ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
483 / 764
二章

472話

しおりを挟む
 今日は、お義父さまたちが採ってきた木と草などを見せてもらう。

 ヤシの木もどきがあった。ココナッツが好きなだけ食べれるー!!
「実が使えたヤツだと思って持ってきたんじゃ」
 街で買えたけど、確か遠くから買ってるんだよね。
「これはぶちぶち採れた」
 ぶちぶち。
 木の本体に身がいっぱい成るらしいグァバベリーらしき木も。 
 南国っぽい森!!

 森、潰しちゃったしなぁ。

 今ある木から増やしてもらえるかな。
「これはどうだ!?」
 薬草はハナショウガ?なんか汗疹に良くて、シャンプーが作れるらしい。
 これは良いかもしれない。

 ピリッとした味わいのサラダ向きのカラシ菜みたいな葉っぱもある。
 
「みんな美味しく使えそうなんで増やしたいです」
「「そうか!!」」

 お義父さまはポムたち連れて走って行っちゃった。
 

 午後からは、少し前にマダム・シフォンのお弟子さんにお願いしていた旅館用の甚平や浴衣、バスローブ、ムームーが仕上がったとのことでマダムたちがやってきた。

 お義母さまが新しいドレスを作るために呼んでて、ついでにとお弟子さんを連れてきてくれたそうだ。

 まずはお義母さまの予定をって思ったら、旅館用が気になるって先に見せてもらうことに。

 新しい物って言うことで侍女長さんやメイド長さん筆頭に手隙の従者一同集まっちゃたよ。

「こちらが染色技術をフルに活かしたユ・カーターでございます」
 なぜかゴハーンみたいに日本の用語で説明したもの語尾伸ばされがち。
 でもユ・カーター面白いのでそのままでいいか。

 バッサーと広げられた浴衣は、しゃららーんとした生地で大きい花が描かれていた。
 見慣れていた浴衣と比べたらイメージは違うんだけど、旅行先でレンタルする洗える着物の延長と思えば?
 まぁ、これはそこそこお高いんだけどね!
 
 貴族は人と共用なんてしないから、たくさん作ってサイズ展開もしておいてって感じになる。来た物はお持ち帰り。
 裕福な平民は買うかレンタルを選べるようにしたら良いかな。

 女性用の華やかさにお義母さまとお祖母様が飛びついてる。

 こちらの世界の女性はボンキュッボンでハリウッドの女優さんたちみたいなナイスバディなので、日本人的着付けはできないなぁ。
 バスタオル三枚いるよ。

 私だけ良い感じに着こなせるんだぜ!!へへん。

「これをどう着るのぉ?」
 デザイン画を描いた時にマダムたちには説明をしてるので、マダムのお弟子さんたちが衝立の向こうで着付けてくれる。 
 きっといっぱい練習してきたはず。

 帯は兵児帯。浴衣が普及した先には着物を作るのもありかも。
 あ、私は和裁やってないからなんちゃって着物だよ。着物警察な皆さん怒らないでください。プロの技は無理です。
 着付け教室とか行っておくんだったね。

 私も着付けを手伝ってもらって。私用は子供用サイズなんだけど、私専用のだけは、柄を少し大人っぽくしてある。

 腰がくびれてないから着せやすいよねー。お胸?ないから潰す必要もないよー。うふふ。

「あらぁ、リーシャちゃん可愛いわねぇ」
「ほんとさね。私らは似合ってるかい?」

 お義母さまは白地に紅い薔薇を、お祖母様は黒地に紅い牡丹の艶やかな浴衣。
 兵児帯はオーガンジーで金色から紅色のグラデ。
 派手かなって思ったけど、負けない美しさだよ。お胸は潰さずなので、えっちなお姉さんが出る漫画みたいな感じだ。
 この世界の誰も知らないことだ。多分。
 なので私の目が楽しいだけのこと!!

 ちなみに男物はとりあえず、アランとジェイク、シエルとルルゥに着てもらった。

 アランとジェイクは紺地の格子柄、シエルは白のシマ柄、ルルゥは朱紅のしじらで。
 男帯は貝の口で。
 シエルだけ兵児帯ね。

「あら、スースーして心許ないわ?」
 ルルゥが足元が気になる見たい。

 女性はドレスとか布多めの物を着てることを考慮して肌襦袢は着せるんだけど、男性は良いかと思ったけどダメだった?

「下に何か履く?」
「ん~?慣れたら平気かしらぁ」
 ステテコを履くルルゥ・・・。ちょっと見たい。

「じゃ、甚平の方着てみない?」
「ジンヴェェ?」
 なぜそうなった。
「甚平。こっちの上下がある方」
「下が短いから私はヤァよぉ」
 ズボンが七分でも嫌がられた。
 半ズボンだったら有り得ない感じか。

「私が着させていただきましょう」
 いつの間にか部屋にいたハロルドが立候補してくれたので、着てもらう。

 藍色のしじら織がよくお似合いで!

「布が一枚というのが心許ないすが、部屋でゆっくりと言うならとても楽で良いと思います」
 陶器でも作りそうな風情。

「私はユ・カーターが気に入ったわ」
「私はジンヴェェを着てみたいさね」

 甚平がジンヴェェになってしまった。

 概ね好評ということで、良かった。

 ただ女性は基本的にコルセットご愛用で細身の人が多いし、お端折り分の調整が効くけど、男性はマッチョとヒョロとの差が激しいし、辺境の二メートル越えと王都の一メートル八十前後って言う幅が広いのでサイズ展開がなぁってことで、浴衣は男性用は先に注文を受けてご用意で、常備は甚平でSMLみたいな感じになった。

 マダムの持つ注文書には、ユ・カーターとジンヴェェって書かれてたので、名称は確定しちゃったな。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...