434 / 710
二章
423話
しおりを挟む翌日もそのまた次の日も温泉スパの工事に。
フードコートはコックさんが日替わりでアレンジ料理を出すことになったんだって。
ちょっとそれは食べたい。
騎士団の方に付けてないからビールサーバーとかは無しにした。
お酒関連は、宿とかのおもてなし優先だ。
あ、使用人棟の食堂にはちゃんとお酒も出るよ。
温泉スパは評判と言うか騎士さんたちが別の場所に配属されている騎士さんに自慢する感じで領内に知れ渡っていった。
騎士団本部だけズルい~ってなもんでお義父さまがお祖父様たち連れて各地回ってくれて、とにかくサウナと岩盤浴をって。
岩盤浴用の魔法陣を小型化して分割式に変えて他の魔導師さんが作れるようになった。
ここまで一ヶ月、あっという間にディゴーやヘルン、アッガス、ジェイデンと各地に温泉宿とスパが出来た。
急ぎすぎぃ!
貴族向けはジェイデンとアッガスになった。
カイダールの方は着々と進めているもののグレーデンほどのせっかちさはないのでやっと土台が出来たくらい。
普通そうだよね。
ただ建築にはグレーデンから人員を送ってるので軌道に乗ったらすぐだ。
そんなわけでグレーデンの来賓用別邸の近くに私のためのお宿の建設が始まった。
ここは電気とかジェットは無しで露天風呂、薬湯くらい。
ポムにドゴーンと穴掘って貰った。
運良く別邸周りに湯源があっってラッキーだったよ。
和風な感じでと思ったらどことなく中国っぽくもなった気がする。
紅い壁は誰がやった!?
お庭は禅な感じ。石庭と池に鹿威し。
竹垣にしてもらったよ。
広さは、んー?どうかな。それなりには広い。常に侍従侍女が追従してるわけだからこじんまりは無理だし。
室内は畳は無理だったから板張りだ。
んーー、なんだろ。コレジャナイ感。
いつか畳にしてリベンジすべきかな。
錬金術でやっても良いけど、今はいいや。
お風呂とゆったり縁側で庭を見て過ごせるのが出来るからヨシ!!
松の木っぽいのとか苔は用意できたし、庭の池に睡蓮もどきも植えた。
金魚や鯉は無理だったのでいつか小さめのお魚をゲットしたら考えよう。
菖蒲や桔梗っぽいのがあればいいなぁ。
露草も好き。
「プッキュン」
「モッキュン」
ポムとティムとディディエが石庭の波紋をぐしゃっとして遊んでいる。
日本風な庭園にポムとティムとアズライトがいるのは妙だなぁ。
そしてアズライトは少し大きくなって池でくつろいでる。
ドラゴンが日本っぽい池にいるのもどうだ。
コモドオオトカゲはアリ?
「リーシャさま、変わった建物が好みなんですね」
まぁそうね。謎な建物だよ。
間仕切りが襖だしねぇ。
欄間は私が錬金術でやった。センスはないのでこんなもんかって感じ。仕方なし。
私用の建物だけど別に希望があれば使って貰って構わない。
すでにお義父さまたちは予約してる。
そうなるとおもてなし料理とかこだわりたくなるから困るね。
懐石とかまではさすがに作れないのでそれっぽいメニューを思い出してレシピノートを書いた。
昔懐かしいオレンジの瓶ジュースとか置きたくなる。あ、高級な旅館にはないかな。
露天風呂の一つにに滝が落ちる岩山を作ってみたの。紅葉とか欲しいな。
あ、桜や藤とかもいいかも。
でも毛虫とか出たら泣くな。
ふんふんと唸ってたらジュリアスさまとルークがいた。
「リーシャ、もう完成か?」
お仕事を切り上げて見にきてくれたんだって。
「そうですね。あとで木とか花が追加できれば良いかなって」
「そうか。趣きのある建物だ」
ジュリアスさまがグルッと見回して楽しそうに目を細めてる。
ジャスパーはすでにポムたちと石庭で小石をザバーッとズラして遊んでる。
屋内を見たいとのことなのでまだ何も家具が入ってない部屋を見せて歩く。
「この仕切りで部屋を分けるのか?」
「分けるというよりは区切り?目隠しみたいな感じです」
いつも侍従侍女、護衛がいるから、この世界では襖は人目を隔てる感じだね。
寝室はお泊まり用にお布団とかしたい気もするけど、ベッドが便利なのは確かなので板張りなことだし、ちょっとレトロな家具でいいかな。
「なるほど」
さすがに卓袱台や座椅子はいらないかな。
雰囲気だけ和風だ。
ちなみにおトイレは和式じゃないよ!洋式でもないか。そこはまぁ秘密だね。
「アズライトは何をしているんだ?」
「昼寝?」
池でまったりと微睡んでるだけだと思う。
「居心地がいいのか?」
どうだろう。出来立ての感じが良いのかな?
ジュリアスさまは鹿威しとか露天の滝を見て楽しそうにしている。
鹿威しがカポーンとなったらビクッとして、そのあと水が落ちる様子をじっくり観察してた。可愛い。
ルークは石庭に興味を持ったので石で模様?波紋かな?を描いて風情お楽しむって教えたら、ポムたちをアズライトの元に置いて戻ってきてレーキでジャリジャリやり始めた。
岩とか石はもう置いちゃってるからダメだけど、好きなようにやって良いよ。
って言っても枯山水とか一般的なのしか知らないから教えられないんだもん。
しっかし、ニーナもルークも仕事モードだと甘い雰囲気ないんだね。
そんなしっかりオンオフわけなくても良いのに。
「ルークは無心になれるのが好きなんだよ」
ジュリアスさまがルークを生暖かく見てた。
375
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる