439 / 710
二章
428話
しおりを挟む
おやつ時を過ぎてもまだ咆哮が続いてる。
見える範囲では戦闘してないので、外の会話とワイバーン?の雄叫びと魔獣?の絶叫とかで状況を想像するしかない。
たまに旋回してるワイバーンが見えるので広範囲なんだろうなって。
近くは大丈夫そうなので外に出たいけど、アランとジェイクがダメだって。
仕方ないのでリックさまが置いていった基金関係の文書と報告を読んでる。
「ギョェエエエエーーーー」
こんなの集中できないって。
でもお義母さまは返信を書いたり、ダメ相手の名を控えたり猛スピードで目と手を動かしてる。
いつか私の仕事になった時こなしていけるかな。
途中でニーナがお茶やおやつを出してくれる。お菓子はほとんどパン作りに飽きたポムとティムが食べてる。
ニーナも時折り窓も向こうを見てる。ちゃんとルークを心配する関係に育ってるんだなぁ。寂。
外ので騒ぎに変化があった。
「解体部隊集合ー!!!」
厨房にいたコックさんたちが「応!」って出ていった。
ダンが「討伐した魔獣を空き地に集めてあるから一気にサバくんです」って教えてくれた。
一気に・・・。
「素材の収入もあるんで今期のグレーデンは国で一番の納税ですね」
ウッヒョー!税金!!いやんな響き。
辺境は王都貴族より税率が低いのに一番ってかなりの収益だね。
「うふふ、ダン、リーシャちゃんの稼ぎだけでも結構な税金よぉ~」
おおぅ。税金取られてもあの貯金なのか。やばいね。
「でもぉ☆リーシャちゃんの魔道具については現在無税なのぉ」
ふぁ?
「開発者特権があるのよぉ~、国のためになる魔道具に対しての褒賞みたいなものねぇ」
ほー!税金無しでの貯金ならちょっと安心。
税金抜かれてのあの金額ってもうえげつなくて。魔道具でどんだけ荒稼ぎしてるのかと思っちゃった。いや、十分荒稼ぎだけど。
「ちなみにグレーデンの税率はは王命を発したことで向こう十年は半分なのぉ」
ほえー!そこまでして私を保護させたかったんだ。ありがたいね。
「ふふふ、リーシャちゃんがジュリアスとうまくやってくれてるだけでもありがたいし、リーシャちゃんがこのグレーデンに与えてくれた変化に対しても十分ありがたいから、税金くらい払っても全然損はないんだけどねぇ?でも下げてくれるって陛下が一度決めたことは覆せないから、他で還元すればいいわねぇ♡」
うひー。
私の貯金は人にために使わないと。
「ま、うちの騎士が楽々やってる討伐も他所では命懸けな大仕事よぉ。うちが大儲けしたって他所は被害を受けないだけで十分恩恵を受けてるのだからぁ、税率の優遇程度で申し訳なく思うこともないわぁ」
楽々だって怪我とか色々心配だし、大変は大変だから、辺境任せじゃなくてそれぞれ騎士団を鍛えてほしいものだよ。
「大奥様、リーシャさま、連絡が入りました。ほぼ討伐を終了、残りは各部隊が処理に向かうとのことです」
外から騎士さんが入ってきて報告してくれた。魔法鳥かな。
「じゃぁ、夕食の準備に取り掛かって頂戴」
お義母さまが侍従さんたちにバーベキューセットの用意の再開を指示。
「離れの方に行っても大丈夫かしら?」
アランとジェイクに聞くとまだダメだって。
「ケビンたちに出して良い分を運んでもらいましょう」
自分で行かなくても良いのは確かなので頷いた。
庭には出て良いそうなのでニーナと一緒にバーベキューセットが組まれている庭に出た。
「そこ、焼き場増やそう」
「門外も出すか?」
「そうだな、広げるだけ広げるぞ」
騎士さんも使用人棟の人たちも全員参加くらいの規模らしくて、急ピッチで焼き窯も設置してる。
既にブロックになったお肉が焼き場に運ばれてきて、コックさんがハーブを練り込んで窯に入れてたり。
大きな足部分を丸焼き台に引っ掛けてる。
一体丸々の丸焼きができないので部分焼きだけど、私よりデカいんだよ。お肉。
お肉屋さんで吊るされた牛肉の映像そのものだよ。
お野菜も外から運ばれてきた。巨大とうもろこしキターーー!!!
「屋敷周りは一般の者は来れませんが各村にお肉や酒が配られてますんで似たような騒ぎになってますよ」
運んできたコックさんが嬉しそうに野菜を切っていく。
「リーシャ!!!」
空が一瞬曇ったと思ったら空からアンゼリカさまが降ってきた。
「久しぶりだな!戻ったぞ」
「お帰りなさい」
アンゼリカさまが乗ってきたワイバーンは他のワイバーンに乗っている女騎士さんと厩舎の方に飛んで行ったよ。
「途中で入れ食いだったから楽しかったぞ」
んー、楽しいって言えちゃうアンゼリカさま、かっこよ過ぎ。
「珍しいのがいたからリーシャの魔道具に良いんじゃないかと避けておいたんだ!」
嬉しそうにマジックバッグから出した獲物は多分ほとんどの女性は泣く。
(ぎゃっーっっっっ!)
十メートル近いタマムシ色のカマキリ?と五メートルはありそうなオレンジ色のクワガタ?微妙に知ってる形と違うけど。
飛行系の魔獣に入ってるんだこれ。
「皮が硬いから防具や壁に使えそうだろう?」
良い笑顔で言われれば、嬉しく受け取るしかないわけで。
「あとで解体してもらわなきゃ・・・」
「ん?肉は食えるぞ。解体してやろう」
(ぎゃっーーーーーー)
何肉なの!
「おっアンゼリカさま、レアっすね!」
みんなが羨ましげに見るので良い物みたい。
「解体手伝ってくれ」
「はいよ」
「了解っす」
目の前で分解されちゃったよ。
もしかしたらカブトムシやスズムシ、黒光りも巨大なんだろうか。
出来れば素材になってても扱うのご勘弁いただきたいなぁ。
見える範囲では戦闘してないので、外の会話とワイバーン?の雄叫びと魔獣?の絶叫とかで状況を想像するしかない。
たまに旋回してるワイバーンが見えるので広範囲なんだろうなって。
近くは大丈夫そうなので外に出たいけど、アランとジェイクがダメだって。
仕方ないのでリックさまが置いていった基金関係の文書と報告を読んでる。
「ギョェエエエエーーーー」
こんなの集中できないって。
でもお義母さまは返信を書いたり、ダメ相手の名を控えたり猛スピードで目と手を動かしてる。
いつか私の仕事になった時こなしていけるかな。
途中でニーナがお茶やおやつを出してくれる。お菓子はほとんどパン作りに飽きたポムとティムが食べてる。
ニーナも時折り窓も向こうを見てる。ちゃんとルークを心配する関係に育ってるんだなぁ。寂。
外ので騒ぎに変化があった。
「解体部隊集合ー!!!」
厨房にいたコックさんたちが「応!」って出ていった。
ダンが「討伐した魔獣を空き地に集めてあるから一気にサバくんです」って教えてくれた。
一気に・・・。
「素材の収入もあるんで今期のグレーデンは国で一番の納税ですね」
ウッヒョー!税金!!いやんな響き。
辺境は王都貴族より税率が低いのに一番ってかなりの収益だね。
「うふふ、ダン、リーシャちゃんの稼ぎだけでも結構な税金よぉ~」
おおぅ。税金取られてもあの貯金なのか。やばいね。
「でもぉ☆リーシャちゃんの魔道具については現在無税なのぉ」
ふぁ?
「開発者特権があるのよぉ~、国のためになる魔道具に対しての褒賞みたいなものねぇ」
ほー!税金無しでの貯金ならちょっと安心。
税金抜かれてのあの金額ってもうえげつなくて。魔道具でどんだけ荒稼ぎしてるのかと思っちゃった。いや、十分荒稼ぎだけど。
「ちなみにグレーデンの税率はは王命を発したことで向こう十年は半分なのぉ」
ほえー!そこまでして私を保護させたかったんだ。ありがたいね。
「ふふふ、リーシャちゃんがジュリアスとうまくやってくれてるだけでもありがたいし、リーシャちゃんがこのグレーデンに与えてくれた変化に対しても十分ありがたいから、税金くらい払っても全然損はないんだけどねぇ?でも下げてくれるって陛下が一度決めたことは覆せないから、他で還元すればいいわねぇ♡」
うひー。
私の貯金は人にために使わないと。
「ま、うちの騎士が楽々やってる討伐も他所では命懸けな大仕事よぉ。うちが大儲けしたって他所は被害を受けないだけで十分恩恵を受けてるのだからぁ、税率の優遇程度で申し訳なく思うこともないわぁ」
楽々だって怪我とか色々心配だし、大変は大変だから、辺境任せじゃなくてそれぞれ騎士団を鍛えてほしいものだよ。
「大奥様、リーシャさま、連絡が入りました。ほぼ討伐を終了、残りは各部隊が処理に向かうとのことです」
外から騎士さんが入ってきて報告してくれた。魔法鳥かな。
「じゃぁ、夕食の準備に取り掛かって頂戴」
お義母さまが侍従さんたちにバーベキューセットの用意の再開を指示。
「離れの方に行っても大丈夫かしら?」
アランとジェイクに聞くとまだダメだって。
「ケビンたちに出して良い分を運んでもらいましょう」
自分で行かなくても良いのは確かなので頷いた。
庭には出て良いそうなのでニーナと一緒にバーベキューセットが組まれている庭に出た。
「そこ、焼き場増やそう」
「門外も出すか?」
「そうだな、広げるだけ広げるぞ」
騎士さんも使用人棟の人たちも全員参加くらいの規模らしくて、急ピッチで焼き窯も設置してる。
既にブロックになったお肉が焼き場に運ばれてきて、コックさんがハーブを練り込んで窯に入れてたり。
大きな足部分を丸焼き台に引っ掛けてる。
一体丸々の丸焼きができないので部分焼きだけど、私よりデカいんだよ。お肉。
お肉屋さんで吊るされた牛肉の映像そのものだよ。
お野菜も外から運ばれてきた。巨大とうもろこしキターーー!!!
「屋敷周りは一般の者は来れませんが各村にお肉や酒が配られてますんで似たような騒ぎになってますよ」
運んできたコックさんが嬉しそうに野菜を切っていく。
「リーシャ!!!」
空が一瞬曇ったと思ったら空からアンゼリカさまが降ってきた。
「久しぶりだな!戻ったぞ」
「お帰りなさい」
アンゼリカさまが乗ってきたワイバーンは他のワイバーンに乗っている女騎士さんと厩舎の方に飛んで行ったよ。
「途中で入れ食いだったから楽しかったぞ」
んー、楽しいって言えちゃうアンゼリカさま、かっこよ過ぎ。
「珍しいのがいたからリーシャの魔道具に良いんじゃないかと避けておいたんだ!」
嬉しそうにマジックバッグから出した獲物は多分ほとんどの女性は泣く。
(ぎゃっーっっっっ!)
十メートル近いタマムシ色のカマキリ?と五メートルはありそうなオレンジ色のクワガタ?微妙に知ってる形と違うけど。
飛行系の魔獣に入ってるんだこれ。
「皮が硬いから防具や壁に使えそうだろう?」
良い笑顔で言われれば、嬉しく受け取るしかないわけで。
「あとで解体してもらわなきゃ・・・」
「ん?肉は食えるぞ。解体してやろう」
(ぎゃっーーーーーー)
何肉なの!
「おっアンゼリカさま、レアっすね!」
みんなが羨ましげに見るので良い物みたい。
「解体手伝ってくれ」
「はいよ」
「了解っす」
目の前で分解されちゃったよ。
もしかしたらカブトムシやスズムシ、黒光りも巨大なんだろうか。
出来れば素材になってても扱うのご勘弁いただきたいなぁ。
381
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる