ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

467話

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 食後に〈速乾〉〈乾燥〉タグのプレゼンをしたら、多少の肌荒れくらい気にしない、温泉で薬湯に入れば治るとか熱弁されて。

 ジュリアスさま、セリウスさま、クラウスさま、セバスチャン、シエル、ルルゥ達コックさん、侍従侍女さん、メイドさん他ほとんどの人が試作品を試したいのだと熱弁したので、自己責任と使用感のレポート提出で配った。

 怖かった。

 お義母さまも怖かった。

「コルセットとドレスは淑女の戦闘服」
 なんて言ってても、グレーデンは常夏なのだ。
 
 先に受け取った同僚に聞いてとゾロゾロ申し込まれちゃった。

 マギー先生とロジャー先生も目がハンターになってたよ。

 試作だって言ってるのに。

 お義父さまとお祖父様達の分は確保しておかなきゃ。まぁ作るよ。追加も作るよ!

「温泉で回復はするが、普段から予防できた方が良い」
 っておっちゃん達が力説してた。
 蒸れ問題半端なかった。

 ベビーパウダーは赤ちゃん用だけど、大人にも配った方が良いかもしれない。

 そんな大人の肌かぶれ問題は、聞く機会なかったもんね。

 冷房や冷蔵庫なんて屋内のこと気にしてごめんね。働く人に優しくなろう。

 ちなみに革ブーツ問題は中敷と温泉スパに施した岩盤浴での〈除菌〉がかなり役に立ってるみたいで。

 お風呂嫌いだった騎士さん達も毎日スパに通ってるらしい。良かったよ。

 わりとマジな人たちが押しかけて大変だったけど、セバスチャンとシエルたちが対応してくれた。
 
 ニーナは自分の分とルークの分をガッチリとゲットしてた。おおージェラシーー!

 使用感がレポートされてきたら改良して量産計画立てよう。
 魔導師さんたちにボーナスマシマシ出そうね。

「良いものが出来たな」

 ジュリアスさまが嬉しそうにしてくれたのでヨシ!!

 大浴場で、アズライトとジャスパー、ポム、ティム連れてお風呂に入ったら、ジャスパーとアズライトまで〈速乾〉タグを体に貼り付けて、遊び出した。

 アズライトは鱗がピカッとなるだけだけど、ジャスパーたちは毛がブワッと一瞬で乾いて広がるのが楽しいらしい。

「あんまりやると毛のキューティクルが無くなるよー」
『『「「!!!!???!」」』』

 お互いの毛の感触を確かめて首を傾げ合う。

『我らはそこらの生き物とは違うから大丈夫なんだぞ!』

 ほんとかな。
 トリートメント要らずでいられるかな。

「気にしないなら良いけど、人間が髪の毛でブワッとさせまくったら髪がギシギシしちゃうんだもの」

『『「「!!!!!!??」」』』

 毛並みが自慢の彼らには大問題だったみたいで風呂上がりには、ジュリアスさまと私で美容クリームとブラッシングを念入りにさせられた。

 動物用トリートメントかぁ。
 この子たちには成分気にしなくても病気にはならないけど、一応専用があった方が良いね。
 馬たちやワイバーンたちも艶々がいいかも。

「プキューン」
「モキューン」
『我の毛並みを愛でるが良いんだぞ』
『毛より鱗の方が美しかろうの』

 めっちゃドヤッと見せつけてくれるけど、お手入れしたのは私たちだよ。

 あと毛も鱗もどっちも素晴らしいんだよ。比べるものじゃない。

 ちょっと長くお風呂にかかっちゃった。

 みんなでお部屋に戻ったけど、ジャスパー以外は寝床に帰る。

「お休み」

 みんなを見送ってから、ジュリアスさまとちょっとだけお酒。
 お膝に乗って。

 アマレットみたいなのがあったので、ジュリアスさまには甘口だからジンシャーと炭酸混ぜて飲む。
 カクテル作るには色々足りないし、知識もあまりない。飲むだけだったからね。残念ながら。

「うん、うまいな」
「甘めだけどこのハーブでピリッとさせると良い感じなのです」
 二杯目はアマレットのレモンジュース割り。
 
 ジャスパーはアマレットに氷入れたのが気に入ったみたい。

 ふわふわした気分でジュリアスさまに抱きつく。

「なんだ。甘えん坊の気分か」
「うふふ、今日は結構頭を使ってので糖分を補給なのです」
 糖分違いだけど。こっちの糖分のが吸収率いいもの。

「そうか。疲れてる時は確かに甘えたいな」
「ジュリアスさまも?」
「そうだな、リーシャが一緒にいてくれるからそう思うようになった」
 確かに、大人になったら恋人か伴侶にしか甘えれないよ。
 ママーとかやってたら、あのお義母さまははたきそう。
 ハグは良いけど、ベッタリはないタイプ。

『我にも甘えて良いんだぞ』
「ジャスパーはもふもふで気持ちいね。肉球むにゅー♫」
『肉球はこそばゆいんだぞ!』

 ジュリアスさまが私とジャスパーを抱えてベッドに運んでくれた。

「そろそろ寝ようか」
 ジュリアスさまは一旦離れて、テーブルを片付けてから戻ってきた。

「明日には父上たちが戻ってくる。そのあと休みの予定を決めて出かけよう」

 お宿はもうすぐだ。

「お義父さまたちは順調に進んでますか?」
「ああ、多分近くの他の森も寄ってくるだろう」
 一仕事したあとおかわりするのか。
 元気すぎるねぇ。

「サーペントの卵持ちも手に入ったらしい。若いサーペントも数匹だ。蛇が多い森だった」
 蛇が多い森はちょっと・・・。

 若いサーペントはお肉が柔らかくて、違う食感らしくて、お祖父様達が串焼きにするのを楽しみにしてると連絡が来たらしい。

 現場で食べないのは、ルルゥの調理で最高の味で食べたいからだそう。

 舌が肥えると外で食べたい時、困るよね。

 蒲焼きのタレの調合をはすでにルルゥ達の方が上手いので私は味見担当だ。

「寄り道は母上とリーシャに美味しいお土産を探してくるためだろう」

 毎日美味しいの食べれてるから気にしなくても良いのに。

「楽しみです」
「そうだな」
『我はサンダーボアを希望してるんだぞ!』

 なぜビリビリ肉・・・。
 
「サンダー系は運だからな」
「運は強い奴らばかりなんだぞ」
 そうかなぁ。迷宮で二十年は運が良かったかなぁ?

 真ん中にジャスパー挟んで、ジュリアスさまに抱きついて寝たら、ふわふわに乗ってる夢を見た。

 最高に気持ちよくて癒される夢・・・。




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