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二章
480話
しおりを挟むお昼は、行楽弁当っぽくした。
ので、みんなで池近くの木の下に絨毯を引いて楽しむ。
松の木が希望だけど、桜とかでもいいかもしんない。配置換え出来るかな。
お弁当は、和食洋食と中華を混ぜてる。
箱は大きめ。一応、一人一箱で詰めてるけど足りないのは分かりきってるので、他にも用意している。
お弁当箱、グレーデン仕様だから、旅館のお客様にはもう少し控えめでいいかなぁ。
「プッキューーーン」
「モッキューーーン」
「グッギャーォ」
『わー、ご馳走なんだぞ』
「ヒュー、こりゃ楽しいな」
獣たちとチェイスさんが喜びのダンスを始める。
「リーシャちゃんのお弁当は夢がいっぱい詰まってる感じねぇ?」
「そうかな」
お花見飲みの時のイメージで、よく買ってたお弁当をイメージした。
そして、缶チューハイと缶ビール、カップ酒とワインってワイワイしてたなぁ。
途中でパンイチになるのもいた。悪ノリトリオ(♂)は、着てた服を頭に乗せて固定してドジョウすくいとかダッシュを始める。完全な酔っ払いになるまで飲んでた。
迷惑な酔っ払いだった。うん。
んーーー、お弁当、夢が覚めちゃう記憶だった。
クミちゃん、お供できずごめん。
「次に大旦那さまがここ泊まる時用に、リーシャちゃんに作ってもらった方がいいくらい素敵なお弁当よぉ~」
「作るのは構わないけど、ルルゥが作った方が美味しいよ?」
プロの料理と主婦(では無かったけど)の家庭料理は違うもの。
家庭料理って言ったらダメか。独身女の適当料理??
「うふふ、リーシャちゃんの気持ちのこもった料理の方が喜ぶわよぉ~」
「そうだな。無理がない程度に頼む」
ジュリアスさままで、お願いされちゃったら張り切る。
話してる間もみんな美味しく食べてくれてる。
お米は、味ご飯と栗おこわと刻んだ梅干しを俵結びにした。
ウインナーはないのでハンバーグ、コロッケ、お魚とエビもどきのフライみたいな。
フライドチキン(大きめ)もあるよ。
漫画肉ね。お腹にたまらないとダメだから。
あとは肉まんと餃子。なんでもあり。
「この弁当、毎日の昼飯に食べたいなぁ」
「毎日食べたら飽きるよ」
「飽きないっしょ」
ポムとティムはやっぱり頬と腹をぱんぱんにさせて食べてる。異次元胃袋&頬袋。
『酒が欲しいの』
それは言わないお約束だよ。おじいちゃん。
「私とジュリアスさま以外は一応お仕事だからダメェ」
「「『ちぇー』」」
「プキュ」
「モキュ」
ん?チェイスさんとアモンさんは護衛だよね?おまけ組だよね?
「酒が欲しくなるおかずですが貴方達は図々しすぎです」
「「えー」」
ルークに注意されても拗ねる二人。
飲みたくなるのはとってもわかるけど、私が飲めない時は寛大にはなれないなぁ。うん。
食後に、三色団子と草餅を出した。
日本茶飲みたいね。
草餅は蓬っぽい草があるから作れた。
こっちのヨモギは香りが濃いめだから、男性陣には微妙だったっぽい。
ニーナとジャスパーとポムが気に入ってくれた。
食事を終えたら、帰り支度をしてお宿を出た。
帰り道に居住区に立ち寄った。
休みの人と家族が外で洗濯干したり、家畜の世話や散歩の人がいて、私たちの馬車を見かけるとみんな近くまで来て挨拶をしてくれる。
「近くに来たから立ち寄っただけだ。堅苦しくしないでくれ」
ジュリアスさまが声をかける。
「何も問題ないか?」
「はい、井戸も魔物避けも正常です」
遠出した時のついでの視察の時のように、生活の便を聞いてる。
屋敷に勤めてる人がいるから普段から報告できるけど、ジュリアスさまが直接聞くって言うことに意味がある。
あなた達のことをいつも気にしてるよって。
「お姫様」
「違うよ。お嫁さまだって」
十歳前後くらいの子達が私を見て声をかけてくれる。
「こんにちは」
居住区にも塾程度の教室ができてるから、子供達はこの時間はお勉強なんだけど、私たちがいるから出て来ちゃった。
「奥様のおかげで勉強が楽しくなっ・・・あ、です!」
少し大きな子が近くにやって来て笑顔で話しかけてくれて、敬語で話さなくっちゃって思い出した、「です」が可愛い。
「ふふ、お勉強苦手だった?」
「父さんが厳しかったから・・・」
塾ができるまで自宅で親が教える程度だったとのこと。
騎士志望は訓練で、侍従や使用人志望はお勉強と作法を習う。
見習いに入るまで家庭かご近所集まってって感じなのは他の村や町と一緒だった。
「フーゴやディゴーにもたまに行きます」
居住区には子供が少ないから、希望したら、最寄りのフーゴかディゴーに学びに出ることになっている。
「私たちも行きたーい」
小さい子たちはまだ移動が厳しいからね。
「もう少し大きくなったら行けるからご飯をいっぱい食べましょうね」
「「「はーい!!」」」
可愛いなぁ。
ルルゥがポム達用に常備してるクッキーを子供達に配って、ポムとティムとディディエが「ガーン」って顔したけど「また作るからぁ」ですぐ立ち直った。単純だ。
「わー、とうちゃ!もぉちゃ」
「かぁしゃん、およめちゃのおかち!」
いつの間にかさらに小さい子たちがいたよ。
子供は屋敷から外に出ないと出会わないからレアだなぁ。
ジュリアスさま達が一通りお話を聞き終わった。
「ありがとうございました!!」
「ああ、これからもよろしく頼む」
少し立ち寄っただけだけど、盛大にお見送りされて帰路についた。
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