ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

485話

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 王都のやり取りをしてる間、お義母様がアッガスで宴の準備などをマデリーさまとアンゼリカさまに指南役とお手伝いで日帰りで行ってた。

 なんと行き帰りはお義父さまが送り迎えしてるんだよ。
 転移陣は繋がってるけど、本来こっそり使うもので、平常時は出入りが大勢に見られる時は使わないの。魔力補充もあるしね。
 ホーンの時は非常時だった。王様がこっそり来るのは民には見られてない移動ってやつ。
 結構ナァナァだと思うけど、一応線引きはしてるらしい。

「毎日デートが出来るというものじゃ」

 おっふー。惚気られますよ。

「俺も毎日・・・」
「忙しいんだからダメですよ?」

 ジュリアスさまもアッガスなら行けるとか言い出すじゃん。

 ルークとセバスチャンの目付きが怖くなるからやめておこうね。y

 そんなわけでナギ国の船の到着予定の一週間前に私もアッガスに行くことに。

 ポムたち不思議生物を他国民に見せるのは宜しくないのでみんな留守番してもらう。
 アズライトも視る人がいたら桁外れな魔力を有してるのがバレるのでお留守番。
 危険時にアズライトが転移出来るように、回路を繋げと言われたので、お互いの装身具に仕込みをした。
 従魔契約をしてるから、遠距離でも念話出来るけど転移は繋がりを強化しておかないとだって。

 ディディエはアズライトが預かってくれることに。
 外部の厨房で魔獣とはいえ動物を入れるのはダメだろうしね。

 ジャスパーはジュリアスさまがアッガスや王都で職務中は隠れるらしい。

 

 アッガスへは、セリウスさまのワイバーンで移動した。
 アランやジェイクたちは仲間のワイバーンに相乗りで。
 ニーナたち侍女やメイドはゴンドラみたいなのに荷物と一緒にワイバーンがぶら下げて飛ぶ。
 何その遊園地の絶叫マシンみたいなの。
 グラグラ揺れたら泣く!
 ちゃんと魔法で保護されてるんだって。

「兄上、めっちゃ渋ってたねー」
 自分が送るって言ってくれたけど、往復が無駄だとルークにばっさり。

 ちなみに私の補佐としてセバスチャンをつけてくれて、セバスチャンはルルゥのルージュに相乗りしてる。
 お互い無茶苦茶嫌そうな顔してた。
 セバスチャンは専用のワイバーンはいない。

「向こうの船が来る前に近海の魔獣は一掃するから明日から祖父さまたちが喜んで来るからねー」

 一掃してもすぐ湧いて出てきちゃうけど大物は魔素が溜まるまで出てこないから楽になる。
 今は頻繁にアッガスの騎士団とグレーデン騎士団が海上訓練として討伐してるんだって。

 グレーデン騎士団は、海に慣れてないから訓練は大事。
 アッガス騎士団はグレーデン騎士団の支部みたいな扱いだ。
 出身のジェイデン領の元々の仲間とグレーデン騎士団の優秀な騎士さんがアッガス騎士団になって、グレーデン騎士団から交代で三中隊が派遣されて共同訓練もしてる。
 
 今回は王国騎士団からナギ国一行のための護衛隊が副団長率いる一中隊送られてくるんだそう。

 王都の一部お偉いさんから、王国騎士団がグレーデン騎士団を従えてる扱いにしろとかふざけた事を言ってるらしいが騎士団長から「補佐扱いで」って連絡が入った。

 グレーデンの騎士を従えられる器量があるなら構わないが?ってお祖母様が笑っていたよ。怖。

 グレーデン騎士団と王国騎士団の制服が違うから人数の少なさとかバレバレになると思う。

 下手に大勢きても邪魔だったんではないかとお義父さまが言ってた。確かに。
 
 王国騎士さんにグレーデンまで送ってもらった身としては、優しくして貰ったから感謝してるけど、上層部が酷いからね。

 

 アッガス上空に入ると前回来た時より発展してるのが分かった。

 早いよね。あっという間に寒村ちっくだった土地に住宅街ができて立派な畑も出来てる。

「レオルカたち頑張ってるだろうー?」
「はい!すごいです」

 海辺周辺も建物が増えて、船着場が豪華になってる。

「お、あそこ今水飛沫が立ったなー」

 セリウスさまが教えてくれた先にすごい高さの水柱が立ってる。

「おー、俺がいない時に大物かー、羨ましいなー」

 セリウスさまは早く現場に行きたいとばかりに身を乗り出す。

「昨日は口が尖った魚も出たから楽しかったよー」

 ノコギリザメ的なのが出たのかしら?
 魚屋さんに行きたい。

「お、あっち見てみなよー」

 今度は王都への街道の奥を指差した。

 かなり遠くで砂埃が立ってる。

「多分王国騎士団が魔獣と出会してるー」
 
 それは応援に行くべきでは?

 思わずセリウスさまを見上げるとニヤッと笑われた。

「あの辺りはちょっと育ったレッドボアかブラックウルフくらいしか出ないから心配ないよー」

 そうなんだ??

「あれくらい倒せないと騎士なんて名乗れないじゃんー」

 グレーデン基準じゃないよね?

「街道沿いって一応魔物避けしてるんだよー、多分休憩中とか奥に行ったか何かやらかしたんだよー」

 そう言えば、街道整備で魔物避けやライトを増設してるんだった。

「平和ボケもいいとこだねー、少しくらい頑張ってもいいと思うなー」

 王国騎士団の訓練を見た時は酷いとは思わなかったけど、ジュリアスさまたちが圧倒的に強かったのは確かなので、実力差があるのが、危険区域を辺境三家に任せてるからと言われてしまっても仕方ないのかも。

「ま、ナギの人たちにボロボロの騎士団を見せるわけにもいかないから、レオルカに報告してから誰か向かわせよう」

 の、のんびりー!!
 いや、辛辣ーーー!?

 でも一応応援出すからいいのかなぁ?




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