481 / 764
二章
470話
しおりを挟むお義父さまたちは門の入り口付近で獲物を出してた。
蛇が山盛り!!あれの肝や内臓が私にプレゼントされちゃうんだ。うぉぉんって言っちゃう。
「おう~!リーシャちゃん、ただいまじゃ!」
さぁ来いと突撃待ちをされたので、弾丸行きまーす!
トーォ!!
ポスン。
「ワハハ!多少は衝撃が増えたのぅ!良き良きじゃ」
ビクともしないお義父さまの太もも!
そのままお祖母様にもハグしてもらう。
「昔ジュリアスやシグルドに抱きついて貰ったのを思い出すな」
お祖父様たちがダンジョン行く前にそこそこに大きかったのがジュリアスさまと従兄のシグルドさまだったらしい。
「アイツらは結構痛かっただろう?」
「そうでもないさね~」
おそらく七歳前後のジュリアスさまと十七歳の私の力が負けていただと・・・。
とほほだよ。
「ほぅれ、リーシャちゃん、ファイアドリルバードも一角うさぎも捕まえてきたぞぅ!小さいのは肉も柔らかいからの」
ファイアドリルバードは、火喰いかと思ったら弱すぎて、敵に狙われると自分を燃やして特攻してくる。自爆くん!!
気付かれないうちに首を切るのがコツらしく初心者では無理なんだって。
お肉は油が多くて、羽は真っ赤で綺麗だからお高く換金出来るそう。
うさぎちゃんは小さいと言っても地球の猪くらいある。十分ジャイアントです。
毛皮がふかふかなので毛皮ください。
染めて使えばジャスパーのぬいぐるみが出来そう。欲しい。
ニーナにお願いしよう。
「出来立ての森は小物しかおらんでのう、すーぐ終わってしまったからちょっと別のところ寄ってきたぞぅ」
予想通り!!!
「サーペントは別のところで?」
「どっちもじゃ!小さいのは出来立ての森で、大きい卵持ちは別じゃの」
ニコニコと「妻のために!」って言われちゃったので頑張ってパックを作るしかない。
「今回はマジックバッグにたくさんオヤツを入れていったから楽しかったさね。梅干しサイコー!!」
お祖母様・・・、何でも持っていけるんだから梅干しじゃなくても良かったのに、トラウマ解消できたかしら?
「わしは、イカの一夜干しや柔らかジャーキーが野営に良いと思ったぞ」
「私はおにぎりとシリアルバーだな。何もせずにでも美味しい」
ン?よくよく聞けばみんな調理をしないものだな。
兼業コックさん連れてってない??
「お茶やスープは用意しましたよ」
「ちゃんとお肉焼きますって」
ハロルドとコックさんが苦笑いだ。
「あっはは、どうしても携帯食に手が出るのはクセさねぇ」
そんな感じで獲物を私に貰える素材はアイテムバッグに収納して、貯蔵庫分は侍従さんとコックさんが運んでいって。
お義父さまたちはお風呂と着替えに向かった。
卵がいっぱい。蛇の卵は濃すぎるから料理に向かないからポーションにするしかないなぁ。あんまり作るなって言われてるけど、疲労回復薬になるし、ルークに聞いてから作るかぁ。
リックさまに売っちゃうのも手かな。
百目の目玉もまだまだあるぞ。
お部屋に戻る前に厨房に向かって、ルルゥたちにブーツ用を渡してみた。
「私の足は臭くないわよ!」
臭いからじゃないってば。
厨房は湿度もあるし熱気ムンムンだし、水場や貯蔵庫に行くから、気を使って優先しただけって言えば、微妙な顔をしつつ受け取ってくれた。
ベンなんかは嬉しそう。
「蒸れますからねぇ。有難い」
ほら、素直に受け取ってくれれば良いのよ。
他はお義母さまとセリウスさまに任せるから。臭くないって叫びは聞かずに済むね。
お部屋に戻って、〈洗浄〉してから着替えた。
ニーナにはさっき思いついたジャスパーのぬいぐるみの話をして。
「ジャスパーの滑らかさにはどんな毛皮も負けるでしょうが近しい感じには出来そうでうね」
嬉しそうに手をワキワキさせてる。余った毛皮は好きにしてねって言うとなぜかポムたちの襟巻きが仕上がったりするのでまた増えるかも。
私は製作者特権で私のとジュリアスさまのクローゼットとベッドルームにプレートを置いた。
あとブーツ用は二組。私のブーツも快適にね。あ、臭くないよ?多分。
ジュリアスさまたちが帰ってくるって連絡が入ったので、玄関ホールに行くとお義母さまもお祖母様も一緒のいた。
「リーシャ、また楽しいものを作ったんだってねぇ」
お祖母様は、ブーツ用が欲しいんだそう。
お義母さまに差配をお願いするけど、家族分は別に避けてあるって伝えたら頭を撫でてくれた。
「革の靴はどうしてあんなに蒸れるのかねぇ」
風が通らないからでは??
話してるとお義父さまとお祖父様たちも出てきた。
「ふあー、薬湯が沁みた」
「明日はスパに入るぞ」
ご機嫌ですな。お風呂あとでビールとかしたいでしょ!
話してるとジュリアスさまたちが帰ってきたので、私がジュリアスさま、お義母さまがセリウスさま、お祖母様がクラウスさまに突撃した。
「ぎゃー!」
クラウスさまが転けた。
「ハンデ的にお祖母様が兄上で僕がリーシャちゃんじゃないー??」
「嫁の出迎えは夫が受けるものじゃ」
「そうだな、甘えたことを言っている」
お義父さまとお祖父様にお説教されて、クラウスさまがしょんぼり。
「じゃぁ、せめて母上・・・どっちもキツ・・・」
クラウスさまってば、侍従さんたちに苦笑で出迎えられてたよ。
767
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる