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二章
423話
しおりを挟む翌日もそのまた次の日も温泉スパの工事に。
フードコートはコックさんが日替わりでアレンジ料理を出すことになったんだって。
ちょっとそれは食べたい。
騎士団の方に付けてないからビールサーバーとかは無しにした。
お酒関連は、宿とかのおもてなし優先だ。
あ、使用人棟の食堂にはちゃんとお酒も出るよ。
温泉スパは評判と言うか騎士さんたちが別の場所に配属されている騎士さんに自慢する感じで領内に知れ渡っていった。
騎士団本部だけズルい~ってなもんでお義父さまがお祖父様たち連れて各地回ってくれて、とにかくサウナと岩盤浴をって。
岩盤浴用の魔法陣を小型化して分割式に変えて他の魔導師さんが作れるようになった。
ここまで一ヶ月、あっという間にディゴーやヘルン、アッガス、ジェイデンと各地に温泉宿とスパが出来た。
急ぎすぎぃ!
貴族向けはジェイデンとアッガスになった。
カイダールの方は着々と進めているもののグレーデンほどのせっかちさはないのでやっと土台が出来たくらい。
普通そうだよね。
ただ建築にはグレーデンから人員を送ってるので軌道に乗ったらすぐだ。
そんなわけでグレーデンの来賓用別邸の近くに私のためのお宿の建設が始まった。
ここは電気とかジェットは無しで露天風呂、薬湯くらい。
ポムにドゴーンと穴掘って貰った。
運良く別邸周りに湯源があっってラッキーだったよ。
和風な感じでと思ったらどことなく中国っぽくもなった気がする。
紅い壁は誰がやった!?
お庭は禅な感じ。石庭と池に鹿威し。
竹垣にしてもらったよ。
広さは、んー?どうかな。それなりには広い。常に侍従侍女が追従してるわけだからこじんまりは無理だし。
室内は畳は無理だったから板張りだ。
んーー、なんだろ。コレジャナイ感。
いつか畳にしてリベンジすべきかな。
錬金術でやっても良いけど、今はいいや。
お風呂とゆったり縁側で庭を見て過ごせるのが出来るからヨシ!!
松の木っぽいのとか苔は用意できたし、庭の池に睡蓮もどきも植えた。
金魚や鯉は無理だったのでいつか小さめのお魚をゲットしたら考えよう。
菖蒲や桔梗っぽいのがあればいいなぁ。
露草も好き。
「プッキュン」
「モッキュン」
ポムとティムとディディエが石庭の波紋をぐしゃっとして遊んでいる。
日本風な庭園にポムとティムとアズライトがいるのは妙だなぁ。
そしてアズライトは少し大きくなって池でくつろいでる。
ドラゴンが日本っぽい池にいるのもどうだ。
コモドオオトカゲはアリ?
「リーシャさま、変わった建物が好みなんですね」
まぁそうね。謎な建物だよ。
間仕切りが襖だしねぇ。
欄間は私が錬金術でやった。センスはないのでこんなもんかって感じ。仕方なし。
私用の建物だけど別に希望があれば使って貰って構わない。
すでにお義父さまたちは予約してる。
そうなるとおもてなし料理とかこだわりたくなるから困るね。
懐石とかまではさすがに作れないのでそれっぽいメニューを思い出してレシピノートを書いた。
昔懐かしいオレンジの瓶ジュースとか置きたくなる。あ、高級な旅館にはないかな。
露天風呂の一つにに滝が落ちる岩山を作ってみたの。紅葉とか欲しいな。
あ、桜や藤とかもいいかも。
でも毛虫とか出たら泣くな。
ふんふんと唸ってたらジュリアスさまとルークがいた。
「リーシャ、もう完成か?」
お仕事を切り上げて見にきてくれたんだって。
「そうですね。あとで木とか花が追加できれば良いかなって」
「そうか。趣きのある建物だ」
ジュリアスさまがグルッと見回して楽しそうに目を細めてる。
ジャスパーはすでにポムたちと石庭で小石をザバーッとズラして遊んでる。
屋内を見たいとのことなのでまだ何も家具が入ってない部屋を見せて歩く。
「この仕切りで部屋を分けるのか?」
「分けるというよりは区切り?目隠しみたいな感じです」
いつも侍従侍女、護衛がいるから、この世界では襖は人目を隔てる感じだね。
寝室はお泊まり用にお布団とかしたい気もするけど、ベッドが便利なのは確かなので板張りなことだし、ちょっとレトロな家具でいいかな。
「なるほど」
さすがに卓袱台や座椅子はいらないかな。
雰囲気だけ和風だ。
ちなみにおトイレは和式じゃないよ!洋式でもないか。そこはまぁ秘密だね。
「アズライトは何をしているんだ?」
「昼寝?」
池でまったりと微睡んでるだけだと思う。
「居心地がいいのか?」
どうだろう。出来立ての感じが良いのかな?
ジュリアスさまは鹿威しとか露天の滝を見て楽しそうにしている。
鹿威しがカポーンとなったらビクッとして、そのあと水が落ちる様子をじっくり観察してた。可愛い。
ルークは石庭に興味を持ったので石で模様?波紋かな?を描いて風情お楽しむって教えたら、ポムたちをアズライトの元に置いて戻ってきてレーキでジャリジャリやり始めた。
岩とか石はもう置いちゃってるからダメだけど、好きなようにやって良いよ。
って言っても枯山水とか一般的なのしか知らないから教えられないんだもん。
しっかし、ニーナもルークも仕事モードだと甘い雰囲気ないんだね。
そんなしっかりオンオフわけなくても良いのに。
「ルークは無心になれるのが好きなんだよ」
ジュリアスさまがルークを生暖かく見てた。
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