ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

476話

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 夕食までの間は、縁側で寛いだり、お庭をお散歩した。
 
 完全な和風は無理だったけど、わりと落ち着く静寂を楽しめる感じ・・・。
 反対側の庭で過ごしているルークたちが少し賑やか。
 まぁ、良いかな。

 私たちがゆったりしてる間は、側仕えのお仕事も休憩でいいし、せっかくなので楽しんで欲しい。

「ジュリアスさまは、あっちに混ざりたいですか?」
「いや、毎日一緒にいるんだから、お互い休みを楽しんだ方がいい」

 ジャスパーもいないからなんとなく寂しい気もする。もふもふって常にいて欲しい。

「お風呂に入ってから着替えましょうか?」
「ユ・カーターか?」
「はい」
 
 露天風呂のある方に着替えを用意して向かう。
 樹木と竹垣で目隠しなので心許ない気もするけど、魔物避けは厳重にしてあるから安心。

 着替え用の囲いの中で、衣服を脱いで、お互いマッパ。
 湯着もあるけど、濡れて張り付くのやだし、お世話されることに慣れたのでマッパも平気。ジュリアスさまも私の裸には慣れただろうしね。私はいつでも筋肉に釘付けだけど。

 ジュリアスさまの手を引いて、掛け湯をしてから湯気立ち上る温泉に入湯!!

 くぁー!
 誰かが柚子みたいなのを入れてくれてる。
 ドッジボールくらいのがボヨンと五個浮いてるのが面白い。
 なんか勿体無いのは日本人だからかしら?
 
「景色を楽しみながらというのは贅沢だな」

 使用人さんたち御用達の温泉は、岩場に大雑把な囲いを作った感じなので実用的。
 逆にそのダイナミックさが好きだけどね。

 ここは、竹垣と低木とまだ少しだけど地植えの花を楽しめる。
 後、空だね。
 あっちの世界なら盗撮され放題だよ。
 ここだと魔獣に喰われますって思われてるから他所の人は来ないね。

 温泉は少し熱めの単純泉。
 炭酸泉とかも出たらいいねぇ。

 まだ陽が落ちてないから風が冷たいとかもないので、風情は足りないかな?
 
「ジュリアスさま、お酒は飲みますか?」
「ん?今か?」
「はい」

 日本酒もどきの冷酒をアイテムボックスから出す。
 熱燗の方がいいかもだけど、グレーデンは熱いので温泉浸かって熱燗はねぇ。
 私が普通に冷酒の方が好きってだけ。

「ふふ、楽しそうだけどいっぱいだけだ。リーシャは茹るだろう?」
「えー、そうでもないと思います」
「ははは」

 お猪口サイズで一杯のカウントされちゃったぞ。食事時のカウントに入れないでね?

 小さく乾杯してクイっと一口。

「ん、うまい」
「さっぱり形でしたね」
 ジュリアスさまは残りを全部飲んじゃう。
 何気に厳しい。

「夕食の時に二杯な?」
「やったー!」

 抱きついて甘えちゃう。

 一回湯から上がってハーブ石鹸で身体を洗ってからまた浸かる。

「スパも良いものだったがこうしてゆっくり時間が流れるのも良いものだ」

 お仕事いっぱいで、ルークとセバスチャンに見張られてる(言葉が悪い)から、安らげないよね。

「頻繁には無理でもこうしてゆっくりしたお休みをまた一緒に過ごしたいです」
「ああ、そうだな。俺もリーシャとゆっくりしたい」

 開放感いっぱいの露天風呂だとジュリアスさまがデレるのね。

 お風呂から上がって、身体を乾かしたら、浴衣の出番。
 ジュリアスさまの浴衣は、黒地に濃赤の混じったしじま織風のになった。
 かっこいい。身体が大きいから迫力がある。
 私は、桃色に赤い花と水色の花柄。
「ユ・カーターが似合ってるな。可愛い」
 髪は適当に一つ三つ編みを丸めてアップした。

 着付けは適当だけど、なんとか様になってる。

「足が落ち着かないな」
 下着はもっこふんどしみたいなのでスースーかも。
 私も似たようなものだけど。

 下駄を忘れてたので、草履みたいなので我慢。

 お部屋に戻って冷たい飲み物をだす。
 
 アク○リアスもどき。水分を補給しておかないと。

 竹枕を置いて、ジュリアスさまに寝転がってもらう。

「食事ができるまで寝ててください」
「リーシャは?」
「用意した物を並べて仕上げをしてきます」
「一緒にする」
 ひとりぼっちが嫌らしい。

 厨房に向かうとルルゥがお肉の準備をしてた。
「あらぁ、ジュリアスさままで」
「たまにはな。休暇なのにリーシャだけ働くのはダメだ」
「まぁ!良い旦那ねぇ」
「・・・ルークたちは?」
「順番にお風呂に入ってるわぁ」

 従者用にも屋内と露天風呂がある。けどみんな露天風呂に入りたいんだって。

 私はとりあえず用意してきたおかずをドーンと出して、小鉢や椀、大皿に少しずつと指示を出して、手伝ってもらう。
 ちょっとしたら、ルークもニーナもアランとジェイクも入ってきて手伝ってくれた。

「少しずつ、食べやすく盛る」
「お野菜の色合いとか見栄え良く」

 色々と料理名と使用した食材の説明すると、ルルゥが舌と目で確認。
 次回からのお義父さまたちの料理のためにインプットしてる。
 ちゃんとレシピも渡すけど、味と盛り付けはしっかり覚えるって。
 ほとんど普段の応用で作れるってば。

 汁物と茶碗蒸しは、最後の仕上げで薬味や三つ葉もどきを乗せる。
 時間経過なしのアイテムボックスだけど、なんとなくね。

「お酒は飲む?」
「いやぁ、一応勤務中ですしー・・・」
「一杯ずついただきます」

 一杯なら酔わないからって。酔拳使えそうなチェイスさんとかに飲ませたい気もするぞ。

「お鍋に残ったおかずは好きなだけ食べて良いよ」

 お酒が楽しめない旅館は悲しすぎるので食事を楽しんでくれたまえ。

 配膳だけ、ルルゥとルークにしてもらって。

「明日の朝食はゴハーンと魚の用意だけお願いね」
「了解よぉ~☆」

 さて、旅館っぽいお食事を楽しみます。




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