499 / 701
二章
488話
しおりを挟む突然のディープなお話で、マデリーさまも成り行きを見守るしかない感じだった。
お祖母様は今も現役感バリバリなので、アンゼリカさまも大丈夫じゃないかと思いはしつつ、結婚出産って言う女なら一度は考えると言うか考えざるを得ないハードルについて、女親ならつい口出しちゃう年齢かも。
一生結婚しないからと思っていても、子供が産めるか産めないかギリギリになるとまた揺らぐかもしれない。
アンゼリカさまは、その気がないにしても一回考えてもいいのかも。
私は、メグミとしてはまだそこまで考えないままだったし、リーシャとしてはちょっと先行き不明感あるけど、ジュリアスさまと結婚はして家族はできた。大家族☆
子供は授かり物だけど、誰かと共に生きるのも良いし、自由を極めるのも良いんじゃないかな。
シャロンさまは、夫や息子たちを見守ってきて、騎士がどんな生き方をしてるか十分見てきてる中、娘に未来を考えるように言うのだからいろんな想いがあるんだと思う。
「今は何も考えたくない」
アンゼリカさまは出て行ってしまった。
「シャロンちゃん、気持ちはわからなくもないけれどぉ、引っ込みがつかなくなるからぁ、ルドガーさま似の孫が見たいとか別方向から攻めないとぉ」
いや、いくらお義父さま大好きでもその口説き?はどうだろう??
でも遺伝子強いから、高確率で似そう。
お祖父様もっと義伯父さまもお義父さまもジュリアスさまもそっくりだもの。
シグルドさまも似てる。
下に行くと少し薄まる?
「それは似るでしょうけどね」
「お相手次第じゃないですか?」
マデリーさまのお子も似るんだろうか。
ハンコみたいになってるなぁ。金太郎飴か。
「私はスノウリリィちゃんに似た女の子が見たわ」
ん?私に言いましたか?
「基本的に魔力が強い方に似るから、似てもリーシャちゃんじゃないかしらぁ?」
「ジュリアスより濃いのよね?じゃぁ男の子でも美人ね」
オヨヨ。グレーデン家の顔から外れちゃうの?
「どっちにしても着せ替えが楽しそうね」
「そうねぇ、色々着せたくなるわねぇ」
まだどこにも存在しない私の子より、マデリーさまのお子も予想してほしい。
「マデリーちゃんはどうなるかしらねぇ」
私の居た堪れなさに気が付いてくれたのかマデリーさまに視線が移動した。良かった。
「私たちは二人ともそこまで強くないですから」
「あらぁ?王都の貴族よりは十分高いわねぇ」
「どっちに似ても可愛いわよ」
「そうねぇ」
マデリーさまに似たら怜悧でレオルカさまなら柔和かな。
男の子かな、女の子かな。
マデリーさまに似てたらかっこいい系だからどっちもおいしいなぁ。
レオルカさまは、ダレスさまとシャロンさまの良いとこどりみたいな感じなので、どっちに似ても美形!!
「まずは元気に生まれてくれれば良いわよねぇ。産月に近くなったらマギーを寄越すわねぇ」
マギー先生は産婆もできて、万が一緊急事態になっても外科的な対処出来るから安心。
ポーション置いておこう。こっそり。
「まだだいぶ先です」
「あらぁ、気が早い子もいるのよぉ~」
気が早い子はちょっと我慢して欲しいね。
「とにかく安心して任せてちょうだいね」
なんだろう。お義母さまもシャロンさまも騎士の家の出じゃないし、騎士じゃないのに強者のオーラなんだよなぁ。強そうすぎる。
次の日は、セリウスさまもアンゼリカさまも早々に海の討伐に向かっちゃったらしい。
朝食の席でレオルカさまが死んだ魚の目になってた。
「母上と義叔母上が来てくださるのはとても助かるのですが、マデリーも姉上もいるから・・・」
早く帰って欲しいなって言う声が聞こえそう。
「うふふ。ちょっとだけ(通いで)手伝うつもりだったけど楽しそうだから終わるまでいるわね」
ナギ国御一行帰りは食事会程度でいいから、王都に送り出すまでは手伝って貰えば良いじゃない。
ルルゥはコックとして呼ばれてるので、海に逃げられず、素知らぬ顔で厨房に篭ってるよ。
普段はお義母さまと仲良しなのに危険察知しちゃったかなぁ。
「母上たちがいるとみんな縮こまっちゃうんだからね」
「まぁ!ダレスさまやルドガーさまがいる時より私たちの方が怖いのかしら?」
「あらぁ、心外ねぇ。旦那さまは癒しの女神と呼んでくださるのにねぇ」
美貌な夫人たちのタッグには勝てないよ。大人しく受け入れちゃった方がみんな幸せ。
マデリーさまはお義母さまたちとパーティのことを、レオルカさまはセリウスさまとアンゼリカさまとで王都の役人と話し合いをすると言うので、私は途中までルルゥと献立を相談することに。
ナギ国の船員たちが停泊中の宿泊、警備や食事事情は役人たちに興味の範囲外らしくて。サクサク決まったんだそう。
なんて言うか分かりやすく偉い人しか接待する気がないらしい。
そういえば、王国騎士団が途中で魔獣と戦ってたのは、一応お助けをしに騎士隊が出迎えに行ったそうだ。
664
お気に入りに追加
1,774
あなたにおすすめの小説
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく
しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ
おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ
婚約破棄にも寝過ごした
シアノ
恋愛
悪役令嬢なんて面倒くさい。
とにかくひたすら寝ていたい。
三度の飯より睡眠が好きな私、エルミーヌ・バタンテールはある朝不意に、この世界が前世にあったドキラブ夢なんちゃらという乙女ゲームによく似ているなーと気が付いたのだった。
そして私は、悪役令嬢と呼ばれるライバルポジションで、最終的に断罪されて塔に幽閉されて一生を送ることになるらしい。
それって──最高じゃない?
ひたすら寝て過ごすためなら努力も惜しまない!まずは寝るけど!おやすみなさい!
10/25 続きました。3はライオール視点、4はエルミーヌ視点です。
これで完結となります。ありがとうございました!
断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました
ララ
恋愛
3話完結です。
大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。
それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。
そこで見たのはまさにゲームの世界。
主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。
そしてゲームは終盤へ。
最後のイベントといえば断罪。
悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。
でもおかしいじゃない?
このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。
ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。
納得いかない。
それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる