュフェリーだったか。あそこはウチやホーンよりは貴族意識が強いからな。貴族の騎士としての矜持をしっかり叩き直してもらおう」
 貴族の騎士・・・。

「上の方はさすがに修羅場も潜り抜けているから心配ないが、中には親の役職の後継にねじ込むケースもある。実力がなきゃ飼い殺しだが命を預ける身になれば上に置いておくのも不服だろう」

 理不尽な作戦とか立てられて犬死にしそうなのキツい。

「ハーボットの親戚筋が消えた場所に父上のような身体を鍛えることが全てな人材を紹介しておいたからもう少ししたらマシになると良いな」
 脳筋の中の脳筋を送り込んだ!!!
「あ、もちろんウチだけ出すとパワーバランスが変わるからな。ホーンもリュフェリーも選りすぐりのきんに・・・、教育者を推薦したはすだ」
 選りすぐりの筋肉って言いかけたよね。
 ジュリアスさまもお義父さまレベルは筋肉って言っちゃうんだ。

「王都の騎士さんたちも立派な肉体が手に入ると良いですね!」
 私の目の保養にも!!

「身体を育てるのもある意味、才能と血筋な部分があるからな。そこそこくらいは期待できると良いな」

 マッチョも才能なの?

「父上やお祖父様は魔力もだが筋肉の発達がすごい。俺はまだ大型亀は吹っ飛ばせないぞ」
 いつかはチャレンジする気っぽい。ジュリアスさまも十分な脳筋だからね。

「明日は俺も境界まで送迎に付き添う。王都の歓迎式典にはお祖父様とお祖母様も行くことになっているから何かあれば頼ると良い」
「ジュリアスさまは出られないですか?」
 転移陣でちょろっと。
「夜に会いに行くくらいは許してもらえるかも?多分・・・」
 後ろにルークの笑顔が見えるね。

「正直いきなり一ヶ月近く離れるなんて思っていなかったからな」
「そうですね」
 天国から魑魅魍魎に囲まれる苦界に放り込まれた気分。

「道中はセリウスとアンゼリカが必ず付き添うから心配するな」
 あ、クラウスさまと交代じゃなくなったのね。

「あとナギ国の気分次第でグリーンリバーやキャベルルンに寄る可能性がある。国境沿いで付き添いは相手国に移るが帰還はアッガスなのは変わりないから状況をよく観察して報告をあげてほしい」

 気分次第で!?
 どうやらレイドラアースだけで満足できない場合があるらしい。
 それならそうと最初から他所の国との計画もきっちり組み込んで日程決めてくれー。
 海の向こうすぎて伝達が微妙すぎるんだろおうか。
 隣国もどうなるかハラハラじゃん。

「ああ、一応近隣国も友好のために挨拶には大臣か王族が出てくるそうだ」

 ぎゃー!王女さまたちの専属通訳な私は全部会うことになるの!?

「宰相がリーシャなら問題ないだろうと言っていた」
 さすがリーシャだと笑ってくれるとこ申し訳ないけど。
 宰相よ。お前に私が何がわかってるんだ??そんな深い付き合いないよね??

 〈生えないくん〉を絶対作る。
 胃薬じゃなくて胃痛薬にしてやる。

「いた・・・くはないけど、痛いぞ?」
 どっち!?
 ジュリアスさまのお胸や腕を甘噛みさせてもらって無茶苦茶甘えてから寝た。

 朝になってジュリアスさまに抱き起こしてもらって、ハグとキスでイチャイチャしてたらお義母さまが「起きて~!ドレスアップよぉ~」って扉を叩いた。

「おはよー☆」

 謎にハイテンションなお義母さまがニーナをガッチリ捕まえて侍女さんたちがたくさんのドレスとお化粧品を持って並んでる。

「母上・・・」
「世界一可愛いうちの嫁を見せびらかすのよぉ」
「私はテクニックを学ぶわ」
 シャロンさままで。

「マデリーさまは?」
「あなたたちに後にやるのよぉ~。リーシャちゃんにおマデリーちゃんの化粧とドレスを選ばせてあげるわぁ」

 おお。人の衣装を選ぶのは初めてかも。多分、負担の少ない物を選んでってことだよね。

「ジュリアスたちは礼装と多少化粧をしてきなさいなぁ」
「化粧?」
「男も多少は見栄えを考えないとねぇ!ルルゥがきっちりやってくれるわよぉ」

 非常に嫌そうな顔をして部屋から出ていった。
 マッチョイケメン同士のお化粧タイム。
 過程を超見たい。

 でも今日は我慢だ。しょんぼり。



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