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二章
428話
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おやつ時を過ぎてもまだ咆哮が続いてる。
見える範囲では戦闘してないので、外の会話とワイバーン?の雄叫びと魔獣?の絶叫とかで状況を想像するしかない。
たまに旋回してるワイバーンが見えるので広範囲なんだろうなって。
近くは大丈夫そうなので外に出たいけど、アランとジェイクがダメだって。
仕方ないのでリックさまが置いていった基金関係の文書と報告を読んでる。
「ギョェエエエエーーーー」
こんなの集中できないって。
でもお義母さまは返信を書いたり、ダメ相手の名を控えたり猛スピードで目と手を動かしてる。
いつか私の仕事になった時こなしていけるかな。
途中でニーナがお茶やおやつを出してくれる。お菓子はほとんどパン作りに飽きたポムとティムが食べてる。
ニーナも時折り窓も向こうを見てる。ちゃんとルークを心配する関係に育ってるんだなぁ。寂。
外ので騒ぎに変化があった。
「解体部隊集合ー!!!」
厨房にいたコックさんたちが「応!」って出ていった。
ダンが「討伐した魔獣を空き地に集めてあるから一気にサバくんです」って教えてくれた。
一気に・・・。
「素材の収入もあるんで今期のグレーデンは国で一番の納税ですね」
ウッヒョー!税金!!いやんな響き。
辺境は王都貴族より税率が低いのに一番ってかなりの収益だね。
「うふふ、ダン、リーシャちゃんの稼ぎだけでも結構な税金よぉ~」
おおぅ。税金取られてもあの貯金なのか。やばいね。
「でもぉ☆リーシャちゃんの魔道具については現在無税なのぉ」
ふぁ?
「開発者特権があるのよぉ~、国のためになる魔道具に対しての褒賞みたいなものねぇ」
ほー!税金無しでの貯金ならちょっと安心。
税金抜かれてのあの金額ってもうえげつなくて。魔道具でどんだけ荒稼ぎしてるのかと思っちゃった。いや、十分荒稼ぎだけど。
「ちなみにグレーデンの税率はは王命を発したことで向こう十年は半分なのぉ」
ほえー!そこまでして私を保護させたかったんだ。ありがたいね。
「ふふふ、リーシャちゃんがジュリアスとうまくやってくれてるだけでもありがたいし、リーシャちゃんがこのグレーデンに与えてくれた変化に対しても十分ありがたいから、税金くらい払っても全然損はないんだけどねぇ?でも下げてくれるって陛下が一度決めたことは覆せないから、他で還元すればいいわねぇ♡」
うひー。
私の貯金は人にために使わないと。
「ま、うちの騎士が楽々やってる討伐も他所では命懸けな大仕事よぉ。うちが大儲けしたって他所は被害を受けないだけで十分恩恵を受けてるのだからぁ、税率の優遇程度で申し訳なく思うこともないわぁ」
楽々だって怪我とか色々心配だし、大変は大変だから、辺境任せじゃなくてそれぞれ騎士団を鍛えてほしいものだよ。
「大奥様、リーシャさま、連絡が入りました。ほぼ討伐を終了、残りは各部隊が処理に向かうとのことです」
外から騎士さんが入ってきて報告してくれた。魔法鳥かな。
「じゃぁ、夕食の準備に取り掛かって頂戴」
お義母さまが侍従さんたちにバーベキューセットの用意の再開を指示。
「離れの方に行っても大丈夫かしら?」
アランとジェイクに聞くとまだダメだって。
「ケビンたちに出して良い分を運んでもらいましょう」
自分で行かなくても良いのは確かなので頷いた。
庭には出て良いそうなのでニーナと一緒にバーベキューセットが組まれている庭に出た。
「そこ、焼き場増やそう」
「門外も出すか?」
「そうだな、広げるだけ広げるぞ」
騎士さんも使用人棟の人たちも全員参加くらいの規模らしくて、急ピッチで焼き窯も設置してる。
既にブロックになったお肉が焼き場に運ばれてきて、コックさんがハーブを練り込んで窯に入れてたり。
大きな足部分を丸焼き台に引っ掛けてる。
一体丸々の丸焼きができないので部分焼きだけど、私よりデカいんだよ。お肉。
お肉屋さんで吊るされた牛肉の映像そのものだよ。
お野菜も外から運ばれてきた。巨大とうもろこしキターーー!!!
「屋敷周りは一般の者は来れませんが各村にお肉や酒が配られてますんで似たような騒ぎになってますよ」
運んできたコックさんが嬉しそうに野菜を切っていく。
「リーシャ!!!」
空が一瞬曇ったと思ったら空からアンゼリカさまが降ってきた。
「久しぶりだな!戻ったぞ」
「お帰りなさい」
アンゼリカさまが乗ってきたワイバーンは他のワイバーンに乗っている女騎士さんと厩舎の方に飛んで行ったよ。
「途中で入れ食いだったから楽しかったぞ」
んー、楽しいって言えちゃうアンゼリカさま、かっこよ過ぎ。
「珍しいのがいたからリーシャの魔道具に良いんじゃないかと避けておいたんだ!」
嬉しそうにマジックバッグから出した獲物は多分ほとんどの女性は泣く。
(ぎゃっーっっっっ!)
十メートル近いタマムシ色のカマキリ?と五メートルはありそうなオレンジ色のクワガタ?微妙に知ってる形と違うけど。
飛行系の魔獣に入ってるんだこれ。
「皮が硬いから防具や壁に使えそうだろう?」
良い笑顔で言われれば、嬉しく受け取るしかないわけで。
「あとで解体してもらわなきゃ・・・」
「ん?肉は食えるぞ。解体してやろう」
(ぎゃっーーーーーー)
何肉なの!
「おっアンゼリカさま、レアっすね!」
みんなが羨ましげに見るので良い物みたい。
「解体手伝ってくれ」
「はいよ」
「了解っす」
目の前で分解されちゃったよ。
もしかしたらカブトムシやスズムシ、黒光りも巨大なんだろうか。
出来れば素材になってても扱うのご勘弁いただきたいなぁ。
見える範囲では戦闘してないので、外の会話とワイバーン?の雄叫びと魔獣?の絶叫とかで状況を想像するしかない。
たまに旋回してるワイバーンが見えるので広範囲なんだろうなって。
近くは大丈夫そうなので外に出たいけど、アランとジェイクがダメだって。
仕方ないのでリックさまが置いていった基金関係の文書と報告を読んでる。
「ギョェエエエエーーーー」
こんなの集中できないって。
でもお義母さまは返信を書いたり、ダメ相手の名を控えたり猛スピードで目と手を動かしてる。
いつか私の仕事になった時こなしていけるかな。
途中でニーナがお茶やおやつを出してくれる。お菓子はほとんどパン作りに飽きたポムとティムが食べてる。
ニーナも時折り窓も向こうを見てる。ちゃんとルークを心配する関係に育ってるんだなぁ。寂。
外ので騒ぎに変化があった。
「解体部隊集合ー!!!」
厨房にいたコックさんたちが「応!」って出ていった。
ダンが「討伐した魔獣を空き地に集めてあるから一気にサバくんです」って教えてくれた。
一気に・・・。
「素材の収入もあるんで今期のグレーデンは国で一番の納税ですね」
ウッヒョー!税金!!いやんな響き。
辺境は王都貴族より税率が低いのに一番ってかなりの収益だね。
「うふふ、ダン、リーシャちゃんの稼ぎだけでも結構な税金よぉ~」
おおぅ。税金取られてもあの貯金なのか。やばいね。
「でもぉ☆リーシャちゃんの魔道具については現在無税なのぉ」
ふぁ?
「開発者特権があるのよぉ~、国のためになる魔道具に対しての褒賞みたいなものねぇ」
ほー!税金無しでの貯金ならちょっと安心。
税金抜かれてのあの金額ってもうえげつなくて。魔道具でどんだけ荒稼ぎしてるのかと思っちゃった。いや、十分荒稼ぎだけど。
「ちなみにグレーデンの税率はは王命を発したことで向こう十年は半分なのぉ」
ほえー!そこまでして私を保護させたかったんだ。ありがたいね。
「ふふふ、リーシャちゃんがジュリアスとうまくやってくれてるだけでもありがたいし、リーシャちゃんがこのグレーデンに与えてくれた変化に対しても十分ありがたいから、税金くらい払っても全然損はないんだけどねぇ?でも下げてくれるって陛下が一度決めたことは覆せないから、他で還元すればいいわねぇ♡」
うひー。
私の貯金は人にために使わないと。
「ま、うちの騎士が楽々やってる討伐も他所では命懸けな大仕事よぉ。うちが大儲けしたって他所は被害を受けないだけで十分恩恵を受けてるのだからぁ、税率の優遇程度で申し訳なく思うこともないわぁ」
楽々だって怪我とか色々心配だし、大変は大変だから、辺境任せじゃなくてそれぞれ騎士団を鍛えてほしいものだよ。
「大奥様、リーシャさま、連絡が入りました。ほぼ討伐を終了、残りは各部隊が処理に向かうとのことです」
外から騎士さんが入ってきて報告してくれた。魔法鳥かな。
「じゃぁ、夕食の準備に取り掛かって頂戴」
お義母さまが侍従さんたちにバーベキューセットの用意の再開を指示。
「離れの方に行っても大丈夫かしら?」
アランとジェイクに聞くとまだダメだって。
「ケビンたちに出して良い分を運んでもらいましょう」
自分で行かなくても良いのは確かなので頷いた。
庭には出て良いそうなのでニーナと一緒にバーベキューセットが組まれている庭に出た。
「そこ、焼き場増やそう」
「門外も出すか?」
「そうだな、広げるだけ広げるぞ」
騎士さんも使用人棟の人たちも全員参加くらいの規模らしくて、急ピッチで焼き窯も設置してる。
既にブロックになったお肉が焼き場に運ばれてきて、コックさんがハーブを練り込んで窯に入れてたり。
大きな足部分を丸焼き台に引っ掛けてる。
一体丸々の丸焼きができないので部分焼きだけど、私よりデカいんだよ。お肉。
お肉屋さんで吊るされた牛肉の映像そのものだよ。
お野菜も外から運ばれてきた。巨大とうもろこしキターーー!!!
「屋敷周りは一般の者は来れませんが各村にお肉や酒が配られてますんで似たような騒ぎになってますよ」
運んできたコックさんが嬉しそうに野菜を切っていく。
「リーシャ!!!」
空が一瞬曇ったと思ったら空からアンゼリカさまが降ってきた。
「久しぶりだな!戻ったぞ」
「お帰りなさい」
アンゼリカさまが乗ってきたワイバーンは他のワイバーンに乗っている女騎士さんと厩舎の方に飛んで行ったよ。
「途中で入れ食いだったから楽しかったぞ」
んー、楽しいって言えちゃうアンゼリカさま、かっこよ過ぎ。
「珍しいのがいたからリーシャの魔道具に良いんじゃないかと避けておいたんだ!」
嬉しそうにマジックバッグから出した獲物は多分ほとんどの女性は泣く。
(ぎゃっーっっっっ!)
十メートル近いタマムシ色のカマキリ?と五メートルはありそうなオレンジ色のクワガタ?微妙に知ってる形と違うけど。
飛行系の魔獣に入ってるんだこれ。
「皮が硬いから防具や壁に使えそうだろう?」
良い笑顔で言われれば、嬉しく受け取るしかないわけで。
「あとで解体してもらわなきゃ・・・」
「ん?肉は食えるぞ。解体してやろう」
(ぎゃっーーーーーー)
何肉なの!
「おっアンゼリカさま、レアっすね!」
みんなが羨ましげに見るので良い物みたい。
「解体手伝ってくれ」
「はいよ」
「了解っす」
目の前で分解されちゃったよ。
もしかしたらカブトムシやスズムシ、黒光りも巨大なんだろうか。
出来れば素材になってても扱うのご勘弁いただきたいなぁ。
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