ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
448 / 764
二章

437話

しおりを挟む
 ダンジョンに行きたい人ばかりなので、ジュリアスさまがお休みを取って、ウォレス領に向かえるのはいつのことか。

 食後に、人生ゲームもどきで順番を決めるんだと大盛り上がり。
 ポム、ティム、アズライト、ジャスパーまで混ざってるの。君らその勝負しなくてもついていけるじゃん?
 ディディエはルルゥが不参加なら行かないって。
 ジュリアスさまは参加しないって私を連れて引き上げだよ。
 
「リーシャもダンジョンに興味あるんだな」
「どんな感じか気になります」
「ダンジョンの種類によるが岩場だったり草原だったりで別に楽しくはないぞ」

 宝探しとか迷路とかが先に出てこない!ジュリアスさまはロマンを求めてないのかな。

「じゃぁ、アズライトの池の方が色々あって面白いですね?」
「そうだな。肉や宝は手に入らないがな?」
 
 お風呂上がりに髪を乾かし合って、抱っこちゃんになってみた。

「ダンジョンはいつか行けたらでいいので、温泉の宿でゆっくりしましょ?」
 家具と布団を入れたらすぐに。
「ん?そうだな。その日は休みを取ろう」
「二人きりで私がご飯作ってってしてみたいな」
 ニーナたちもいない状態は無理かな。
 さすがに護衛なしはダメだよね。
 でもご飯は良いよね。
 ルルゥほど上手に手際良くは無理だけど、ちゃんと和食でお膳で出したい。

「常に人がいるのに慣れてしまったがリーシャはそうでもなかったんだよな。宿の中はなるべく離れて過ごしてもらおうか」
 警備は外にも付くし、多少はいいだろうって言ってくれた。

 ジュリアスさま自身が強いのもあるね。

「リーシャが作ってくれる食事か。楽しみだ」
 
 旅館の食事っぽいのだと量が足りなそうだから間食にお肉用意しなくちゃだね!

 ジュリアスさまがいっぱいキスしてくれて私もいっぱいお返しで、イチャイチャ気分で寝た。

 ジャスパーが寝る時にいないのはちょっと寂しいけど、二人きりも久しぶりだから目一杯堪能だ。


 目が覚めたらジャスパーもアズライトもポムとティムもいた。
 もふもふにサンドされてた!!

 ジャスパーが寝ぼけてジュリアスさまの口付近で尻尾をブンブン振って、
「ブッシュ!」
どこかの大統領のようなくしゃみをしたよ。
「プキュキュ」
「モキュキュ」
 ポムとティムが面白がって尻尾をジュリアスさまにポンポン当てた。
 さすがに二度目は無理だよ。

「は・・・、くすぐったい」
 ジュリアスさまがポムとティムを捕まえてこしょこしょと腹を掻いてやる。
「プッキュー」
「モッキュー」
『ずるいんだぞ!我の腹も撫でるんだぞ!』
 仕返しをおねだりって。可愛いから私が掻いてあげよう。
 ってアズライトまでお腹出さなくて良いって。

 着替えにニーナを招き入れるとベッドの家でもふもふがお腹を出して撫でろ攻撃遠しているのを見てヨロめいた。
 侍女の矜持で踏ん張ったよ。さすがだ。ニーナ!

「おはようございます。羨ましい光景ですね」
「ジュリアスさまが寝起きに尻尾で鼻をくすぐられたんだよ」
「まぁ、こそばゆそうです」
「すごいくしゃみした」
「それは大変でしたね」
 私の簡易ワンピースを着せてる時もポムとティムのお腹をチラチラ。

「ポム、ティム、ニーナがお腹掻いてくれるよ」
「・・・♡」
「プッキュ?」
「モッキュ?」
 ポムとティムが飛んできた。
 そして、ジャスパーまでニーナの前でゴロン。
 野生を捨てたやつらめ。あ、ジャスパーは精霊だから野生でもないか。

 撫でろ攻撃から解放されたジュリアスさまがサッと着替えると、ポムたちがやっと納得してくれた。
 ニーナはテクニシャンだ。蕩けたモニパルがニーナのお胸でくったりだ。

 食堂ではやっぱり元気溌剌なみんなが揃っている。
 寝不足とか知らないんだろうか。

「ワシは百人子供ができたぞう」
「俺はギャンブル王になった」
 勝敗関係なく楽しんじゃったみたい。

「はぁい!今日のスープは一日元気になるわよぉ~」
 ドーンと出てきたのは、アレですね。
 お仕事元気にって感じなんだろうけど、スピネルさんとザイルさんが「ヒャッホー」しちゃったよ。
 どんだけ元気になりたいの。

 思わずじっくりスープの具を確認しちゃう。
 見た目ではわからないな。出汁取っただけ?
「ちゃんと蒸して刻んであるわよぉ~」
 あんまり事細かに聞かなくて良いって。

「・・・スピネル師、俺の分もどうぞ」
「お?うまいぞ?要らんのか?」
「俺は必要ない」
「お?嫌味か?いじけるぞ」
「苦手なもんもあるさね」
 お祖母様がスッと私の分も引いてお祖父様に差し出した。

「あんまり滋養強壮とか効果あると魔の森まで行って体力発散しなくちゃだからそんな飲めないよねー」
「今日は魔の森行く予定じゃないー」

 若い人に元気溌剌は必要ないよね。

「若くいられるのは人生のほんのひとときなんだぞ」
「二十年余分に若さ保ててるじゃないかー」
 
 その二十年って二十年分の時間軸がどうなってるのか謎だよ。
 
「訓練で発散すればよかろう」
 
 騎士団の皆さん、本日フルパワーな訓練だそうです。
 合掌。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...