ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

422話

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 食堂ではすでにポムとティムが席に陣取って、マルゴさんたちと盛り上がってた。
「お、聞いてくれるか。ポムがこの実をくれたんだがこれはどう食べるのか知っているか?」
 ・・・もしかして以前見つけた時とかにマジックバッグに入れてたのかな。
 いやまさかウチの畑に育ててるとか!?

「えーと・・・朝食の後に外で丸焼きか生で切って食べるのが良いかな?」
「ん!?外で食べるものなのか?」
「屋敷の中で切り分けたら多分、ハロルドとルルゥが怒るかなぁ?」
「ほー?ならあとで外で食べようか」
 ポムとティムが喜んでるんだけど、実は好物なの?なら悪いことしたかな。
 出来ればだいぶ離れてやってね。

「リーシャ、あれって・・・」
「味は悪くないみたいですよ。私はちょっとアレですけど」
「食べてみたいなら止めませんがすぐにお仕事に出かけた方が良いかなって思います」
 ジュリアスさまとこそこそ内緒話しちゃった。

 朝食はいつものように賑やかだったけど、後のお楽しみが私をドキドキさせる。

 ジュリアスさまたちをお見送りすると、お義父さまとお祖父様たちがワクワク顔で待ってる。

 これって同席しないとダメなヤツ・・・。
 AT○ィールド張るしかないやつ。

「じゃぁ、裏の奥の方いきましょうか」
「ん?裏に何かあるのか?」
 
 お家に近いとこは嫌です。 

 ポムとティムちょっとディディエがウキウキとマルゴさんとザイルさんに登ってジャンプしてる。

 アズライトは私の肩に乗ってるんだけど、
『アレは臭いんじゃったかの。だが我は丸呑みじゃから問題ないのじゃの』
 ええ~、喉に引っかからない?

 裏の限りなく屋敷から離れて風向きが外に向かってる場所まで行った。

「ここなら良いかな。一個は丸焼きして、もう一個は机の上でくし切りにしてください」
 私は触らないよ!!

 なぜかルルゥが付いてきた。臭いって情報は知ってるはずなのに。

「うふふ、前は日和っちゃったけどみんなで食べるって言うんなら試すわぁ!お残しは許されないからチャンスは逃さないわよぉ~」
 なんてチャレンジャーなんだ。

 怖いもの知らずは好きにしたら良いけど、巻き込まれは泣いちゃう。

 ルルゥが火を起こしてお肉丸焼きの要領で焼く。一個って言ったのにいっぱい焼く。
 知らないよ!前に食べるの!?付き合わないよ。

 焼いてる間に切り分ける。

 私は咄嗟にニーナとアランとジェイクを側に呼んで〈遮断〉魔法を使った。初めてだったけど上手く行ってよかった。

 案の定匂いで悶絶してる。
 お義父さまとお祖父様がそっくりなポーズで撃沈してるし、切り分けたルルゥが手の匂いを嗅いで絶望してる。
 ビニール手袋欲しかったね。
 〈洗浄〉かけても周りが臭うからわけわかんないみたい。

「こりゃくっさいな、食えるんか?」
「プッキュ」
「モッキュ」
 ポムたちも「くっさぁ」って倒れる真似してるけどあれは遊んでるヤツだ。

「まぁ食えるもんは食う」
「そうだな」
「試そうかね」
 前向きなチャレンジャーたちが一口。

「うん、クリーミー」
「癖は強いが好きな味だ」
「結構イケる」

 マジか。

 ポムたちが頬袋にパンパンに貯めてる。発酵したらどうすんだ。

「焼けたわぁ」
 皮が真っ黒になったドリアンを切り分ける。
 
「ほぅ、芋っぽい」
「生より食べやすいかもね」
「美味しいぞぅ」

 なんか気に入っちゃったぞ。食卓に出てきちゃうのはやだな。

「でもこの匂いは確かに外じゃないとダメねぇ☆」
「そうだな。バーベキューの時とかなら良いか」

 食に貪欲すぎる。
 ジェイクが食べたそうにしてるので出て良いよって出したら「うっ」って悶えつつ一口。
 匂いが無理だったみたい。一口でやめたけどこっちに戻るの禁止!!

「アランは?」
「色々美味しいの食べれてるんで冒険はしなくて良いです」
 なるほど。
「リーシャさま、私は試してみます」
 ニーナが行ってしまった。
 これは予想外だ。
 多分ポムとティムの様子に誘われたの。

「アズライトは良いの?」
『甘いのよりはパバブが良いの』
 ブレなかった。

 なぜかハイテンションになってたくさん食べ始めちゃったので巻き込まれないようにそっと気配を消すよ。

「くっさ」
「プッキュ!」
 お互いの口の匂いで遊ぶんじゃないの。

 満足するまで食べてやっと片付けた。
 アレが無くなってもまだ匂ってる。

「ふぅ!では仕事に行くかのぉ」

 使用人棟の横の空き地にはすでに基礎工事が終わってデデーンと大きめな建物な二階建てが立っていた。
 
「男と女で階をわけたのじゃ」
 
 なるほど。

「騎士団の方と同じように進めてあるが何か試したいことはあるかの」
「特には?」

 ん、〈洗浄〉したとは言えほんのり匂いが。
 胃の中まではかき消せないね。吐息でねっと。

お祖父様たちは壁などの工事を。お義父さまと私は魔道具の設置を着々と進めた。

 そして岩盤浴の床面は一気に魔法陣を書き込んで。石は鉱石と魔石と岩を錬成して嵌め込んで行く。
 多少の手入れは必要だけど、カビとかを防いでヌルつかないように〈自動洗浄〉を仕込む。大掛かりな掃除はしなくて済む。
 〈疲労回復〉効果も付与。

 これでお仕事の疲れは癒やされるはず。

 サウナもバッチリだし、男女ともによもぎ蒸しも出来るようにした。
 
 フードコートとかは明日かな。

 大掛かりな工事にニーナが唖然としてる。
「話は聞いていましたがすごいですね」
 数日でほとんど出来上がる規模じゃないもんね。

「リーシャさま、一人で根を詰めてはダメですよ」
 ニーナストップは今も厳しそうだ。






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