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二章
495話
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セリウスさまとクラウスさまが交代で、アモンさんとチェイスさんが一緒に来てくれてた。
王都までの護衛隊は強い騎士さんたちが担当で、その中でアモンさんとチェイスさん、いつものアランとジェイク、そしてルルゥは私の護衛なんだそう。
王族より過剰な気がするー。
「兄さんが書類片付けたらすぐ戻ってくるから僕は海で過ごすねー」
クラウスさまがお気楽モードになってた。
「あ、じゃあ俺も」
チェイスさんは公用語が苦手らしい。ので逃げてったよ。
『アタス、挨拶しかデキマセーン』
ってちょっとカタコトになってて、アモンさんが気の毒そうな顔してた。アタスはちょっと直してあげてね。
海の討伐は、アッガスの騎士さんはもう手慣れたもので、良い笑顔で「リーシャさま!!百目捕まえました、」って献上してくれちゃったよ。
まだ一番最初にもらった目玉がいっぱいよ。
『立派なサーペント??だな』
騎士さんたちにデデーンと庭先で出されたので、ちょうど近くにいたガルフ侯爵とそのお付きの方達が引き攣った顔をしてた。
『百目ですよ。良い目薬と化粧水が出来ます』
『王妃さまがお肌ピカピカになって羨ましいと妻が言っていたがそれかね?』
侯爵の目がちろりと見てくる。
『あー、贈りましたのでそうかと。多少効果を落としたものを義母のご友人にお譲りしてますので珍しいものでもないのですよ?』
結構な数出回ってるはず。
今は旅館エステ用に止めてるかな?
『可能であれば売っていただきたい』
『販売に関しては義両親にお任せしてるので聞いてみてください』
ガルフ侯爵は嫌な感じじゃないから多分売っても良いんじゃ??もしかしたら奥様の方と因縁があったらまずいので対応は丸投げです。
流石に侯爵家に一般販売用はダメだろうから。
先触れとしてナギ国の船から鳥が飛ばされて来たらしく、レオルカさまがガルフ侯爵たちとお義母さまたち、騎士団ので隊長たちを集めて説明をした。
「ナギ国の船は明日の夜に沖まで入ってくるが、浅瀬までは入れないため明後日の朝に小舟で移動してくる」
大型船が入れる港はまだ作られていない。
中型くらいならいけるけど、デレードの艦船みたいなのは難しいね。いずれはもう少し海底を削ることになるかも。
海の中の工事はノウハウがないのでカマランのアルジェさまとか協力していただく感じかな。
「魔獣避けを装備した船で海路を警備するが多少は出てくる。討伐はナギ国の船に注意して引き離してからするように」
必要伝達事項は、公用語のみで説明すると理解できない部分がある者が多いので普通に話してる。
到着時のガルフ侯爵たちの動きや宴までの流れ、騎士たちの配置、侍従侍女たちの受け持ち確認とわかりやすく説明してるのに、役人たちが自分たちの仕事が誰にでもできる事しかないとか怒り出した。
誰にでもできる事しか任せられない、もしくはそれすら任せるのが不安なんだけどー?
あと自分たちの立ち位置が下扱いがどうとか。
えーと、シーズ家は伯爵なのでそこまで舐められる扱いじゃないよね。
デレードの歓待の時には王女さまの腰入れがかかってたからここまでグダグダじゃなかったのかな。なぜここまで質が落ちてるんだ。
王様と宰相に絶対ネチネチ言ってやるんだから。
「お前たち、出自がどうか知らぬが役人として立っていることを忘れるなよ。職務中は人の下に立って動け。王宮に仕官しているからと言って威張り散らすことは罷りならぬ」
ガルフ侯爵、気配がキンと冷えた。
「そもそも我らが外務はグレーデンの地であるアッガスに場所も人出も借りておる。分を弁えぬ者は辞表を書いて出て行けばよい」
結構腹に据えかねてたのね。
「誰のコネやツテかは知らぬが外交を担当するものが公用語を使えぬなど話にもならぬ。それを卑下するどころか開き直って威張るばかり。無能は要らぬ」
さっきまで鼻の穴を広げて大声で騒いでいた者たちがあからさまに肩を下げて身を小さくしてる。
「侯爵は人事にはノータッチだったのかなぁ」
思わず呟いちゃったのを拾ったのはクラウスさま。
「大臣は下っ端を雇う時はいないんじゃない」
あー、側近とか自分の周りは固めるけど、末端は人任せになっちゃうか。それは人数を考えれば仕方ないか。
「さすがにもう少しチェック入れないとやばいよねー」
本当にね。
「そういえば兄上は前日にくる予定だから。リーシャちゃんいないとしょげちゃって!あーいうところは父上そっくり。父上も背中が丸くなっちゃて屋敷がジメジメだよー」
お義父さまのしょんぼりは想像できるけど、ジュリアスさまのしょんぼりは想像できないなぁ。
「いつかセリウスさまとクラウスさまが結婚して今回みたいになったら二人もしょげちゃいますか?」
想像できないけど、みんな似てるから同じに?
「えー、どうかなぁーそうなりたくないけどねー」
嫁大好きなクラウスさまとか超みたいのでどこかにご縁が落ちてると良いなぁ。
ここ数日のイライラ気分、ちょっと気分が上がったよ。ありがとう。クラウスさま。
王都までの護衛隊は強い騎士さんたちが担当で、その中でアモンさんとチェイスさん、いつものアランとジェイク、そしてルルゥは私の護衛なんだそう。
王族より過剰な気がするー。
「兄さんが書類片付けたらすぐ戻ってくるから僕は海で過ごすねー」
クラウスさまがお気楽モードになってた。
「あ、じゃあ俺も」
チェイスさんは公用語が苦手らしい。ので逃げてったよ。
『アタス、挨拶しかデキマセーン』
ってちょっとカタコトになってて、アモンさんが気の毒そうな顔してた。アタスはちょっと直してあげてね。
海の討伐は、アッガスの騎士さんはもう手慣れたもので、良い笑顔で「リーシャさま!!百目捕まえました、」って献上してくれちゃったよ。
まだ一番最初にもらった目玉がいっぱいよ。
『立派なサーペント??だな』
騎士さんたちにデデーンと庭先で出されたので、ちょうど近くにいたガルフ侯爵とそのお付きの方達が引き攣った顔をしてた。
『百目ですよ。良い目薬と化粧水が出来ます』
『王妃さまがお肌ピカピカになって羨ましいと妻が言っていたがそれかね?』
侯爵の目がちろりと見てくる。
『あー、贈りましたのでそうかと。多少効果を落としたものを義母のご友人にお譲りしてますので珍しいものでもないのですよ?』
結構な数出回ってるはず。
今は旅館エステ用に止めてるかな?
『可能であれば売っていただきたい』
『販売に関しては義両親にお任せしてるので聞いてみてください』
ガルフ侯爵は嫌な感じじゃないから多分売っても良いんじゃ??もしかしたら奥様の方と因縁があったらまずいので対応は丸投げです。
流石に侯爵家に一般販売用はダメだろうから。
先触れとしてナギ国の船から鳥が飛ばされて来たらしく、レオルカさまがガルフ侯爵たちとお義母さまたち、騎士団ので隊長たちを集めて説明をした。
「ナギ国の船は明日の夜に沖まで入ってくるが、浅瀬までは入れないため明後日の朝に小舟で移動してくる」
大型船が入れる港はまだ作られていない。
中型くらいならいけるけど、デレードの艦船みたいなのは難しいね。いずれはもう少し海底を削ることになるかも。
海の中の工事はノウハウがないのでカマランのアルジェさまとか協力していただく感じかな。
「魔獣避けを装備した船で海路を警備するが多少は出てくる。討伐はナギ国の船に注意して引き離してからするように」
必要伝達事項は、公用語のみで説明すると理解できない部分がある者が多いので普通に話してる。
到着時のガルフ侯爵たちの動きや宴までの流れ、騎士たちの配置、侍従侍女たちの受け持ち確認とわかりやすく説明してるのに、役人たちが自分たちの仕事が誰にでもできる事しかないとか怒り出した。
誰にでもできる事しか任せられない、もしくはそれすら任せるのが不安なんだけどー?
あと自分たちの立ち位置が下扱いがどうとか。
えーと、シーズ家は伯爵なのでそこまで舐められる扱いじゃないよね。
デレードの歓待の時には王女さまの腰入れがかかってたからここまでグダグダじゃなかったのかな。なぜここまで質が落ちてるんだ。
王様と宰相に絶対ネチネチ言ってやるんだから。
「お前たち、出自がどうか知らぬが役人として立っていることを忘れるなよ。職務中は人の下に立って動け。王宮に仕官しているからと言って威張り散らすことは罷りならぬ」
ガルフ侯爵、気配がキンと冷えた。
「そもそも我らが外務はグレーデンの地であるアッガスに場所も人出も借りておる。分を弁えぬ者は辞表を書いて出て行けばよい」
結構腹に据えかねてたのね。
「誰のコネやツテかは知らぬが外交を担当するものが公用語を使えぬなど話にもならぬ。それを卑下するどころか開き直って威張るばかり。無能は要らぬ」
さっきまで鼻の穴を広げて大声で騒いでいた者たちがあからさまに肩を下げて身を小さくしてる。
「侯爵は人事にはノータッチだったのかなぁ」
思わず呟いちゃったのを拾ったのはクラウスさま。
「大臣は下っ端を雇う時はいないんじゃない」
あー、側近とか自分の周りは固めるけど、末端は人任せになっちゃうか。それは人数を考えれば仕方ないか。
「さすがにもう少しチェック入れないとやばいよねー」
本当にね。
「そういえば兄上は前日にくる予定だから。リーシャちゃんいないとしょげちゃって!あーいうところは父上そっくり。父上も背中が丸くなっちゃて屋敷がジメジメだよー」
お義父さまのしょんぼりは想像できるけど、ジュリアスさまのしょんぼりは想像できないなぁ。
「いつかセリウスさまとクラウスさまが結婚して今回みたいになったら二人もしょげちゃいますか?」
想像できないけど、みんな似てるから同じに?
「えー、どうかなぁーそうなりたくないけどねー」
嫁大好きなクラウスさまとか超みたいのでどこかにご縁が落ちてると良いなぁ。
ここ数日のイライラ気分、ちょっと気分が上がったよ。ありがとう。クラウスさま。
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