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二章
453話
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『全く、俺の縄張りに勝手にトカゲが住み着いて我が物顔で改造しくさるのは腹立たしかったが、水辺があるのは生きるものにとって良いことだからな、精霊樹の存在でチャラにしてやる』
ライデンはアズライトの存在を知っていて放置してくれてたようだ。
『以前より魔の森の掃除が楽になったが最近は逆に魔獣が増えた。調和作用が働くようだな』
嫌な調和だ。でもお肉が大事。
魔素が増えれば魔獣が増える。やっぱ、アズライトやポムたちの行動は活発化を促してるんじゃない?
『神気も霊気も魔素も元は同じ、命の紡ぎに必要不可欠なもの。精霊が増えれば魔獣も増える。だが抑える力も増す。気にしたことではないぞ』
ライデンはかなりお爺さんとみた。アズライトと張るんじゃないか。
『循環をうまく促すことが我らの役目。故に我らの力を増す信仰の想いが大切なのだ』
精霊王は信仰が薄れて神と共に力が薄れている。神や精霊王たちが人の世に加護や恩恵を与えるには信仰心はないとこの世界に干渉できないんだって。
神様の世界の理があるんだね。
ライデンにも御饌をとルルゥがマジックバッグから色々出すとちゃんと食べてくれた。
『随分と味付けが進化したようだな』
前回人の食べ物を食べたのは数百年前だそう。それは塩味よりアレだったのだろうか。
ポムたちがライデンに「これも美味しい」「こっちも美味しい」と言う感じで教えてる。取られると怒るくせにライデンには優しいな。
ジャスパーなんて、子猫みたいにライデンに甘えてる。
『ふむ、仔らは互いに仲間と呼べる存在が少ないから寂しいのじゃな』
加護を生まれる前から与えるのは気まぐれでやることだけど、好き勝手増やして良いわけじゃないみたいで、制限があるそう。
ポムとティムのようなか弱い小さい生き物に与えることも珍しいみたいで、苦労をかけてしまったかとちょっと反省してるようだ。
でもポムくらいな存在だから受け入れやすかったとこあるよね。
ポムとティムで慣れてなかったらアズライトのことは受け入れ難かった気がする。
『ふん。俺は人の世に関わる気はないが会いたければお前たちだけ森に遊びにこれば良い』
ライデンがポムたちにそう言うとポムたちが「行くー」ってやってるけど、貴方の住まいはグレーデンで一番危険なランクの森。と言うことは、レイドラアースで一番ヤバい森ですよね?
ホーンにもあるかもだけど。
『そこなジジイに運んで貰えばすぐであろう』
アズライトが守れば良いらしい。
んー、古代竜なアズライトは最高ランク魔獣と張れるそうだ。
ただの食いしん坊昼寝おじじなんだけど。
ジャスパーとポムたちがアズライトにお願いポーズしてる。そんなにか。
「アズライトが付き添うなら問題はないか」
ジュリアスさまが許可しちゃったよ。小動物に甘いんだから。
そんなやりとりを笑って見てた精霊王は、
『さて他の樹も見に行こうか』と言うと私たちの周りに光の花が舞った。
『『『『其方らに実りのある一年となるように』』』』
お供えのお礼と言って祝福を受けた。
精霊樹の根元に酒瓶と種、花束とキラキラした〈精霊結晶〉が置かれていた。
『ほう、随分と気に入られておるな』
ライデンが『俺からもやろう』とアイテムボックスからズドンとメタルドラゴンが出てきた。
『何百年か前に狩ったが肉が堅いからな』
食べにくいから仕舞いっぱなしだったそう。
何百年か前の熟成肉。いや時間経過なしなのでホヤホヤだろうけど!
『懐かしいのが出てきたの』
滅多に見かけない種のドラゴンだそう。
「ありがとう?」
ご厚意なので受け取る。鱗も錬金素材だし。
『この地の騎士の役にたつだろう』
ライデンは、そう言って森に帰ると去ってしまった。
渋いライオンだったなぁ。
「「「メタル・・・」」」
すごい存在が立て続けに出てきて、最後にとんでも素材を置いていかれたので流石のルークも呆然だ。
「ふはぁ!僕すっごい伝説の世界に入り込んだみたいでした」
頰を真っ赤にして興奮したシエルがアズライトに抱きついて喜んでいる。無邪気だ。
「なんともまぁ、アズライトやディディエ、ジャスパーだけでも驚きの存在なのにその上と相対するとはねぇ」
すでにね?ふわふわさんがいっぱい飛んでるのも、精霊樹があるのも、そもそもポムとティムもおかしいからね。
ライデンからのプレゼントで一瞬気が逸れちゃったけど、〈精霊結晶〉もとんでも素材だよ。
精霊の存在が希薄になってるこの世界で、精霊の生まれる場所の霊気に満ちた泉で採れる幻の素材なんだよ。
例えば、素材が揃わないから絶対作れないと言われてるエリクサーの素材の一つなの。
「それはグレーデンの秘宝として死蔵ですね」
「そうなりますね」
ルークとセバスチャンが怖い顔で話し合ってる。
そんな中、鉱石、宝石大好きなティムが欲しそうに見てるんだけど。
「・・・いるか?」
「モッキュ!!!」
キュルルンなティムの目に陥落したジュリアスさまがティムに渡しちゃった。
「「ジュリアス!?」」
あ、敬称忘れるほど衝撃を受けてる。
「いや、グレーデンのために働いてくれてるし、給料?どうせ使えない素材なら欲しがってるティムにあげても良いだろう」
そう言うとポムたちにもお給料が必要なんだけど、ポムは食べ物だし、アズライトは酒とパバブだし?
みんな同じくらいのご褒美は何をあげたら良いんだろ。
『我らは美味しい食べ物と酒があれば十分だの。それに主から装身具も貰っておる。ティムがアレを持つことでいずれ役立つこともあろう。気にせずとも良いの』
アズライトが言う「いずれ役立つ」らしい場面が来るのはノーサンキューだけど、ポムたちも気にしてないみたいなのでお言葉に甘えよう。
「良い子たちにはお菓子をあげないとねぇ」
ルルゥがポムたちにクッキーを出したので「プッキュン」「モッキュ」「グギャ」っと鳴いてから喜びの舞を披露してくれた。
せっかくなのでどんなものか気にせず、頂いたお酒をみんなで飲む。
あ、シエルは果物ジュース。
空が白み、太陽が姿を見せそうな頃、ジュリアスさまが指笛を吹いた。
ライデンはアズライトの存在を知っていて放置してくれてたようだ。
『以前より魔の森の掃除が楽になったが最近は逆に魔獣が増えた。調和作用が働くようだな』
嫌な調和だ。でもお肉が大事。
魔素が増えれば魔獣が増える。やっぱ、アズライトやポムたちの行動は活発化を促してるんじゃない?
『神気も霊気も魔素も元は同じ、命の紡ぎに必要不可欠なもの。精霊が増えれば魔獣も増える。だが抑える力も増す。気にしたことではないぞ』
ライデンはかなりお爺さんとみた。アズライトと張るんじゃないか。
『循環をうまく促すことが我らの役目。故に我らの力を増す信仰の想いが大切なのだ』
精霊王は信仰が薄れて神と共に力が薄れている。神や精霊王たちが人の世に加護や恩恵を与えるには信仰心はないとこの世界に干渉できないんだって。
神様の世界の理があるんだね。
ライデンにも御饌をとルルゥがマジックバッグから色々出すとちゃんと食べてくれた。
『随分と味付けが進化したようだな』
前回人の食べ物を食べたのは数百年前だそう。それは塩味よりアレだったのだろうか。
ポムたちがライデンに「これも美味しい」「こっちも美味しい」と言う感じで教えてる。取られると怒るくせにライデンには優しいな。
ジャスパーなんて、子猫みたいにライデンに甘えてる。
『ふむ、仔らは互いに仲間と呼べる存在が少ないから寂しいのじゃな』
加護を生まれる前から与えるのは気まぐれでやることだけど、好き勝手増やして良いわけじゃないみたいで、制限があるそう。
ポムとティムのようなか弱い小さい生き物に与えることも珍しいみたいで、苦労をかけてしまったかとちょっと反省してるようだ。
でもポムくらいな存在だから受け入れやすかったとこあるよね。
ポムとティムで慣れてなかったらアズライトのことは受け入れ難かった気がする。
『ふん。俺は人の世に関わる気はないが会いたければお前たちだけ森に遊びにこれば良い』
ライデンがポムたちにそう言うとポムたちが「行くー」ってやってるけど、貴方の住まいはグレーデンで一番危険なランクの森。と言うことは、レイドラアースで一番ヤバい森ですよね?
ホーンにもあるかもだけど。
『そこなジジイに運んで貰えばすぐであろう』
アズライトが守れば良いらしい。
んー、古代竜なアズライトは最高ランク魔獣と張れるそうだ。
ただの食いしん坊昼寝おじじなんだけど。
ジャスパーとポムたちがアズライトにお願いポーズしてる。そんなにか。
「アズライトが付き添うなら問題はないか」
ジュリアスさまが許可しちゃったよ。小動物に甘いんだから。
そんなやりとりを笑って見てた精霊王は、
『さて他の樹も見に行こうか』と言うと私たちの周りに光の花が舞った。
『『『『其方らに実りのある一年となるように』』』』
お供えのお礼と言って祝福を受けた。
精霊樹の根元に酒瓶と種、花束とキラキラした〈精霊結晶〉が置かれていた。
『ほう、随分と気に入られておるな』
ライデンが『俺からもやろう』とアイテムボックスからズドンとメタルドラゴンが出てきた。
『何百年か前に狩ったが肉が堅いからな』
食べにくいから仕舞いっぱなしだったそう。
何百年か前の熟成肉。いや時間経過なしなのでホヤホヤだろうけど!
『懐かしいのが出てきたの』
滅多に見かけない種のドラゴンだそう。
「ありがとう?」
ご厚意なので受け取る。鱗も錬金素材だし。
『この地の騎士の役にたつだろう』
ライデンは、そう言って森に帰ると去ってしまった。
渋いライオンだったなぁ。
「「「メタル・・・」」」
すごい存在が立て続けに出てきて、最後にとんでも素材を置いていかれたので流石のルークも呆然だ。
「ふはぁ!僕すっごい伝説の世界に入り込んだみたいでした」
頰を真っ赤にして興奮したシエルがアズライトに抱きついて喜んでいる。無邪気だ。
「なんともまぁ、アズライトやディディエ、ジャスパーだけでも驚きの存在なのにその上と相対するとはねぇ」
すでにね?ふわふわさんがいっぱい飛んでるのも、精霊樹があるのも、そもそもポムとティムもおかしいからね。
ライデンからのプレゼントで一瞬気が逸れちゃったけど、〈精霊結晶〉もとんでも素材だよ。
精霊の存在が希薄になってるこの世界で、精霊の生まれる場所の霊気に満ちた泉で採れる幻の素材なんだよ。
例えば、素材が揃わないから絶対作れないと言われてるエリクサーの素材の一つなの。
「それはグレーデンの秘宝として死蔵ですね」
「そうなりますね」
ルークとセバスチャンが怖い顔で話し合ってる。
そんな中、鉱石、宝石大好きなティムが欲しそうに見てるんだけど。
「・・・いるか?」
「モッキュ!!!」
キュルルンなティムの目に陥落したジュリアスさまがティムに渡しちゃった。
「「ジュリアス!?」」
あ、敬称忘れるほど衝撃を受けてる。
「いや、グレーデンのために働いてくれてるし、給料?どうせ使えない素材なら欲しがってるティムにあげても良いだろう」
そう言うとポムたちにもお給料が必要なんだけど、ポムは食べ物だし、アズライトは酒とパバブだし?
みんな同じくらいのご褒美は何をあげたら良いんだろ。
『我らは美味しい食べ物と酒があれば十分だの。それに主から装身具も貰っておる。ティムがアレを持つことでいずれ役立つこともあろう。気にせずとも良いの』
アズライトが言う「いずれ役立つ」らしい場面が来るのはノーサンキューだけど、ポムたちも気にしてないみたいなのでお言葉に甘えよう。
「良い子たちにはお菓子をあげないとねぇ」
ルルゥがポムたちにクッキーを出したので「プッキュン」「モッキュ」「グギャ」っと鳴いてから喜びの舞を披露してくれた。
せっかくなのでどんなものか気にせず、頂いたお酒をみんなで飲む。
あ、シエルは果物ジュース。
空が白み、太陽が姿を見せそうな頃、ジュリアスさまが指笛を吹いた。
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