ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

431話

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 ハラハラドキドキとアズライトとワイバーンたちを見てたけど、全然!!水のように飲んでた。マジですか。
 ジャスパーだけ「しみるぅぅ!しみわたったんだぞ!」ってぐにゃぐにゃだ。
 竜種に酒は勿体無い!!!
 一応お酒と思って飲んでて楽しんでるらしいんだけどなんか勿体無い気がするね。

 近くにいた騎士さんたちが興味津々だけど、ジュリアスさまが「めっ」してくれるので大丈夫。
 私も飲みたくないわけじゃないのよ?
 でもさ。スピリタス(96%)とかロンリコ(75%)とかそのまま口に入れた時って悶絶するよね。
 正直ズブロッカ(37.5%)を初めて飲んだ時も「がっ」ってなったよ。
 焼酎とかウィスキーも40前後あるけど、個人的にズブロッカはびっくりしたんだー。
 結果何でも好きになったけど☆
 
 竜殺しの酒はスピリタス超えしてるんじゃないかな?ファンタジーなお酒なんだし。
 味わいも芳香も良すぎる。
 一舐めでやめないと他の酒が楽しめなくなるよ。あと肝臓がヤバいよ。

「そら、この鳥肉は美味いぞ」
 ジュリアスさまが焼けた丸焼きを削いで口に入れてくれた。
 鳥なら安心!!
「おー、我がグレーデンの未来も安泰だぁ」
 私たちの仲の良さを嬉しそうに見る騎士さんたち。
「坊が女性に甘いなんて想像も出来んでしたな」
「違ぇねぇ」
 あーあ、酔っ払いになってきたな。

「グュギャ」
「ギュルルルー」
 ラヴァとルージュが頭を寄せてきて私とジュリアスさまをまとめてベロン。
 生臭と酒臭!!
 可愛いけど獣臭は大変だよ。
 ジュリアスさまが〈洗浄〉かけてくれるけど、好意なので何度もされる。

「ラヴァ、ルージュ、お肉食べよ」
 焼けてた丸ごと肉をジュリアスさまが焼き場から外して食べさせる。

 香辛料が結構好きなのはアズライトと同じだね。パバブだけにこだわらないみたいだけど。

『普段は生肉だからいろんな刺激が楽しいんじゃの』
 んー、味覚が育つのは良し悪しかな。
 私も塩味だけなのが嫌だから色々ルルゥに作ってもらったし、出来ればまだまだ探求したい。

「ふぃー、良いもん飲んでるねぇ」
 すでに良い気分になってるらしいマギー先生が現れた。
 ワイバーンたちの口に鼻先突っ込んでる。ワイルドすぎるでしょ。 
「良い匂いさせてんじゃないかい」
 相変わらず鼻がいい!!
 だが竜殺しはすでに飲み尽くされている。
 
「マギー師、こっちをどうぞ」
 竜殺しまではいかないけどそれなりによく出来た日本酒もどきを差し出すと「へぇ」とカップに注いだ酒の香りを楽しんでからグビーッと飲む。
 ワイバーンたちもお酒を代わりしたそうにみてる。
 騎士さんたちが陽気に大事な相棒たちに「飲め飲めぇ」とそこかしこにある樽から注ぐ。
 これは足りなくなるねぇ。
 近くでお肉を食べていたアランとジェイクに新しいめのが並べてある棚から樽を全部出してきてと頼む。
 無くなったらまた作れば良いのだ。
 私のクローゼットに眠ってる瓶のはマイ酒蔵の歴史なので内緒だよ。

「リーシャさま、これってもう出しても良いぃ?」
 ルルゥがザルに入れたものを見せてくる。
 
 梅干し!!!塩漬け!!!
 はちみつのと干し梅はまだ。
 グレーデンの天候のおかげでかなり早いぞ。

 ふふふふふふ!

 焼酎のお湯割~。

 おにぎりぃー!!

「ルルゥ、ゴハーンは炊けてるかしら?」
「ゴハーンはあるわよぉ~」

 早速持ってきてもらったので、初めての梅干しは多分しょっぱってなるから、梅干しを刻んで、おにぎりをにぎって天然の海塩ふって、赤い海苔を巻く。
 アズライトにはゴハーンとパバブと海苔と梅干しで出汁茶漬け、ってお茶がないので出汁オンリーだけど美味しいはず。

 私の分は梅干しを丸ごとのおにぎり。

 ジュリアスさまが不思議そうに自分に渡されたおにぎりとか私のを見比べる。

「食べやすくしただけですよ?」
「そうか」

 近くにいた騎士さんの分はルルがサクサク握って切れたのでみんなでガブリ。
 ラヴァたちもアズライトと同じお茶漬け。

「・・・ぐっ」
「びゃっ」

 マギー先生も「んん?ってなってる。
 梅干しダメかな?

「結構好きだわぁ」
「そうだな、ゴハーンに合う」
 ジュリアスさまとルルゥが自分で握り出した。思いの外好評だった。

「ギャウギャウ」
「グルーゥ」
 ワイバーンたちもお茶漬けが気に入ったみたい。

「ルルゥ、この梅干しを叩いて潰したのをお肉につけて・・・」
 梅ササミ!!
「「「おおお!!!」」」

 ついでに焼酎に梅干し入れて梅を潰して飲むのを教える。

 マギー先生が喜んだ。

 遠くにいたお祖母様たちも混ざって、梅干し争奪戦が始まっちゃった。
「梅がこんな色々出来たなんてねぇ」
「何がどう化けるかわからないもんだねぇ」

 そう言えば、ジュリアスさまとニーナがこっちにいるのにルークがいないなって思ってたら、アンゼリカさまとかお義父さまにセリウスさまとルークで捕まって絡まれてたよ。
 
「ルーデウス、助けてやったらどうだぁ?」
「やぁよ!あそこに捕まったら朝までコースよぉ」
 オジサンたちにワイワイ言われてるけどルルゥは嬉しそうだ。

「あの辺はルルゥがウチに来たばかりの頃一緒の隊だったんだ」

 ほえー。

「ギャウウウ」

 みんなにいじられてるルルゥを見てヤキモチ妬いたのかルージュがルルゥの頭を齧って、それをデェディエが飛んできてルージュの鼻を突いた。

「あらぁ私モテてるぅ♡」
「人間にモテないとなぁ」
「やぁね!!モテてるわよぉ~モッテモテよぅ」

 んー、これはもうみんな酔ってるね?

 私が酔えなくなるからほどほどにして欲しい。

 って二杯で酔えるかーー!!


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