475 / 764
二章
464話
しおりを挟む
そう言えば小さいお皿や小鉢はあんまり種類が無いんだよね。
大皿に一盛りずつの方が運ぶのも楽だし、いいかな。
一口ずつじゃ物足りないよね。
んーーーーーーー。
とりあえず出来たものを大皿にちょっとずつ。鉢物と煮付けは別皿にして。
ニーナとアズライト、ポム、ティムに試食をしてもらう。
「少しずつたくさん食べられるのは素敵ですね」
一口二口だなんて、グレーデンの食卓には無いもんね。
「プキュ」
「モキュ」
『ふむ。少しずつだと味わいがしっかり楽しめるの。薄味だが野菜の味がわかって良いの』
アズライトが京風の味を褒めてくれた。
ほのかに出汁が香ってくるのが好きだ。
卵焼きと茶碗蒸しもおかわりを所望されちゃったけど、味見だってば!
牛鍋とカニ鍋にウドーんまで。
ポムとティムのお腹はぽんぽこりんなんだけど、あれだけ食べた後にしてはそこまでじゃ無い。二匹もイリュージョンな胃袋持ってるよね。
オヤツは梅酒ゼリーとスパイスケーキにした。
本当は抹茶とか使いたいけど、抹茶に出来そうな茶葉には出会ってない。
紅茶のプリンも好きだけど。
あ、好きならば作ればいいんだ。
濃いめの紅茶を煮出して甘く甘く。生クリームと卵もたっぷり。
ぐっふふ。カフェの味。
「プキュプキュ」
「モキュン」
待ちきれなくて鍋の周りで謎のステップを踏むポムとティム。和む。
ニーナが悶え死にするからほどほどにね。
冷蔵庫に入れてしばし待ってる間に、果物のゼリーも。ついでに。
これは旅館全部で共有して、旬の果物とハーブの宣伝にしたい。
あまりハーブを主張すると殿方の好き嫌いが分かれるから果物が主役ね。
和風じゃ無い旅館には、洋風のコースを考えないと。
どちらにしても魔の森のお肉が主役かな。
魔素が濃いものを食べて、英気を養ってもらう。
療養施設では、お客様の状態によっては魔素が濃すぎるのは逆効果なのでちゃんと見極めて対応出来るスタッフを雇って、定期的に研修してもらわないとだね。
女性のエステがある施設にはお花のお茶やお菓子が多いといいかなぁ。
いっぱいレシピを考えないとだね。
ルルゥたちも協力してくれるだろうし、他所では食べられないものを食べてもらおうね。
そう言えば、王宮や他の貴族のコックさんが研修に来るのも増えて来たら大変だから、お料理学校みたいなの作った方が良いかも。
宿泊施設付きで。
これは儲かりまっせ!じゃなくて。
旅館で美食に目覚めた貴族のコックさんをうちの厨房で預かりきれなくなるのを防がないとね。
ん?自信過剰かな。
でもうちの料理と食材を味わったらきっと飛びつくよね。
ちょっと楽しくなって来た。
旅先で美味しいものが食べれるようになるには、平民の料理人も育って欲しいところ。
料理学校もらおうね他に料理教室もあっても良いかも。
講師はうちで修行したコックさんのみ。
明日は企画書作ろうかな。
プリンとゼリーが固まったので味見タイム。
「プッキューーーン!!」
「モッキューーーーン!!」
ポムとティムがばたりと倒れた。
「なんで!?」
「ポムちゃん!ティムちゃん!!」
え、ニーナ?って今はそれどころじゃなかった。
「ププー」
「モッキュー」
『美味しすぎたらしいの』
アズライトがペロリと口元を舐めてから教えてくれた。
ポムたちはしばらく幸せそうに目を瞑って恍惚としていたけど、起きて再び口に入れるとものすごい勢いで食べた。
「確かに昇天しそうな美味しさです」
ミルク紅茶プリン恐るべし。
生クリームいっぱいでブリュレのような濃厚さと甘さが口に広がるからね。
ルルゥに教えたやつより濃厚にしたから。
「バケツいっぱい欲しいです」
バケツプリンに憧れるのは異世界でもあるんだ!
「プーキュゥ」
「モーキュゥ」
ニーナと同じポーズでうんうんやってる。
「んー、そこまでいっぱい食べると多分飽きるよ。今度作るときは大きめにするね」
流石に時間が足りないよ。
そんなわけでお片付けして料理はおしまい。
外に出るとアランとジェイクがいい汗かいてた。
「「お疲れ様です」」
「お待たせ」
料理はジュリアスさまに出すまで内緒なので、ゼリーをオヤツに渡した。
「お部屋で食べてね」
「「ありがとうございます」」
マジックバッグにしまってほんのり笑ってるから、彼女と食べる気かも。
まぁ、青春だね。楽しんで欲しい。
そう言えばニーナもルークに持って行きたいかな?お宿に付き添うからお楽しみでいいか。
庭を通っているとポムとティムがちょっと走っていって戻って来た。
「プキュ」
「モキュ」
二匹が私に種と石を持って来た。
どこかにしまってたのかな。
『今日のご飯が美味しかったお礼だそうだの』
おお、そこまで美味しかったんだ。チップもらっちゃった。
「ありがとう、また作るね」
種は〈銀杏〉で石はインカローズっぽい色合いの可愛い石だ。
銀杏かー。焼きたいね。ただ臭いよね。
雌雄ないとダメだっけ。そこは不思議植物かな。
「茶碗蒸しが一段上にいくね」
「「キュッッ!!??」」
ポムとティムが飛んだ。飛んだ後踊り出したよ。すごい嬉しいらしい。
食べすぎると毒だからあまり布教しない方がいいかな。
〈無毒化〉使える人を雇うか。
屋敷に戻るまでずっとポムたちがダンシングなのでアランとジェイク、ニーナまで歩みが浮ついてる。
楽しそうだからいいか。
大皿に一盛りずつの方が運ぶのも楽だし、いいかな。
一口ずつじゃ物足りないよね。
んーーーーーーー。
とりあえず出来たものを大皿にちょっとずつ。鉢物と煮付けは別皿にして。
ニーナとアズライト、ポム、ティムに試食をしてもらう。
「少しずつたくさん食べられるのは素敵ですね」
一口二口だなんて、グレーデンの食卓には無いもんね。
「プキュ」
「モキュ」
『ふむ。少しずつだと味わいがしっかり楽しめるの。薄味だが野菜の味がわかって良いの』
アズライトが京風の味を褒めてくれた。
ほのかに出汁が香ってくるのが好きだ。
卵焼きと茶碗蒸しもおかわりを所望されちゃったけど、味見だってば!
牛鍋とカニ鍋にウドーんまで。
ポムとティムのお腹はぽんぽこりんなんだけど、あれだけ食べた後にしてはそこまでじゃ無い。二匹もイリュージョンな胃袋持ってるよね。
オヤツは梅酒ゼリーとスパイスケーキにした。
本当は抹茶とか使いたいけど、抹茶に出来そうな茶葉には出会ってない。
紅茶のプリンも好きだけど。
あ、好きならば作ればいいんだ。
濃いめの紅茶を煮出して甘く甘く。生クリームと卵もたっぷり。
ぐっふふ。カフェの味。
「プキュプキュ」
「モキュン」
待ちきれなくて鍋の周りで謎のステップを踏むポムとティム。和む。
ニーナが悶え死にするからほどほどにね。
冷蔵庫に入れてしばし待ってる間に、果物のゼリーも。ついでに。
これは旅館全部で共有して、旬の果物とハーブの宣伝にしたい。
あまりハーブを主張すると殿方の好き嫌いが分かれるから果物が主役ね。
和風じゃ無い旅館には、洋風のコースを考えないと。
どちらにしても魔の森のお肉が主役かな。
魔素が濃いものを食べて、英気を養ってもらう。
療養施設では、お客様の状態によっては魔素が濃すぎるのは逆効果なのでちゃんと見極めて対応出来るスタッフを雇って、定期的に研修してもらわないとだね。
女性のエステがある施設にはお花のお茶やお菓子が多いといいかなぁ。
いっぱいレシピを考えないとだね。
ルルゥたちも協力してくれるだろうし、他所では食べられないものを食べてもらおうね。
そう言えば、王宮や他の貴族のコックさんが研修に来るのも増えて来たら大変だから、お料理学校みたいなの作った方が良いかも。
宿泊施設付きで。
これは儲かりまっせ!じゃなくて。
旅館で美食に目覚めた貴族のコックさんをうちの厨房で預かりきれなくなるのを防がないとね。
ん?自信過剰かな。
でもうちの料理と食材を味わったらきっと飛びつくよね。
ちょっと楽しくなって来た。
旅先で美味しいものが食べれるようになるには、平民の料理人も育って欲しいところ。
料理学校もらおうね他に料理教室もあっても良いかも。
講師はうちで修行したコックさんのみ。
明日は企画書作ろうかな。
プリンとゼリーが固まったので味見タイム。
「プッキューーーン!!」
「モッキューーーーン!!」
ポムとティムがばたりと倒れた。
「なんで!?」
「ポムちゃん!ティムちゃん!!」
え、ニーナ?って今はそれどころじゃなかった。
「ププー」
「モッキュー」
『美味しすぎたらしいの』
アズライトがペロリと口元を舐めてから教えてくれた。
ポムたちはしばらく幸せそうに目を瞑って恍惚としていたけど、起きて再び口に入れるとものすごい勢いで食べた。
「確かに昇天しそうな美味しさです」
ミルク紅茶プリン恐るべし。
生クリームいっぱいでブリュレのような濃厚さと甘さが口に広がるからね。
ルルゥに教えたやつより濃厚にしたから。
「バケツいっぱい欲しいです」
バケツプリンに憧れるのは異世界でもあるんだ!
「プーキュゥ」
「モーキュゥ」
ニーナと同じポーズでうんうんやってる。
「んー、そこまでいっぱい食べると多分飽きるよ。今度作るときは大きめにするね」
流石に時間が足りないよ。
そんなわけでお片付けして料理はおしまい。
外に出るとアランとジェイクがいい汗かいてた。
「「お疲れ様です」」
「お待たせ」
料理はジュリアスさまに出すまで内緒なので、ゼリーをオヤツに渡した。
「お部屋で食べてね」
「「ありがとうございます」」
マジックバッグにしまってほんのり笑ってるから、彼女と食べる気かも。
まぁ、青春だね。楽しんで欲しい。
そう言えばニーナもルークに持って行きたいかな?お宿に付き添うからお楽しみでいいか。
庭を通っているとポムとティムがちょっと走っていって戻って来た。
「プキュ」
「モキュ」
二匹が私に種と石を持って来た。
どこかにしまってたのかな。
『今日のご飯が美味しかったお礼だそうだの』
おお、そこまで美味しかったんだ。チップもらっちゃった。
「ありがとう、また作るね」
種は〈銀杏〉で石はインカローズっぽい色合いの可愛い石だ。
銀杏かー。焼きたいね。ただ臭いよね。
雌雄ないとダメだっけ。そこは不思議植物かな。
「茶碗蒸しが一段上にいくね」
「「キュッッ!!??」」
ポムとティムが飛んだ。飛んだ後踊り出したよ。すごい嬉しいらしい。
食べすぎると毒だからあまり布教しない方がいいかな。
〈無毒化〉使える人を雇うか。
屋敷に戻るまでずっとポムたちがダンシングなのでアランとジェイク、ニーナまで歩みが浮ついてる。
楽しそうだからいいか。
797
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる