ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

447話

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 帰りの途中で狼っぽいのの群れが通って、護衛さんたちが「ボーナスきたー!」って感じで張り切って討伐した。

「最近減ってたけど、ちょっと戻ったかなぁー」
 魔の森の成長とおこぼれな迷子魔獣の出現は比例してるから、要注意らしい。
 ここ十年で緩やかになってたけど、最近はまたちょこちょこ。

 それって、アズライトやポムたちがいるから活性化してるんじゃ?
『そうでもないの、魔の森はダンジョンと似て核たる場所がある。そこが育てば森も広がり魔獣も生まれる』
 んー、イタチごっこ。

 全部潰しちゃうのも良くないし困ったもんだ。
 食糧供給(主に肉)もあるし、人間が生きるための魔素もそれなりに満ちててくれないと困る。

「心配ないよー、今討ったウルフくらいなら自警団でもやれるし、強いおばちゃんならワンパンだよー」
 大きめオオカミをワンパン!!
 んばば!な漫画に出てきたウ○子さんくらいな覇者がいるのかな。
 会いたいです。
 人類最強の肉体を持つウ○子さんに会いたい。筋肉!!!

「おばちゃんの話で目をキラキラさせないでよー」
 は!そうだった。うちにはお祖母様とアンゼリカさまと言う猛者がいた。
 強いおばちゃんも騎士出身かもしれない。

 人間はウルフ種を食べないのでワイバーンや魔馬の飼糧になるんだって。
 皮と牙と魔石が儲け。
 
「うまい肉来ないかなー」
 そんな都合よく出てこないでしょ。

 休憩を取った場所には以前見つからなかったドクダミっぽい葉っぱが群生してた。
 ん~、好きじゃないけど薬草だしなぁ。
 ってことで、ティムに風魔法で切断して集めてもらった。
 今回は茎と葉っぱだけ。根っこはまたの機会に。
 やっぱ臭いかな。

 男性陣が匂いに引いてる。でも昔ながらの有能な草なんだよ。

 これに頼らなくて良いくらい色々手に入ってるけど、無料でたくさん入手できるって素晴らしいじゃん。

「食べるの?」
 サラダや揚げ物で食べれないこともないけど、私は鼻に通る時の匂いがちょっと嫌かな。

「苦味があるけど好きな人は好きじゃない?薬草茶やポーションに混ぜて使うつもり」
 下級ポーションで皮膚炎とかに効くやつ。
 日焼け止めも出来ないかな。

「あらぁ?苦いの~?」
 ルルゥがヒョイっと口に入れちゃった。
「あ"ーーー」
 あ、野太い声出た。
「んっ、ちょっとスッキリする中にぃ、苦味と香りにやられるわねぇ」

 まぁハーブの仲間だし。パクチーとかそっち系??
 匂いに引っ張られて味の印象が変わっちゃう気がする。

「天ぷらならちょっと良いかも」
「そうねぇ」
 あえて食べなくても良いと思う。
 薬草にするってば。

 ポムたちは、実がないからかあまり興味がない。

 そのあとは順調に進んで、あと少しで着く頃にジュリアスさまがお迎えに来てくれた。

「リーシャ」
 ジュリアスさまの魔馬に乗せ替えてもらって、クラウスさまと並走で走る。

「俺もリーシャと視察したい」
 書類仕事が主なのでお外に出られないジュリアスさまの愚痴に、ルークがじろっとしちゃう。

「以前よりは少なくなってるんですから文句言わない」
 お祖父様たちも少しずつ仕事を受け持ってくれてるから忙しさが緩和とか思ってたら、私が思いついちゃった酒工場、化粧水工場とかとかでトータル忙しさアップ。
 はい。私のせいです。ごめんね。

「騎士団をセリウスに任せても良いんじゃないか?」
 って言う話は以前からしてるそうだけど、セリウスさまは「まだまだ修行中ー」って固辞してるんだって。

 セリウスさまもクラウスさまも、まだ結婚先が確定してないわけで、結婚しない、出て行かないとは言い切ってるけど、家族としては好きな人が出来たら婿に出ても構わないってことで、あんまり役目を強制しないんだと思う。
 
 その分、補佐としてしっかり働いてるからセリウスさまもクラウスさまもちゃんと考えてるんだろうな。

 屋敷に着くと馬屋番に魔馬を託して、中に向かう。

「おかえりなさぁーい」

 どっん!

 お義母さまの特攻は今日はクラウスさまだった。
「っわぁ!!」
 4対6でクラウスさまの押し負け。

「もー、なんなのー」
 文句言いつつ、しっかりお義母さまを支えてるから仲良し。

 他の家族もみんな帰ってるらしい。全員集合だ。

 遠出だったので〈洗浄〉を使ってからお着替え。ニーナも疲れてるだろうに着替えをきっちり手伝ってくれて。

 食堂に行けば、数日ぶりの賑やかさ。
 そして、食べ放題ビュッフェ~!

「出先でも結構な量を出してもらったがやはり家で食べるのが落ち着くな」
「この食事が出るなら祭りが毎日でも良い」

 流石にずっとビュッフェじゃ飽きるよ。

 カレーもピザもゴハーンもパンも一皿に持ったら全部カレー味になるよ。

「そういえば、魔の森が一箇所増えておった。祭りの後に潰しに行こう」
 出来たばかりだと核の場所がわかりやすいから簡単に潰せるらしい。

「どんなのが出てくるか調べてからにしないか?」

 美味しい肉が増えるなら森を育てて良いとか言い出す。

 みんな強いから平然としてるけど、王都とか都会で魔の森が発生したら大慌てなのにねぇ。



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